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As the lion in our teargarten1894年開業のイギリスの喫茶店Lyons tea roomsが仄めかされる。1909年にはLyons Corner Houseとしてレストランへと展開した。ドイツ語でTiergartenは「動物園」。 remembers the nenupharsnenupharはフランス語由来の英語で、スイレンのこと(一般的にはwater liliesと呼ばれる)。サンスクリット語で「青」を意味するnīlと「蓮」を意味するtpalaからなるnīlōtpalaを語源とする。 of his Nile (shall Ariuz3世紀から4世紀にかけてのアレクサンドリアの異端者アリウス(Arius)。キリストは神が創造し、聖霊はキリストが創造したと説き、三位一体の実体共在説(consubstantiality)を否定した。アリウスの教義は325年のニカイア公会議で異端とされた。他に、アルメニア語でariudz(առյուծ)は「ライオン」。 forget Arioun or Boghas‘Arioun’は、古代ギリシアの詩人アリオンか。海賊に誘拐されてイルカに救われたという伝説で有名で、詩作の他に音楽でも功績を残した。‘Boghas’は、ローマ神話の神バッコスを指していると思われるが、英語でbog has「沼が持っている」と読めば、オファリー県のクロウハン丘から出土されたOld Croghan Manを想起させる。なお、アルメニア語でariun(արյուն)は「血」、Poghos(Պողոս)は「パウロ」。 the baregamsアルメニア語でbaregam(բարեկամ)は「友だち」。また、英語のスラングでgamは「脚」なので、bare gamsで「裸脚」。 of the Marmarazalles from Marmeniere?第1次世界大戦中のイギリス軍歌‘Mademoseille from Armentières’のパロディ(♬)。‘Mademoiselle from Armentieres / She hasn’t been kissed in forty years, / Hinky, dinky, parley-voo’. ジョイスは歌詞中の「アルマンティエール」を「マ(ア)ルメニア」に変えている。他に、アルメニア語で「官能的な」を意味するmarmnaser(մարմնասէր)や、古代ギリシア語で「小さな玉」「おはじき」を意味するμάρμαρος、そしてドイツ語で「すべて」を意味するallesが混ざる。) it may be, tots wearsenseオランダ語でtot weerziensは「また会う日まで」すなわち「さらば」。また、オランダ語でweerzinは「嫌悪」「反感」。英語方言でtotは「とても小さい杯」「少量(の酒)」、ドイツ語でTotは「死」。 full a naggin in twentygアイルランド英語でnagginは「マグカップ」「4分の1パイント」、古風な英語でtygは「取っ手が2つ以上ある陶製酒杯」。これらの語に、オランダ語で「29」を意味するnegen en twintigがかかる。 have sigilpostedチューリッヒの中央郵便局‘Sihlpost’や、オランダ語で「郵便切手」を意味するpostzegelに、手紙の封筒を留めるための魔法円や印章「シジル」(sigil)がかかる。シジルが記録されている例として、悪霊の召喚と使用方法が記されているとされるグリモワールの『レメトゲン』『ソロモンの小さな鍵』が挙げられる。 what in our brievingbustオランダ語でbrievenbusは「郵便ポスト」。, the besiegedドイツ語でbesiegtは「負けた」、der Besiegteは「敗者」。 bedreamt him stil and solely英語のstillとも読めるが、オランダ語でstilは「静かな」。 of those lililiths undeveiledアダムの最初の妻リリスが仄めかされる。他に、新約聖書「マタイによる福音書」6:28の「なぜ、着物のことで思いわずらうのか。野の花がどうして育っているか、考えて見るがよい。働きもせず、紡ぎもしない」という記述にある「野の花」は、英語では‘lilies of the field’と訳される。日々の労働や細々とした悩み事に我を忘れている人への慰めと戒めの章。こうした含意を持つ‘lililiths’が、19世紀のロシア(現ウクライナ)出身の神智学者ヘレナ・P・ブラヴァツキーの主著『ヴェールを取ったイシス』(Isis Unveiled)とかかっている。ちなみに、若きジョイスは神智学(theosophy)に興味を示していた。 which had undone him, gone for age古風な英語でayeは「永遠に」という意味なので、「永遠に去った」くらいか。, and knew not the watchful treachers at his wake, and theirs to stay. Fooi, fooi,『ウェイク』に何度か出てくる風の音‘Fiat, Fuit’の亜種。創世記の「光あれと言い、光があった」(Fiat lux et lux fuit)という言い回しを縮めたうえで、オランダ語で「チップ」を意味するfooiに置き換えたと考えられる。ラテン語でfuiは「私はもう終わりだ」、イタリア語でfuggi!は「逃げろ!」。 chamermissies!ジョイスの恋歌集Chamber Music(日本では左川ちかが『室楽』として和訳した。なお、よく「室内楽」と訳されるが、chamberには便器を意味するchamber potも響くため、スカトロジカルな一工夫がほしい)に、オランダ語で「侍女」を意味するkamermeisjeがかかる。 Zeepyzoepy, larcenlads!‘Zeepyzoepy’は、オランダ語のzeepsop「石鹸の泡」とsoep「スープ」、古代ギリシア語のζωή「生命」の鞄語。‘larcenlads’は、「靴棚」「靴箱」を意味するオランダ語laarzenladeと英語の「少年たち」(lads)の鞄語。 Zijnzijn Zijnzijn!オランダ語のzijn「有る」「彼の〜」に、アラブ世界やイスラム教の魔神Djinnがかかる。 It may be, we moest ons hasten selves te declareer it,オランダ語でwe moisten ons haastenは「私たちは急がなければならない」の意。また、オランダ語のteは英語のtoに相当する前置詞。したがって、‘we must hurry to declare it’と読める。 that he reglimmed?古風な英語でglimは「灯火」や「目」を意味する名詞。これが動詞化され、「再」を意味する接頭辞re-が付されていると考えられる。 presaw? the fields of heat and yields of wheat where corngold Ysit?歴史哲学者ジャンバティスタ・ヴィーコの『新たな学問の原理』には「ギリシア初期の貧しく質素な人びとの金(きん)は、実は麦だった」という記述がある。この記述に、「トウモロコシ少女が座る」(corn girl sit)という英語が混ざり、さらに「イゾルデ(イシー)」がかかっていると思われる(イゾルデの髪はトウモロコシの毛(cornsilk)のようにやわらかくしなやかだったと言われている)。加えて、バイロンの詩‘The Isles of Greece’の冒頭部分‘The Isles of Greece, the isles of Greece! / Where burning Sappho loved and sung’も仄めかされているかもしれない。 shamed and shone. It may be, we habben to upseek a bitty door字面としてはwe happen to seek up a bit doorと読めるが、オランダ語のwe habben(英語にするとwe have)、opzoeken(英語にするとlook up)、een beetje(英語だとa bit)、door(英語だとthrough)が混ざっているため、we have to look up a bit throughとも読める。また、ドーランのベリンダの愛称‘Biddy Doran’が響く。 our good township’s courantsオランダ語でcourantは「通貨」。「新聞」を意味するkrantの古い形でもある。 want we knew’t, that with his deepseeing insight (had not wishing oftebeen but good time wastedニューヨーク発のポップソング‘Carolina in the Morning’(♬、♬)の歌い出し‘Wishing is good time wasted’が仄めかされる。), within his patriarchal shamanah英語の「シャーマン」(shaman)と、ベンガル系英語で「祭事のテント」を意味するshamianaの鞄語。, broadsteyneダブリンのブロードストーン地区が仄めかされる。最近では、治安が悪くて路面電車のドアが開かないこともあった。加えて、Steyneと呼ばれる、ヴァイキングが入港した場所に作られたと言われるダブリンにある小さな石碑も仄めかされる(当時は現在のタウンゼンド通りがダブリンの沿岸だったらしい)。元々あった石碑は1681年にThingmoteが壊されたときに一緒に壊されたが、1986年に彫刻家のクリーナ・キュッセンによって代わりの石碑が作られた。 ’bove citie (Twillby! Twillby!)古風な英語で’twill beはit will beの縮約形。19世紀フランス生まれのイギリスの漫画家ジョージ・デュ・モーリアが1894年に出したベストセラーホラー小説Trilbyで、トゥリルビーが亡くなるときにリトル・ビリーが言う台詞‘Trilby! Trilby!’も響く。 he conscious of enemiesHCE。, a kingbilly whitehorsedオラニエ公ウィレム3世(イングランド王ウィリアム3世)の通称はKing Billy。また、英語でwhitehorsedは「コネで仕事に就く」。第1巻第1章に登場した博茸館(museyroom)のウェリントン公爵の馬‘white harse’も響く。 in a Finglas mill1690年のボイン川の戦いの後、ウィリアム3世はダブリンのフィングラスに滞在した。また、19世紀前半から20世紀中盤まで用いられたスラングで、millは「牢獄」や「(軍の)留置場」あるいは「衛兵所」を意味する。, prayed, as he sat on anxious seatanxious seatは「(選挙や交渉などの結果に対する)不安な状態」を意味する。, (kunt ye neat gift mey toe bout a peer saft eyballds!)オランダ語でkunt je niet?は「できないのですか?」、giftは「毒」「贈り物」、geef mijは「私にください」、toeは「お願いします」、boutは「ねじ」「屁」、peerは「洋梨」、zacht eiは「半熟の茹で卵」。ドイツ語でSaftは「ジュース」、デンマーク語でgiftは「結婚」「毒」、オランダ語の俗語でkontは「尻」。 during that three and a hellof hours’ agony of silencethree and a half hours’ agony of silenceと読むと、聖金曜日の正午から午後3時まで行われるミサ「3時間の受難の礼拝」(キリストの受難と死を記念する礼拝)が仄めかされる。hours’をyears’と読み替えると、オスカー・ワイルドが釈放されてから亡くなるまでの約3年半という期間が示唆される。, ex profundis malorumラテン語で「悪の深みより」。オスカー・ワイルドが獄中で書いたDe Profundisや、トマス・ド・クインシーの随筆集Suspiria de Profundisが仄めかされる。, and bred with unfeigned charityジョセフ・フラッドのIreland: Its Saints and Scholars(1918)p.28には、コルム・キールの教えを紹介する次のような記述がある。‘sat up during the night on his pallet, a bare rock, exhorting the Brothers to preserve mutual and unfeigned charity and peace amongst themselves’. that his wordwounder (an engles to the teeth「完全武装している」を意味する英語の慣用句‘armed to the teeth’に、ドイツ語で「天使」を意味するEngelや、経済史家のフリードリヒ・エンゲルスの名が組み合わされている。 who, nomenedラテン語でnomenは「名」。したがって、who, namedと読める。 Nash of Girahash『若き芸術家の肖像』でスティーヴンが座右の銘としている「狡猾」「亡命」「沈黙」をヘブライ語にすると、nasha(נָשָׁא)、haresh(חָרֵשׁ)、hasha(חָשָׁה)となる。なお、英語表記も混ぜると、cunning, exile, hashaでCEHにもなる。また、ヘブライ語でnahash(נָחָשׁ)は「ヘビ」を意味する。他に、叙事詩で有名な「ギルガメッシュ」や、16世紀イギリスの詩人トマス・ナッシュの名も響く。 would go anyold where in the weeping world on his mottled belly旧約聖書の「創世記」3:14で、神がヘビに向かって言う言葉「おまえは腹で、這いあるき、一生、ちりを食べるであろう」(You will crawl on your belly and you will eat dust)が仄めかされる。 (the rab, the kreeponskneed!)アイルランド語でrabは「豚」、ロシア語でrabは「奴隷」。英語のrabble「野次馬」も響く。また、ロシア語でkrepostnoiは「農奴」。 for milk, music or married missusses英語で、主に男性視点から快楽を表す慣用句‘wine, women and song’のもじり。なお、『ユリシーズ』第15挿話「キルケ」で、亡霊として現れた父親Viragとの会話でブルームは以下の言葉を口にする。‘Yet Eve and the serpent contradicts. Not a historical fact. Obvious analogy to my idea. Serpents too are gluttons for woman’s milk. Wind their way through miles of omnivorous forest to sucksucculent her breast dry’.) might mercy to providential benevolence’swho hates prudencies astuteness unfold into the first of a distinguished dynasty of his posteriors,
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blackfaced connemarasBlackfaced Connemaraという羊の品種が仄めかされる。 not of the fold but elder children of his householdECH。, his most besetting of ideas (pace his twolve predamanant passionsトマス・アクィナスの6つの「欲望的な感情」と6つの「気概的な感情」が仄めかされていると思われる。前者は愛、憎しみ、欲望、忌避、快楽、そして苦痛。後者は希望、絶望、恐怖、勇気、善意に基づく怒り、そして悪意に基づく怒り(詳しくはこちらの論文に紹介がある)。ジョイスはこれらを1922年10月〜1923年2月のノートでオデュッセウスと結びつけていた。また、「オオカミ」(wolves)や「アダム以前」(pre-Adam)も読み取れる。) being the formation, as in more favoured climes, where the Meadow of Honeyティペラリー県の町クロンメルは、アイルランド語で「蜜の草原」(Cluain Meala)の意。この町にあるクロンメル刑務所は、1906年に少年院になった。 is guestfriendlyドイツ語でgastfreundlichは「客に対して友好的な」「もてなしの手厚い」の意。 and the Mountain of Joyダブリンのフィブスボロにあるマウントジョイ刑務所が示唆される。おそらくHCEもそこへ投獄される(第1巻第2章pp.45–47の「パース・オライリーのバラッド」を参照)。 receives, of a truly criminal stratum, Ham’s cribcracking yeggsHCE。フランスのソンム県にある城「シャトー・ド・ハム」も仄めかされる。この城は少なくとも11世紀から存在するが、17世紀頃に刑務所へ改修された。ナポレオン3世が6年投獄された後に脱獄している(第1巻第2章p.47の‘Give him six years’も、ナポレオン3世の投獄期間が仄めかされているとすれば辻褄が合う)。19世紀のスラングでcribはパブや宿屋のこと。また、yeggは20世紀以降に用いられるようになったスラングで、金庫を壊して泥棒をはたらく人を指す。, thereby at last eliminating from all classes and masses with directly derivative decasualisation: sigarius (sic!) vindicat urbes terrorum (sicker!)ラテン語でsicarius vindicat urbes terrorumは「恐怖の町を暗殺者が解放する」。アウグスティヌスの‘Securus iudicat orbis terrarum’(「世界の評決は揺るぎない」の意)という言葉のもじりと思われるが、この言葉はジョイスが尊敬していたジョン・ヘンリー・ニューマンのApologia Pro Vita Suaにも見られる。なお、ラテン語でsicariusは「暗殺者」を意味するが、ここでは‘sigarius’と綴られていることから、5世紀ローマ衰亡後のガリア地方の領主シアグリウスが仄めかされていると思われる。父親がソンム川からロワール川までを領地として治めており、シアグリウスもこれを引き継いだ。: and so, to mark a bank taal she arter「要するに」を意味する英語の慣用句to make a long story shortの中に、トリスタンの叔父のマーク1世やアーサー王の名、そしてフィリピンにある「タール火山」などが響く。タール火山は観測史上34回噴火しており、フィリピンで2番目に活発な火山だと言われている。加えて、オランダ語で「言語」を意味するtaalもかかっている。, the obedience of the citizens elp the ealth of the ole.ALPとHCE。ダブリンのモットー「市民の服従が市の幸福」(Obedientia civium urbis felicitas)が仄めかされる。なお、‘Humphriad III’と呼ばれる本章は、HCEの言行について語られる3つ目の章であるため(HとCに次いで)Eの文字によって象徴されると考えられるが、この部分でhelpやhealth、(w)holeからHが消えてEやOが語頭に置かれていることは、その仄めかしかもしれない。
Now godeオランダ語で「まあ大丈夫」を意味するnou goedや、「もう(今や)大丈夫」を意味するnu goedに、英語で「挑発」を意味するgoadが混ざっている。. Let us leave theories there and return to here’s hereオランダ語でde Hereは「主なる神」。また、アントワーヌ・ド・ラサレが集めたOne Hundred Merrie And Delightsome Storiesには、‘Let us leave … and return to …’や‘Now hear …’といった言い回しが出てくることを踏まえると、「民話のような書き出し」という意味か。. Now hear. ’Tis gode again.オランダ語で’t is goedは「大丈夫」。 The teak coffinチーク材でできた柩。風雨や害虫への耐性があるため、野外での使用に適している。木そのものも美しい。, Pughglasspanelfittedダブリンのガラス工芸の老舗Pugh & Co.が仄めかされる。ダブリンには、少なくとも1677年からガラス工芸職人がいたという記録がある。ジョイスは幼少期にピュー家のトマス・ピューと友人であり、ジョイスはパリで眼鏡をトマスに贈った(2018年にオークションにかけられた)。, feets to the east復活は東からやってくるので、東へ急ぐために死者は足を東へ向けて埋葬されるべきとする神学者デュランドスの見解や、エデンの園が東方にあるという通説、神の「栄光」が東から来るという聖書の記述などを踏まえ、カトリックでは足を東向きにした埋葬が行われている。詳しい解説はこちら。, was to turn in laterturn inには「寝床に入る」「眠る」という意味がある。, and pitly patly near the porpus直後のアリストテレスへの仄めかしを踏まえると‘porpus’は英語の‘purpose’と読めるが、「身体」を意味するラテン語corpusも響く。, materially effecting the cause.アリストテレスの4つの原因の一つ「質料因」のこと。それぞれの原因は、ある種類の質問への答えとして解釈される。(1)形相因「それは何であるか?」(2)質料因「それは何でできているか?」(3)作用因「それは何によって変化するか?」(4)目的因「それにとって善とは何か?」 And this, liever,オランダ語でlieverは「むしろ」の意。 is the thinghowe.ヴァイキングの議会Thingmote。イングランド北部やスコットランドの方言においてhoweは「丘」や「墳丘」を意味する。中世イギリスでヴァイキングが野外会議を開いた場所はThynghoweと呼ばれた。 Any number of conservative public bodies, through a number of select and other committeesIrish Independent紙の1924年2月13日号には‘many select and other committees’という言い回しが見られる。 having power to add to their number, before voting themselves and himself, town, port and garrison, by a fit and proper resolution, following a koortsドイツ語でkurzは「短い」、オランダ語でkoortsは「熱」。 order of the groundwetオランダ語でgrondwetは「憲法」の意。, once for all out of plotty existenceロシア語でplotは「肉体」。そこへ、英語で「墓所」を意味するburial plotがかかるか。, as a forescutオランダ語でvoorschotは「前金」「前貸し金」、オランダ語でschort、アフリカーンス語でvoorskootは共に「エプロン」。また、アイルランド英語でscutは「尻穴野郎」くらいの意味をもつ侮蔑語。『ユリシーズ』第5挿話の終盤で、バンタム・ライオンズが急いで立ち去るところを見てブルームは「達者でな、この尻穴野郎」(‘God speed scut’)と心の中でつぶやく。, so you maateskippeyオランダ語でmaatschappijは「会社」「社会」「共同体」の意。これをさかさまにすると、scheepsmaatで「船員」になる。また、オランダ語でkipは「雌鳥」、eiは「卵」なので、kippeyの部分が「鶏卵」を意味している可能性もある。 might to you cuttinrunner on a neuw pack of klerdsオランダ語でeen nieuw pakは「新調のスーツ」、klerenは「衣服」。, made him, while his body still persisted, their present of a protem graveラテン語でpro temは「一時的に」という意味なので、「一時的な墓」。 in Moyeltaダブリン中心部からホウスに向かう途中にある沿岸部の平原Magh Eltaが仄めかされる。『来寇の書』に登場するパーサローン一族が疫病にかかって亡くなった場所。 of the best Lough Neaghネイ湖(北アイルランドにある大きな湖)。 patte中英語においては前置詞atと定冠詞theが縮約されてatteと綴られることがあった。rn, then as much in demand among misonesans日本語で「味噌姉さん」と読めなくもないか? 現代ギリシア語でμισόςは「半分」、古代ギリシア語でμῖσοςは「憎悪」、νῆσοςは「島」。 as the Isle of Manマン島。 today among limniphobes古代ギリシア語でλίμνηは「湖」、φόβοςは「恐怖症」。. Wacht even!オランダ語でwacht evenは「ちょっと待って!」。 It was in a fairly fishy kettlekerry英語の慣用句でa fine kettle of fishは「なかなか厄介な状況」。この言い回しに、オランダ語で「カレー」を意味するkerryが混ざる。もちろん、アイルランドの「ケリー県」(Co. Kerry)も。, after the Fianna’s foreman had taken his handful精鋭部隊フィアナの統率者、すなわちフィン・マクールのこと。伝承では、フィンは怒りに駆られて泥炭をアイルランド海へ投げ、そこからネイ湖とマン島が生まれたと言われている。, enriched with ancient woodsN・P・ウィリスとJ・S・コインのThe Scenery and Antiquities of Irelandの第2巻p.137には‘From Lucan the road runs nearly parallel to the course of teh Liffey, whose banks, enriched by ancient woods’という言い回しが見られる。 and dear dutchy deeplinnsダブリンの愛称‘Dear Dirty Dublin’に、「深い水たまり」(deep linn)がかかる(アイルランド語でlinnは「湖」)。 mid which were an old knoll英語のknollは「小山」「塚」、オランダ語のknolは「塊茎」(ジャガイモなどの地下茎の一部が養分を蓄え肥大したもの)を意味するが、クロムウェルの通称Old Nollも仄めかされる。また、16世紀イギリスの詩人ベン・ジョンソンの戯曲Every Man in His Humourの登場人物Old Knowellも(これはシェイクスピアが演じたと言われている)。なお、ジョンソンの初期作品には、『ウェイク』に頻出するスウィフトの作品と同題のA Tale of a Tubという戯曲がある。 and a troutbeckbeckはイングランド北部の方言で「小川」。直前の「丘」(knoll)と併せると、ALPとHCEが仄めかされる。イングランドの湖水地方を流れるトラウトベック川も。, vainyvain of her osiery「コリヤナギ」あるいは「柳で編んだ籠」(osier)や「靴下類」(hosiery)に加え、「ロザリオ」(rosary)も響く。川とストッキングが重ねられているか。‘vainyvain’は、旧約聖書「伝道の書」1:2の「伝道者は言う、空の空、空の空、いっさいは空である」という記述を仄めかす。 and a chatty sallyアイルランド英語でsallyは柳のこと。また、直後に登場するイサクの妻サラの愛称はサリー。 with any Wilt or Walt who would ongle her as Izaak旧約聖書のイサクや、17世紀イギリスの随筆家アイザック・ウォルトンが書いた『釣魚大全』(The Compleat Angler) が仄めかされる。 did to the tickle of his rod民謡「笛吹きフィルの舞踏会」の歌詞‘With the toot of the flute, and the twiddle of the fiddle-O!’より。 and watch her waters of her sillying waters of川の流れ。第1巻第8章の結び‘Can’t hear with the waters of. The chittering waters of. […] Beside the rivering waters of, hitherandthithering waters of’と同じ文体。 and there now brown peaterジョン・ロックの仕事を批判し、理神論に反対した18世紀アイルランドの哲学者ピーター・ブラウンが仄めかされる。出港準備完了を示す「出帆旗」(Blue Peter)も。 arripple (may their quilt gild lightly over his somnolulutent form!)19世紀アイルランドの作曲家サミュエル・ラヴァーの‘Oh Molly, I Can’t Say You’re Honest’の歌詞‘May the quilt lie light on your beautiful form’のもじり。ラテン語でlutensisは「泥に生える」「泥に生息する」。 Whoforyou lies his last, by the wrath of Bogセルボ゠クロアチア語でBogは「神」なので、神の怒り。, like the erst curst Hun in the bed of his treubleu DonawhuHCE。また、「東岸の(遊牧民の)フン族」(east coast Hun)と読めるが、ドイツ語でerstが「第1の」を意味することを踏まえれば、「最初に呪われたフン族」(first cursed Hun)とも読める。オランダ語でhunebedは「環状列石の墓」「巨人の墓」。4世紀〜5世紀の西ゴート族の王アラリックはドナウ川流域に住んでいたが、フン族によって追放された。一説によると、アラリックは死後ブゼント川とクラーティ川の合流点に埋葬され、墓穴を掘るためにブゼント川の水の迂回工事が行われた。多くの奴隷が動員され、工事完了後は場所の秘密を守るために全員が殺害されたという伝承もある。他に、ヨハン・シュトラウス2世作曲の「美しく青きドナウ」や、「とても忠実な人」を意味する英語のtrue blue、アイルランドの古い家柄であるオドノヒュー一族が響く。.
Best.オランダ語で「さてさて」「よし」といった意味。 This wastohavebeen underground heaven, or mole’s paradise which was probably also an inversion ofStefan Czarnowskiというポーランドの社会学者・民俗学者が著したLe Culte des héros et ses conditions sociales : Saint Patrick(1919)という本のp.XIXには「アイルランドのオリンポスは地下にある」(L’Olympe de I’Irelande est souterrain)という表現があり、ジョイスはそれを踏まえているかもしれない。 a phallopharos,「男根」(phallus)に古代エジプトの王「ファラオ」がかかる。また、古代ギリシア語でφάροςは「灯台」。 intended to foster wheat crops18世紀アイルランドの初代オリオル男爵ジョン・フォスターがアイルランド財務大臣だった1784年に穀物法(Corn Law)が可決され、アイルランドへの穀物の輸入に重い関税がかかった。イギリスで19世紀に導入された穀物法とは別物。 and to ginder up tourist trade英語でginger upは「活性化させる」。したがって、「観光業を活性化させる」の意(現代アイルランドにおいてはまさにこの政策が推し進められてきた)。 (its architecht, Mgr Peurelachasseパリにある「ペール・ラシェーズ(Père-Lachaise)墓地」(オスカー・ワイルドが埋葬されている)に、フランス語で「恐怖」を意味するpeurと「狩り」を意味するla chasseが混ざる。, having been obcaecatedラテン語に起源をもつ英語の死語で「肉体的・精神的に盲目になる」。 lest
Now godeオランダ語で「まあ大丈夫」を意味するnou goedや、「もう(今や)大丈夫」を意味するnu goedに、英語で「挑発」を意味するgoadが混ざっている。. Let us leave theories there and return to here’s hereオランダ語でde Hereは「主なる神」。また、アントワーヌ・ド・ラサレが集めたOne Hundred Merrie And Delightsome Storiesには、‘Let us leave … and return to …’や‘Now hear …’といった言い回しが出てくることを踏まえると、「民話のような書き出し」という意味か。. Now hear. ’Tis gode again.オランダ語で’t is goedは「大丈夫」。 The teak coffinチーク材でできた柩。風雨や害虫への耐性があるため、野外での使用に適している。木そのものも美しい。, Pughglasspanelfittedダブリンのガラス工芸の老舗Pugh & Co.が仄めかされる。ダブリンには、少なくとも1677年からガラス工芸職人がいたという記録がある。ジョイスは幼少期にピュー家のトマス・ピューと友人であり、ジョイスはパリで眼鏡をトマスに贈った(2018年にオークションにかけられた)。, feets to the east復活は東からやってくるので、東へ急ぐために死者は足を東へ向けて埋葬されるべきとする神学者デュランドスの見解や、エデンの園が東方にあるという通説、神の「栄光」が東から来るという聖書の記述などを踏まえ、カトリックでは足を東向きにした埋葬が行われている。詳しい解説はこちら。, was to turn in laterturn inには「寝床に入る」「眠る」という意味がある。, and pitly patly near the porpus直後のアリストテレスへの仄めかしを踏まえると‘porpus’は英語の‘purpose’と読めるが、「身体」を意味するラテン語corpusも響く。, materially effecting the cause.アリストテレスの4つの原因の一つ「質料因」のこと。それぞれの原因は、ある種類の質問への答えとして解釈される。(1)形相因「それは何であるか?」(2)質料因「それは何でできているか?」(3)作用因「それは何によって変化するか?」(4)目的因「それにとって善とは何か?」 And this, liever,オランダ語でlieverは「むしろ」の意。 is the thinghowe.ヴァイキングの議会Thingmote。イングランド北部やスコットランドの方言においてhoweは「丘」や「墳丘」を意味する。中世イギリスでヴァイキングが野外会議を開いた場所はThynghoweと呼ばれた。 Any number of conservative public bodies, through a number of select and other committeesIrish Independent紙の1924年2月13日号には‘many select and other committees’という言い回しが見られる。 having power to add to their number, before voting themselves and himself, town, port and garrison, by a fit and proper resolution, following a koortsドイツ語でkurzは「短い」、オランダ語でkoortsは「熱」。 order of the groundwetオランダ語でgrondwetは「憲法」の意。, once for all out of plotty existenceロシア語でplotは「肉体」。そこへ、英語で「墓所」を意味するburial plotがかかるか。, as a forescutオランダ語でvoorschotは「前金」「前貸し金」、オランダ語でschort、アフリカーンス語でvoorskootは共に「エプロン」。また、アイルランド英語でscutは「尻穴野郎」くらいの意味をもつ侮蔑語。『ユリシーズ』第5挿話の終盤で、バンタム・ライオンズが急いで立ち去るところを見てブルームは「達者でな、この尻穴野郎」(‘God speed scut’)と心の中でつぶやく。, so you maateskippeyオランダ語でmaatschappijは「会社」「社会」「共同体」の意。これをさかさまにすると、scheepsmaatで「船員」になる。また、オランダ語でkipは「雌鳥」、eiは「卵」なので、kippeyの部分が「鶏卵」を意味している可能性もある。 might to you cuttinrunner on a neuw pack of klerdsオランダ語でeen nieuw pakは「新調のスーツ」、klerenは「衣服」。, made him, while his body still persisted, their present of a protem graveラテン語でpro temは「一時的に」という意味なので、「一時的な墓」。 in Moyeltaダブリン中心部からホウスに向かう途中にある沿岸部の平原Magh Eltaが仄めかされる。『来寇の書』に登場するパーサローン一族が疫病にかかって亡くなった場所。 of the best Lough Neaghネイ湖(北アイルランドにある大きな湖)。 patte中英語においては前置詞atと定冠詞theが縮約されてatteと綴られることがあった。rn, then as much in demand among misonesans日本語で「味噌姉さん」と読めなくもないか? 現代ギリシア語でμισόςは「半分」、古代ギリシア語でμῖσοςは「憎悪」、νῆσοςは「島」。 as the Isle of Manマン島。 today among limniphobes古代ギリシア語でλίμνηは「湖」、φόβοςは「恐怖症」。. Wacht even!オランダ語でwacht evenは「ちょっと待って!」。 It was in a fairly fishy kettlekerry英語の慣用句でa fine kettle of fishは「なかなか厄介な状況」。この言い回しに、オランダ語で「カレー」を意味するkerryが混ざる。もちろん、アイルランドの「ケリー県」(Co. Kerry)も。, after the Fianna’s foreman had taken his handful精鋭部隊フィアナの統率者、すなわちフィン・マクールのこと。伝承では、フィンは怒りに駆られて泥炭をアイルランド海へ投げ、そこからネイ湖とマン島が生まれたと言われている。, enriched with ancient woodsN・P・ウィリスとJ・S・コインのThe Scenery and Antiquities of Irelandの第2巻p.137には‘From Lucan the road runs nearly parallel to the course of teh Liffey, whose banks, enriched by ancient woods’という言い回しが見られる。 and dear dutchy deeplinnsダブリンの愛称‘Dear Dirty Dublin’に、「深い水たまり」(deep linn)がかかる(アイルランド語でlinnは「湖」)。 mid which were an old knoll英語のknollは「小山」「塚」、オランダ語のknolは「塊茎」(ジャガイモなどの地下茎の一部が養分を蓄え肥大したもの)を意味するが、クロムウェルの通称Old Nollも仄めかされる。また、16世紀イギリスの詩人ベン・ジョンソンの戯曲Every Man in His Humourの登場人物Old Knowellも(これはシェイクスピアが演じたと言われている)。なお、ジョンソンの初期作品には、『ウェイク』に頻出するスウィフトの作品と同題のA Tale of a Tubという戯曲がある。 and a troutbeckbeckはイングランド北部の方言で「小川」。直前の「丘」(knoll)と併せると、ALPとHCEが仄めかされる。イングランドの湖水地方を流れるトラウトベック川も。, vainyvain of her osiery「コリヤナギ」あるいは「柳で編んだ籠」(osier)や「靴下類」(hosiery)に加え、「ロザリオ」(rosary)も響く。川とストッキングが重ねられているか。‘vainyvain’は、旧約聖書「伝道の書」1:2の「伝道者は言う、空の空、空の空、いっさいは空である」という記述を仄めかす。 and a chatty sallyアイルランド英語でsallyは柳のこと。また、直後に登場するイサクの妻サラの愛称はサリー。 with any Wilt or Walt who would ongle her as Izaak旧約聖書のイサクや、17世紀イギリスの随筆家アイザック・ウォルトンが書いた『釣魚大全』(The Compleat Angler) が仄めかされる。 did to the tickle of his rod民謡「笛吹きフィルの舞踏会」の歌詞‘With the toot of the flute, and the twiddle of the fiddle-O!’より。 and watch her waters of her sillying waters of川の流れ。第1巻第8章の結び‘Can’t hear with the waters of. The chittering waters of. […] Beside the rivering waters of, hitherandthithering waters of’と同じ文体。 and there now brown peaterジョン・ロックの仕事を批判し、理神論に反対した18世紀アイルランドの哲学者ピーター・ブラウンが仄めかされる。出港準備完了を示す「出帆旗」(Blue Peter)も。 arripple (may their quilt gild lightly over his somnolulutent form!)19世紀アイルランドの作曲家サミュエル・ラヴァーの‘Oh Molly, I Can’t Say You’re Honest’の歌詞‘May the quilt lie light on your beautiful form’のもじり。ラテン語でlutensisは「泥に生える」「泥に生息する」。 Whoforyou lies his last, by the wrath of Bogセルボ゠クロアチア語でBogは「神」なので、神の怒り。, like the erst curst Hun in the bed of his treubleu DonawhuHCE。また、「東岸の(遊牧民の)フン族」(east coast Hun)と読めるが、ドイツ語でerstが「第1の」を意味することを踏まえれば、「最初に呪われたフン族」(first cursed Hun)とも読める。オランダ語でhunebedは「環状列石の墓」「巨人の墓」。4世紀〜5世紀の西ゴート族の王アラリックはドナウ川流域に住んでいたが、フン族によって追放された。一説によると、アラリックは死後ブゼント川とクラーティ川の合流点に埋葬され、墓穴を掘るためにブゼント川の水の迂回工事が行われた。多くの奴隷が動員され、工事完了後は場所の秘密を守るために全員が殺害されたという伝承もある。他に、ヨハン・シュトラウス2世作曲の「美しく青きドナウ」や、「とても忠実な人」を意味する英語のtrue blue、アイルランドの古い家柄であるオドノヒュー一族が響く。.
Best.オランダ語で「さてさて」「よし」といった意味。 This wastohavebeen underground heaven, or mole’s paradise which was probably also an inversion ofStefan Czarnowskiというポーランドの社会学者・民俗学者が著したLe Culte des héros et ses conditions sociales : Saint Patrick(1919)という本のp.XIXには「アイルランドのオリンポスは地下にある」(L’Olympe de I’Irelande est souterrain)という表現があり、ジョイスはそれを踏まえているかもしれない。 a phallopharos,「男根」(phallus)に古代エジプトの王「ファラオ」がかかる。また、古代ギリシア語でφάροςは「灯台」。 intended to foster wheat crops18世紀アイルランドの初代オリオル男爵ジョン・フォスターがアイルランド財務大臣だった1784年に穀物法(Corn Law)が可決され、アイルランドへの穀物の輸入に重い関税がかかった。イギリスで19世紀に導入された穀物法とは別物。 and to ginder up tourist trade英語でginger upは「活性化させる」。したがって、「観光業を活性化させる」の意(現代アイルランドにおいてはまさにこの政策が推し進められてきた)。 (its architecht, Mgr Peurelachasseパリにある「ペール・ラシェーズ(Père-Lachaise)墓地」(オスカー・ワイルドが埋葬されている)に、フランス語で「恐怖」を意味するpeurと「狩り」を意味するla chasseが混ざる。, having been obcaecatedラテン語に起源をもつ英語の死語で「肉体的・精神的に盲目になる」。 lest
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he should petrifake suchanevver‘petrifake’は「石化する」(petrify)と「偽造(する)」(fake)の鞄語。‘suchanevver’はsuch a neverともsuch an everとも読める。 while the contractors Messrs T. A. Birkett and L. O. Tuohalls『ウェイク』に頻出するトマス・ベケットとローレンス・オトゥールのペア。アイルランドへのアングロ゠ノルマン侵攻の時期に、それぞれカンタベリーとダブリンの大司教だった。birkは「樺」(birchのイングランド北部およびスコットランド方言)、hallは「講堂」。 were made invulnerably venerable) first in the west古代エジプトの神オシリスの添え名Osiris, First of the Westerners, Lord at the Top of the Staircaseのもじり。, our misterbilderイプセンの戯曲『棟梁ソルネス』(1892)に、ドイツ語で「もや」あるいは「堆肥」を意味するMistと、「絵」「写真」を意味するBilderがかかる。, Castlevillainous「城」(castle)と「悪人」(villain)に、紀元前1世紀のブリトン人の王カッシウェラウヌスの名が混ざっている。ガイウス・ユリウス・カエサルから侵攻を受け、撃破された。, openly damned and blasted by means of a hydromine, system Sowan and Beltingアイルランド語でSamhainは11月1日のサウィン祭のことで、ケルト暦における1年の始まり。Beltaineは5月1日に夏の始まりを祝う祭。, exploded from a reinvented T.N.T.トリニトロトルエン。20世紀初頭から、安価な爆薬として使われた。 bombingpost up ahoy of eleven and thirty wingrests (circiter)ラテン語でcirciterは「周りに」「近く」「およそ」の意。 to sternbooardローレンス・スターンのファミリーネームに、船の「船尾」を意味するstern、ドイツ語で「星」を意味するStern、英語で「無作法者」を意味するboor、そして英語で「舷側」の意味を持つboardがかかる。 out of his aerial thorpeto「航空魚雷」(aerial torpedo)に、雷神の「トール」や「あなたはペテロである」(thou art Peter)がかかる。新約聖書「マタイによる福音書」16:16–19を参照のこと(「シモン・ペテロが答えて言った、「あなたこそ、生ける神の子キリストです」。すると、イエスは彼にむかって言われた、「バルヨナ・シモン、あなたはさいわいである。あなたにこの事をあらわしたのは、血肉ではなく、天にいますわたしの父である。そこで、わたしもあなたに言う。あなたはペテロである。そして、わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てよう。黄泉の力もそれに打ち勝つことはない。わたしは、あなたに天国のかぎを授けよう。そして、あなたが地上でつなぐことは、天でもつながれ、あなたが地上で解くことは天でも解かれるであろう」」)。, Auton Dynamon古代ギリシア語でαὐτόςは「自己」、δύναμιςは「力」。「発電機」(dynamo)に加え、ソクラテスの説いた「自己(auto)のダイモン(daimon)」が響く。, contacted with the expectant minefield by tins of improved ammoniaこの箇所(および前後)の記述は、Mrs Patrick Campbell (Beatrice Stella Cornwallis-West)のMy Life and Some Letters(1922)という回想録のp.383の記述を踏まえていると考えられる。‘converting the remainder of the large “Dumezil” torpedoes, into electrical contact land mines, by means of tins of ammonal, lashed to the sides of aerial torpedoes, and trip wires to contact pieces into electric batteries’. lashed to her shieldplated gunwaleヴァイキングの船の両側には盾による防護がほどこされていた。木造船の舷側厚板(げんそくあついた)をガンネル(gunwale)と呼ぶ。, and fused into tripupcables, slipping through tholse中世アイルランドで市役所の役割を果たした建物をtholselと呼ぶ(主に関税や貿易を管轄しており、18世紀頃から呼び名がmarkethouseに変わった)。この語に、オールを乗せるためにガンネルに搭載された「櫂受け軸」(thole)が混ざっている。加えて、(主に古代の)円形建築物や円形地下墳墓を指す「トロス」(tholos)も響く。ちなみに、アイルランド英語でtholeは「〜に苦しむ」「〜に耐える」という意味であり、これは同義の中英語þolienに由来する(T・P・ドーランの『アイルランド英語辞典』(A Dictionary of Hiberno-English, 3rd ed., p.252)では、用例のひとつとして『ウェイク』p.541の‘Under law’s marshall and warshouw did I thole till lead’s plumbate’という文が挙げられている)。 and playing down from the conning tower軍艦や潜水艦の司令塔。 into the ground batte中英語においては前置詞atと定冠詞theが縮約されてatteと綴られることがあった。ry fuseboxes, all differing as clocks from keys「かなり異なる」という意味の慣用句‘as different as chalk from cheese’のもじりだが、「湖」(lough)と「埠頭」(quay/発音は「キー」)の言葉遊びもかいま見える。 since nobody appeared to have the same time of beard, some saying by their Oorlogoorlogはオランダ語で「戦争」を意味するが、フランス語でhorlogeは「時計」。 it was Sygstryggs to nine「9時6秒前」(six strokes to nine)に、10世紀のヴァイキングでダブリンの王になったシグトリック・ゲイル(Sigtrygg Gále)の名が混ざる。, more holding with the Ryan vogtアイルランド語でan ríoghan bhochtは「貧しい女王」(アイルランドの象徴)。デンマーク語でRhine Vagtは「ライン川の護衛」を意味し、ドイツの愛国歌「ラインの守り」(♬)が仄めかされる(英語では‘The Watch of the Rhine’なので、直前で言及される「時計」との言葉遊びになる)。また、ドイツ語でVogtは「執事」「城守」(中世において封建領主の権限を代行した管理者)。 it was Dane to pfife「5時1o分前」(ten to five)。シェイクスピア『マクベス』第4幕第1場の台詞‘Beware the thane of Fife!’が仄めかされる(魔女たちの洞窟で、マクベスは魔法の煙から出現した「武装された頭部」の幽霊から‘Macbeth! Macbeth! Macbeth! beware Macduff; Beware the thane of Fife. Dismiss me. Enough’と助言を受ける。マクダフ卿の添え名が‘Thane of Fife’だが、この人物は後でスコットランドを解放するためにマクベスを殺める)。加えて、「デーン人」(Dane)からは、デンマークの王子であるハムレットも示唆されるか。ドイツ語で「パイプ」を意味するPfeifeを読み取れば、『ウェイク』第1巻第2・3章で登場したパイプをくわえた下司男も仄めかされる。. He afterwards whaanever中英語においてwhenはwhanの形をとることがあった(例えば『カンタベリ物語』の「序曲」は次のように始まる。‘Whan that Aprille with his shoures soote, / The droghte of March hath perced to the roote’)。 his blaetther began to fail off him英語でblatherは「愚かな無駄話」、ドイツ語でBlätterはBlattすなわち「葉っぱ」の複数形。したがって、「葉っぱが落ちはじめた」と「おしゃべりが(彼を)落胆させはじめた」がかかっていると読める。 and his rough bark was wholly husky and, stoop by stoop, he neared it (wouldmanspare!)ジョージ・ポープ・モリスの詩‘Woodman, Spare that Tree!’と、それに基づく歌が仄めかされる(この歌は『ユリシーズ』第12挿話「キュクロプス」の「木の結婚式」の場面にも出てくる)。また、18世紀〜19世紀スコットランドの詩人トマス・キャンベルの詩‘The Beech Tree’s Petition’の‘O leave this barren spot to me! / Spare, woodman, spare the beechen tree!’という書き出しも。 carefully lined the ferroconcrete result with rotproof bricks and mortat, fassed to fossed「対面」(face-to-face)に、英語で「堀」や「運河」を意味するfoss(e)やラテン語で「堀」「溝」を意味するfossaがかかる。, and retired beneath the heptarchy of his towerettes, the beauchamp, byward, bull and lion, the white, the wardrobe and bloodied, 「 7人が統治する体制」を意味する「7頭政治」(heptarchy)に、ロンドンのテムズ川沿いに建てられた中世の要塞「ロンドン塔」から、7つが選ばれている(Beauchamp, Byward, Bell, Lion, White, Wardrobe, Bloody)。ちなみに、ロンドン塔では、アン・ブーリンやキャサリン・ハワードを含め、多くの要人が処刑されてきた。so encouraging (insteppen, alls als hats beliefd!)オランダ語で‘instappen, alstublieft’は「どうぞお入りください」という意味だが、als(「〜と同じように」などの意味を持つ接続詞)、hat(英語のhaveにあたる動詞habenの3人称単数現在形)、beliebt(「〜を好む」という意味の動詞beliebenの過去分詞)といったドイツ語が混入している。 additional useful councils public with hoofd offdealings which were welholden of ladykants te huurオランダ語でhoofdは「頭」、ledikantは「ベッド」、te hurrは「賃金をとって」という意味。ladykantsは英語でlady cuntsと読み替えることもできる。 out such as the Breeders’ Unionさまざまな可能性が考えられるが、p.76でコネマラ・ブラックフェイスという種類の羊が出てきたことを踏まえると、ここでは‘The Connemara Pony Breeders’ Society’が仄めかされているかもしれない。, the Guild of Merchants of the Stapleステープルは、中世ギルド社会のイギリスで、王室からの勅令により指定の物品の売買(特に海外からの輸入品)をする独占権を持っていた町のこと。 et, a.u.c.ラテン語でab urbe conditaは「都市の創立より」。元々は、ローマが建国された紀元前753年を元年として数えられる暦のこと(したがって西暦に753年を足すとAUC暦の年数になる)。ここでは、ローマではなくダブリンが「都市」だと思われる。 to present unto him with funebral pompフランス語でpompes funèbresは「葬儀」。また、‘funebral’には英語で「(頭)脳の」を意味するcerebralが混ざっており、これを広義の「心」の類語としてpsychoと読み替えることができるとしたら、psychopomp(古代ギリシア神話で魂を冥界へ導いてくれる存在)も連想される。こちらの壁画ではヘルメスがミリーネの魂を導いている。, over and above that a stone slab with the usual Mac Pelahアブラハムが妻のサラを含む一族の墓にするために買ったと言われるマクペラの洞窟。エルサレムの南方30キロメートル地点にある。詳しくは旧約聖書「創世記」第23章を参照。 address of velediction英語で「別れの演説」や「卒業の演説」を意味するvaledictionに、1世紀のゲルマン地方の預言者ウェレダの名がかかる。ケルト系言語の形態素には、wel-「見ること」やwelet-「予言者」があり、これが名前の語源となっている。, a very fairworded instance of falsemeaning adamelegy聖書の「アダム」に、「挽歌・哀歌(エレジー)」がかかっており、さらに「語源」(etymology)も響くが、直前の‘falsemeaning’と合わせれば「嘘の語源」となる。ウェレダの名前の由来にも疑いが向けられているということか。: We have done ours gohellt with youドイツ語でgehelltは、「明るくなる」という意味の再帰動詞hellenの過去分詞。オランダ語でgeheelは「完全に」。go to hell with youという英語も響く。, Heer Herewhippitオランダ語でHeerは「〜様」「〜殿」という敬称(ドイツ語のHerrにあたる)。‘Herewhippit’(‘Here whip it’すなわち「ここで鞭打て」と読める)はイアウィッカーのことか。, overgiven it,ドイツ語でübergebenは「〜を手渡す」、オランダ語でovergevenは「諦める」。 skidoo!20世紀前半のアメリカ英語のスラングで「しっし! あっち行け!」。
But t’houseオランダ語でt’huisは「家で」。 and allaboardshoops! Show coffins, winding sheets遺体をくるむための白い布のこと。, goodbuy bierchepesオランダ語でgoedkoopは、英語で言えばgood buyすなわち「お買い得」という意味。また、ドイツでBierは「ビール」。したがってここでは、「お買い得のビール」に、英語で「さようなら」を意味するgoodbyeがかかっている。他に、英語でbierは「棺桶台」、フランケン語でbierは「去勢された雄豚」という意味もある。スペイン語でChepeはコスタリカのサンホセの愛称。, cinerary urns, liealoud blasses, snuffchests, poteentubbsアイルランドの密造酒poteenの入ったtubすなわち桶のことか。, lacrimal vases古代ローマで葬儀の参列者の涙を入れたと言われる小さな筒型の容器のこと。英語ではlacrymal(あるいはlachrymal)vaseと綴るのが普通。, hoodendosesドイツ語でHodenは「睾丸」、Doseは「缶」「小さな容器」。オランダ語でhoedendoosは「帽子用の箱」。, reekwaterbeckersオランダ語でreukwater bekersは「香水入れ」のこと。, breakmiddlesオランダ語でbraakmiddelは「催吐薬(さいとやく)」のこと。, zootzaks for eatlustオランダ語でeetlustは「食欲」、zoutzakは「塩袋」あるいは「間抜け」「のろま」。現代ギリシア語でσουτζουκάκιは「肉団子」。, including upyourhealthingオランダ語でop uw gezondheid!は「健康に乾杯!」。 rookworst and meathewersoftened forkenpootsiesオランダ語でrookworstは「薫製ソーセージ」、varkenspootは「豚足」(オランダ語で-je(s)は小ささや親しみを表す縮小辞)。‘meathewersoftened’は英語でmeat hewer softenedすなわち「肉を切る人(=肉屋)によって柔らかくされた」。 and for that matte中英語においては前置詞atと定冠詞theが縮約されてatteと綴られることがあった。r, javel古風な英語でjavelは「牢屋」や「悪党」のこと。フランス語でJavelは消毒や漂白に用いられる「ジャベル水」(名前の由来はかつて化学工場があったパリ郊外の村)。オランダ語でjawelは「そうです」「確かに」。 also, any kind of inhumationaryinhumationは「埋葬」あるいは「埋葬された死体」。また、錬金術で、物質を溶解させるために土や泥の中に入れておくこと。 bric au brac英語でbric-a-bracは「骨董品」「がらくた」。 for the adornment of his glasstone honophreum19世紀イギリスのグラッドストン首相の名前に、「自分にも非があるときには、他の人の非を責めてはいけない」という意味の慣用句‘People who live in glass houses shouldn’t throw stones’がかかる。加えて、「敬意を表する」(honorific)や「ハンフリー」(Humphrey)も響く。, would, met these trein of konditiensオランダ語でmet deze treinは「この列車で」、conditieは「条件」。, naturally follow, halas, in the ordinary course, enablingHCE。‘halas’は、「ああ」「なんということ」(alas)という英語の間投詞としても、同じ意味のフランス語の間投詞(hélas)としても読めるほか、ギリシアの古代ギリシア語名「ヘラス」(Ἑλλάς)も響く。 that roundtheworlder wandelingswightオランダ語でwandelingは「散歩」、古風な英語でwightは「人間」あるいは「亡霊」を意味する。他に、ドイツ語で「変身」を意味するVerwandlungも響くか。, did suches passドイツ語でSchuhは「靴」、オランダ語でze passen hemは「それらは彼にぴったりだ」。
But t’houseオランダ語でt’huisは「家で」。 and allaboardshoops! Show coffins, winding sheets遺体をくるむための白い布のこと。, goodbuy bierchepesオランダ語でgoedkoopは、英語で言えばgood buyすなわち「お買い得」という意味。また、ドイツでBierは「ビール」。したがってここでは、「お買い得のビール」に、英語で「さようなら」を意味するgoodbyeがかかっている。他に、英語でbierは「棺桶台」、フランケン語でbierは「去勢された雄豚」という意味もある。スペイン語でChepeはコスタリカのサンホセの愛称。, cinerary urns, liealoud blasses, snuffchests, poteentubbsアイルランドの密造酒poteenの入ったtubすなわち桶のことか。, lacrimal vases古代ローマで葬儀の参列者の涙を入れたと言われる小さな筒型の容器のこと。英語ではlacrymal(あるいはlachrymal)vaseと綴るのが普通。, hoodendosesドイツ語でHodenは「睾丸」、Doseは「缶」「小さな容器」。オランダ語でhoedendoosは「帽子用の箱」。, reekwaterbeckersオランダ語でreukwater bekersは「香水入れ」のこと。, breakmiddlesオランダ語でbraakmiddelは「催吐薬(さいとやく)」のこと。, zootzaks for eatlustオランダ語でeetlustは「食欲」、zoutzakは「塩袋」あるいは「間抜け」「のろま」。現代ギリシア語でσουτζουκάκιは「肉団子」。, including upyourhealthingオランダ語でop uw gezondheid!は「健康に乾杯!」。 rookworst and meathewersoftened forkenpootsiesオランダ語でrookworstは「薫製ソーセージ」、varkenspootは「豚足」(オランダ語で-je(s)は小ささや親しみを表す縮小辞)。‘meathewersoftened’は英語でmeat hewer softenedすなわち「肉を切る人(=肉屋)によって柔らかくされた」。 and for that matte中英語においては前置詞atと定冠詞theが縮約されてatteと綴られることがあった。r, javel古風な英語でjavelは「牢屋」や「悪党」のこと。フランス語でJavelは消毒や漂白に用いられる「ジャベル水」(名前の由来はかつて化学工場があったパリ郊外の村)。オランダ語でjawelは「そうです」「確かに」。 also, any kind of inhumationaryinhumationは「埋葬」あるいは「埋葬された死体」。また、錬金術で、物質を溶解させるために土や泥の中に入れておくこと。 bric au brac英語でbric-a-bracは「骨董品」「がらくた」。 for the adornment of his glasstone honophreum19世紀イギリスのグラッドストン首相の名前に、「自分にも非があるときには、他の人の非を責めてはいけない」という意味の慣用句‘People who live in glass houses shouldn’t throw stones’がかかる。加えて、「敬意を表する」(honorific)や「ハンフリー」(Humphrey)も響く。, would, met these trein of konditiensオランダ語でmet deze treinは「この列車で」、conditieは「条件」。, naturally follow, halas, in the ordinary course, enablingHCE。‘halas’は、「ああ」「なんということ」(alas)という英語の間投詞としても、同じ意味のフランス語の間投詞(hélas)としても読めるほか、ギリシアの古代ギリシア語名「ヘラス」(Ἑλλάς)も響く。 that roundtheworlder wandelingswightオランダ語でwandelingは「散歩」、古風な英語でwightは「人間」あるいは「亡霊」を意味する。他に、ドイツ語で「変身」を意味するVerwandlungも響くか。, did suches passドイツ語でSchuhは「靴」、オランダ語でze passen hemは「それらは彼にぴったりだ」。
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him, to live all safeathomely the presenile days of his life of opulence, ancient ere decrepitude,Adrien Picが1911年7月のLyon Médicalに投稿した論文‘Vieillesse et Sénilité’p.209からの引用。‘Nous étudierons ensuite les différentes phases de cette involution régressive: l’âge présénile, la vieillesse proprement dite, le grand âge et la décrépitude senile’.(‘We will study below the different phases of this regressive involution: presenile age, old age properly so called, extreme age and senile decrepitude’.) late lents last lenience, till stuffering stage, whaling away the whole of the while (hypnos chilia eonion!)HCE。古代ギリシア語でὕπνοςは「眠り」、χίλιοιは「千(の)」、αἰώνιοςは「永久に」なので、すべて合わせると「幾千年もの永久の眠り」。ギリシア神話の眠りの神ヒュプノスも仄めかされる。 lethelulled英語で‘let he lulled’すなわち「彼を寝かしつけてやる」と読めるが、古代ギリシア語で「忘却」を意味するλήθη、ドイツ語で「人々」を意味するLeute、英語で「致死的な」を意味するlethalも響く。また、ギリシア神話の忘却の女神レーテや、冥界に続くレーテ川も仄めかされる(レーテの水を飲むと、死者たちは現世の苦しみを忘却できるとされていた)。 between explosion and reexplosion (Donnaurwatteur!ドイツ語でDonnerwetter!は悪態で、字義は「雷の天気!」となる。そこへ「ドナウ川の水」や、雷神トールを意味するドイツ語のDonarが混ざる。 Hunderthunder!ドイツ語でhundertは「百の」。したがって、百文字雷言葉を示唆する「百の雷」。) from grosskopp to megapodドイツ語でGroßkopfは「大きな頭」、古代ギリシア語でμέγαςは「巨大な」、ποδόςは「足」「脚」。他に、鳥類キジ目のMegapodeや、巨大サメの絶滅種Megalodonも響くか。, embalmed, of grand age, rich in death anticipated.
But abide Zeit’s sumonserving, rise afterfall. Blueblitzbolted英語の慣用句で「青天の霹靂」を意味するa bolt out of the blueに、ドイツ語で「稲妻」を意味するBlitzがかかる。 from there, knowing the hingeworms of the hallmirks of habitationlesness, buried burrowing in Gehinnonドイツ語でgeh!は「行け!」、hinnenは「ここから」「去って」(von hinnen gehenで「立ち去る」の意)。ユダヤ教・キリスト教に登場する地獄ゲヘナも響く。「ゲヘナ」は「ヒンノムの谷」という意味だが、イスラム教では「ジャハンナム」と呼ばれている。聖書での言及箇所の例は次のとおり。「兄弟に対して怒る者は、だれでも裁判を受けねばならない。兄弟にむかって愚か者と言う者は、議会に引きわたされるであろう。また、ばか者と言う者は、地獄の火に投げ込まれるであろう」(「マタイによる福音書」5:22)。「地獄では、うじがつきず、火も消えることがない」(「マルコによる福音書」9:44)。特にマルコにおいては、上記引用箇所直後の第49–50節の記述が「人はすべて火で塩づけられねばならない。塩はよいものである。しかし、もしその塩の味がぬけたら、何によってその味が取りもどされようか。あなたがた自身の内に塩を持ちなさい。そして、互に和らぎなさい」となっており、なかなかすさまじい。, to proliferate through all his Unterwealth, seam by seam, sheol om sheolシェムとショーン。また、ユダヤ教での地獄はシェオルと呼ばれ、ゲヘナとほぼ同義語。新共同訳では「陰府(よみ)」と訳されている。, and revisit our Uppercrust Sideria of Utilitarios英語のスラングでupper crustは「上流階級」(あるいは「頭」)、古代ギリシア語でσιδηρείαは「鉄鉱床」、ラテン語でsidereusは「星の(ように輝く)」。他に、ダブリンの「アッパークロス男爵領」(Uppercross Barony)や、「シベリア」も響く。, the divine one, the hoarder hidden propaguting his plutorpopular progeniemローマ神話で冥界を司る神プルートー(Pluto)の名に、英語で「最上のものよりもさらに〜である」を意味する接頭辞pluter-がかかる。英語でpluterperfectは「完璧以上に完璧」ラテン語でprogeniemは「系譜」「子孫」を意味する名詞progeniesの単数対格形。 of pots and pans and pokers and puns from biddenland to boughtenlandオランダ語でin binnenland en buitenlandは「国内でも国外でも」。, the spearway fore the spoorway英語では男性の側の系譜をspearside、女性の側の系譜をspindlesideと呼ぶ。他に、オランダ語でspoorwegは「鉄道」。.
The other spring offensive on the heights of AbrahamHeights of Abrahamはイギリスのダービーシャーにある丘陵地だが、Plains of Abrahamと読み換えるのであれば、カナダのケベック州にある史跡が言及されていることになる。1759年7月にエイブラハム平原の戦いがあった場所であり、1万人もの部隊が投入されたこの戦闘は7年戦争の中枢をなすものだった。他に、p.77で言及されていたマクペラの洞窟も響く(アブラハムの妻サラやその親族が埋葬されているため)。 may have come about all quite by accidence, Foughtarundserドイツ語でVaterunserは「(天にまします)我らの父よ」の意で、「主の祈り」の冒頭の言葉(転じて「主の祈り」自体も指す)。ただしここでは英語のfoughtが混入している。 (for Breedabroodaアイルランドの守護聖人のひとり、キルデアの聖ブリギッド(Naomh Bríd)が仄めかされる。オランダ語でbreedは「広い」、broodは「パン」。他に、「ブレダの兄弟」(Bleda’s brother)も響くと考えると、アッティラも仄めかされていることになる。 had at length presuadedALP。なお、ウィリアム・バレン・モリスの『聖パトリックの生涯』p.153の註には次の記述がある。‘St. Brigid died a.d. 425. A poem attributed to St. Berchan about a.d. 690 says that St. Brigid came to Downpatrick at this time to procure that St. Patrick might be buried at Kildare.— O’Curry, MS. Materials, p. 415’. ジョイスがこの記述を参照していたとすれば、ここではALPがHCEに、キルデアで埋葬されるように説得していると考えられる。 him to have himself to be as septuply buried as the murdered Cian in Finntownアイルランド神話に登場するトゥアハ・デ・ダナーン族のキアンが仄めかされる。『トゥレンの子らの最期』によると、キアンはトゥレンの子の3兄弟に殺されるが、埋めても埋めても死体が再び地上に吐き出されたため、結局合計で7回も埋葬されることになった。これは、トゥアハ・デ・ダナーン族による同胞殺しを受け入れることを大地が拒否したためである。), had not been three monadsドイツ語でMonatは「月」を意味するため、「3ヶ月」と読めるが、ブルーノやライプニッツの哲学に登場する「単子」(monad)も読み取れる。 in his watery grave (what vigilantes英語でvigilanteは「自警団員」だが、オランダ語でvigilanteは「タクシー」。 and ridings then and spuitwyneオランダ語でspuitwijnは「スパークリングワイン」。 pledges with aardappel frittlingオランダ語でaardappelは「大地のリンゴ」すなわち「ジャガイモ」のこと。そこへリンゴの「フリッター」(fritter)がかかる。ALPも含まれるか。!) when portrifaction, dreyfussedドイツ語で「三つ足」を意味するdrei Füßeや、英語のdry-footedが響く。そこへ、20世紀反ユダヤ主義事件の代表例である「ドレフュス事件」がかかる。 as ever, began to ramp, ramp, ramp, the boys are parchingアメリカ南北戦争で大流行した歌‘Tramp! Tramp! Tramp!’(♬)より。北側(合衆国側)の捕虜に希望を与えるために、ジョージ・フレデリック・ルートが1864年に作詞・作曲した。ただし、ジョイスは『ユリシーズ』第14挿話「太陽神の牛たち」で‘the boys are marching’を‘the boys are parching’に変えている(‘March! Tramp, tramp, tramp, the boys are (attitudes!) parching’)。. A hoodenwinkleオランダ語でhoedenwinkelは「帽子店」だが、ドイツ語でHodenは「睾丸」、イギリス英語のスラングでwinkleは「男性器」。 gave the signal and a blessing paper freed the flood. Why did the patrizienドイツ語でPatrizierは「貴族」、オランダ語でpatrijzenは「ヤマウズラ」(単数形はpatrijs。英語ではpartridge)のこと。「ヤマウズラ」は、クリスマスのつみあげうた「クリスマスの12日間」の一節を結ぶ歌詞‘And a partridge in a pear tree’にも出てくる。これは1780年頃にイギリスで作詞・作曲され、現代版は1909年にフレデリック・オースティンがイギリス民謡の旋律に乗せて編曲したもの。2012年に亡くなった音楽家のイアン・ハンフリーズが編曲した現代版はこちら。 make him scares with his gruntensオランダ語でgroentenは「野菜」のこと。? Because the druivenオランダ語でdruivenは「ぶどう」のこと(単数形はdruif)。 were muskatingぶどうの「マスカット」(muscat)に、「マスケット銃」(musket)がかかる。また、これらの語から、「ぶどう弾」(grapeshot)も想起される。直前のWhy did…からここまで、謎かけになっている。 at the door. From both Celtiberian camps「ケルト」(Celt)と「イベリア」(Iberia)からなる‘Celtiberian(s)’は、イベリア半島北部(現在のスペイン)に住んでいた古代民族ケルティベリア人を指す。紀元前200年頃にローマに完全に侵略された。 (granting at the onset for the sake of argument that men on the two sides in New South Ireland and Vetera Uladhラテン語でveteraは「古い」「古参の」、アイルランド語でUladhは「アルスター」。したがって、「昔からある(連合王国の一部の)アルスター地方」と「新しく独立した南側のアイルランド」を並置して1922年のアイルランド自由国成立以降の南北の分断状況を指していると考えられる。, bluemin and pillfacesスコットランドのピクト人(ラテン語で「色を塗る」を意味するpingereの派生語Picti由来)は、一説では全身を青く塗っていた。また、9世紀にヴァイキングがイベリア半島を通ってモロッコへ行ったとき、現地の人たちをBlue Menと呼び、奴隷として乗船させ、その一部はアイルランドまで運ばれたという。なお、‘pillfaces’は‘pale faces’と読めるが、これはアイルランド英語でイギリス人のこと(中世ダブリンのイギリス領の中をpale、その外をbeyond the paleと呼んだことに由来する)。, during the ferment With the Pope or On the Pope, had, moors or letts,more or lessと読めるが、北西アフリカに住むイスラム教徒やベルベル人を指す「ムーア人」(Moors)も響く。 grant ideas, grunted) all conditions, poor cons and dives morラテン語でdivesは「豊富な」「富んだ」、アイルランド語でmórは「大きな」の意。, each, of course, on the purely doffensive since the eternals were owlwise on their side every timeボーデルセンがイギリスの帝国主義について書いた記事「赤、白、青」には、‘That the Almighty himself was fighting on the side of the British, little as the results might appear to show it, is a statement which frequently occurs’という記述がある。加えて、トロイア戦争においてギリシア側に味方した女神アテナ(しばしばフクロウ(owl)によって象徴される)が仄めかされる。, were drawn toowards their Bellona’s Black Bottomローマの戦の女神ベローナ。ブラック・ボトムは、1920年代にアメリカで流行ったダンス。けっこうハード。, once Woolwhite’s Waltz (Ohibohイタリア語の‘Ohibò!’は英語の‘Urgh!’に相当する感嘆表現。「オハイオ」(Ohio)も響くか。, how becrimed, becursekissedベルスーズ(berceuse)は「子守歌」および、揺籠の揺れを思わせる8分の6拍子の声楽曲のこと。加えて、「呪い」(curse)も響く。 and bedumbtoit!英語で‘be damn to it’と読めるが、「口のきけない」(dumb)や、いディッシュ語で「死」を意味するtoitが混ざっている。) some for want of proper feeding in youth, others already caught in the honourable act of slicing careers for family and carvers in conjunction; and if emaciated nough, the person garrotted may have suggested to whomever he
But abide Zeit’s sumonserving, rise afterfall. Blueblitzbolted英語の慣用句で「青天の霹靂」を意味するa bolt out of the blueに、ドイツ語で「稲妻」を意味するBlitzがかかる。 from there, knowing the hingeworms of the hallmirks of habitationlesness, buried burrowing in Gehinnonドイツ語でgeh!は「行け!」、hinnenは「ここから」「去って」(von hinnen gehenで「立ち去る」の意)。ユダヤ教・キリスト教に登場する地獄ゲヘナも響く。「ゲヘナ」は「ヒンノムの谷」という意味だが、イスラム教では「ジャハンナム」と呼ばれている。聖書での言及箇所の例は次のとおり。「兄弟に対して怒る者は、だれでも裁判を受けねばならない。兄弟にむかって愚か者と言う者は、議会に引きわたされるであろう。また、ばか者と言う者は、地獄の火に投げ込まれるであろう」(「マタイによる福音書」5:22)。「地獄では、うじがつきず、火も消えることがない」(「マルコによる福音書」9:44)。特にマルコにおいては、上記引用箇所直後の第49–50節の記述が「人はすべて火で塩づけられねばならない。塩はよいものである。しかし、もしその塩の味がぬけたら、何によってその味が取りもどされようか。あなたがた自身の内に塩を持ちなさい。そして、互に和らぎなさい」となっており、なかなかすさまじい。, to proliferate through all his Unterwealth, seam by seam, sheol om sheolシェムとショーン。また、ユダヤ教での地獄はシェオルと呼ばれ、ゲヘナとほぼ同義語。新共同訳では「陰府(よみ)」と訳されている。, and revisit our Uppercrust Sideria of Utilitarios英語のスラングでupper crustは「上流階級」(あるいは「頭」)、古代ギリシア語でσιδηρείαは「鉄鉱床」、ラテン語でsidereusは「星の(ように輝く)」。他に、ダブリンの「アッパークロス男爵領」(Uppercross Barony)や、「シベリア」も響く。, the divine one, the hoarder hidden propaguting his plutorpopular progeniemローマ神話で冥界を司る神プルートー(Pluto)の名に、英語で「最上のものよりもさらに〜である」を意味する接頭辞pluter-がかかる。英語でpluterperfectは「完璧以上に完璧」ラテン語でprogeniemは「系譜」「子孫」を意味する名詞progeniesの単数対格形。 of pots and pans and pokers and puns from biddenland to boughtenlandオランダ語でin binnenland en buitenlandは「国内でも国外でも」。, the spearway fore the spoorway英語では男性の側の系譜をspearside、女性の側の系譜をspindlesideと呼ぶ。他に、オランダ語でspoorwegは「鉄道」。.
The other spring offensive on the heights of AbrahamHeights of Abrahamはイギリスのダービーシャーにある丘陵地だが、Plains of Abrahamと読み換えるのであれば、カナダのケベック州にある史跡が言及されていることになる。1759年7月にエイブラハム平原の戦いがあった場所であり、1万人もの部隊が投入されたこの戦闘は7年戦争の中枢をなすものだった。他に、p.77で言及されていたマクペラの洞窟も響く(アブラハムの妻サラやその親族が埋葬されているため)。 may have come about all quite by accidence, Foughtarundserドイツ語でVaterunserは「(天にまします)我らの父よ」の意で、「主の祈り」の冒頭の言葉(転じて「主の祈り」自体も指す)。ただしここでは英語のfoughtが混入している。 (for Breedabroodaアイルランドの守護聖人のひとり、キルデアの聖ブリギッド(Naomh Bríd)が仄めかされる。オランダ語でbreedは「広い」、broodは「パン」。他に、「ブレダの兄弟」(Bleda’s brother)も響くと考えると、アッティラも仄めかされていることになる。 had at length presuadedALP。なお、ウィリアム・バレン・モリスの『聖パトリックの生涯』p.153の註には次の記述がある。‘St. Brigid died a.d. 425. A poem attributed to St. Berchan about a.d. 690 says that St. Brigid came to Downpatrick at this time to procure that St. Patrick might be buried at Kildare.— O’Curry, MS. Materials, p. 415’. ジョイスがこの記述を参照していたとすれば、ここではALPがHCEに、キルデアで埋葬されるように説得していると考えられる。 him to have himself to be as septuply buried as the murdered Cian in Finntownアイルランド神話に登場するトゥアハ・デ・ダナーン族のキアンが仄めかされる。『トゥレンの子らの最期』によると、キアンはトゥレンの子の3兄弟に殺されるが、埋めても埋めても死体が再び地上に吐き出されたため、結局合計で7回も埋葬されることになった。これは、トゥアハ・デ・ダナーン族による同胞殺しを受け入れることを大地が拒否したためである。), had not been three monadsドイツ語でMonatは「月」を意味するため、「3ヶ月」と読めるが、ブルーノやライプニッツの哲学に登場する「単子」(monad)も読み取れる。 in his watery grave (what vigilantes英語でvigilanteは「自警団員」だが、オランダ語でvigilanteは「タクシー」。 and ridings then and spuitwyneオランダ語でspuitwijnは「スパークリングワイン」。 pledges with aardappel frittlingオランダ語でaardappelは「大地のリンゴ」すなわち「ジャガイモ」のこと。そこへリンゴの「フリッター」(fritter)がかかる。ALPも含まれるか。!) when portrifaction, dreyfussedドイツ語で「三つ足」を意味するdrei Füßeや、英語のdry-footedが響く。そこへ、20世紀反ユダヤ主義事件の代表例である「ドレフュス事件」がかかる。 as ever, began to ramp, ramp, ramp, the boys are parchingアメリカ南北戦争で大流行した歌‘Tramp! Tramp! Tramp!’(♬)より。北側(合衆国側)の捕虜に希望を与えるために、ジョージ・フレデリック・ルートが1864年に作詞・作曲した。ただし、ジョイスは『ユリシーズ』第14挿話「太陽神の牛たち」で‘the boys are marching’を‘the boys are parching’に変えている(‘March! Tramp, tramp, tramp, the boys are (attitudes!) parching’)。. A hoodenwinkleオランダ語でhoedenwinkelは「帽子店」だが、ドイツ語でHodenは「睾丸」、イギリス英語のスラングでwinkleは「男性器」。 gave the signal and a blessing paper freed the flood. Why did the patrizienドイツ語でPatrizierは「貴族」、オランダ語でpatrijzenは「ヤマウズラ」(単数形はpatrijs。英語ではpartridge)のこと。「ヤマウズラ」は、クリスマスのつみあげうた「クリスマスの12日間」の一節を結ぶ歌詞‘And a partridge in a pear tree’にも出てくる。これは1780年頃にイギリスで作詞・作曲され、現代版は1909年にフレデリック・オースティンがイギリス民謡の旋律に乗せて編曲したもの。2012年に亡くなった音楽家のイアン・ハンフリーズが編曲した現代版はこちら。 make him scares with his gruntensオランダ語でgroentenは「野菜」のこと。? Because the druivenオランダ語でdruivenは「ぶどう」のこと(単数形はdruif)。 were muskatingぶどうの「マスカット」(muscat)に、「マスケット銃」(musket)がかかる。また、これらの語から、「ぶどう弾」(grapeshot)も想起される。直前のWhy did…からここまで、謎かけになっている。 at the door. From both Celtiberian camps「ケルト」(Celt)と「イベリア」(Iberia)からなる‘Celtiberian(s)’は、イベリア半島北部(現在のスペイン)に住んでいた古代民族ケルティベリア人を指す。紀元前200年頃にローマに完全に侵略された。 (granting at the onset for the sake of argument that men on the two sides in New South Ireland and Vetera Uladhラテン語でveteraは「古い」「古参の」、アイルランド語でUladhは「アルスター」。したがって、「昔からある(連合王国の一部の)アルスター地方」と「新しく独立した南側のアイルランド」を並置して1922年のアイルランド自由国成立以降の南北の分断状況を指していると考えられる。, bluemin and pillfacesスコットランドのピクト人(ラテン語で「色を塗る」を意味するpingereの派生語Picti由来)は、一説では全身を青く塗っていた。また、9世紀にヴァイキングがイベリア半島を通ってモロッコへ行ったとき、現地の人たちをBlue Menと呼び、奴隷として乗船させ、その一部はアイルランドまで運ばれたという。なお、‘pillfaces’は‘pale faces’と読めるが、これはアイルランド英語でイギリス人のこと(中世ダブリンのイギリス領の中をpale、その外をbeyond the paleと呼んだことに由来する)。, during the ferment With the Pope or On the Pope, had, moors or letts,more or lessと読めるが、北西アフリカに住むイスラム教徒やベルベル人を指す「ムーア人」(Moors)も響く。 grant ideas, grunted) all conditions, poor cons and dives morラテン語でdivesは「豊富な」「富んだ」、アイルランド語でmórは「大きな」の意。, each, of course, on the purely doffensive since the eternals were owlwise on their side every timeボーデルセンがイギリスの帝国主義について書いた記事「赤、白、青」には、‘That the Almighty himself was fighting on the side of the British, little as the results might appear to show it, is a statement which frequently occurs’という記述がある。加えて、トロイア戦争においてギリシア側に味方した女神アテナ(しばしばフクロウ(owl)によって象徴される)が仄めかされる。, were drawn toowards their Bellona’s Black Bottomローマの戦の女神ベローナ。ブラック・ボトムは、1920年代にアメリカで流行ったダンス。けっこうハード。, once Woolwhite’s Waltz (Ohibohイタリア語の‘Ohibò!’は英語の‘Urgh!’に相当する感嘆表現。「オハイオ」(Ohio)も響くか。, how becrimed, becursekissedベルスーズ(berceuse)は「子守歌」および、揺籠の揺れを思わせる8分の6拍子の声楽曲のこと。加えて、「呪い」(curse)も響く。 and bedumbtoit!英語で‘be damn to it’と読めるが、「口のきけない」(dumb)や、いディッシュ語で「死」を意味するtoitが混ざっている。) some for want of proper feeding in youth, others already caught in the honourable act of slicing careers for family and carvers in conjunction; and if emaciated nough, the person garrotted may have suggested to whomever he
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took the ham of, the plain being involved in darkness, low cirque waggeryイギリスにおいて教会の伝統を厳格に守らないリベラルな人たちを揶揄して言う‘Low Church Whiggery’のもじり。cirqueは「サーカス」や「アリーナ」、woggerはスラングで肌の色が濃い外国人(特にアラブ人)のこと。, nay, even the first old wugger‘wugger’は、「揺れ動く」や「放浪する」を意味するwagと「(嫌な)やつ」「男色者」などを意味するbuggerの鞄語か。 of himself in the flesh, whiggissimus18世紀イギリスの詩人トマス・ティケルがジョナサン・スウィフトを揶揄して言った言葉。他に、古風な英語でwhiggishは「ホエイのように蒼白」という意味で、蒼ざめた人に対して使う。 incarnadined古風な英語で「血塗られた」。シェイクスピアの『マクベス』でも使われている。whiggissimusの註で出てきたwhiggish「ホエイのように蒼白」と合わせて、白と赤から、薔薇戦争も。, when falsesighted by the ifsuchhewas『初稿版フィネガンズ・ウェイク』においてこの句は‘by the would be burglar, a tory of the tories’となっており、直前の‘whiggissimus’と対比して「トーリー党員(もしくは支持者)」が明示されている。 bully on the hill18世紀ダブリンの北側の地区で悪名高かった乞食・悪漢のBilly in the Bowlが仄めかされる(リンク先のページに掲載されているイラストを描いたのは日本出身の画家の小竹翔太)。ビリーは両足がない状態で生まれ、大きな器の形をした乗り物を乗り回していたため、このあだ名がついた。『ウェイク』の他に、シェイン・マガウアンの歌‘The Sick Bed of Cuchulainn’にも登場する(‘You remember that foul evening when you heard the banshees howl / There was lazy drunken bastards singing “Billy in the Bowl”’)。 for there had circulated freely fairly among his opposition the feeling that in so hibernating Massa Ewacka黒人方言でMassaはMisterやMasterのこと。『ユリシーズ』第14挿話にも出てくる。ドイツ語でErwacherは「覚醒する者」(英語だとawakener)。, who, previous to that demidetached life, had been known of barmicidal8世紀ペルシアの貴族Barmekidsが仄めかされる。加えて、この一族を題材にしたジェームズ・クラレンス・マンガンの詩‘In the Time of the Barmecides’も。この詩は、当時のオリエンタリスト(東洋研究者)の偏見と無知をさらすために、マンガンが翻訳の体をとって自筆したもの(詳しくはこちらの論文を参照)。また、「バーメキデスの宴」(Barmecide’s Feast)とは、料理が供されない宴、転じて見た目だけで中身がないものを表す英語の慣用句。古い英語でbarmは「パン種」。 days, cook said, between soups and savours「食事の全体をとおして」を意味するfrom soup to savoryのもじり。, to get outside his own length of rainbow trout and taerts atta tarnフランス語でtarte tatinはアップルタルトの一種。そこへ「山の中の小さな湖」を意味するtarnがかかる。 as no man of woman born『マクベス』第5幕第3場より(‘The spirits that know / All mortal consequences have pronounced me thus: / ’Fear not, Macbeth; no man that’s born of woman / Shall e’er have power upon thee’’)。 他に、第4幕第1場においてマクベスが魔女の洞窟で第2の霊に啓示を受ける場面も仄めかされる(‘Be bloody, bold, and resolute. Laugh to scorn / The power of man, for none of woman born / Shall harm Macbeth’)。, nay could, like the great crested brebeフランス語でbrebisは「雌羊」だが、「大きな鶏冠のある」(great crested)とあるため、grebeすなわち鳰(カイツブリ科の水鳥)ととるべきか。, devour his threescoreten of roach旧約聖書「詩編」90:10の「われらのよわいは七十年にすぎません」(The days of our years are threescore years and ten)という表現が仄めかされる(同節はさらに「あるいは健やかであっても八十年でしょう。しかしその一生はただ、ほねおりと悩みであって、その過ぎゆくことは速く、われらは飛び去るのです」と続く)。なお、roachはコイ科の淡水魚。 per lifeday, ay, and as many minnow a minute (the big mix, may Gibbet choke him!) was, like the salmon of his ladderleap鮭が滝登りをするときに使う段差のことを‘salmon ladder’と呼ぶ。ティム・フィネガンが上って落ちるはしごが仄めかされる。また、アイルランド語でleixは「鮭」であるため、キルデア県の「リークスリップ」(Leixlip)もかかっている(この地名自体が、リフィー川にかつてあった滝の名前に由来する)。他に、クー・フーリンが高い壁を越えるために行なった跳躍もSalmon Leapと呼ばれている。 all this time of totality secretly and by suckagesocageは中世イギリスの地代制度。お金や農場労働で賃料を支払った。ironed times→「鉄器時代」(Iron Age)の他に、「アイロンがけされた」(ironed)や、19世紀半ばから現在に至るまで発行されている日刊紙Irish Timesが仄めかされる。 feeing on his own misplaced fat.
Ladies did not disdain those pagan ironed times of the first city (called after the ugliest Danadune旧約聖書「創世記」4:17の「カインはその妻を知った。彼女はみごもってエノクを産んだ。カインは町を建て、その町の名をその子の名にしたがって、エノクと名づけた」という記述が仄めかされる。DanuはTuatha Dé Danannの母神。) when a frond was a friend inneed英語の格言a friend in need is a friend indeed(助ける友こそ本当の友)のもじり(frondは「葉状体」あるいは「(シダやシュロなどの)葉」)。 to carry, as earwigs do their deadエルマンの『ジェイムズ・ジョイス伝』(James Joyce, revised ed., p.570)によると、ジョイスは「カインはアベルの死体の近くにハサミムシが寄ってきたときに、葬式をやろうと思い立った」(‘Cain got the idea of burial from watching an earwig beside his dead brother Abel’)という伝説を耳にしたらしい。また、1923年8月3日のDaily Mail紙に掲載された記事には、‘The Beacontree earwig … they … carry off their dead for burial’という文言が見られる。, their soil to the earthball where indeeth we shall calm decline, our legacy unknownトマス・ムーアの民謡‘The Legacy’の歌い出し‘When in death I shall calmly recline’より。. Venusesローマ神話の愛と美の神ウェヌスが仄めかされる。ローマの人々の祖先であるとも言われている。レーオポルト・フォン・ザッハー゠マゾッホの『毛皮を着たヴィーナス』も。 were gigglibly temptatrix, vulcansウェヌスの夫ウゥルカーヌス。火山と砂漠、冶金と金属細工の神。 guffawably eruptious and the whole wives’ world frockful of ficklesハサミムシの一種にforficulaがいる。. Fact, any human inyonアイルランド語でiníon(イニーン)は「少女」。 you liked any erenoonアイルランド語でiarnóin(イエノーン)は「午後」のこと。iarは英語のearに綴りが近いので、ハサミムシ(earwig)とのつながりも示唆される。 or efter would take her bare godkin『ハムレット』第3幕第1場の、‘To be, or not to be’で始まる有名な独白に出てくる‘bare bodkin’(むき出しの短剣)のもじり(‘For who would bear the whips and scorns of time, / Th’oppressor’s wrong, the proud man’s contumely, […] When he himself might his quietus make / With a bare bodkin?’)。「短剣」は、『ユリシーズ』でマリガンがスティーヴンにつけているKinchという渾名(エルマンが『ジョイス伝』で提示している説では、ナイフを鞘に収める際の擬音)も想起させるかもしれない。なお、英語でgodkinは「神人」(しんじん)すなわち神の系譜に属する人間のこと。他に、ヒュー・レーン美術館のレーンと親しく、レーンの絵画をダブリンへ返還してもらうために奮闘したトマス・ボドキンも仄めかされる。 out, or an even pair of hem, (lugod! lugodoo!)look good!やlook god!と読めそうだが、鶏の鳴き声にも聞こえる(直前の‘hem’を‘hen’と読む場合はなおさら)。『アイルランド来寇の書』に出てくるルグも響く。 and prettily pray with him (or with em even) everyhe to her taste, long for luck, tapetteフランス語で「ハエ叩き」や「軽く叩くこと」などを意味するが、砕けた言い方では「舌」や「おしゃべり」を意味する。他に、tapetteという子どもの占い遊びがあるらしいが、詳細は不明。 and tape petter and take pettest of all. (Tip!) Wells she’d woo and wills she’s win but how the deer knowed where she’d marry!アイルランド民謡‘I Know Where I’m Going’(♬)の歌い出しより。‘I know where I’m going / And I know who’s going with me / I know who I love / And my dear knows who I’ll marry’. Arbour, bucketroom, caravan, ditch?ABCD。そのまま訳すと「木、下等客車、キャラバン、溝」。 Coach, carriage, wheelbarrow, dungcart?
Kate Strong, a widow (Tiptip!) — she pulls a lane pictureALP。p.79内で少し前に出てきたトマス・ボドキンがレーン美術館に「返還」させようとした、フランスの印象派の絵画のこと。 for us, in a dreariodreama「ジオラマ」(diorama)、「夢」(dream)、「ドルイド」(Druid)、「わびしい」(dreary)といった語が含まれる。また、インドの叙事詩『マハーバーラタ』に登場する悪魔のドゥルヨーダナも仄めかされる(p.50でも登場した)。 setting, glowing and very vidual英語で「未亡人の」を意味する形容詞だが、「視覚の」(visual)も響く。, of old dumplan「懐かしのダブリン」(Old Dublin)のもじり。直前で仄めかされていた清掃員のケイト・ストロングを想起すれば、「ゴミ捨て場」(dump)も響く。 as she nosed it, a homelike cottage of elvanstoneHCE。英語のelvanはコーンウォールの方言で、地元の石英(quartz)のこと。ニューグレンジにも石英があることを考えると、神話的な含意も示唆される。また、ドイツ語でElfenbeinは「象牙」。 with droppings of biddiesbiddyは砕けた言い方で「女中」を意味するほか、18世紀初頭から用いられていた英語のスラングで「雌鳥」。ドーランのベリンダ(Biddy Doran)が仄めかされる。, stinkend pusshies, moggies’ duggiesダブリンのテンプルバーにあるモギー路地(Moggy’s Alley)が仄めかされる。他に、dugは「(牛や羊などの)乳房」、アイルランド英語でmoggyは「太っちょの怠け者」、イギリス英語のスラングでmoggiesは「猫たち」。, rotten witchawubbles, festering rubbages and beggars’ bullets直訳すれば「物乞いの弾丸」だが、18世紀後半から19世紀後半にかけて用いられていたイギリス英語のスラングで「石」のこと。, if not worse, sending salmofarious germs鮭の一種salmo farioに、「サルモネラ菌」(salmonella)がかかるか。 in gleefully through the smithereen panes — Widow Strong, then, as her weakerイアウィッカー。「妻」を意味するthe weaker vesselも響く。ここでは夫妻が逆転して、weakerは夫のイアウィッカーの方を指していると思われる。 had turned him to the wall慣用句でturn his face to the wallは「死を受け入れる」。 (Tiptiptip!) 第1巻第1章の博茸館(museyroom)で案内人のケイトに支払われていたチップは清掃料金のことだったのか……?, did most all the scavenging from good King Hamlaugh’s gulden dayneハムレット(父子は同名)、あるいはハンムラビ王が仄めかされる。中世イギリスでヴァイキングからの侵略に対する国防費をまかなうための税金Danegeldも仄めかされる(侵略者に支払って侵略を止めさせる場合もあれば、国防のためにヴァイキングを雇うこともあった)。1882年作曲のコメディ・バラッド‘The Vicar of Bray’の歌い出し‘In good King Charles’s golden days’も示唆される。他に、ジョージ・バーナード・ショーが1938年から1939年にかけて書いた演劇In Good King Charles’s Golden Daysも響くが、『ウェイク』の執筆時期を考えると微妙か。 though her lean besom小枝を結って作られたほうきのこと。転じて、イングランド北部の方言では「(面倒な)女性」を表す。 cleaned but sparingly17世紀ダブリンの市長ジェームズ・キャロル卿がキャサリン・ストロングを評して言った‘she cleans but sparingly and very seldom’からの引用。 and her bare statement reads that,
Ladies did not disdain those pagan ironed times of the first city (called after the ugliest Danadune旧約聖書「創世記」4:17の「カインはその妻を知った。彼女はみごもってエノクを産んだ。カインは町を建て、その町の名をその子の名にしたがって、エノクと名づけた」という記述が仄めかされる。DanuはTuatha Dé Danannの母神。) when a frond was a friend inneed英語の格言a friend in need is a friend indeed(助ける友こそ本当の友)のもじり(frondは「葉状体」あるいは「(シダやシュロなどの)葉」)。 to carry, as earwigs do their deadエルマンの『ジェイムズ・ジョイス伝』(James Joyce, revised ed., p.570)によると、ジョイスは「カインはアベルの死体の近くにハサミムシが寄ってきたときに、葬式をやろうと思い立った」(‘Cain got the idea of burial from watching an earwig beside his dead brother Abel’)という伝説を耳にしたらしい。また、1923年8月3日のDaily Mail紙に掲載された記事には、‘The Beacontree earwig … they … carry off their dead for burial’という文言が見られる。, their soil to the earthball where indeeth we shall calm decline, our legacy unknownトマス・ムーアの民謡‘The Legacy’の歌い出し‘When in death I shall calmly recline’より。. Venusesローマ神話の愛と美の神ウェヌスが仄めかされる。ローマの人々の祖先であるとも言われている。レーオポルト・フォン・ザッハー゠マゾッホの『毛皮を着たヴィーナス』も。 were gigglibly temptatrix, vulcansウェヌスの夫ウゥルカーヌス。火山と砂漠、冶金と金属細工の神。 guffawably eruptious and the whole wives’ world frockful of ficklesハサミムシの一種にforficulaがいる。. Fact, any human inyonアイルランド語でiníon(イニーン)は「少女」。 you liked any erenoonアイルランド語でiarnóin(イエノーン)は「午後」のこと。iarは英語のearに綴りが近いので、ハサミムシ(earwig)とのつながりも示唆される。 or efter would take her bare godkin『ハムレット』第3幕第1場の、‘To be, or not to be’で始まる有名な独白に出てくる‘bare bodkin’(むき出しの短剣)のもじり(‘For who would bear the whips and scorns of time, / Th’oppressor’s wrong, the proud man’s contumely, […] When he himself might his quietus make / With a bare bodkin?’)。「短剣」は、『ユリシーズ』でマリガンがスティーヴンにつけているKinchという渾名(エルマンが『ジョイス伝』で提示している説では、ナイフを鞘に収める際の擬音)も想起させるかもしれない。なお、英語でgodkinは「神人」(しんじん)すなわち神の系譜に属する人間のこと。他に、ヒュー・レーン美術館のレーンと親しく、レーンの絵画をダブリンへ返還してもらうために奮闘したトマス・ボドキンも仄めかされる。 out, or an even pair of hem, (lugod! lugodoo!)look good!やlook god!と読めそうだが、鶏の鳴き声にも聞こえる(直前の‘hem’を‘hen’と読む場合はなおさら)。『アイルランド来寇の書』に出てくるルグも響く。 and prettily pray with him (or with em even) everyhe to her taste, long for luck, tapetteフランス語で「ハエ叩き」や「軽く叩くこと」などを意味するが、砕けた言い方では「舌」や「おしゃべり」を意味する。他に、tapetteという子どもの占い遊びがあるらしいが、詳細は不明。 and tape petter and take pettest of all. (Tip!) Wells she’d woo and wills she’s win but how the deer knowed where she’d marry!アイルランド民謡‘I Know Where I’m Going’(♬)の歌い出しより。‘I know where I’m going / And I know who’s going with me / I know who I love / And my dear knows who I’ll marry’. Arbour, bucketroom, caravan, ditch?ABCD。そのまま訳すと「木、下等客車、キャラバン、溝」。 Coach, carriage, wheelbarrow, dungcart?
Kate Strong, a widow (Tiptip!) — she pulls a lane pictureALP。p.79内で少し前に出てきたトマス・ボドキンがレーン美術館に「返還」させようとした、フランスの印象派の絵画のこと。 for us, in a dreariodreama「ジオラマ」(diorama)、「夢」(dream)、「ドルイド」(Druid)、「わびしい」(dreary)といった語が含まれる。また、インドの叙事詩『マハーバーラタ』に登場する悪魔のドゥルヨーダナも仄めかされる(p.50でも登場した)。 setting, glowing and very vidual英語で「未亡人の」を意味する形容詞だが、「視覚の」(visual)も響く。, of old dumplan「懐かしのダブリン」(Old Dublin)のもじり。直前で仄めかされていた清掃員のケイト・ストロングを想起すれば、「ゴミ捨て場」(dump)も響く。 as she nosed it, a homelike cottage of elvanstoneHCE。英語のelvanはコーンウォールの方言で、地元の石英(quartz)のこと。ニューグレンジにも石英があることを考えると、神話的な含意も示唆される。また、ドイツ語でElfenbeinは「象牙」。 with droppings of biddiesbiddyは砕けた言い方で「女中」を意味するほか、18世紀初頭から用いられていた英語のスラングで「雌鳥」。ドーランのベリンダ(Biddy Doran)が仄めかされる。, stinkend pusshies, moggies’ duggiesダブリンのテンプルバーにあるモギー路地(Moggy’s Alley)が仄めかされる。他に、dugは「(牛や羊などの)乳房」、アイルランド英語でmoggyは「太っちょの怠け者」、イギリス英語のスラングでmoggiesは「猫たち」。, rotten witchawubbles, festering rubbages and beggars’ bullets直訳すれば「物乞いの弾丸」だが、18世紀後半から19世紀後半にかけて用いられていたイギリス英語のスラングで「石」のこと。, if not worse, sending salmofarious germs鮭の一種salmo farioに、「サルモネラ菌」(salmonella)がかかるか。 in gleefully through the smithereen panes — Widow Strong, then, as her weakerイアウィッカー。「妻」を意味するthe weaker vesselも響く。ここでは夫妻が逆転して、weakerは夫のイアウィッカーの方を指していると思われる。 had turned him to the wall慣用句でturn his face to the wallは「死を受け入れる」。 (Tiptiptip!) 第1巻第1章の博茸館(museyroom)で案内人のケイトに支払われていたチップは清掃料金のことだったのか……?, did most all the scavenging from good King Hamlaugh’s gulden dayneハムレット(父子は同名)、あるいはハンムラビ王が仄めかされる。中世イギリスでヴァイキングからの侵略に対する国防費をまかなうための税金Danegeldも仄めかされる(侵略者に支払って侵略を止めさせる場合もあれば、国防のためにヴァイキングを雇うこともあった)。1882年作曲のコメディ・バラッド‘The Vicar of Bray’の歌い出し‘In good King Charles’s golden days’も示唆される。他に、ジョージ・バーナード・ショーが1938年から1939年にかけて書いた演劇In Good King Charles’s Golden Daysも響くが、『ウェイク』の執筆時期を考えると微妙か。 though her lean besom小枝を結って作られたほうきのこと。転じて、イングランド北部の方言では「(面倒な)女性」を表す。 cleaned but sparingly17世紀ダブリンの市長ジェームズ・キャロル卿がキャサリン・ストロングを評して言った‘she cleans but sparingly and very seldom’からの引用。 and her bare statement reads that,
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there being no macadamised19世紀スコットランドの技術者ジョン・ルードン・マカダムが開発した、砕石を敷き詰めて道路の耐久性を高める道路舗装法のこと。そのまま英語の動詞のmacadamiseになっている。 Sidetracks on those old nekropolitan nights古代ギリシア語でνεκρόπολιςは「死者の町」。そこへ1926年作曲のバラッド‘Neapolitan Nights’(♬)がかかる。negro politanとも読めるかもしれない。 in, barring a footbatterアイルランド語でbótharは「道」。, Bryant’s Causeway北アイルランドにある世界遺産ジャイアンツ・コーズウェイが仄めかされる。また、18世紀イギリスの神話学者ジェイコブ・ブライアントも(主著A New System or Analysis of Ancient Mythologyでは、聖書の「創世記」の神話を世俗的な世界史に融合させようとした。ブライアントによると、ハムの一族が歴史上最も活発であり、活力と反骨精神に満ちており、多くの文明を築いた。そして、エジプトの太陽神崇拝も、ハム崇拝の一形式だという。ウィリアム・ブレイクがこの本へ挿絵を提供しており、そのひとつに、ノアの方舟を月の象徴だとするブライアントの主張を絵にしたものがある)。, bordered with speedwell, white clover and sorrel a wood knows植物。それぞれ、クワガタソウ、シロツメクサ、カタバミ。これらの名詞が、「誰も知らない」という意味のアイルランド英語の慣用句‘sorra a foot knows’と組み合わさっている。, which left off, being beaten, where the plaintiff was struck, she left down, as scavengers, who will be scavengers must, her filthdump near the Serpentine in Phornix Parkロンドンのハイド公園にあるサーぺンタイン湖。ラテン語でfornixは「娼館」という意味なので、ヘビは性欲や男根を示唆するかもしれない。 (at her time called Finewell’s Keepsacre, but later tautaubapptossed Pat’s Purge第1巻第1章冒頭の‘tauf tauf thuartpeatrick’の変奏。また、ドニゴール県にあるSt. Patrick’s Purgatory(聖パトリックが煉獄への入り口として見つけた場所)。1648年にイギリス議会から長老派議員100名ほどをクーデターで追放した「プライドの粛清」も仄めかされる(クーデーターを率いたトマス・プライド大佐にちなんで名付けられた)。ドイツ語でTauは「露」あるいは「ロープ」、taubは「耳の聞こえない」。), that dangerfield circling butcherswood where fireworker oh flaherty engaged a nutter of castlemallards and ah for archer stunned’s turk,レ・ファニュの『墓地に建つ館』の筋書きが仄めかされる。同作ではフェニックス公園にて、デンジャーフィールド氏(別名チャールズ・アーチャー)がスターク博士を気絶させ、キャッスルマラード卿の使いのナッターさんはヒヤシンス・「花火師」・オフラハティー中尉と決闘をする。他に、『ウェイク』で何度か強調されるO(‘oh’/オメガ)とA(‘ah’/アルファ)の対比や、イスラム教に改宗することを侮蔑的に表現した‘turned Turk’という言い回しも見られる。 all over which fossil footprints, bootmarks, fingersigns, elbowdints, breechbowls, a.s.o.英語の‘and so on’で、ドイツ語で「などなど」を意味する‘u.s.w.’(und so weiter)をもじったか。 were all successively traced of a most envolving description. What subtler timeplace of the weald than such wolfsbelly castramentラテン語でbelliは「戦争」「戦い」、castraは「軍事基地」を意味する。「育ち盛りの子はいくら食べても食べ足りない」という意味の慣用句‘a growing youth has a wolf in his belly’も響くか。 to will hide a leabhar from Thursmen’s brandihandsアイルランド語でleabharは「本」。 ‘Thursmen’は、語源が「雷神トールの人々」で、ヴァイキングのこと。ドイツ語でBrandは「燃焼」という意味なので、ヴァイキングによって燃やされそうになっている本をアイルランドの人たちが隠すという意味。英語のbloody handsも響く。 or a loveletter, lostfully hers, that would be lustシェイクスピア『恋の骨折り損』(Love’s Labour’s Lost)が仄めかされる(1970年代のすてきな上演はこちら)。 on Ma, than then when ructions ended民謡「フィネガンの通夜」の次の一節が仄めかされる。‘Shillelagh law was all the rage / And a row and a ruction soon began’., than here where race began: and by four hands of forethought the first babe of reconcilement is laid in its last cradle of hume sweet hume19世紀の歌‘Home, Sweet Home’(♬)が仄めかされる。ジョン・ハワード・ペインの曲をベースに、1823年にヘンリー・ビショップが作詞・作曲した。他に、18世紀スコットランドの哲学者デイヴィッド・ヒュームも。英語でinhumeは「埋葬する」。. Give over it! And no more of it!『ユリシーズ』でも登場する酒飲み歌‘One More Drink for the Four of Us’(♬)の歌詞‘Singing glory be to God that there are no more of us / For one of us could drink it all alone!’のもじり。 So pass the pickケリー県の人たちを揶揄したジョーク「ケリー人を混乱させるには、どうすればいい? シャベルが並んだ納屋に連れていって ‘Take your pick’ と言えばいい!」より。ケリー関係のジョークには他にも、「ケリーの人をパブの屋根に登らせるにはどうしたらいい? 酒が家の上にある(on the house/慣用表現で「店の奢りで」の意)と言えばいい」(How do you get a Kerryman to climb on top of the pub? Tell him that drinks are on the house)などがあり、総じてひどいものが多い。 for child sake! O men!
For hearドイツ語のvorher「前もって」に、オランダ語で「主」「〜殿」を意味するHeerがかかる。 Allhighest sprack for krischnians「キリスト教徒」(christians)と読めるが、ヒンドゥー教の神クリシュナも仄めかされる。 as for propagana fidiesローマ教皇省の一部「布教聖省」(Sacra Congregatio de Propaganda Fide)が仄めかされると同時に「異教徒」(pagan)も響く。 and his nuptial eagles sharped their beaks of prey: and every morphyl manスラングで、アイルランドで最も多い苗字Murphyから、ジャガイモをmurphyと呼ぶ。眠りの神モルペウスも仄めかされる。 of us, pome by pomeフランス語でpommeは「リンゴ」だが、pomme de terreすなわち「大地のリンゴ」はジャガイモのこと。, falls back into this terrineラテン語でterraは「地面」「土地」、フランス語でterrineは「テリーヌ」およびそれを作るための陶製容器のこと。ジャガイモが容器にひとつまたひとつと落ち、テリーヌになるイメージか。: as it was let it be, says he! And it is as though where Agni araflammedアグニはインド神話の炎の神。イスラーム教の神話で天地の境に位置する高壁(Araf)も(クルアーン第7章「高壁」第46節によると「両者の間には仕切りの壁があり、高い壁の上には印によって、凡ての者を見分ける人びとがいて、かれらは楽園に行く人を呼んで(言う)。「あなたがたに平安あれ。」かれらは望んでいるのだが、そこに入ることは出来ない」)。また、中世フランスの王旗オリフラムも仄めかされる。 and Mithra monishedミトラはインド神話の真実と秩序の神。他に、イラン神話における光と契約と法と太陽の神ミスラも仄めかされる。これら2柱の名前はともに「契約」を意味するため、述語を「戒める」(admonish)にしたのも理に適っているか。 and Shiva slew as mayamutrasシヴァはインド神話の破壊の神。仏教において人を幻惑させる力とされる「幻力」(マーヤー)や、奥義マハームドラー(「行者が手に印を組み(羯磨印 karmamudrā),口に真言を唱え(三昧耶印 samayamudrā)、心に曼荼羅の諸尊を観想(法印 dharmamudrā)し,その三密加持の修行の果て,曼荼羅の仏と一体になった状態を大印(mahāmudrā)と呼ぶ」)も仄めかされる。 the obluvial waters英語のalluvial「沖積土」とoblivion「忘却」の鞄語に‘waters’が続いており、ギリシア神話におけるレーテ川が想起される(その水は記憶を消す作用をもっているとされる)。 of our noarchic memoryノアの方舟が示唆される。旧約聖書「創世記」8:1にある「神はノアと、箱舟の中にいたすべての生き物と、すべての家畜とを心にとめられた。神が風を地の上に吹かせられたので、水は退いた」という記述中の「心にとめられた」(וַיִּזְכֹּר)という表現は、多くの英訳では「記憶した」(remembered)になっている。また、古代ギリシア語でναύαρχοςは「艦隊長」という意味で、都市国家スパルタにおける海軍提督の肩書きでもあった。 withdrew, windingly goharksomeドイツ語でgehorsamは「従順な」。直前でのノアへの言及を踏まえると、「面倒な」(irksome)の中に「方舟」(ark)が響く。, to some hastyswasty timberman英語の格言haste makes wasteより。日本語の「急がばまわれ」と意味はほぼ同じ。オランダ語でtimmermanは「大工」。 torchpriest, flamenfan, the ward of the wind古代ローマの宗教で、18の神々の1柱ごとに割り振られた司祭フラメンが仄めかされる。ミーズ県のウォード丘で10月31日のサウィン祭の日に行われていた灯火を照らす儀式も示唆される。 that lightened the fire that lay in the wood that Jove boltここまで続く長い文は、全体を通して童謡‘This is the House That Jack Built’のもじりかもしれない(‘This is the horse and the hound and the horn / That belonged to the farmer sowing his corn / […] / That killed the rat that ate the malt / That lay in the house that Jack built’)。また、ヴィーコによると、ローマ神話のユピテル(ギリシア神話のゼウス)の雷は巨人たちを震え上がらせて洞窟へ逃げ込ませ、そこから文明が生まれた。, at his rude word. Posidonius海と地震の神ポセイドンや、紀元前1世紀のストア派哲学者ポセイドニオスが仄めかされる。 O’Fluctuary! Lave that bloody stone血石は「ブラッドストーン」や「ヘリオトロープ」とも呼ばれる。 as it is! What are you doing your dirty minxラテン語でminxiは「私は放尿した」。英語でminxは「おてんば娘」「淫らな女性」。 and his big treeblock way up your path?この辺りから卑猥な雰囲気が前景化されはじめる。「石」と「木」のモチーフから、シェムとショーンも仄めかされる。 Slip around, you, by the rare of the ministers’! And, you, take that barrel back where you got it, Mac Shane’sMacは「〜の息子」という意味であるため、「シェーンの息子の」と読める。ドイツ語で‘mach schon’は「早くしなさい!」くらいの意味。, and go the way your old oneダブリンのスラングで「母親」。 went, Hatchettsbury Road!英語の慣用句でbury the hatchetは「手斧を埋める」転じて「停戦をする」「和平を結ぶ」。 And gish! how they gushed away, the pennyfares, a whole school for scamper18世紀アイルランドの劇作家リチャード・ブリンズリー・シェリダンの喜劇『悪口学校』(The School for Scandal)のもじり。scamperは「走者」のこと。scampiは「大きなエビ」なので、エビの群れという意味も。, with their sashes flying sish behind them, all the little pirlypettes!ALP。p.79で言及されていた占い遊びtapetteとも響く。 Issy-la-Chapelle!イシー。「チャペリゾッド」に、ドイツ西部の都市アーヘンのフランス語名Aix-la-Chapelleがかかる。 Any lucans, please?ALP。ダブリンの「ルーカン」。1880年から1925年まで、ダブリン市街からチャペリゾッドを通ってルーカンまで路面電車が走っていた。
For hearドイツ語のvorher「前もって」に、オランダ語で「主」「〜殿」を意味するHeerがかかる。 Allhighest sprack for krischnians「キリスト教徒」(christians)と読めるが、ヒンドゥー教の神クリシュナも仄めかされる。 as for propagana fidiesローマ教皇省の一部「布教聖省」(Sacra Congregatio de Propaganda Fide)が仄めかされると同時に「異教徒」(pagan)も響く。 and his nuptial eagles sharped their beaks of prey: and every morphyl manスラングで、アイルランドで最も多い苗字Murphyから、ジャガイモをmurphyと呼ぶ。眠りの神モルペウスも仄めかされる。 of us, pome by pomeフランス語でpommeは「リンゴ」だが、pomme de terreすなわち「大地のリンゴ」はジャガイモのこと。, falls back into this terrineラテン語でterraは「地面」「土地」、フランス語でterrineは「テリーヌ」およびそれを作るための陶製容器のこと。ジャガイモが容器にひとつまたひとつと落ち、テリーヌになるイメージか。: as it was let it be, says he! And it is as though where Agni araflammedアグニはインド神話の炎の神。イスラーム教の神話で天地の境に位置する高壁(Araf)も(クルアーン第7章「高壁」第46節によると「両者の間には仕切りの壁があり、高い壁の上には印によって、凡ての者を見分ける人びとがいて、かれらは楽園に行く人を呼んで(言う)。「あなたがたに平安あれ。」かれらは望んでいるのだが、そこに入ることは出来ない」)。また、中世フランスの王旗オリフラムも仄めかされる。 and Mithra monishedミトラはインド神話の真実と秩序の神。他に、イラン神話における光と契約と法と太陽の神ミスラも仄めかされる。これら2柱の名前はともに「契約」を意味するため、述語を「戒める」(admonish)にしたのも理に適っているか。 and Shiva slew as mayamutrasシヴァはインド神話の破壊の神。仏教において人を幻惑させる力とされる「幻力」(マーヤー)や、奥義マハームドラー(「行者が手に印を組み(羯磨印 karmamudrā),口に真言を唱え(三昧耶印 samayamudrā)、心に曼荼羅の諸尊を観想(法印 dharmamudrā)し,その三密加持の修行の果て,曼荼羅の仏と一体になった状態を大印(mahāmudrā)と呼ぶ」)も仄めかされる。 the obluvial waters英語のalluvial「沖積土」とoblivion「忘却」の鞄語に‘waters’が続いており、ギリシア神話におけるレーテ川が想起される(その水は記憶を消す作用をもっているとされる)。 of our noarchic memoryノアの方舟が示唆される。旧約聖書「創世記」8:1にある「神はノアと、箱舟の中にいたすべての生き物と、すべての家畜とを心にとめられた。神が風を地の上に吹かせられたので、水は退いた」という記述中の「心にとめられた」(וַיִּזְכֹּר)という表現は、多くの英訳では「記憶した」(remembered)になっている。また、古代ギリシア語でναύαρχοςは「艦隊長」という意味で、都市国家スパルタにおける海軍提督の肩書きでもあった。 withdrew, windingly goharksomeドイツ語でgehorsamは「従順な」。直前でのノアへの言及を踏まえると、「面倒な」(irksome)の中に「方舟」(ark)が響く。, to some hastyswasty timberman英語の格言haste makes wasteより。日本語の「急がばまわれ」と意味はほぼ同じ。オランダ語でtimmermanは「大工」。 torchpriest, flamenfan, the ward of the wind古代ローマの宗教で、18の神々の1柱ごとに割り振られた司祭フラメンが仄めかされる。ミーズ県のウォード丘で10月31日のサウィン祭の日に行われていた灯火を照らす儀式も示唆される。 that lightened the fire that lay in the wood that Jove boltここまで続く長い文は、全体を通して童謡‘This is the House That Jack Built’のもじりかもしれない(‘This is the horse and the hound and the horn / That belonged to the farmer sowing his corn / […] / That killed the rat that ate the malt / That lay in the house that Jack built’)。また、ヴィーコによると、ローマ神話のユピテル(ギリシア神話のゼウス)の雷は巨人たちを震え上がらせて洞窟へ逃げ込ませ、そこから文明が生まれた。, at his rude word. Posidonius海と地震の神ポセイドンや、紀元前1世紀のストア派哲学者ポセイドニオスが仄めかされる。 O’Fluctuary! Lave that bloody stone血石は「ブラッドストーン」や「ヘリオトロープ」とも呼ばれる。 as it is! What are you doing your dirty minxラテン語でminxiは「私は放尿した」。英語でminxは「おてんば娘」「淫らな女性」。 and his big treeblock way up your path?この辺りから卑猥な雰囲気が前景化されはじめる。「石」と「木」のモチーフから、シェムとショーンも仄めかされる。 Slip around, you, by the rare of the ministers’! And, you, take that barrel back where you got it, Mac Shane’sMacは「〜の息子」という意味であるため、「シェーンの息子の」と読める。ドイツ語で‘mach schon’は「早くしなさい!」くらいの意味。, and go the way your old oneダブリンのスラングで「母親」。 went, Hatchettsbury Road!英語の慣用句でbury the hatchetは「手斧を埋める」転じて「停戦をする」「和平を結ぶ」。 And gish! how they gushed away, the pennyfares, a whole school for scamper18世紀アイルランドの劇作家リチャード・ブリンズリー・シェリダンの喜劇『悪口学校』(The School for Scandal)のもじり。scamperは「走者」のこと。scampiは「大きなエビ」なので、エビの群れという意味も。, with their sashes flying sish behind them, all the little pirlypettes!ALP。p.79で言及されていた占い遊びtapetteとも響く。 Issy-la-Chapelle!イシー。「チャペリゾッド」に、ドイツ西部の都市アーヘンのフランス語名Aix-la-Chapelleがかかる。 Any lucans, please?ALP。ダブリンの「ルーカン」。1880年から1925年まで、ダブリン市街からチャペリゾッドを通ってルーカンまで路面電車が走っていた。
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Yes, the‘Yes’は『ユリシーズ』の最後の言葉。『ウェイク』において、肯定的な言葉から始まる段落は珍しい。 viability of vicinals if invisible is invincibleユリウス・カエサルが言ったとされる「来た、見た、勝った」(veni, vidi, vici/ウェーニー、ウィーディー、ウィーキー)のもじり。英語でvicinalはvicinityと類語で「近所の」「周辺の」。. And we are not trespassing on his corns eitherHCE。英語の慣用句でtread on his cornsは「彼の気持ちを傷つける」。. Look at all the plotsch!ALP。水が跳ねる音はドイツ語でplatschと表現される。 Fluminian!ラテン語でflumineusは「川の」。紀元前4世紀〜3世紀の共和政ローマの政治家および執政官のガイウス・フラミニウスも仄めかされる。フラミニウスは平民(プレブス)の出身で、土地分配法によって平民の救済を達成したが、それが新たな戦いのきっかけにもなった。 If this was Hannibal’s walkフラミニウスの土地分配法をきっかけとして勃発した第2次ポエニ戦争の重要な出来事のひとつ、ハンニバルのアルプス越えが仄めかされる。 it was Hercules’ workギリシア神話で、ヘラクレスは自分の妻子を殺めた償いとしてエウリュステウス王に仕え、「12の功業」に服する。. And a hungried thousand of the unemancipated slaved the wayジャガイモ飢饉の頃のアイルランドで、イギリスからの条件付き生活保護を受けるために、数十万人ものアイルランド人が救貧院 (Poor Houses)へ送られた。先述のフラミニウスへの言及も併せて考えると、フラミニア街道(Via Flaminia, Flaminian Way)が示唆される。(‘slaved the way’は‘slaves paved the way’と読める。). The mausoleum英語で「巨大な墓」「霊びょう」を意味するが、ウェリントン記念碑のことか。 lies behind us (O Adgigasta小アジア中央のガラティア地方で崇拝された両性具有の女神アグディスティスが仄めかされる。古代ギリシア語で「巨人」「巨大」を意味するγίγαςも響く。OとAの対比(アルファとオメガ、始まりと終わり)も読み取れる。, multipopulipater!ラテン語の造語で「多くの民族の父祖よ!」。) and there are milestones in their cheadmilias faulteringアイルランド語の歓待の言葉céad míle fáilte(キェード・ミーレ・フォールチェ)のもじり。 along the tramestrack英語でthe tram’s trackと読めるが、ドイツ語で「夢」を意味するTraumや「距離」「区間」を意味するStreckeが響く。 by Brahm and Anton Hermes!ヒンドゥー教の創造神ブラーマと、ギリシア神話のヘルメスの名が仄めかされる。加えて、ワイマール共和国時代のドイツの政治家アンドレアス・アントン・ヒューバート・ヘルメスも。ヘルメスは反ナチの右派勢力を率いて抵抗活動を展開しヒトラー暗殺を首謀した容疑で逮捕され、死刑宣告を受けた。しかし、妻のアンナ・シャラーの根回しのおかげで、赤軍がベルリンを占領するまで刑期が延び生還することができた。 Per omnibus secular seekalarum. Amain.キリスト教の祈り「万物よとこしえに、アーメン」(ラテン語では‘per omnia saecula saeculorum, amen’)のもじり。omnibusはバスのこと。 But the past has made us this present of a rhedarhoadラテン語で「客車」を意味するrhaedaに、ドイツ語で「真皮」を意味するLederhaut(英語の逐語訳だとleather-hide)がかかる。他に、Ben EdarのEdarとheadを読み取れば、ホウスの丘も仄めかされる。. So more boher O’Connell!アイルランド語でseo mórbhóthar Uí Chonaillは「これはオコンネル通り」。mórbhótharは「大通り」。 Though rainyhidden, you’re rhinohide. And if he’s not a Romeo you may scallop your hat.「ほぼありえないことだけど、もしそれが起こったら、帽子を食べてみせるよ」という意味の英語の慣用句‘I’ll eat old Rowley’s hat’のもじり。なお、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼者はしばしば貝殻を帽子にあしらった。 Wereupunder in the fane of Saint Fiacre!7世紀アイルランドの聖フィアクラ。庭の守護聖人で、アイルランドからフランスへ移住し、野菜畑と宿泊所を営んだ。他に、英語でfiacreは「辻馬車」のこと。 Halte!フランス語で「止まれ!」。馬車あるいはバスが停車しているか。
It was hard by the howe’s「〜の近くに」を意味する英語の慣用句hard byに、ダブリンのThingmoteがあった丘Howe(語源は古ノルド語のhaugr)や、方言で「古墳」「くぼ地」を意味するhoweが組み合わさる。ちなみに、Thingmoteの所在地にはつい最近まで‘Thing Mote’という名前のバーがあった。 there, plainly on this disoluded and a buchan cold spot19世紀スコットランドの気象学者アレクサンダー・バッカン。「バッカン寒波・熱波」という理論を提唱し、スコットランドの天候では毎年決まった数日間に寒波や熱波が来ると主張したが、後に誤りであったと証明されされている。, rupestric英語で「岩に生える」「岩に描かれる」という意味。ラテン語で「岩」「岩壁」を意味するrupesに由来する。 then, resurfaced that now is, that Luttrell sold if Lautrill bought17世紀〜18世紀アイルランドのジャコバン派の大佐ヘンリー・ラトレル(Henry Luttrell)。ラトレルはウィリアム派を裏切ったが、ジャコバン派が敗れた後、ダブリンのラトレルスタウンを譲り受けた。この領地は、ジャコバン派の議員で実兄のサイモン・ラトレルから押収されたものだった。他に、中世イギリスのリンカシャーの地主ジェフリー・ラトレル卿が制作を命じた『ラトレル・サルター』という挿絵付きの詩編歌集も仄めかされる。, in the saddle of the Brennan’sアルプス山脈を抜けるブレンナー峠(Brenner Pass)が仄めかされる。英語のsaddleは、ここでは2つの分水嶺の間の低いくぼ地を指す(地形全体が鞍の形をしているためこの意味を持つ)。また、アイルランドの民謡‘Brennan on the Moor’も仄めかされる。ちなみに、カリフォルニア州では2013年に、19世紀末に埋蔵されたと思われる金貨が大量に出土したが、これはサドルリッジ埋蔵金と名付けられた。 (now Malpasplace?ダブリン中心部南側にあるMalpas Placeと呼ばれる建物や、かつてマルパス・ヒルと呼ばれていたダブリン南郊のキライニー・ヒル(丘の頂上にはジョン・マルパスによって1742年に建てられたオベリスクがある)が仄めかされる。他に、12世紀ノルマン人のベルールが書いたとされる『トリスタン』の舞台のマル・パスも。) pass, versts and verstsかつてロシアで使用されていた長さの尺度ベルスタ(верста/versta)。約1066.8メートルに相当する。 from true civilisation, not where his dreams top their traums halt ドイツ語でTraumは「夢」、Inhaltは「内容」。英語でdream stopと読めば「夢の停止」となり、dream’s topと読めば「夢の頂上」となる。(Beneathere! Benathere!)アイルランド語でBeann Éadairはホウスのこと。 but where livlandLiffey Landすなわち「リフィー川流域」と読めるが、ラトビアからエストニアをまたぐ地域リーフランドも仄めかされる。リヴォニア十字軍やリヴォニア帯剣騎士団のようなキリスト教の軍隊によって植民地化された。 yontide「向こうの」(yonder)と「潮」(tide)の鞄語か。 meared 中英語でmereは「境界」の意。標準的な英語においては近代以降廃れた語だがアイルランド英語ではmearingの形で残存し、「(2つの農地の境界をなす)溝」「柵」を意味する。ちなみに、アイルランド英語で「指」を意味するmearの語源はアイルランド語で「中指」を意味するMéar fhadaであり、mearingとは由来が異なる。 with the wildeオスカー・ワイルドが仄めかされる。, saltlea with flood, that the attackler, a cropatkinロシアの革命家・地理学者のクロポトキンの名に、メイヨー県のクロー・パトリック山がかかっている。また、直前でワイルドが仄めかされていることを踏まえると、彼が想いを寄せていたフレッド・アトキンスの名を読み取ることも可能かもしれない。オスカー・ワイルド裁判においてアトキンスはワイルドに不利な証言をしたが、別件で虚偽の証言をしたため裁判から除名された。裁判の全容はこちら。なお、『ウェイク』におけるワイルドへの言及についてはこちらの論文が詳しい。, though under medium and between colours with truly native pluck, engaged the Adversary who had more in his eye than was less to his leg but whom for plunder sake, he mistook in the heavy rain to be Oglethorpe18世紀イギリスの軍人で慈善家のジェームズ・オグルソープ。1732年にイギリス王室の許可を受けて、アメリカ大陸ジョージア州に植民地を築くために、フリゲート艦‘Anne’に乗って現地へ赴いた。王室の憲章では、奴隷制が禁じられ、植民地では信教の自由が保証された。イギリスで不当に貧しい状態に置かれていた人たちを、新世界の「楽土」に移住させるという展望を描いていた。 or some other ginkus英語スラングで「男」「輩(やから)」や「愚か者」を意味するginkに、チンギス・カーンの名がかかる。, Parr aparrently『ウェイク』p.3に登場するoldparrや、鮭の幼魚を指すparr、そして152年生きたと言われるトマス・パーが仄めかされる(ただし、ブラム・ストーカーの『ドラキュラ』では169歳と書かれている)。, to whom the headandheelless chickenestegg19世紀イギリスの歌‘Johnny I hardly knew ye’の歌詞のもじり。‘Ye’re an armless, boneless, chickenless egg, / Ye’ll have to be put with a bowl to beg, / Oh Johnny I hardly knew ye’. 作曲当時は、アイルランド人を侮蔑した「お笑い」の曲だったが、後に反戦歌として解釈されるようになった。ジョニーを嘲笑う歌い手も含めて、自戒とすべきという意味だろう。 bore some Michelangiolesque「ミケランジェロ風の」という意味か。古風なイタリア語でangioloは「天使」。 resemblance, making use of sacrilegious languages to the defect that he would challenge their hemosphores to exterminate themCHE。‘hemosphores’は「半球」(hemisphere)と「腕木信号」(semaphore)の鞄語。‘exterminate’は「〜を絶滅させる」という意味で、不穏な響きを持つ。古代ギリシア語でαἱμο-は「血の〜」。 but he would cannonise the b—y b—r’s英語の‘bloody bugger’が語り手の検閲によって伏字になっている。buggerは元々、イギリスで「不徳な性行為」(buggery)をする人を指す法律用語で、ゲイへの侮蔑語として使われた。こうした文脈から、ワイルドが再び連想される。 life out of him and lay him out contritely as smart as the b—r had his b—y nightprayers said, three patrecknocksters「主の祈り」(paternoster)に聖パトリックの名がかかっている。「3」は、三つ葉のクローバーの他に、アイルランド語とラテン語で書かれた『聖パトリックの3部の生』(Vita tripartita Sancti Patricii)も響く。また、リメリック県にはKnockpatrickという地区がある。 and a couplet of hellmuirriesアヴェ・マリアの祈り(Hail Mary)が仄めかされる。アイルランド語で聖母マリアはMuire。また、「3人のマリアの哀歌」(Caoineadh na dTrí Mhuire)がある。 (tout est sacré pour un sacreur, femme à barbe ou homme-nourriceフランス語で「髭の生えた女だろうと男の看護婦だろうと、聖人にとっては何もかもがが聖なるものである」の意。他に、1930年代にフランスで流行った曲« Rien n’est sacré pour un sapeur »(録音)や« La femme à barbe »(録音)が仄めかされる。) at the same time, so as to plugg well let the blubbywail ghoats out of him, catching holst of an oblong bar he had and with which he usually broke furnitures he rose the stick at him. The boarder incident prerepeated itself. The pair (whethertheywere Nippoluono engaging Wei-Ling-Taou‘Nippoluono’は「日本」と「ナポレオン」の鞄語、‘Wei-Ling-Taou’は中国語で「荘厳で尊い欧州」の意だが、ウェリントン公爵の名前も響く。したがって、ナポレオンとウェリントンの戦いに、日本と中国あるいは欧州の戦いが重ねられていることになるか。 or de Razzkias19世紀ポーランドのテノール歌手ジャン・デ・レツケの名が仄めかされる。フランス語でrazziaは「襲撃」「略奪」。「ロシア人」(Russians)も響く。 trying to reconnoistreフランス語で「〜を識別する」「〜を覚えている」を意味するreconnaîtreに英語のnoiseが混ざっているか。 the general Boukeleffフレデリック・バクリーが仄めかされる。バクリーは話し上手(raconteur)で、ジョン・ジョイスと同じく徴税人だった。クリミア戦争でロシアの将軍を撃った話があるが、クリミア戦争当時にバクリーは9歳にも満たなかったため、疑わしい話である。1904年6月16日に暗殺されたフィンランド総督のロシア人ボブリコフ将軍の名も響く。, man may not say), struggled apairently for some considerable time, (the cradle rocking equallyウォルト・ホイットマンの詩‘Out of the Cradle Endlessly Rocking’の書き出し ‘Out of the cradle endlessly rocking’より。
It was hard by the howe’s「〜の近くに」を意味する英語の慣用句hard byに、ダブリンのThingmoteがあった丘Howe(語源は古ノルド語のhaugr)や、方言で「古墳」「くぼ地」を意味するhoweが組み合わさる。ちなみに、Thingmoteの所在地にはつい最近まで‘Thing Mote’という名前のバーがあった。 there, plainly on this disoluded and a buchan cold spot19世紀スコットランドの気象学者アレクサンダー・バッカン。「バッカン寒波・熱波」という理論を提唱し、スコットランドの天候では毎年決まった数日間に寒波や熱波が来ると主張したが、後に誤りであったと証明されされている。, rupestric英語で「岩に生える」「岩に描かれる」という意味。ラテン語で「岩」「岩壁」を意味するrupesに由来する。 then, resurfaced that now is, that Luttrell sold if Lautrill bought17世紀〜18世紀アイルランドのジャコバン派の大佐ヘンリー・ラトレル(Henry Luttrell)。ラトレルはウィリアム派を裏切ったが、ジャコバン派が敗れた後、ダブリンのラトレルスタウンを譲り受けた。この領地は、ジャコバン派の議員で実兄のサイモン・ラトレルから押収されたものだった。他に、中世イギリスのリンカシャーの地主ジェフリー・ラトレル卿が制作を命じた『ラトレル・サルター』という挿絵付きの詩編歌集も仄めかされる。, in the saddle of the Brennan’sアルプス山脈を抜けるブレンナー峠(Brenner Pass)が仄めかされる。英語のsaddleは、ここでは2つの分水嶺の間の低いくぼ地を指す(地形全体が鞍の形をしているためこの意味を持つ)。また、アイルランドの民謡‘Brennan on the Moor’も仄めかされる。ちなみに、カリフォルニア州では2013年に、19世紀末に埋蔵されたと思われる金貨が大量に出土したが、これはサドルリッジ埋蔵金と名付けられた。 (now Malpasplace?ダブリン中心部南側にあるMalpas Placeと呼ばれる建物や、かつてマルパス・ヒルと呼ばれていたダブリン南郊のキライニー・ヒル(丘の頂上にはジョン・マルパスによって1742年に建てられたオベリスクがある)が仄めかされる。他に、12世紀ノルマン人のベルールが書いたとされる『トリスタン』の舞台のマル・パスも。) pass, versts and verstsかつてロシアで使用されていた長さの尺度ベルスタ(верста/versta)。約1066.8メートルに相当する。 from true civilisation, not where his dreams top their traums halt ドイツ語でTraumは「夢」、Inhaltは「内容」。英語でdream stopと読めば「夢の停止」となり、dream’s topと読めば「夢の頂上」となる。(Beneathere! Benathere!)アイルランド語でBeann Éadairはホウスのこと。 but where livlandLiffey Landすなわち「リフィー川流域」と読めるが、ラトビアからエストニアをまたぐ地域リーフランドも仄めかされる。リヴォニア十字軍やリヴォニア帯剣騎士団のようなキリスト教の軍隊によって植民地化された。 yontide「向こうの」(yonder)と「潮」(tide)の鞄語か。 meared 中英語でmereは「境界」の意。標準的な英語においては近代以降廃れた語だがアイルランド英語ではmearingの形で残存し、「(2つの農地の境界をなす)溝」「柵」を意味する。ちなみに、アイルランド英語で「指」を意味するmearの語源はアイルランド語で「中指」を意味するMéar fhadaであり、mearingとは由来が異なる。 with the wildeオスカー・ワイルドが仄めかされる。, saltlea with flood, that the attackler, a cropatkinロシアの革命家・地理学者のクロポトキンの名に、メイヨー県のクロー・パトリック山がかかっている。また、直前でワイルドが仄めかされていることを踏まえると、彼が想いを寄せていたフレッド・アトキンスの名を読み取ることも可能かもしれない。オスカー・ワイルド裁判においてアトキンスはワイルドに不利な証言をしたが、別件で虚偽の証言をしたため裁判から除名された。裁判の全容はこちら。なお、『ウェイク』におけるワイルドへの言及についてはこちらの論文が詳しい。, though under medium and between colours with truly native pluck, engaged the Adversary who had more in his eye than was less to his leg but whom for plunder sake, he mistook in the heavy rain to be Oglethorpe18世紀イギリスの軍人で慈善家のジェームズ・オグルソープ。1732年にイギリス王室の許可を受けて、アメリカ大陸ジョージア州に植民地を築くために、フリゲート艦‘Anne’に乗って現地へ赴いた。王室の憲章では、奴隷制が禁じられ、植民地では信教の自由が保証された。イギリスで不当に貧しい状態に置かれていた人たちを、新世界の「楽土」に移住させるという展望を描いていた。 or some other ginkus英語スラングで「男」「輩(やから)」や「愚か者」を意味するginkに、チンギス・カーンの名がかかる。, Parr aparrently『ウェイク』p.3に登場するoldparrや、鮭の幼魚を指すparr、そして152年生きたと言われるトマス・パーが仄めかされる(ただし、ブラム・ストーカーの『ドラキュラ』では169歳と書かれている)。, to whom the headandheelless chickenestegg19世紀イギリスの歌‘Johnny I hardly knew ye’の歌詞のもじり。‘Ye’re an armless, boneless, chickenless egg, / Ye’ll have to be put with a bowl to beg, / Oh Johnny I hardly knew ye’. 作曲当時は、アイルランド人を侮蔑した「お笑い」の曲だったが、後に反戦歌として解釈されるようになった。ジョニーを嘲笑う歌い手も含めて、自戒とすべきという意味だろう。 bore some Michelangiolesque「ミケランジェロ風の」という意味か。古風なイタリア語でangioloは「天使」。 resemblance, making use of sacrilegious languages to the defect that he would challenge their hemosphores to exterminate themCHE。‘hemosphores’は「半球」(hemisphere)と「腕木信号」(semaphore)の鞄語。‘exterminate’は「〜を絶滅させる」という意味で、不穏な響きを持つ。古代ギリシア語でαἱμο-は「血の〜」。 but he would cannonise the b—y b—r’s英語の‘bloody bugger’が語り手の検閲によって伏字になっている。buggerは元々、イギリスで「不徳な性行為」(buggery)をする人を指す法律用語で、ゲイへの侮蔑語として使われた。こうした文脈から、ワイルドが再び連想される。 life out of him and lay him out contritely as smart as the b—r had his b—y nightprayers said, three patrecknocksters「主の祈り」(paternoster)に聖パトリックの名がかかっている。「3」は、三つ葉のクローバーの他に、アイルランド語とラテン語で書かれた『聖パトリックの3部の生』(Vita tripartita Sancti Patricii)も響く。また、リメリック県にはKnockpatrickという地区がある。 and a couplet of hellmuirriesアヴェ・マリアの祈り(Hail Mary)が仄めかされる。アイルランド語で聖母マリアはMuire。また、「3人のマリアの哀歌」(Caoineadh na dTrí Mhuire)がある。 (tout est sacré pour un sacreur, femme à barbe ou homme-nourriceフランス語で「髭の生えた女だろうと男の看護婦だろうと、聖人にとっては何もかもがが聖なるものである」の意。他に、1930年代にフランスで流行った曲« Rien n’est sacré pour un sapeur »(録音)や« La femme à barbe »(録音)が仄めかされる。) at the same time, so as to plugg well let the blubbywail ghoats out of him, catching holst of an oblong bar he had and with which he usually broke furnitures he rose the stick at him. The boarder incident prerepeated itself. The pair (whethertheywere Nippoluono engaging Wei-Ling-Taou‘Nippoluono’は「日本」と「ナポレオン」の鞄語、‘Wei-Ling-Taou’は中国語で「荘厳で尊い欧州」の意だが、ウェリントン公爵の名前も響く。したがって、ナポレオンとウェリントンの戦いに、日本と中国あるいは欧州の戦いが重ねられていることになるか。 or de Razzkias19世紀ポーランドのテノール歌手ジャン・デ・レツケの名が仄めかされる。フランス語でrazziaは「襲撃」「略奪」。「ロシア人」(Russians)も響く。 trying to reconnoistreフランス語で「〜を識別する」「〜を覚えている」を意味するreconnaîtreに英語のnoiseが混ざっているか。 the general Boukeleffフレデリック・バクリーが仄めかされる。バクリーは話し上手(raconteur)で、ジョン・ジョイスと同じく徴税人だった。クリミア戦争でロシアの将軍を撃った話があるが、クリミア戦争当時にバクリーは9歳にも満たなかったため、疑わしい話である。1904年6月16日に暗殺されたフィンランド総督のロシア人ボブリコフ将軍の名も響く。, man may not say), struggled apairently for some considerable time, (the cradle rocking equallyウォルト・ホイットマンの詩‘Out of the Cradle Endlessly Rocking’の書き出し ‘Out of the cradle endlessly rocking’より。
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to one and oppositely from the other on its law of capture and recapture), under the All In rules around the booksafe格闘技でAll Inは「何でもあり」。会計簿などの重要な文書を保管する金庫をbooksafeと呼ぶ。, fighting like purple top and tipperuhry Swedeカブの品種にPurple TopおよびTipperary Swedeがある。前者は紫がかった白色で小さく、後者は黄色味を帯びた紫色で大きい。なお、ドイツ語でUhrは「時計」や「〜時」を意味する。, (Secremented Servious of the Divine Zeal!) and in the course of their tussle the toller man19世紀イギリスの「エインズブリーの巨人」ジェイムズ・トラー。ドイツ語で「より狂った」を意味するtollerがかかっている。, who had opened his bully bowl to begp.82に出てきたビリー・イン・ザ・ボウルを想起させる。また、古風な英語で、怖い人のことをbull beggarと呼ぶ。, said to the miner who was carrying the wormウイスキーの蒸留に使うワーム管。曲がった銅の配管をウイスキーの蒸気が通り、その間に冷却されて液体になる。 (a handy term for the portable distillery which consisted of three vats, two jars and several bottles though we purposely say nothing of the stiffstiffは英語のスラングで「お金」や「死体」のこと。, both parties having an interest in the spirits): Let me go, Pautheen!アイルランドの密造酒「ポティーン」に、使徒パウロ(Paul)や聖パトリック(Pat)の名がかかっている。 I hardly knew ye.p.81でも仄めかされていた戦争の歌‘Johnny, I hardly knew ye’(♬)。 Later on, after the solstitial pause for refleshmeant,夏至や冬至(solstice)の頃に行われるアイルランドの伝統祭(ビョルティナ祭とサウィン祭)が仄めかされると同時に、1930年代のコカ・コーラの宣伝文句‘the pause that refreshes’も響く。‘refleshmeant’の中にはfleshやmeatが響いており、少し不気味。 the same man (or a different and younger him of the same hamノアの3人の息子たちの内2人の名前(セムとハム)が仄めかされる。) asked in the vermicularイェスペルセン『英語の成長と構造』p.132では、「虫」を意味するwormの形容詞型がvermicularであることについて論じられている。p.82で登場した蒸留器(worm)が想起される他、「その土地固有の」を意味するvernacularも響く。 with a very oggly「醜い」(ugly)と「じろじろ見る」「色目(を使う)」(ogle)の鞄語か。 chew-chin-grin: Was six victolios fifteen pigeon‘victolios’が、ヴィクトリア女王の治世に鋳造されたソヴリン金貨(victoriaと呼ばれた)を指すとすれば、‘six victorias fifteen’で「6ポンド15シリング」ということになる。加えて、ヴィクトリア朝時代の法律表記が混入している。例えば‘6 Victoria 15’と言う場合、ヴィクトリア女王の戴冠から6年目の年に、15番目に可決された法律を指す(これに該当するのは‘Duties on Spirits, etc. Act 1842’で、蒸留酒の関税に関する法律。アイルランド産の麦芽のみを使った蒸留酒への免税が撤廃された)。 takee offa you中世イングランドのマーシア王国の王オファが仄めかされる。8世紀の終わり頃までのイングランドにおいて最も強力な王と言われた。, tell he me, stlongfellaメラネシア・ピジンで「強く」(strongly)を意味する。20世紀アイルランドの政治家エイモン・デ・ヴァレラのあだ名‘The Long Fellow’も響く。デ・ヴァレラはジョイスと同じ年に生まれ、1922年アイルランド内戦では英愛条約反対派を率いてアーサー・グリフィスとマイケル・コリンズに対抗したが、IRAは次々と賛成派に打倒された。ちなみに、条約締結に同席したロバート・エルスキン・チルダーズは内戦で処刑されており、このことを踏まえるとHCEの名前のひとつ‘Haveth Childers Everywhere’の持つ別の含意が示唆される。, by picky-pocky ten to foul months behindaside? There were some further collidabanterラテン語でcollidebanturは「衝突させられた」という意味。旧約聖書の「創世記」において、リベカの胎内でヤコブとエサウが争う場面(25:22)は、ウルガタ訳では‘sed collidebantur in utero eius parvuli’となっている。call it a banter(banterは「冗談」の意)という英語も響く。 and severe tries to convertこの前後ではパブや改宗のモチーフが『ダブリナーズ』所収の短篇「恩寵」を彷彿とさせる。「恩寵」では、主人公のトム・カーナンが飲みすぎてパブの階段から転げ落ちる。自宅療養中のカーナンのもとへ飲み仲間たちがお見舞いの建前で押しかけ、彼をカトリックへ改宗させようと熱心に説得を試みる。 for the best part of an hour and now a woden affair in the shape of a webley北欧の神オーディンは、古英語ではWodenと綴られた。webleyはイギリスで開発された回転式拳銃(リボルバー)の型のひとつで、ボーア戦争や両世界大戦などで使用された。 (we at once recognise our old friend Ned悪魔のニック(Nick)が、ここではNedに変身しているか。また、直後のletters(手紙、文字)から、Nedは筆男シェムの化身だと思われる。 of so many illortemporateラテン語でin illo temporeは「そのとき」。ラテン語のミサにおいて、新約聖書の福音書が朗読される際に、本文の前に唱えられた。英語で「節度のない」を意味するintemperateも響く。 letters) fell from the intruser who, as stuck as that cat to that mouse in that tube of that christchurch organ,ダブリンのクライストチャーチ大聖堂には、ネコとネズミのミイラが展示されている。これらは1850年代に大聖堂内のオルガン・パイプからみつかったもので、「トムとジェリー」の通称で知られる。 (did the imnage of Girl Cloud Pensive flout above them light young charmトマス・ムーアの歌‘Believe Me If All Those Endearing Young Charms’(♬)が仄めかされるかもしれないが、重複する部分がやや少ない。, in ribbons and pigtail?) whereupon became friendly and, saying not to tear his shirt, wanted to know, laying all joking and knobkerriesknobkerrieとは、先端にコブがついた棒のこと。アフリカ南部の先住民が武器として用いた。 aside, if his change companion英語で「旅の道連れ」を意味するchance companionのもじり。 who stuck still to the invention of his strongboxクライストチャーチ大聖堂には、1176年にリチャード・デ・クレア、通称‘Strongbow’が埋葬されている。1562年に大聖堂の南側の壁が崩れたときに、この墓も破損した。「強力な金庫」を意味するstrongboxや、「強烈なパンチ」を意味するstrong boxも響く。, with a tenacity corrobberating their mutual tenitorial rightsイタリア語で「所有者」「賭博場の経営者」を意味するtenitoreに、英語のterritorial rightsがかかっている。, happened to have the loots change of a tenpound crickler about him at the moment, addling that hap so, he would pay him back the six vics oddイギリスのウォータールーにある王立ヴィクトリア劇場は今でもOld Vic Theatreと呼ばれている。英語のsix weeks oldも響く。, do you see, out of that for what was taken on the man of samples旧約聖書「創世記」2:21–23でイヴの創造を描写した箇所が仄めかされる(「そこで主なる神は人を深く眠らせ、眠った時に、そのあばら骨の一つを取って、その所を肉でふさがれた。主なる神は人から取ったあばら骨でひとりの女を造り、人のところへ連れてこられた。そのとき、人は言った。 「これこそ、ついにわたしの骨の骨、わたしの肉の肉。 男から取ったものだから、 これを女と名づけよう」」)。他に、「イザヤ書」53:3に登場するキリストの添え名「悲しみの人」(Man of Sorrows)も響く。 last Yuni or Yulyドイツ語で「6月」と「7月」を意味するJuniとJuliに、ゲルマン系民族の冬の祭日「ユール」がかかる(英語ではYuletideと呼ばれる)。ユールはクリスマスと統合されたが、元はワイルドハントの伝承、オーディン、そして「母たちの夜」モドゥラニート(クリスマス・イヴに相当)に関連すると言われている。ワイルドハントとは、神に導かれて狩りに出ることであり、導く神はオーディンの他に龍殺しのジークフリートなどもいる。, do you follow me, Capn? To this the other, Billi with the Boulep.82で登場したビリー・イン・ザ・ボウル。ちなみに、ダブリンには今でもN1道路と路面電車レッドラインの交差点に、日本出身の画家の小竹翔太によるジョジョ風のビリーの絵が描かれた「電気箱」がある。, who had mummed and mauled up to that (for he was hesitency carried to excelcismHCE。無敵革命党によるフェニックス公園殺人事件の濡れ衣をパーネルに着せるために、リチャード・ピゴットが捏造した手紙では、hesitancyが誤ってhesitencyと表記されていたため、捏造が発覚したと言われている。) rather amusedly replied: Woowoo would you be grossly surprised, Hillヴィクトリア朝時代の演芸館楽曲‘Would You Be Surprised to Hear?’が仄めかされる。この歌は遺産相続に関するティッチボーン事件を題材としており、1860年代から1870年代にかけてイギリスで大きく話題になった。この事件は『ユリシーズ』の第16挿話でも言及されている。, to learn that, as it so happens, I honestly have not such a thing as the loo, as the least chance of a tinpanned crackler「10ポンド紙幣」を意味するten-pound cracklerに、「不協和で不快な音(楽)」を指すtin-pan(字義的には「ブリキのフライパン」)がかかっている。 anywhere about me at the present mohomoment but I believe I can see my way, as you suggest, it being Yuletide or Yuddanfestクリスマス(Yule)とユダヤ教の祝祭日(ドイツ語でJudenfest)。 and as it’s mad nuts, son, for you後続の‘mon’とあわせて、日曜日と月曜日(あるいは息子と母親)。
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when it’s hatter’s haresルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』に出てくる「帽子屋」「ウサギ」が仄めかされる。, mon, for me直前の‘son’とあわせて、日曜日と月曜日(あるいは息子と母親)。, to advance you something like four and sevenpence4シリングと7ペンス、つまり55ペンス。 between hopping and trapping which you might just as well have, boy baches音楽家のバッハにくわえ、ギリシアの宴と狂乱の神バッコスが仄めかされる。ドイツ語でBachは「小川」、ウェールズ語でbachは「小さな」。第1巻第8章(p.213)で2人の洗濯婦が‘my back, my back, my bach!’とうめく場面も彷彿とさせる。, to buy J. J. and S.ウィスキーの老舗ジョン・ジェイムソン&サンズ(Jamesonはジョイスのお気に入りのレーベルでもあった)。なお、ジョイスは自分が『ウェイク』の執筆を続けられなくなったら、同郷の作家ジェイムズ・スティーヴンズに後を任せ、著者として‘J. J. & S.’とサインできると言っていた。 with. There was a minute silence第1次世界大戦の休戦記念日(11月11日)の黙祷か。 before memory’s fire’s rekindling and then. Heart alive! Which at very first wind of gay gay and whiskwigs wick’s ears‘gay gay’は‘J. J.’と読め、ウィスキーブランドのJohn Jamesonやジェイムズ・ジョイスが仄めかされる。また、‘wick’s ears’はイアウィッカーを仄めかす。 pricked up, the starving gunman, strike him pink, became strangely calm and forthright sware by all his lards porsenalトマス・バビントン・マコーリーが書いたバラード‘Horatius at the Bridge’の書き出しが仄めかされる(‘Lars Porsena of Clusium, by the Nine Gods he swore / That the great house of Tarquin should suffer wrong no more’)。紀元前6世紀のローマの英雄ホラティウス・コクレスが、エトルリアに対して仕掛けた戦いを賛美する歌で、冒頭に出てくるラルス・ポルセンナはエトルリアの王。 that the thorntree of sheolSheolはユダヤ教の冥界のこと。また、thorntreeはイスラム教の地獄に生える木ザックームのことで、地獄の住人はこの木に生える苦い果物しか食べることができない。 might ramify up his Sheofon to the lux apointlex『ダブリナーズ』所収の「恩寵」で一同がカーナン氏のお見舞いに行く際の剽軽な会話に出てくるフレーズ‘Lux upon Lux’より。‘—Pope Leo XIII, said Mr Cunningham, was one of the lights of the age. His great idea, you know, was the union of the Latin and Greek Churches. That was the aim of his life. […] —Allow me, said Mr Cunningham positively, it was Lux upon Lux. And Pius IX his predecessor’s motto was Crux upon Crux—that is, Cross upon Cross—to show the difference between their two pontificates’. but he would go good to him suntime marx my word fort, for a chip off the old Flint両親に似ている人を指すa chip off the old blockという慣用句に、「火打ち石」(flint)や、「フリント」(Flint)という人名がかかる(多くの人物が示唆されるが、一例としてマルクス思想における社会主義に関する本『社会主義』を書いたロバート・フリントが挙げられる)。, (in the Nichtianニーチェの他に、ドイツ語の「無」(Nicht)や、18世紀アイルランドでアイルランド語辞書を編纂したタイグ・オナクタイ(Tadhg Ó Neachtai)の名も響く。 glossery which purveys aprioric roots for aposteriorious tonguesオットー・イェスペルセンはAn International Language(1928)p.41註において「人工的な言語(an a posteriori language)を構築するうえでは、語根を単音節にすることや、(中略)文法を直感的(a priori)に理解できるものにすることが理想的だろう」と述べている。 this is nat language「非言語」あるいは「無言語」(not language)に、デンマーク語の「夜」(nat)がかかる。 at any sinse of the world「言葉/世界の意味」(sense of the word/world)に、「ヨハネによる福音書」1:29に見られる「世の罪を除きたもう神の子羊」(lamb of God who taketh away the sins of the world)という言い回しがかかっている。 and one might as fairly go and kish his sproguesアイルランド英語の「箱一杯の靴くらい無知」(ignorant as a kish of brogues)という慣用表現のもじり。ジョイスがエリオットからもらった茶色の靴も仄めかされるか。brogueには「強いアイルランド訛り」という意味も。他に、デンマーク語でsprogは「言語」、アイルランド語でpogueは「キス」。ジョイスがショーンを造形する際に着想源となったディオン・ブーシコの戯曲Arrah-na-Pogueも響くか。 as fail to certify whether the wartrophy eluded at some lives earlier was that somethink like a jug, to what, a coctable) and remarxing in languidoily「物憂く」を意味する英語の副詞languidlyに、中世の北フランスで話されていた俗ラテン系言語の総称である「オイル語」(langue d’oïl)がかかる。, seemingly much more highly pleased than tongue could tell at this opening of a lifetime and the foretaste of the Dun Bank pearlmothersクレア県で収穫された牡蠣のことを‘Red Bank oysters’と呼んだ。また、ジョイスがノラ・バーナクルへ送った1909年8月21日付の手紙には以下のような文言がある。‘Do you know what a pearl is and what an opal is? My soul when you came sauntering to me first through those sweet summer evenings was beautiful but with the pale passionless beauty of a pearl. Your love has passed through me and now I feel my mind something like an opal, that is, full of strange uncertain hues and colours, of warm lights and quick shadows and of broken music’ (Letters of James Joyce, vol.II, p.237). and the boy to wash down‘the boy’は19世紀末から20世紀初頭にかけて用いられたスラングでシャンパンのこと。 which he would feed to himself in the Ruadh Cow at Tallaght and then into the Good Woman at Ringsend タラにあるRed Cow地区や、古くから(少なくとも18世紀から)タラにある宿屋Red Cowが仄めかされる。また、ダブリンのリングスエンドにある酒場The Good Womanは、牡蠣などの海産物にも定評があったらしい。and after her inat Conway’s Inn at Blackrockダブリン近郊のブラックロックにあるConway’s Tavern。 and, first to fall, cursed be all, where appetite would keenest be, atte中英語においては前置詞atと定冠詞theが縮約されてatteと綴られることがあった。, funeral fare or fun fain realアイルランド語でfé’n riaghailは「政府の統治下で」「宗教的な戒律のもとで」。, Adam and Eve’sダブリンのリバティーズにあるクック通りのパブAdam and Eve’s。 in Quantity Streetダブリンのクオリティ小路(Quality Row)。また、ピーターパンの作者でもあるJ・M・バリーが書いた戯曲Quality Streetも仄めかされる。ナポレオン戦争下での若者の恋愛を描いた劇であり、Miss Livvyという(リフィーっぽい名前の)登場人物が、主人公のフィビーになりすます。 by the grace of gamy queen Tailteファーボルグ一族の最後の上王の妃タルトゥと、海賊女王グローニュエレ(Grace O’Malley)の名が混ざる。, her will and testament: You stunning little southdownerサセックス州の丘陵地帯サウス・ダウンズ(South Downs)は、HCEゆかりの地であるシドルシャムからあまり離れていない。! I’d know you anywhere, Declaney5世紀アイルランドの聖人である聖デクランが仄めかされる。ちなみに、ダブリン近郊のカブラには聖デクラン・カレッジという高校がある。また、この直後でレキシントンの戦いへの言及があることを踏まえると、南北戦争時に北軍で活躍したジョン・キャロル・デレイニー(John Carroll Delaney)が仄めかされていると考えられるかもしれない。デレイニーは1848年にゴールウェイ県で生まれ1853年にペンシルべニアに移住、南北戦争が始まると陸軍に入隊し、1865年のハッチャーズ・ランの戦いでの活躍が評価され名誉勲章を授与された。, let me truthfully tell you in or out of the lexinction of life「語彙(集)」(lexicon)の中に、1775年のレキシントンの戦いが仄めかされる。 and who the hell else, be your blanche patch! on the boney part!ナポレオン・ボナパルトの名が仄めかされると同時に男性器も示唆される(アメリカ英語のスラングでbonerは「勃起」や「男性器」を意味する)。 Goalball I’ve struck this daylit dielate night of nights, by golly! My hat, you have some bully German grit, sundowner!sundownerは、「夕暮れ時の一杯」「仕事の後の一杯」を意味するほか、オーストラリア英語のスラングで「流れ者」「放浪者」の意(日没頃にやってきて食事と寝床を得ることから。「身の回りの包みを持って旅する労働者」を意味するswagmanとほぼ同義)。 He spud in his faustドイツ語でFaustは「拳」を意味するため、「拳に唾をはいた」(spta in his fist)と読める。アイルランドでは、取引の成立時に手に唾を吐いて握手する慣習があった。 (axin)アイルランド英語でaxはaskの意。したがって‘axin’は‘asking’と読める。; he toped the raw best (pardun); he poked his pick (a tip is a tap): and he tucked his friend’s leave「無断で去る」「断りなく〜する」と言う意味の慣用表現‘take French leave’が響く。. And with French hen or the portlifowlium of hastes and leisures「急いで結婚すると長くツケを払うことになる」という意味の英語の格言marry in haste and repent at leisureのもじり(‘portlifowlium’は、portfolio「書類入れ」とportly fowl「太った雌鶏」の鞄語か)。, about to continue that the queer mixture exchanged the pax in embrace or poghue puxy as practised between brothers of the same breast, hillelulia, killelulia, allenalaw,キリスト教の祈りの言葉「ハレルヤ」に、クレア県のシャノン川沿いの町「キラルー」がかかる。歌「リリビュレロ」でアイルランドのカトリック信者を嘲笑したリフレイン‘Lillibullero bullen a la’も響く。 and, having ratified before the god of the day their torgantruceアイルランド語で「集中砲火」を意味するtuargainと、英語で「休戦」を意味するtruceの鞄語か。 which belittlers have schmallkalled1546年から1547年にかけて神聖ローマ皇帝カール5世が神聖ローマ帝国内のプロテスタント勢力と戦ったシュマルカルデン戦争が仄めかされる。これはカトリックとプロテスタントの戦いであり、17世紀以降のアイルランドにおける宗教戦争も彷彿とさせる。 the treatyng to cognac神聖ローマ皇帝カール5世が1526年から1530年にかけて戦ったコニャック同盟戦争。お酒のコニャックも。, turning his fez menialstrait fezとはイスラム教徒の男性がよく着用していた「トルコ帽」を指すが、紀元前40年頃からあるモロッコの都市フェズも想起させる。‘menialstrait’は、ウェールズ北西部とアングルシー島の間にあるメナイ海峡(Menai Strait)のことか。 in the
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direction of Moscasモスクワ(Moscow)とメッカ(Mecca)の鞄語。, he first got rid of a few mitsmillers「アッラーの名によって」を意味するアラビア語の祈りの言葉バスマラ(Bismillah)が仄めかされる。イスラム教で最も重要な言葉だとされる。 and hurooshoos‘hurry shoes’と読めるが、ロシア語で「良い」「素晴らしい」などを意味するkhorosho(хорошо)も響く。 and levanted off with tubular jurbulance at a bull’s runカインの子孫トバル(Tubal)とユバル(Jubal)が仄めかされる。第2次ブルランの戦いの連合国側の指揮官ジュバル・アーリーの名も響く。 over the assback bridge二等辺三角形の底角は常に等しいが、これを証明するために用いられる図はpons asinorum(ラテン語で「ロバの橋」の意)として知られる(英語にするとthe asses’ bridge)。 spitting his teeths on rooths with the seven and four in danegeldDanegeldとは、中世イングランドでデーン人から領土を守るために徴収された税金のことで、p.79やp.84でも言及されていた。「7シリング4ペンス」も、p.83で触れられていた。 and their humoral hurlbatアイルランドのスポーツ「ハーリング」で使われるバットのことか。ちなみに、女性のハーリングは「カモーギー」と呼ばれる。 or other uncertain weapon of lignum vitaeラテン語で「生命の木」を意味する。ユソウボクから得られた木材の総称を「リグナムバイタ」と呼ぶ。ウォーカー編・乙須訳『世界木材図鑑』(産調出版、2006)によると「市場に流通する木材としてはもっとも堅く重い木材とされ、堅さでは肩を並べるものはない程である」。, but so evermore rhumanasant of「〜を思い出させる」(reminiscent of)と読めるが、「リューマチ」(rheumatism)も響く。 a toboggan poopそのまま読めば「トボガンのうんち」だが、tobacco pipeとも読める。, picked up to keep some crowplucking英語のスラングでpluck a crowは「不快な一件を収束させる」。カラス(crow)は『ウェイク』でシェムとショーンを象徴することもある。 appointment with some rival rialtosヴェニスにある「リアルト橋」が仄めかされる(なお、イタリア語でrialtoは「高台」「台地」の意)。「白い巨像」とも呼ばれる。ダブリンのハーコート橋は、見た目が似ていることからリアルト橋と呼ばれてきた。 anywheres between Pearidgeアメリカ南北戦争のピーリッジの戦い(the Battle of Pea Ridge)、別名「エルクホーンの酒場の戦い」が仄めかされる。 and the Littlehorn1876年アメリカのリトルビッグホーンの戦いが仄めかされる。 while this poor delaneyDelaneyは『ウェイク』に時たま登場する謎の男。p.83に出てきたDeclaneyと同一人物である可能性もある。なお、パトリック・デレイニー(Patrick Delaney)は1882年に起きたフェニックス公園暗殺事件の実行犯のひとり。, who they left along with the confederate fenderアメリカ南北戦争時の「南部連合」(Confederate)に、「暖炉の火の粉よけ」「炉格子」を意味するfenderがかかる。「犯罪者」(offender)も響くか。 behind and who albeit ballsbluffed南北戦争におけるボールズブラフの戦い(1861年)が仄めかされる。, bore up wonderfully wunder all of it with a whole number of plumsized contusiums『ユリシーズ』第7挿話「アイオロス」の終盤でスティーヴンが語る「スモモの訓話」(‘The Parable of the Plums’)が響く。この訓話でスティーヴンは、パレスチナのピスガ山とダブリンの「ネルソンの柱」を重ねているこれについては、Blooms&Barnaclesがここで詳しく扱っている)。英語でcontusionは「あざ」のこと。以下に続く部分では、いくつかの単語の語尾が英語の〜sionの代わりにラテン語の〜siumに変えられている。, plus alasalah bruised coccyxABC。アラビア語でal-asalahは「最善」。英語でcoccyxは尾骨(背骨の一番下にある骨)のこと。, all over him, reported the occurance in the best way he couldMonseigneur De Foquessolesによる‘The Damsel and the Knight’に登場する‘He finished reading the letter the best way he could’という言い回しのもじり。この物語では、騎士が貴婦人と婚約するが、後に他の女性と恋仲になり、貴婦人は婚約破棄に怒って手紙を書き残す。上記の言い回しは、その手紙を騎士が読んだ際の描写において用いられている。, to the flabbergaze「(言葉が出ないほど)驚かせる」という意味の他動詞flabbergastに、「凝視(する)」を意味するgazeが混ざっている。 of the whole lab giving the Paddybanners「アイルランド人」(Paddy)の「(国)旗」(banner)、あるいはそれを掲げる人たちのことか。 the military salute as for his exilicy’s the O’Daffy1930年代にアイルランドのファシスト運動「青シャツ運動」を率いたオウン・オダフィーへの言及。スペイン内戦ではファシストの味方として戦った。当時のアイルランド政府の「軍事情報総局」が集めた情報によると、オダフィーはひどい酔っ払いで、口が軽く、大言壮語の傾向があったとされている。, in justifiable hope that, in nobiloromanシェイクスピア『ジュリアス・シーザー』の締めくくりの台詞‘This was the noblest Roman of them all’。 review of the hugely sitisfactuary conclusiumマコーリーの『橋のホラティウス』に出てくるエトルリアの王、クルシウムのラルス・ポルセンナが仄めかされる(p.83の‘sware by all his lards porsenal’の註も参照)。 of their negotiations and the jugglemonkysh agripment古代ローマの軍人で、初代皇帝アウグストゥスの腹心のマルクス・ウィプサニウス・アグリッパの名前が響く(アグリッパはユリウス・カエサルに軍才を見込まれて抜擢されたので、先述のシェイクスピア『ジュリアス・シーザー』への仄めかしともつながる)。また、『ウェイク』でときおり言及される16世紀ドイツの魔術師にして神学者のコルネリウス・アグリッパも仄めかされているかもしれない。 deinderivative, some lotion or fomentation of poppyheads would be jennerously「気前よく」(generously)の中に、天然痘(smallpox)のワクチンである種痘の開発者エドワード・ジェンナーの名が響く。前後の文脈から判断して、何らかの医薬品が開発されていることが示唆される。 exhibited to the parts, at the nearest watchhouse in Vicar Laneダブリンのリバティーズにあるヴァイカー通り(Vicar Street)のことか。ダブリン南郊のキライニーからドーキーに至るヴィーコ・ロード(Vico Road) も響く。, the white ground of his face all covered with diagonally redcrossed医学つながりで赤十字もありえるが、おそらくは「聖パトリック旗」への仄めかしが重要。 nonfatal mammalian blood as proofpositive of the seriousness of his character and that he was bleeding in self defience (stanch it!) from the nostrils, lips, pavilion and palate, while some of his hitter’s hairs had been pulled off his knut’s head11世紀のデンマーク王にしてイングランド王のクヌート1世が仄めかされるか。ちなみに、「クヌートと波の説話」はよく誤って引用されている。この説話はしばしば、クヌートが自然の力をも支配できると思い上がって波を止めようとしたという設定になっているが、実際には臣下たちからお世辞を言われたときに「自然の力は神だけが操れる」と諭したクヌート王の謙虚さを物語る説話。なお、一般名詞としてのkuntは主に20世紀のイギリスやオーストラリア、ニュージーランドで用いられたスラングで、「(若い)伊達男」の意。 by Colt英語で「若い雄馬」を意味するが、語頭が大文字になっているため、スケリーズ沖に浮かぶ無人島であるイニシュ・コルト(コルト島)が仄めかされていると考えられる(ちなみに、アイルランド語名の‘Inis Coilt’のCoiltは「雄馬」という意味ではない)。他に、コルト・ウッド鉄道の脱線事件や、リボルバー拳銃のコルトも示唆されているかもしれない。 though otherwise his allround health appeared to be middling along as it proved most fortunate that not one of the two hundred and six bones and five hundred and one muscles人体には206個の骨と640個の筋肉があると言われている。 in his corsoイタリア語でin corsoは「進行中」。『ウェイク』の出版前の仮題‘Work in Progress’とかけているか。また、イタリア語でcorpoは「身体」。 was a whit the whorse for her whacking「白馬」(white horse)と「老いて疲れた馬」(hacking)が混ざっている。. Herwho?
Nowthen, leaving clashing ash, brawn and muscle and brassmade to oust earthernborn and rockcrystal to wreck isinglass「真鍮」(brass)が「土から生まれたもの」(earthenborn)すなわち「土器」(?)を「追い出し」(oust)、「石の結晶」(rockcrystal)が「雲母」あるいは「魚膠」(魚類の浮袋から得られるゼラチンのことで、セメントやインクなどに用いる)を「壊した」(wreck)と読めるが、文意は判然としない。 but wurming along英語においてwormを動詞として用いると「徐々に進む」「這うように進む」などの意。ドイツ語でWurmは足や羽のない「虫」を意味する。 gradually for our savings backtowards motherwaters『ユリシーズ』第1挿話「テレマコス」でバック・マリガンがアルジャーノン・チャールズ・スウィンバーンの1866年の詩‘The Triumph of Time’から引用して言う‘a great sweet mother’が響く。他に、オランダ語でmodderwaterは「泥水」。 so many miles from bank and Dublin stone (olympiading英語においてOlympiadeは、オリンピック開催の間隔に基づく「4年単位」を意味する。 even till the eleventh dynasty to reach that thuddysickend1132。 Hamlaughアイルランド語でHumphreyは‘Amhlaoibh’となる。他に、ノアの3人の息子であるシェム、ハム、ヤフェトや、ハムレット、そしてダブリンを創ったヴァイキングのオラフの名が仄めかされる。) and to the question of boney’s unlawfully obtaining a pierced paraflammeイタリア語でparafuocoは「火の粉よけ」「炉格子」、fiammeは「炎」のこと。また、英語のoriflammeは、12世紀から15世紀にかけてフランス軍の先頭に掲げられた「赤色王旗」や、より一般的に「軍旗」を意味する。 and claptrap fireguard there crops out the still more salient point of the politishpoliticalとBritishの鞄語のように思われるが、直前の‘boeny’s’が「(ナポレオン・)ボナパルトの」を意味するのであれば、ナポレオンがティルジット条約に基づきワルシャワ公国を建国した、現在ではポーランドにあたる地域が仄めかされているかもしれない。 leanings and town pursuits of our forebeer, El Don De Dunelliイタリア語のヴェネツィア方言でel don de duneleは「女ったらし」。他に、スペイン語の「痛む場所」(donde le duele)も響くか。また、シアター・ロイヤルの歌手Dunnは‘Dunelli’を自称していた他、ダブリンのクロンドーキンには「オラフの要塞」を意味するDunawlyという地名がある。なお、名前の響きが似ているダブリン南郊のダン・レアリー(Dún Laoghaire)は、元々は「リアリー・マクニールの砦」(dún Lóegaire mac Néill)の意。, (may his ship thicked stick
Nowthen, leaving clashing ash, brawn and muscle and brassmade to oust earthernborn and rockcrystal to wreck isinglass「真鍮」(brass)が「土から生まれたもの」(earthenborn)すなわち「土器」(?)を「追い出し」(oust)、「石の結晶」(rockcrystal)が「雲母」あるいは「魚膠」(魚類の浮袋から得られるゼラチンのことで、セメントやインクなどに用いる)を「壊した」(wreck)と読めるが、文意は判然としない。 but wurming along英語においてwormを動詞として用いると「徐々に進む」「這うように進む」などの意。ドイツ語でWurmは足や羽のない「虫」を意味する。 gradually for our savings backtowards motherwaters『ユリシーズ』第1挿話「テレマコス」でバック・マリガンがアルジャーノン・チャールズ・スウィンバーンの1866年の詩‘The Triumph of Time’から引用して言う‘a great sweet mother’が響く。他に、オランダ語でmodderwaterは「泥水」。 so many miles from bank and Dublin stone (olympiading英語においてOlympiadeは、オリンピック開催の間隔に基づく「4年単位」を意味する。 even till the eleventh dynasty to reach that thuddysickend1132。 Hamlaughアイルランド語でHumphreyは‘Amhlaoibh’となる。他に、ノアの3人の息子であるシェム、ハム、ヤフェトや、ハムレット、そしてダブリンを創ったヴァイキングのオラフの名が仄めかされる。) and to the question of boney’s unlawfully obtaining a pierced paraflammeイタリア語でparafuocoは「火の粉よけ」「炉格子」、fiammeは「炎」のこと。また、英語のoriflammeは、12世紀から15世紀にかけてフランス軍の先頭に掲げられた「赤色王旗」や、より一般的に「軍旗」を意味する。 and claptrap fireguard there crops out the still more salient point of the politishpoliticalとBritishの鞄語のように思われるが、直前の‘boeny’s’が「(ナポレオン・)ボナパルトの」を意味するのであれば、ナポレオンがティルジット条約に基づきワルシャワ公国を建国した、現在ではポーランドにあたる地域が仄めかされているかもしれない。 leanings and town pursuits of our forebeer, El Don De Dunelliイタリア語のヴェネツィア方言でel don de duneleは「女ったらし」。他に、スペイン語の「痛む場所」(donde le duele)も響くか。また、シアター・ロイヤルの歌手Dunnは‘Dunelli’を自称していた他、ダブリンのクロンドーキンには「オラフの要塞」を意味するDunawlyという地名がある。なお、名前の響きが似ているダブリン南郊のダン・レアリー(Dún Laoghaire)は、元々は「リアリー・マクニールの砦」(dún Lóegaire mac Néill)の意。, (may his ship thicked stick
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in the bottol of the river and all his crewsers stock locked in the burral英語でlock, stock and barrellは「完全に」という意味の成句。アイルランド語でburralは「衝撃」。 of the seas!) who, when within the black of your toenail英語で「ギリギリ」「間一髪」を意味するon the back of your toenailのもじり。, sir, of being mistakenly ambushed by one of the uddahveddahs「ブッダ」(Buddah)に「ヴェーダ」(Vedas)がかかる。また、Veddaはスリランカの先住民「ヴェッダ族」のこと。, and as close as made no matte中英語においては前置詞atと定冠詞theが縮約されてatteと綴られることがあった。r, mam, to being kayoed「K. O.(ノック・アウト)された」の意か。 offhard when the hyougonoフランスのカルヴァン派プロテスタントの「ユグノー教徒」(Huguenots)が仄めかされる。16世紀からこのように呼ばれるようになった。当時、ユグノー教徒はフランスで迫害を受けており、17世紀にはアイルランドへも亡命した(例えば、『放浪者メルモス』の作者チャールズ・ロバート・マチューリンや、サミュエル・ベケットはユグノーの子孫。ただし後者については異説もある)。その亡命者たちが埋葬されている「ユグノー墓所」は、今でもダブリンの中心街に残っている。 heckler with the Peter the Painter20世紀初頭のラトビア出身でロンドンに住んでいたアナーキストの「絵描きのピーター」ことJanis Zhaklis。ただし、素性がはっきりしておらず、そもそも実在したかどうかも怪しいらしい(別名も多数あった。詳しくはこちらの記事やこちらの本で)。また、このアナーキストにちなんで名付けられた、ドイツ製の自動拳銃C96の通称(イースター蜂起やアイルランド独立戦争でも使用された)。 wanted to hole him, was consistently practising the first of the primary and imprescriptible liberties of the pacific subject by circulating (be British, boys to your bellybone and chuck a chum a chance!) alongst one of our umphrohibited「禁止されていない」(unprohibited)の中に「ハンフリー」(Humphrey)が隠れている。 semitary thrufahrts「墓地の道」(cemetary thoroughfares)という英語の中に、ラテン語の「道」(semita)やドイツ語の「通路」(Durchfahrt)が混ざっている。, open to buggy and bike, to walk, Wellington Park road, with the curb or quaker’s quacknostrum英語でnostrumは「いかがわしい薬」「家伝薬」。 under his auxterアイルランド英語でoxterは「脇の下」のこと。 and his alpenstuckalpenstickは「登山用の杖」。 in his redhand赤い手形はアルスター州のシンボル。また、redhandedには、「有罪の」「現行犯の」という意味がある。, a highly commendable exerciseHCE。, or, number two of our acta legitima plebeiaALP。ラテン語で「一般人の合法的な行動の日録」。実際にそのようなものがローマに存在したことはない。, on the brink (beware to baulk a manイプセンの1896年発表の演劇『ヨーン・ガブリエル・ボルクマン』(John Gabriel Borkman)が響く。ちなみに、日本では森鴎外がこれを和訳している。 at his will!) of taking place upon a public seat, to what, bare by Butt’sホーム・ルール運動の創始者アイザック・バットの名や、ダブリンのリフィー川にかかるバット橋が仄めかされる。, most easterly (but all goes west!) of blackpool bridgesダブリンの語源は、アイルランド語で「黒い水たまり」を意味するlinn dubh。また、ローマン・ブリテンにおいてブリストルから伸びていたローマ街道にかかるブラックプール橋も。, as a public protest and naturlikeviceデンマーク語でnaturligivisは「もちろん」、ドイツ語でnatürlicherweiseは「自然に」の意。, without intent to annoy either, being praisegood thankfully for the wrathbereaved ringdove and the fearstung boaconstrictor and all the more right jollywell pleased, which he was, at having other people’s weather.
But to return to the atlantic and Phenitia Properジョイスの1926年春頃のノートには、ジェイムズ・フレーザーの『旧約聖書における民話』第1巻p.11からの抜粋‘But to return to the Pacific’が書かれていた。古代の地中海に面した地域名フェニキア(ホメロスの作品にもよくフェニキア人が出てくる)やフェニックス公園も響く。. As if that were not to be enough for anyone but little headway, if any, was made in solving the wasnottobe crime cunundrum when a child of Maamヘブライ語でben adamは「人の子」すなわちchild of man。また、1882年8月17日に起こった「マームトラスナ殺人事件」(Maamtrasna Murders)では、マイルズ・ジョイスという人物(ジェイムズ・ジョイスの近縁者ではない)が、英語を話せなかったために冤罪で処刑された。これについて、ジョイスは1907年に‘Ireland at the Bar’という短いエッセイを書いたが、事実誤認が多いとされている。最近では、2018年にマーガレット・ケラハーが優れた本を書いている。なお、2018年にはマイケル・D・ヒギンズ大統領がマイルズ・ジョイスを恩赦した。, Festy King「宴(fest)好きな王」くらいの意味か。直前でマームトラスナ事件が仄めかされていたことを踏まえると、おそらくアイルランド語しか話せない王(しかし、自身の嫌疑に関して英語で弁護をしないといけない)。なお、ジョイスの1923年秋頃のノートによると、これはHCE。, of a family long and honourably associated with the tar and feather industries, who gave an address in old plomansch Mayo of the Saxons‘old plomansch Mayo’は、「古ロマンス言語」(old Romansh)や、ドイツ語で「ごた混ぜ」を意味するMansch、「なってこった!」を意味するMensch Meier!などの混成語か。‘Mayo of the Saxons’は、ベネディクト・フィッツパトリックの『イギリス建国とアイルランド』pp.59–61の記述に基づくと思われる。‘The offspring of Irish families settled in Britain and elsewhere likewise came to Ireland in great numbers to seek an education in the liberal arts… This going to school in Ireland was not a matter of one short generation. It became traditional and continuous. Thus a part of the university city of Armagh became known as “Saxon Armagh,” and likewise part of Mayo became known as “Mayo of the Saxons”’. この修道院は、7世紀に聖コルマーンによって造られた(こちらの記事も参照のこと)。 in the heart of a foulfamed potheenpoteenはアイルランド語で「密造酒」を意味する。酒造の免許制度は1661年にアイルランドに導入された。それまでは、酒は小さな樽で少量生産されていたので、「小さな樽」という意味のpoitínが酒を意味する一般名詞として使われた。 district, was subsequently haled up at the Old Baileyベイリー灯台のこと。他に、ロンドン所在の中央刑事裁判所の通称The Old Baileyも仄めかされる。 on the calends of Marsローマ暦の月の初日をcalendと呼ぶ。ここでは3月1日。ローマ暦では、1月と2月が追加される前は、3月1日が元旦だった。3月はローマ神話の戦いの神マルスを由来とする。, under an incompatibly framed indictmentここでもマイルズ・ジョイスの冤罪事件が仄めかされる。 of both the counts (from each equinoxious points of view, the one fellow’s fetch being the other follow’s person「甲の薬は乙の毒」という意味の慣用句one man’s meat is another man’s poisonのもじり(fetchはfish、personはpoisson(フランス語で「魚」)とも読める)。アイルランド民話では、ドッペルゲンガーをfetchと呼ぶが、このfetchを見るのは不吉な前兆とされている。古ノルド語でfollowを意味するfylgjaは、このfetchと意味が同じで、ドッペルゲンガーあるいは守護霊のような霊的存在のこと。) that is to see, flying cushats英語方言(ニューカッスル、スコットランド)でwood pigeonすなわちモリバトのこと。この語はring doveも意味するので、数珠掛鳩と解すこともできるだろう。 out of his ouveralls and making fessesイタリア語でfar fessoは「誰かをバカにする」、フランス語でfessesは「尻」。英語の「糞」(faeces)も響くので、『ウェイク』第2巻第3章で語られるロシア将軍の話も連想される。 immodst his forces on the field. Oyeh! Oyeh!‘oyez’は古フランス語のoyezを語源とする、裁判で静粛を呼びかける言葉(15世紀以降は‘O yes’と同一視されしばしばそのように書かれた)。また、ドイツ語でOjeは‘Oh Dear!’すなわち「なんてこった!」。 When the prisoner, soaked in methylated酒にメタノールなどを混ぜて飲めなくし、代わりに燃料として使う慣習が仄めかされる。, appeared in dry dock英語スラングで「隔離されている」「入院している」。, appatently ambrosiaurealised5世紀にローマ帝国統治下のブリテンをアングロ・サクソン人の侵略から守ったとされる伝説的英雄アンブロシウス・アウレリアヌスが仄めかされる。ギリシア神話の神々の食事アムブロシアーも。, like Kersse’s Korduroy Karikatureアメリカの白人至上主義団体クー・クラックス・クランが仄めかされる。また、Kersseは『ウェイク』第2巻第3章の主要人物のひとりである仕立屋の名前。ジョン・ジョイスがよく語った物語のひとつで、こちらに詳しい説明がある。ジョン・ジョイス(あるいは彼にこの話を語ったとされるジョイスの名付け親フィリップ・マカン)が語ったとされる物語においては、ダブリンのアッパー・サックヴィル・ストリートに店をかまえるJ. H. Kerseという名前の仕立屋がノルウェー人の船長のために服を仕立てるが、何度調節しても船長の体形に服があわず、終いには船長が仕立屋を「服の大きさを調節できないやつ」と、仕立屋が船長を「どうやっても服が合わない体形の持ち主」とそれぞれ揶揄して終わる。, wearing,besides stains, rents and patches, his fight shirthis first shirtやhis night shirtとも読める。, straw braces, souwester and a policeman’s corkscrew trowswers, all out of the true3つの慣用句が重なっている。all out ofは「包み隠さず」、out of the blueは「いきなり」、そしてtrue blueは「ゆるぎない忠誠」。 (as he had purposely torn up all his cymtrymanxウェールズ語のことをウェールズ語では「ケムライグ」(Cymraeg)と呼ぶ。また、マン島の言語をManxと呼ぶ。いずれもケルト系言語。 bespokesイギリス英語においてbespokeは「(服や靴が)オーダーメイドの」という意味の形容詞だが、「婚約中の」という古い意味もある。第2巻第3章で頻出する「スーツ/求婚」(suit)のダブルミーニングがKersseとともに現れているのかもしれない。 in the mamertime古代ローマの監獄「マメルティヌスの牢獄」が仄めかされる。), deposing for
But to return to the atlantic and Phenitia Properジョイスの1926年春頃のノートには、ジェイムズ・フレーザーの『旧約聖書における民話』第1巻p.11からの抜粋‘But to return to the Pacific’が書かれていた。古代の地中海に面した地域名フェニキア(ホメロスの作品にもよくフェニキア人が出てくる)やフェニックス公園も響く。. As if that were not to be enough for anyone but little headway, if any, was made in solving the wasnottobe crime cunundrum when a child of Maamヘブライ語でben adamは「人の子」すなわちchild of man。また、1882年8月17日に起こった「マームトラスナ殺人事件」(Maamtrasna Murders)では、マイルズ・ジョイスという人物(ジェイムズ・ジョイスの近縁者ではない)が、英語を話せなかったために冤罪で処刑された。これについて、ジョイスは1907年に‘Ireland at the Bar’という短いエッセイを書いたが、事実誤認が多いとされている。最近では、2018年にマーガレット・ケラハーが優れた本を書いている。なお、2018年にはマイケル・D・ヒギンズ大統領がマイルズ・ジョイスを恩赦した。, Festy King「宴(fest)好きな王」くらいの意味か。直前でマームトラスナ事件が仄めかされていたことを踏まえると、おそらくアイルランド語しか話せない王(しかし、自身の嫌疑に関して英語で弁護をしないといけない)。なお、ジョイスの1923年秋頃のノートによると、これはHCE。, of a family long and honourably associated with the tar and feather industries, who gave an address in old plomansch Mayo of the Saxons‘old plomansch Mayo’は、「古ロマンス言語」(old Romansh)や、ドイツ語で「ごた混ぜ」を意味するMansch、「なってこった!」を意味するMensch Meier!などの混成語か。‘Mayo of the Saxons’は、ベネディクト・フィッツパトリックの『イギリス建国とアイルランド』pp.59–61の記述に基づくと思われる。‘The offspring of Irish families settled in Britain and elsewhere likewise came to Ireland in great numbers to seek an education in the liberal arts… This going to school in Ireland was not a matter of one short generation. It became traditional and continuous. Thus a part of the university city of Armagh became known as “Saxon Armagh,” and likewise part of Mayo became known as “Mayo of the Saxons”’. この修道院は、7世紀に聖コルマーンによって造られた(こちらの記事も参照のこと)。 in the heart of a foulfamed potheenpoteenはアイルランド語で「密造酒」を意味する。酒造の免許制度は1661年にアイルランドに導入された。それまでは、酒は小さな樽で少量生産されていたので、「小さな樽」という意味のpoitínが酒を意味する一般名詞として使われた。 district, was subsequently haled up at the Old Baileyベイリー灯台のこと。他に、ロンドン所在の中央刑事裁判所の通称The Old Baileyも仄めかされる。 on the calends of Marsローマ暦の月の初日をcalendと呼ぶ。ここでは3月1日。ローマ暦では、1月と2月が追加される前は、3月1日が元旦だった。3月はローマ神話の戦いの神マルスを由来とする。, under an incompatibly framed indictmentここでもマイルズ・ジョイスの冤罪事件が仄めかされる。 of both the counts (from each equinoxious points of view, the one fellow’s fetch being the other follow’s person「甲の薬は乙の毒」という意味の慣用句one man’s meat is another man’s poisonのもじり(fetchはfish、personはpoisson(フランス語で「魚」)とも読める)。アイルランド民話では、ドッペルゲンガーをfetchと呼ぶが、このfetchを見るのは不吉な前兆とされている。古ノルド語でfollowを意味するfylgjaは、このfetchと意味が同じで、ドッペルゲンガーあるいは守護霊のような霊的存在のこと。) that is to see, flying cushats英語方言(ニューカッスル、スコットランド)でwood pigeonすなわちモリバトのこと。この語はring doveも意味するので、数珠掛鳩と解すこともできるだろう。 out of his ouveralls and making fessesイタリア語でfar fessoは「誰かをバカにする」、フランス語でfessesは「尻」。英語の「糞」(faeces)も響くので、『ウェイク』第2巻第3章で語られるロシア将軍の話も連想される。 immodst his forces on the field. Oyeh! Oyeh!‘oyez’は古フランス語のoyezを語源とする、裁判で静粛を呼びかける言葉(15世紀以降は‘O yes’と同一視されしばしばそのように書かれた)。また、ドイツ語でOjeは‘Oh Dear!’すなわち「なんてこった!」。 When the prisoner, soaked in methylated酒にメタノールなどを混ぜて飲めなくし、代わりに燃料として使う慣習が仄めかされる。, appeared in dry dock英語スラングで「隔離されている」「入院している」。, appatently ambrosiaurealised5世紀にローマ帝国統治下のブリテンをアングロ・サクソン人の侵略から守ったとされる伝説的英雄アンブロシウス・アウレリアヌスが仄めかされる。ギリシア神話の神々の食事アムブロシアーも。, like Kersse’s Korduroy Karikatureアメリカの白人至上主義団体クー・クラックス・クランが仄めかされる。また、Kersseは『ウェイク』第2巻第3章の主要人物のひとりである仕立屋の名前。ジョン・ジョイスがよく語った物語のひとつで、こちらに詳しい説明がある。ジョン・ジョイス(あるいは彼にこの話を語ったとされるジョイスの名付け親フィリップ・マカン)が語ったとされる物語においては、ダブリンのアッパー・サックヴィル・ストリートに店をかまえるJ. H. Kerseという名前の仕立屋がノルウェー人の船長のために服を仕立てるが、何度調節しても船長の体形に服があわず、終いには船長が仕立屋を「服の大きさを調節できないやつ」と、仕立屋が船長を「どうやっても服が合わない体形の持ち主」とそれぞれ揶揄して終わる。, wearing,besides stains, rents and patches, his fight shirthis first shirtやhis night shirtとも読める。, straw braces, souwester and a policeman’s corkscrew trowswers, all out of the true3つの慣用句が重なっている。all out ofは「包み隠さず」、out of the blueは「いきなり」、そしてtrue blueは「ゆるぎない忠誠」。 (as he had purposely torn up all his cymtrymanxウェールズ語のことをウェールズ語では「ケムライグ」(Cymraeg)と呼ぶ。また、マン島の言語をManxと呼ぶ。いずれもケルト系言語。 bespokesイギリス英語においてbespokeは「(服や靴が)オーダーメイドの」という意味の形容詞だが、「婚約中の」という古い意味もある。第2巻第3章で頻出する「スーツ/求婚」(suit)のダブルミーニングがKersseとともに現れているのかもしれない。 in the mamertime古代ローマの監獄「マメルティヌスの牢獄」が仄めかされる。), deposing for
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his exutionexcuse「弁解」とexertion「尽力」の鞄語か。 with all the fluors of sparseラテン語でfluorは「流れ」(英語ではflow) 、古風な英語でErseは「ゲール語族」を指すため、「流暢なゲール語」となるが、「言葉の花(修辞)」(flowers of speech)や「貧弱な流れ」(flow of sparse)、「ホタル石」(flourspar)などさまざまな読み方ができる(何気にarseも入っている)。 in the royal Irish vocabulary「王立アイルランド・アカデミー(RIA)」に、RIAが1913年に編纂を開始した「アイルランド語の語彙集」(すなわちアイルランド語辞典)がかかる。マイルズ・ジョイスがアイルランド語しか話せなかったことも仄めかされる。加えて、1822年から1922年までアイルランドを統治したイギリスの武装警察隊「王立アイルランド警察隊」(Royal Irish Constabulary)も。 how the whole padderjagmartin tripieziteスウィフトの『桶物語』で3つの宗派を象徴するピーター、ジャック、マーティンが仄めかされる。ここはpadderからpaddyすなわちパトリックも連想されるので、『聖パトリックの3部の生』も(詳しくはこちらの記事を)。また、直後に「石英」(quartz)が出てくることを踏まえると、水晶への加圧による発電現象である「圧電効果」(piezoelectricity)も読み取れる。 suet and all the sulfeit of copperas had fallen off him quatz unaccountably like the chrystalisations of Alum on Even‘copperas’は「硫酸鉄」だが、「銅」(copper)とも読めるかもしれない(ちなみに、19世紀前半から広く用いられている英語のスラングでcopperは警察のこと)。‘quatz’はquartzすなわち石英(純粋な結晶は水晶と呼ばれる)。‘Alum on Even’からは「アルミニウム」に加えアダムとイヴが仄めかされる。なお、この部分は、全体としてはヘンリー・ロスコーの『化学』p.36にある実験の手順についての記述のもじりとなっている。‘Now mix up half an ounce of powdered alum and half an ounce of powdered sulphate of copper, and having mixed these powders well together with the mortar and pestle, dissolve them in one ounce of hot water, and let the solution cool. Carefully notice what separates out. You will see that the colourless crystals of alum are formed, and side by side with them blue crystals of sulphate of copper appear’. while he was trying for to stick fireドイツ語でFeuer ansteckenは「火をつける」という意味だが、英語に直訳すると‘stick fire’となる。 to himcell, (in feacht英語でin factと読めるが、アイルランド語で読めばan feactで「旅」「機会・時期」の意。 he was dripping as he found upon stripping for a pipkin ofmalt as he feared the coold rainecold rainやcool drainと読めるが、デリー州にある酒造の町Coleraineも仄めかされる。) it was atte中英語においては前置詞atと定冠詞theが縮約されてatteと綴られることがあった。mpted by the crown (P.C. Robort)Police ConstableもRobertも「警察」を意味する。後者は19世紀中盤から20世紀後半にかけて用いられたスラング。 to show that King, elois Crowbar‘elois’は、「別名」「またの名を」を意味するaliasか。王立アイルランド警察隊をスラングでcrowbar brigadeと呼ぶ。また、少し前の‘Karikature’を踏まえると、1890年にダブリンのSt. Stephen’s Reviewに載った、‘Crowbar King’と題されたトム・メリーによるパーネルの風刺絵が仄めかされているかもしれない(風刺絵のタイトルは、パーネル失墜後にパーネル派が新聞社ユナイテッド・アイリッシュマンに鉄棒をもって突入した一件に由来する)。他に、12世紀後半から13世紀初頭にかけてのコナハト王Cathal Crobhdearg(アイルランド最後の上王Ruaidrí Ua Conchobairの息子)の名も響く。, once known as Melekyヘブライ語でmelekh(מֶ֗לֶךְ)は「王」。『ユリシーズ』に登場するマラカイ・マリガンや、その名前の由来にもなっている聖マラキー、アイルランド上王のマラキー2世(ブライアン・ボルーの次の王)が仄めかされる。, impersonating a climbing boy煙突掃除をする少年の通称。出典不明だが、パーネルはキティ・オシェーの夫から逃げるために煙突を使ったという話がある。, rubbed some pixessome piecesと読めるが、ラテン語でpixは「ピッチ」(コールタールや石油などを蒸留した後に残る黒色の物質)を意味する。 of any luvial peatsmoorALP。文字通りに読めば「洪水の泥炭沼」くらいか。 o’er his face, plucks and pussasアイルランド語でそれぞれ「頬」(pluc)と「口」(puss)。, with a clanetourf「クロンターフ」に「きれいな芝土」(clean turf)や「土くれ」(clay)、「ツアー」(tour)などがかかっている。 as the best means of disguising himself and was to the middlewhite fair in MudfordMiddle Whiteは豚の品種。豚は泥に入って体を冷やすので、Mudfordはそのような意味合いか。イギリスのサマセットにMudfordという村がある。また、mud(泥・濁流)とford(浅瀬)でALPとHCEの象徴にもなる。 of a Thoorsday木曜日、雷神トールの日。, feishts of Peeler and Polee アイルランド語でfeisteは「宴」「娯楽」を意味するため、6月29日に祝われる「ペトロとパウロの宴」が示唆される。他に、アイルランド英語およびイギリス英語のスラングでpeelerは警察のこと(庶民院院内総務を務めていた時期に警察制度を確立したSir Robert Peelにちなむ)。, under the illassumed names of Tykingfest and RabworcそれぞれFesty KingとCrowbarのアナグラムになっている。 picked by him and Anthony一番小さい子豚、または一番ひいきにされる子豚の通称。なお、ミケランジェロやフロベールが作品の題材とした聖アントニウス(A.D.251–356/13世紀のパドヴァの聖アントニオとは別人)は豚飼いの守護聖人。 out of a tellafun book, ellegedly with a pedigree pig「申立てによると」(allegedly)に、「エレジー(悲歌、哀歌、挽歌)」がかかる。また、pigはスラングで「警察」。 (unlicensed) and a hyacinthヒヤシンス。p.87以降でHyacinth O’Donnellという人物が出てくるが、その伏線。. They were on that sea by the plain of Ir伝説では、ミレー族(Milesian)の3兄弟エレモン、エベル、そしてエールがアイルランド人の祖先ということになっている。しかし、この3兄弟(特にエベルとエール)は、アイルランドを意味する言葉HiberniaやEireにちなんで中世の作家たちが作り出したと考えられる。 nine hundred and ninetynine years and they never cried crackcry crackはアイルランド英語で「あきらめて従う」。 or ceased from regular paddlewickingアイルランド人を指す侮蔑語paddywhackのもじり。 till that they landed their two and a trifling selves逆から読むと1132になる(Selves=eleven、あるいは「独り」=1が複数)。, amadst camel and ass, greybeard and suckling, priest and pauper, matrmatron and merrymeg,旧約聖書「サムエル記・上」15:1–3が仄めかされる。「さて、サムエルはサウルに言った、「主は、わたしをつかわし、あなたに油をそそいで、その民イスラエルの王とされました。それゆえ、今、主の言葉を聞きなさい。万軍の主は、こう仰せられる、『わたしは、アマレクがイスラエルにした事、すなわちイスラエルがエジプトから上ってきた時、その途中で敵対したことについて彼らを罰するであろう。今、行ってアマレクを撃ち、そのすべての持ち物を滅ぼしつくせ。彼らをゆるすな。男も女も、幼な子も乳飲み子も、牛も羊も、らくだも、ろばも皆、殺せ』」」。なお、‘matrmatron’は、ラテン語で「母国の母祖」を意味するMater Matriaeのもじりと考えられるが、この言い方もまた、ラテン語で「祖国の父祖」を意味するPater Patriaeのもじりである。 into the meddle of the mudstorm豚たちが泥のなかで暴れているイメージか。. The gathering, convened by the Irish Angricultural and Prepostoral Ouraganisations1894年に農業改革者ホラス・プランケット卿が設立した「アイルランド農業協会」のもじり。「怒り」(anger)や「荒唐無稽」(preposterous)の他に、フランス語で「嵐」を意味するouraganが混ざっている。Our-againと区切って読めば、アイルランドの愛国歌‘A nation once again’も響く。, to help the Irish muckアイルランド語でmucは「豚」のこと。Muc Dubhも。 to look his brother dane in the face and atte中英語においては前置詞atと定冠詞theが縮約されてatteと綴られることがあった。nded thanks to Larry20世紀アイルランドの活動家・政治家のローレンス「ラリー」ギネル。ギネルはパーネルの「土地戦争」を引き継ぐ形で「牧草地戦争」を牽引し、‘the land for the people, the road for the bullock’をスローガンに掲げた(このスローガンは、アイルランド語で「道」を意味するbótharが「牛の道」を意味するケルト祖語‘bow-itros’から来ていることにかけている)。 また、ギネルは1898年に統一アイルランド連合(the United Irish League)をウィリアム・オブライエンと共同設立した。ここには後にジョン・レドモンドも加わる。詳しくはこちらの記事を参照。 by large numbers, of christies and jew’s totems, tospite of現代ギリシア語でτο σπίτιは「家」の意。 the deluge, was distinctly of a scattery kindクレア県にあるScattery Islandが仄めかされる。 when the ballybrickenウォーターフォード県のベーコン工場への豚の仕入れを管轄していたBallybricken Pig Buyers’ Associationが仄めかされるか。この組織は、1918年のアイルランド総選挙でウィリアム・レッドモンドを支持し、その前も父親のジョン・レッドモンドを後援していた。 he could get no good of, after cockofthewalking through a few fancyfought mainsfancyは「賞金付きの格闘」あるいは「女性器」、mainsは「闘鶏」を意味するスラング。 ate some of the doorwegオランダ語でdoorwegは「通り道」の意。, the pikeyノルウェー語でpikeは「女の子」、英語のスラングでpikeyは「浮浪者」のこと(古いスラングでは「通行料徴収所の番人」(turnpike keeper)の意味も)。 later selling the gentleman ratepayerアイルランド英語で‘a gentleman who pays the rent’は豚のこと(一家の収入にとって重要な役割を担っていたのでgentlemanと呼ばれていた)。 because she, Francie’s sisterアッシジのフランチェスコは、人間だけでなくすべての動物たちを仲間として扱った。そのため、現代では自然保護の守護聖人としても崇められている。, that is to say ate a whole side of his (the animal’s) sty, on a struggle Street, Qui Sta Troiaイタリア語でquesta troiaは「なんという雌豚(娼婦)だ!」、qui sta Troiaは「トロイここにあり」の意。, in order to pay off, hiss or lickトロイが実在したとされている、現トルコ領の地域ヒサリク(Hissarlik)が仄めかされる。, six doubloons fifteen arrearsジョイスの1926年の草稿には「6ポンド15シリング」と書かれていた。本章p.82 ‘six victolios fifteen pigeon’も仄めかされる。英語でarrearsは「未払い金」、スペイン語でdoblónは「ダブロン金貨」。「ダブリン」も響く。また、double oonsを「2つのゼロ」と読めば、欧州におけるトイレのシンボル‘00’も連想させる。 of his, the villain’s not the rumbler’s rent地主へ無制限・無期限の奉仕義務をもった農奴をvilleinと呼んだ。.
Remarkable evidence was given, anon, by an eye, ear, nose and throat witnessバック・マリガンのモデルと言われるオリヴァー・シンジョン・ゴガティーは、耳鼻咽喉科の医師だった。手術室で摘出した喉頭を投げるなど、無駄なパフォーマンスが多い医師だったらしい。, whom Wesleyan chapelgoers字義通りにとれば「メソジスト派の教会」だが、イニシャルがW.C.となるため「トイレ」(water closet)とも読める。 suspected of being a plain clothes priest W.P.「証人」(witness for the prosecution)の他に、逆から読むと「パーネルの証人」(Parnell Witness)ともとれる。, situate at Nullnullゼロゼロ(00)は、欧州で公衆トイレの表示記号。, Medical Squareダブリンの「メリオン・スクエア」が響く。近くには、『ユリシーズ』第14挿話の舞台となったホルス通り病院(Holles Street Hospital)もある。, who, upon letting down his rice and peacegreen coverdisk and having been sullenly cautioned against yawning while
Remarkable evidence was given, anon, by an eye, ear, nose and throat witnessバック・マリガンのモデルと言われるオリヴァー・シンジョン・ゴガティーは、耳鼻咽喉科の医師だった。手術室で摘出した喉頭を投げるなど、無駄なパフォーマンスが多い医師だったらしい。, whom Wesleyan chapelgoers字義通りにとれば「メソジスト派の教会」だが、イニシャルがW.C.となるため「トイレ」(water closet)とも読める。 suspected of being a plain clothes priest W.P.「証人」(witness for the prosecution)の他に、逆から読むと「パーネルの証人」(Parnell Witness)ともとれる。, situate at Nullnullゼロゼロ(00)は、欧州で公衆トイレの表示記号。, Medical Squareダブリンの「メリオン・スクエア」が響く。近くには、『ユリシーズ』第14挿話の舞台となったホルス通り病院(Holles Street Hospital)もある。, who, upon letting down his rice and peacegreen coverdisk and having been sullenly cautioned against yawning while
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being grilled, smiled (he had had a onebumper at parting from Mrs Molroe in the morningトマス・ムーアの曲‘One Bumper at Parting’(♬)。旋律は‘Moll Roe in the Morning’。) and stated to his eliciter under his morse mustaccents「北欧なまり」(Norse accent)に、古風な英語で「セイウチ」を意味するmorseや、「モールス信号」(Morse code)がかかる。「口髭」(mustache)も。 (gobbless!) that he slept with a bonafidesアイルランドでは、漂泊民(Travellers)にお酒を供する目的で、遅くまで営業することを許可されたパブをbonafideと呼ぶ。漂泊民がbona fidesとも呼ばれたことから。他に、「ボナパルト」も響く。 また、19世紀イギリスのスラングでbonaは「女性」。 and that he would be there to remember the filth of Novemberガイ・フォークス夜祭でイギリスの人々が唱える‘Remember, remember, the Fifth of November’より。1605年11月5日に国王ジェームズ1世が国会議事堂爆破の陰謀から逃れたことを祝う。たき火をして祝うこの祭りが「ボンファイヤー・ナイト」とも呼ばれることを踏まえると、直前のbonfidesにはbonfireも響くか。アイルランド・ケルト文化の5月祭(ビャルティナ)のたき火が元になっているという俗説もあるが、信憑性は低いらしい。, hatinaring「リングに帽子を投げ入れる」(throw one’s hat in a ring)は、比喩的には選挙などに参戦することを意味する。, rowdy O, which, with the jiboulees of Junoフランス語で「4月の雨」を意味するgiboulées d’avrilのもじり。そこへ、聖書に記述がある「ヨベルの年」(50年に一度、あらゆる負い目が帳消しになる日。英語ではjubilee)や、ローマ神話の神「ユノー」がかかる。 and the dates of ould lanxietyスコットランドの民謡‘Auld Lang Syne’が仄めかされる。言語はゲルマン系のスコッツ語で、ケルト系のスコットランド・ゲール語よりも英語に近い。意味は「古きよき時代に乾杯」くらいか。, was going, please the Rainmakerローマ神話の雷の神ユピテルの添え名Pluvius(ラテン語で「雨の」という意味の形容詞およびその名詞化)の英訳。18世紀〜19世紀イギリスの画家ジョーセフ・ガンディーが描いた‘Jupiter Pluvius’も美しい。, to decembs within the ephemeridesephemeridは「カゲロウ」。ephemeris(複数形はephemerides)は古風な英語で「日記」や「日誌」のこと(現代では「天体暦」を意味する)。 of profane history, all one with Tournay, Yetstoslay and Temorah「今日、昨日、明日」(Today, Yesterday, Tommorow)。ベルギーのワロン地域の「トゥルネー市」。英語のyet to slayや、ドイツ語で「今」「今日」を意味するjetztも響く。ジェイムズ・マクファーソンの『オシアン詩群』では、アイルランド上王の玉座があるタラにTemoraという別名がつけられている。マクファーソンはTemoraと題した詩を書き、これを古代ゲール世界の英雄オシアンが書いた古詩の翻訳であると主張した(『オシアン詩群』は、このTemoraおよびFingalからなる )。, and one thing which would pigstickularly strike a person of such sorely tried observational powers as Sam, him and Moffatノアの3人の息子シェム、ハム、ヤフェトのもじり。‘Moffat’は古代スコットランドのモファット族も仄めかすか。一族のモットーは「我、さらなる高みを志す」(Spero meliora)。, though theirs not to reason whyテニスンの詩‘The Charge of the Light Brigade’より。‘Someone had blundered. Theirs not to make reply, / Theirs not to reason why, / Theirs but to do and die. / Into the valley of Death / Rode the six hundred’., the striking thing about it was that he was patrified to see, hear, taste and smell, as his time of night, how Hyacinth O’Donnell古代ギリシア神話の美少年ヒュアキントス。アポロンの愛人で、後に英雄として神格化された。また、レファニュの『墓地に建つ館』の登場人物Hyacinth O’Flaherty。フェニックス公園殺人事件の文脈では、無敵革命党のパトリック・オドンネルや、Diary of a Parnell Commissionを書いたジョン・マクドナルドも。後者の本のp.351には「P.W.はParnell witnessの意」(P.W. means Parnell witness)という記述がある。加えて、頭文字のH.O.D.には、ティム・フィネガンの職業であるレンガ運び(hod-carrier)も響く。, B.A., described in the calendar as a mixer and wordpainter, with part of a sivispacemラテン語でsi vis pacemは「(あなたが)平和を望むのなら」。慣用句「平和を望むのなら、戦に備えよ」(si vis pacem, para bellum)の前半。 (Gaeltact for dungfork)アイルランド語でGaeltachtは「アイルランド語地域」。アイルランド西部に多く存在する。本章p.85, ‘child of Maam, Festy King’の註で扱ったマームトラスナ殺人事件が起こったマームトラスナもGaeltachtだった。‘dungfork’には、ラウス県の町Dundalkも響く。 on the fair green中世ダブリンの壁の南西部の地域名。他に、ミーズ県のナヴァンで、その昔、家畜の競り市がFair Greenと呼ばれていたという。その様子はこちらの記事に詳しい。 at the hour of twenty-four o’clock余談ながら、アイルランドの時計の歴史をFynn Dwyerがとても詳しく説明している。かつては、そもそも「〜時」という数え方がされなかった。太陽の位置で大体の時間を計ったらしいが、その仕組みが開発された地中海に比べて、アイルランドでは不便で不正確でもあった。 sought (the bullycassidy of the friedhoffer!)ファーマナ県の村Bullycassidyや、「好戦性」を意味するbellicosityが響く。ドイツ語でFriedhofは「墓地」。 to sack, sock,古英語でsac and socは「裁判を行う権利」(詳しくはこちらの脚註2を参照)。 stab and slaughter singlehanded another two of the old kings, Gush Mac Galegushing galeは「悪天候」を意味する。アルスター王のフェルグス・マク・ロイヒの名も響く。 and Roaring O’Crian, Jr.,アイルランド最後の上王ローリー・オコナー。他に、IRAの産業部門代表の政治家ローリー・オコナーも(ジョイスとは1歳ちがい)。アルスターとアイルランド共和国を双子になぞらえたか。 both changelings, unlucalised, of no address and in noncommunicables, between him and whom, ever since wallops5世紀イギリスで起こった「ウォロップの戦い」が響く。当時のイギリスの統治者ヴォーティガンとアンブロシウス・アウレリアヌスの争いに端を発する。アウレリアヌスはp.85でも仄めかされている。 before the Mise of Lewes13世紀後半、ヘンリー3世による失政や課税強化はイングランド諸侯や聖職者の反発を招き、1265年にはフランス出身の貴族シモン・ド・モンフォールを指導者とする改革派と王党派との間で第2次バロン戦争が起こった。この戦争の主要な戦闘のひとつにルイスの戦いがあり、その戦場でヘンリー3世と改革派の貴族たちとの間で締結されたのがルイス条項(the Mise of Lewes)である(しかし、実際には遵守がほぼ不可能だったらしい)。詳しくはこちらの論文を参照。, bad blood existed on the ground of the boer’s trespass on the bullアイルランド語で「道」を意味するbótharが響く。ローレンス・ギネルと牧草地戦争(詳しくは本章p.86, ‘thanks to Larry’の註を参照)。また、ボーア戦争は、オランダ系南アフリカ人(オランダ語でboerは「農場経営者」「農民」の意)とイギリス人(John Bullに象徴される)との間で戦われた。他に、穀物農家(boer)のカインが、羊飼い(bull)のアベルを殺めた逸話も。聖書で雄牛(bull)は生け贄の象徴。 or because he firstparted his polarbeeber hair in twoways, or because they were creepfoxed andt grousuppers『ウェイク』で後出する寓話‘The Mookse and the Gripes’および‘The Ondt and the Gracehoper’への伏線。 over a nippy in a noveletta‘nippy’は、イギリスのライオンズ・ティーが経営する喫茶店で働くウェイトレスの呼称として1926年以降広まった語。これに、第1巻第6章で登場するNuvolettaが付け加わっている。また、ラテン語でnovelletumは「若い植物を育てるための場所」を意味する名詞。, or because they could not say meace, (mute and daft)「話せず聞こえない」(mute and deaf)と読めるが、バッド・フィッシャーの新聞漫画『ムットとジェフ』も。 meathe. The litigants, he said, local congsmenローリー・オコナー上王はメイヨー県のコング修道院で晩年を過ごした。 and donalds, kings of the arans and the dalkeysアラン諸島。ダブリン郊外のドーキー。ドーキーでは(冗談まじりに)「ドーキーの王」や「ドーキー議会」を選出したらしい。この伝統は1787年まで遡るようだが、初代ドーキー王の名前はスティーヴン・アーミテージ。, kings of mud and toryダブリン北部のバリボックで17世紀から19世紀まで幅を利かせていたギャングThe King of Mud Islandが仄めかされる。親分のマクドンネルは、アルスター植民地から逃れて1605年にダブリンの小さな島にAn Baile Bochtを築いた(詳しい歴史はこちらの記事を参照)。‘tory’の方は、ドニゴール県の沖にあるトーリー島を仄めかす。島民が「トーリーの王」を選ぶという風習があり、21世紀にまで受け継がれている。, even the goat king of Killorglinケリー県で行われるKillorglin Fairでは、「ヤギの王」が毎年選ばれる。現在はその伝統を象徴するKing Puck像が立っている。, were egged on by their supporters in the shape of betterwomen with bowstrung hair of Carrothagenuine1169年のアングロ・ノルマン侵攻のイギリス軍統率者リチャード・デ・クレアの異名Strongbow。紀元前2世紀に行われたカルタゴ包囲戦では、カルタゴの女性たちが髪を切り、その髪で縄を作ってカタパルトの部品に使ったという伝説もある(古代ギリシアの歴史家アピアンの『ローマ史』p.563, ‘For strings to bend them the women cut off their hair for want of other fibres’より)。 ruddiness, waving crimson petties and screaming from Isod’s towertopアングロ・ノルマン侵攻が完了した後、リフィー川沿いに13世紀に「イゾルデの塔」が防衛目的で建てられた。その遺跡は1993年に住宅開発の途中で発見された。今でもそこには同名の団地があり、名残りを留めている。. There were cries from the thicksets in court and from the macdublins on the bohernabreenダブリン南部の地域Bohernabreena。とても面白い歴史があり、これをPeter Quinnが写真付きですてきな本にまとめている。例えば、近くにはHellfire Clubがあった。 of: Mind the bank from Banagher, Mick, sir!アイルランド英語で驚きを表す慣用句That beats Banagher, and Banagher beats the Devil(「それにはバナハーも敵わない、バナハーには悪魔も敵わないのに」)から。『ウェイク』では悪魔が頻繁にOld Nickと呼ばれ、NickはMickと対になるので、ここは「ミック、ニックに気をつけて!」と解釈できる。 Prodooce O’Donner. Ay! Exhibit his relics! Bu!16世紀後半のティルコネルの長、ヒュー・ロー・オドンネルのモットー「オドンネルに勝利を!」(O’Donnell abú)。イギリス人の植民地支配者に対してアイルランド人が16世紀末に仕掛けた9年戦争で、オドンネルはアイルランド側の指揮をとった。それを題材に1843年に作詞された曲‘O’Donnell abú’も(クランシー兄弟が歌った)。ドイツ語でDonnerは「雷」「轟音」。 Use the tongue mor!アイルランド語でtungc mórは「大きな一押し」。 Give lip less! But it oozed out in Deadman’s Dark Scenery Courtコートをかぶって隠れる遊び。ノーマン・ダグラス『ロンドンの街頭の遊び』(London Street Games, 2nd ed., 1931)p.10より。 through crossexanimation of the casehardened testis that when and where that knife of knifes the treepartied ambush was laid (roughly spouting around half hours ’twixt dusk in dawn,
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by Waterhose’s Meddle Europeic Timeダブリンのデーム通りにあった小売店Waterhouse’sの入り口の上に設置されていた時計が仄めかされる。『ダブリナーズ』所収の短篇「二人の伊達男」にも出てくる。ちなみにDon Giffordによると、Waterhouse’sは貴金属や宝石、そして時計を扱うお店だった。, near Stop and Think, high chief evervirensHCE。ラテン語でvirensは「緑の」「若々しい」を意味する形容詞。英語のviridianの語源。 and only abfalltree in auld the landドイツ語でApfelは「リンゴ」、Abfallは「ゴミ」。p.87で仄めかされていた‘Auld Lang Syne’(♬)も響く。) there was not as much light from the widowed moon as would dim a child’s altarマームトラスナ殺人事件で、冤罪で死刑に処されたマイルズ・ジョイスの最後の言葉‘Táim chomh neamhchiontach leis an leanbh atá sa gcliabhán’(英訳: I am as innocent as the child in the cradle)が響く。. The mixerスラングで「厄介者」。ここではHyacinth O’Donnellのことか(p.87で‘described in the calender as a mixer and wordpainter’として言及されていた)。, accordingly, was bluntly broached, and in the best basel to bootドイツ語でBaselbietは「バーゼル゠ラント準州」。他に、『ドリアン・グレイの肖像』の登場人物のBasil Hallwardも。, as to whether he was one of those lucky cocks for whom the audible-visible-gnosible-edible world existedオスカー・ワイルド『ドリアン・グレイの肖像』で、みじめなグレイが晩餐会を回想しているシーンより。‘Indeed, there were many, especially among the very young men, who saw, or fancied that they saw, in Dorian Gray the true realisation of a type of which they had often dreamed in Eton or Oxford days, a type that was to combine something of the real culture of the scholar with all the grace and distinction and perfect manner of a citizen of the world. To them he seemed to be of the company of those whom Dante describes as having sought to “make themselves perfect by the worship of beauty.” Like Gautier, he was one for whom “the visible world existed”’(ここで参照されているテオフィル・ゴーティエについてはこちらの論文を参照)。ちなみに、五感が列挙されているかと思いきや触覚が含まれていない。gnosisは「霊知」という意味で、神秘的な知覚能力を指す。そこへ「嗅覚」(nose)がかかる。. That he was only too cognitively conatively cogitabundantly‘conatively’はスピノザのconatus(コナトゥス、事物が自らを高めようとする傾向)を、‘cogitabundantly’はデカルトのcogitoをそれぞれ踏まえているか。 sure of it because, living, loving, breathing and sleeping morphomelosophopancreates古代ギリシア語の単語の組み合わせ。μόρφωσιςは「形態」、μέλοςは「音楽」「四肢」、σοφόςは「知恵のある」、παντοκράτωρは「全能の」。眠りと夢の神「モルペウス」(Morpheus)や英語の「膵臓」(pancreas)も響く。, as he most significantly did, whenever he thought he heard he saw he felt he made a bell clipperclipperclipperclipper. Whether he was practically sure too of his lugs and truiesドイツ語でLugは「嘘」、Trugは「欺瞞」。後者には英語の「真実」(truth)が混ざる。ダヌ神の民(トゥアハ・デ・ダナン)の「ルグ」も。フランス語でtruieは「雌豚」。 names in this king and blouseman buisness? That he was pediculously英語で「虱まみれで」。体中に虱がわく「虱寄生症」(pediculosus)も。 so. Certified? As cad could be.第1巻第2章で登場した‘the cad with the pipe’が仄めかされる。 Be lying! Be the lonee古代ギリシア語でθέλωはἐθέλωの短縮形で、「〜が欲しい」「〜を望む」。他に、ドイツのロネ川も。 I will. It was Morbus O’ Somebody?ラテン語でmorbusは「病気」。誰かの病気。 A’Quite. Szerday’s Son?土曜日(Saturday)と日曜日(Sunday)。ハンガリー語でszerdaは「水曜日」。イギリスの子守歌‘Monday’s Child’の歌詞も響く。 A satyr in weddens. And how did the greeneyed misterシェイクスピア『オセロー』第3幕第3場におけるイアーゴとオセローの会話が仄めかされる。‘O, beware, my lord, of jealousy; / It is the green-eyed monster which doth mock / The meat it feeds on; that cuckold lives in bliss’. また、『ユリシーズ』第15挿話「キルケ」で、ブルームがアブサンを「緑目の怪物」と呼んでいる(こちらの論文も参照)。 arrive at the B.A.?学士号(Bachelor of Arts、略してB.A.)。 That it was like his poll1924年6月5日のIrish Independent紙に掲載された、コークで一家が農夫を四肢切断した殺人事件の裁判に関する記事における、警察の巡査部長の証言中の以下の文言より。‘Witness took the head out of a sack and turned an electric torch on it, and asked Leary could he identify it … “I am not sure, but it is like his poll”’. 他に、pollは「可」レベルの学士号のこと(ケンブリッジの学生スラングに由来する語義)。. A crossgrained trapper withこの一文は1924年6月6日のFreeman’s Journal(『ユリシーズ』では広告周旋人であるブルームの仕事相手)の紙面に掲載された名誉棄損裁判の記事から。‘Mrs Copeman … said Miss Thurburn signed a letter sent to her in which there was a reference to “a coarse-grained person with two left feet, odd hips, and twitching eyes”’. また、バラッド‘Finnegan’s Wake’の歌い出し‘Tim Finnegan lived in Walkin Street / A gentle Irishman, mighty odd’も。 murty odd oogs, awflorated ares旧約聖書における奴隷制を解説したロバート・インガーソルの『モーセの過ち』(Mistakes of Moses)第25章「『霊感を受けた』奴隷制」の一節‘his master shall bore his ear through with an awl: and he shall serve him forever”’のもじり。インガーソルは、『モーセ五書』(The Pentateuch)が聖書の一部ではないということを証明しようとして、1880年にこの本を刊行した。奴隷に対するこの慣行も「こんなひどいことを神が本当に命じると思うか?」という主張の一部として紹介されている。, inquiline nase他の生物種の巣や体内に住み着く動物をinquilineと形容する。そこへドイツ語で「鼻」を意味するNaseがかかる。イタリア語でnaso inquilinoは「借家人の鼻」(英語ではtenant nose)を意味するが、これはnaso aquilino「(すてきな)鉤鼻」のよくある言い間違い。 and a twithcherous mouph? He would be. Who could bit you att to a tenyerdfuul when aastalled? Ballera jobbera. Some majar boreハンガリー語でtányérは「皿」、magyar borは「ハンガリー産のワイン」、balraは「左」、jobbraは「右」。‘aastalled’は、「ロバ」(ass)と「足止めされた」(stalled)の鞄語。中世スコラ哲学のビュリダンのロバを想起させる(右と左に同一の干し草の山があり、どちらを食べるか決められずに餓死してしまうロバの訓話。名前は14世紀フランスの哲学者・科学者ジャン・ビュリダンに由来するが、ビュリダン自身の著作にはロバの話は一度も出てこない)。 too? Iguines.ハンガリー語でigenisは「はい、もちろん」。そこへ「ギネス」(Guinness)がかかる。 And with tumblerous legs, redipnominated英語でredenominateは、「再び名付ける」の他に「貨幣の価値を変更する」という意味も。redipは「再び水につける」が転じて「再び洗礼を施す」という意味。 Helmingham Erchenwyne Rutter Egbert Crumwall Odin Maximus Esme Saxon Esa Vercingetorix Ethelwulf Rupprecht Ydwalla Bentley Osmund Dysart Yggdrasselmann? Holy Saint EiffelEiffelはエッフェル塔を設計した技師の名前。直前のtから続けて読むと、ドイツ語で「悪魔」を意味するTeufelと読める。男根的なイメージ群が続く。また、SをCに変えればHCE。, the very phoenix! It was Chudley Magnall once more18世紀イギリスの公爵夫人エリザベス・チャドリー(Elizabeth Chudleigh)。重婚をしてスキャンダルとなり、ウェストミンスター・ホールでの裁判には約4,000人もの見物人が押しかけたという。Magnallはスコットランドの一族(ゲール語だと「マクニール」)。モットーは「命をかけて勝利する」(Vincere vel mori)で、元々は戦場での雄叫びだった。カール大帝(Charlemagne)。また、ともに「大きい」「偉大」を意味するラテン語のmagnusやアイルランド語のmórも響く。 between the deffodates and the dumb scene? The two childspiesシェムとショーン。 waapreesing him auza de Vologueフランス語でeau de Cologneは「香水」。ドイツ語でausは「〜から(出る)」、アイルランド語でde bholóigは「雄牛の」。つまり「雄牛から出る」。 but the renting of his rock was from the three wicked Vuncouverers Forests bent down awhits, arthou sure?カナダのバンクーバー。また、William Lewis JonesのKing Arthur in History and Legend(1911)p.53には次の記述がある。‘In another Triad, Arthur is made responsible for one of “the Three Wicked Uncoverings” of the Isle of Britain, viz., the uncovering of “the head of Brân the Blessed from the White Mount” in London’. その直後には、さらに次の興味深い記述も。‘Another of the Triads speaks of Arthur as the husband of three wives, each called Guinivere’. 加えて、‘three’, ‘wicked’, ‘Forests’は、シェイクスピアの『マクベス』に出てくる魔女たちと、その3人目の有名な予言も想起させる。 Yubeti,英語の‘You bet’に日本語の「夕べ」が混ざる。 Cumbilum comes!英語スラングでcumは「精液」、comesは「射精」(この前後は性的な響きが強い)。他に、古代ブリテンの王クノベリヌスも。シェイクスピアはこれを題材に戯曲『シンベリン』を書いた。 One of the oxmen’s thingabossers「ヴァイキング」(Ostmen)およびその議会である「ティング」(Thing)。, hvad?デンマーク語で「え?」「何?」。 And had he been refresqued by the founts of bounty playing there—is—a—pain—aleland in Long’s gourgling barral?コークのリー川の源泉があるグーゲン・バラを讃えた、コーク出身の19世紀アイルランド人詩人ジェレマイア・ジョーセフ・キャラナンの詩‘Gougane Barra’の書き出し‘There is a green island in lone Gougane Barra’のもじり。 A loss of Lordedward and a lack of sirphilip a surgeonet showeradown古風な英語でalas and alack!は悲嘆を表す。‘Lordedward’は‘Lord Edward’と読めるが、エドワード・フィッツジェラルド卿は18世紀アイルランドの独立活動家で、キリスト教会大聖堂の近くには同名のパブがある。革命直後のフランスでトマス・ペインと会って親交を深めてもいる。1798年の蜂起の前夜に逮捕され、致命傷を負った。また、‘sirphilip’は‘Sie Philip’と読めるが、フィリップ・クランプトン卿は19世紀ダブリンの外科医・解剖学者。アイルランド王立外科医学院の院長も務めた。ダブリン市内には記念像があるが、なかなか奇妙なデザインとなっており、噴水もついている(‘showeradown’はそれを想起させる)。 could suck more gargling bubbles out of the five lampsダブリンのエイミエンズ通りにある「5つのランプ」。交差点の数に合わせたという説もあれば、かつてアイルランドには5つの州があったということを記念するランプだという説もある。1880年に、ゴールウェイのアセンライ出身のヘンリー・ホール中将を記念して建てられた。 in Portterand’s praise.5つのランプがある交差点の道の一つが‘Portland Row’。フィンランド語でportteriは「駅夫」、すなわちporterのこと。 Wirrgeling and maries?ジョイスの1931年のノートでは‘Wirrfeling and boeuffickly bucephull. Wheataured, however, and with fallen mammaries?’となっているため、校正の段階で欠落が生じた可能性がある。英語で読むとすれば、‘Virgin and Mary’と読める。なお、 デンマーク語でvirkeligは「本当の」「真実の」という意味の形容詞(あるいは「本当に」という意味の副詞)。 As whose wouldn’t, laving his leaftime in Blackpoolダブリンのアイルランド語名linn dubh「黒い池」より。. But, of course, he could call himself Temエジプト神話で両性具有の神アトゥム。創世神話では、アトゥムは「自己妊娠」によって大気の神シューと湿気の女神テフヌトを生んだ(こちらのp.170より)。, too, if he had time to? You butt he could anytom.19世紀後半のアイルランドの政治家アイザック・バットや、彼にちなんで名付けられたダブリンのバット橋が響く。トムとティム。また、 第1巻第3章で登場した糖蜜トム(Treacle Tom)も。 When he pleased? Win and
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place. A stokerアイルランドの小説家ブラム・ストーカー。電車や船などで釜を焚く係をstokerと呼ぶ。 temptated by evesdripping「イヴ」の他、「盗み聞き」(eavesdrop)(「イヴからの滴り」と読めば、ここにも性的な含みがある)。クルアーン72:8–9「わたしたち(ジン)は、天に触れようとしたが、これは強力な護衛(天使)と流星で一杯になっているのを見ました。わたしたちは(次に起こるのは何かと)聞き耳を立てて、そこに坐っていました。だが今聞く者は、見張りのための流星が待ち構えているのを見るだけです」も参照しているか。 aginst the driver who was a witness as well?クルアーン50:19–21「それから死の苦痛が、真実をもたらすが、それはあなたが避けてきたものです。そしてラッパが吹かれます。これはあの警告された日です。そして全員が、追いたてる者と証言者(両者とも天使)に伴われて来ます」。英語では、追い立てるものと証言者が‘driver and witness’と訳される。 Sacred avatar, how the devil did they guess it! Two dreamyums in one dromium?シェイクスピア『間違いの喜劇』(Comedy of Errors)に登場する双子Dromios(ドローミオ)が仄めかされる。正確には「エフェソスのドローミオ」と「シラクサのドローミオ」。古代ギリシア語でδρόμοςは「走行」「競走」。 Yes and no error.『間違いの喜劇』(Comedy of Errors)。英語の慣用句でand no errorは「間違いなく」。 And both as like as a duel of lentils?旧約聖書「創世記」25:29–34におけるヤコブとエサウの話。「ある日ヤコブが、あつものを煮ていた時、エサウは飢え疲れて野から帰ってきた。エサウはヤコブに言った、「わたしは飢え疲れた。お願いだ。赤いもの、その赤いものをわたしに食べさせてくれ」。彼が名をエドムと呼ばれたのはこのためである。ヤコブは言った、「まずあなたの長子の特権をわたしに売りなさい」。エサウは言った、「わたしは死にそうだ。長子の特権などわたしに何になろう」。ヤコブはまた言った、「まずわたしに誓いなさい」。彼は誓って長子の特権をヤコブに売った。そこでヤコブはパンとレンズ豆のあつものとをエサウに与えたので、彼は飲み食いして、立ち去った。このようにしてエサウは長子の特権を軽んじた」。ここでの「赤いもの」は、レンズ豆(lentils)だと思われる。 Peacisely. So he was pelted out of the coram populoラテン語で「民衆の前で」。他に、18世紀の慈善家トマス・コラムが1739年にロンドンに建た病院の通称がThe Coram(コラム基金も同じ通称)。, was he? Be the powers that be he was. The prince in principel should not expose his person? Macchevuole!マキャヴェッリ『君主論』(Il Principe)。また、イタリア語でma che vuole!は「(あいつは)何がほしいんだ?」。 Rooskayman kamerad?ロスコモン県の村ルースケイ。ロシア語でrusskiiは「ロシア人」。ドイツ語でKameradは「仲間」「同志」。 Sooner Gallwegianスコットランド南部のガロウェイ地方の住人のこと。他に、アイルランドの「ゴールウェイ」(Galway)や「ノルウェー人」(Norwegian)も響く。 he would say. Not unintoxicated, fair witness? Drunk as a fishup.英語の慣用句でdrunk as a bishopは「司教のように酔っぱらった」、drunk as a fishは「魚のように酔っぱらった」。ちなみに、現代のプログラミングで、SSH(セキュア・シェル)キーを視覚化するためのアルゴリズムに‘The Drunken Bishop’というものがある。 Askt to whether she minded whither he smuked? Not if he barkst into phlegms. Anent his ajaciulationsフランスのコルシカ島にあるコミューンのアジャクシオ(とても美しい場所である)。ギリシア神話の大アイアース(ラテン語および英語ではAjax)も響く。 to his Crosscann Lorneアイルランド語でcrúiscín lánは「(酒で)満杯の小さな水差し」という意味。同名のアイルランドの伝統曲(♬)もある他、マイルズ・ナ・ゴパリーン(フラン・オブライエンとして知られるブライアン・オノーランの用いた筆名のひとつ)がIrish Times紙に連載していたコラムのタイトルでもある(同紙は過去にこのコラムの「ベスト50」を特集している)。他に、「コルシカ島」(Corsica)や、「ローン侯爵」(Marquis of Lorne)とも呼ばれた第9代アーガイル公爵ジョン・キャンベル(ジョイスの父方の伯父はローン侯爵に似ていたらしい)。, cossa?イタリア語方言(パドヴァ等の北部地方)で「何?」という意味。「えっ?」 という反応を表す英語の間投詞what?に相当する。 It was corso in cursu on coarser again.イタリア語でcorsi e recorsiは「私は流れ、そして再び流れた」という意味で、『ウェイク』批評においてはしばしばヴィーコの歴史哲学と紐付けられる。ラテン語でin cursuは「進行中」。これらがアイルランドの民謡‘Father O’Flynn’(♬)のサビにかかる。‘Here’s a health to you, Father O’Flynn, / Slainte and slainte and slainte agin’. The gracious miss言語学者オットー・イェスペルセンの『英語の発達と構造』(Growth and Structure of the English Language, 1928)pp.241–242より。‘When all the artificialities of the modes of address in different nations are taken into account—the Lei, Ella, voi and tu of the Italians, the vossa mercê (’your grace,’ to shopkeepers) and você (shortened form of the same, to people of a lower grade) of the Portuguese (who in addressing equals or superiors use the third person singular of the verb without any pronoun or noun), the gij, jij, je and U of the Dutch, not to mention the eternal use of titles as pronouns in German and, still more, in Swedish (’What does Mr. Doctor want?’ ’The gracious Miss is probably aware/ etc.) —the English may be justly proud of having avoided all such mannerisms and ridiculous extravagances, though the simple Old English way of using thou in addressing one person and ye in addressing more than one would have been still better’. was we not doubt sensible how yellowatty on the forxトマス・ムーアの曲‘Oh! Doubt Me Not’(♬)(旋律は‘Yellow Wat and the Fox’)より。‘Then doubt me not—the season / Is o’er when Folly kept me free’. 1598年にイギリスとアイルランドの間で戦われたイエロー・フォードの戦い(Battle of the Yellow Ford)も響く。 was altered?イェスペルセンの『英語の発達と構造』p.248より。‘But if to alter is said in the Southern States instead of to geld, and if ox is commonly used in America for bull (jocosely even gentleman cow!) the same tendency may be observed on this side the Atlantic too’. That she esuallyequallyあるいはsexuallyと読めるが、「エサウ」(Esau)も響く。 was, O’Dowd me not!トマス・ムーアの‘Oh! Doubt Me Not’に、ディオン・ブーシコーの1873年ニューヨーク初演の演劇Daddy O’Dowd(後にThe O’Dowd; or, Life in Galwayに改作)がかかる。ブーシコーはさらにこれを1882年にSuilamor(主人公の名前。アイルランド語で「偉大な旅立ち」くらいか)として書き換えた。(マイルズ・ジョイスの台詞と考えると、また意味も深まる。) As to his religion, if any? It was the see-you-Sunday sort. Exactly what he meant by a pederast prig? Bejacob’sヤコブ。『ユリシーズ』第12挿話「キュクロプス」に出てくるビスケットの缶もジェイコブズ(Jacob’s)。, just a gent who prayed his lent.豚に対する愛着のこもった呼び方「賃料をまかなう紳士殿」(the gentleman who pays the rent)のもじり。 And if middleclassed portavorous「港」あるいは「門」を意味するportと「〜を食べる」の意の接尾辞vorousの鞄語か。なお、本章p.86には‘ate some of the doorweg’という言い回しがあった。 was a usual beast? Bynight as useful as a vomit to a shorn man. If he had rognarisedrecognisedと読めるが、北欧神話の終末の日「ラグナロク」も響く。 dtheir gcourts marsheyls? Dthat nday in ndays he had.アイルランド語ではtやcやdで始まる単語は、先行語によってはそれぞれdやgやnが追加される。例えば、teach「家」はi「〜の中」をつけた場合i dteach「家の中」となる。ジョイスはここでそのルールを使ってアイルランド語っぽさを演出している。 Lindendelly, coke or skilllies spell me gart without a gate?謎かけ‘Londonderry, Cork and Kerry, Spell me that without an R’のもじり。典拠となるこの謎かけの答えは‘That’だが、ここでは‘gart’が答えとなるはず。ちなみに、ロンドンデリー、コーク、スケリーズ、ゴートはそれぞれ、アルスター州、マンスター州、レンスター州、そしてコナハト州に位置する。‘gart’には、『ユリシーズ』第12挿話「キュクロプス」で語り手が言う‘Goodbye Ireland I’m going to Gort’という言葉も響く。なお、アイルランド語でgortは文字Gのこと。 Harlyadrope.花の「ヘリオトロープ」(Heliotrope)。ちなみにこの語は直前の謎かけの回答だが、この答えは第2巻でも出てくる。謎かけの方は、後に第2巻でも答えが‘Heliotrope’となる謎かけが出てくる。これらは第1巻第1章のプランクイーンの謎かけ‘Mark the wans, why do I am alook alike a poss of porterpease?’の変奏、そしてそれはさらに次のような子どもの謎々に基づいていると思われる。‘Pease porridge hot. / Pease porridge cold, / Pease porridge in the pot, / Nine days old. / Spell me that without a P / And a clever scholar you may be’(直前の‘gart’が庭(yard)を、‘gate’が城門をそれぞれ想起させることからも。詳しくはこちらの論文を参照)。 The grazing rights英語で「放牧の権利」。本章p.86 ‘thanks to Larry’の註に登場したラリー・ギネルの「牧草地戦争」を彷彿とさせる。 (Mrs Magistra Martinettaフランス語で‘Maître Martinet’は悪魔の別名。ラテン語でmagistraは「女性の指導者」「女性の教師」。また英語でmartinetは「厳格な規律主義者」。『毛皮を着たヴィーナス』を連想させるかもしれない。) expired with the expiry of the goat’s sire, if they were not mistaken? That he exactly could notHCE。 tell the worshipfuls but his mother-in-wadersポルトガルの「生命の水の水路」(Aqueducto das Aguas Livres)のリスボン側の端には「水の母」(Mae d’Agua)という貯水池がある。wadersは膝まで覆う防水長靴のこと。 had the recipis for the price of the coffin and that he was there to tell them that herself was the velocipede自転車の原形ベロシペード。ドイツのカール・フォン・ドライス男爵が1817年に開発した人力二輪車「走行機」(Laufmaschine)のフランス語名vélocipèdeが語源か。 that could tell them kitcatお菓子のキットカット……ではなく、英語でkit-catは上半身の肖像画のこと。語源は、18世紀初頭のロンドンで、ホイッグ党の政治家や文豪が集うクラブ‘Kit-Cat’の壁に、そのような肖像画が飾られていたことから。. A maundarin tongue in a pounderin jowl?英語でmaunderingは「とりとめもないおしゃべり」。そこへ「官話」(Mandarin)がかかる。‘punderin’には、ジョイスに早くから注目していた詩人エズラ・パウンドも響く。文全体は、イタリア人を褒めるときの慣用句‘Tuscan tongue in a Roman mouth’のもじり。 Father ourder about the mathers of prenanciation.父と母。前半は主への祈り(ドイツ語では‘Vater unser’と始まる)のもじり。また、フランス語でourdirは「〜を織る」「計略を立てる」。‘prenanciation’は「発音」(pronunciation)と読める。 Distributary endings?文法用語でdistributive(分配指示詞)は、each, allなどのこと。言語によっては、単語の語尾の変化で分配指示詞が特定される。 And we recommends. Quare hircum?ラテン語で「なぜ山羊を?」(hircumはhircus「山羊」の単数対格)。 No answer. Unde gentium fe …?最後の‘fe’をfestinesに変えると、ラテン語で「あなたはどこの国から急いで来たのか?」。 No ah.聖書のノア。また、第1巻第1章p.23に湖の名前として出てきた‘Quarry silex, Homfrie Noanswa! Undy gentian festyknees, Livia Noanswa?’も響く。 Are you not danzzling on the age of a vulcano?トロガンの『フランス地方の歴史的な言葉』の一節‘MR. DE SALVANDY … We are dancing on a volcano’; a French politician, at a grand party, shortly before the July Revolution of 1830’も。 Siar, I am deed.直前で参照されているトロガンの本に見られる、アルジェリアの「コンスタンティンの包囲戦」でルイ王子に「ケガはないか」と聞かれたコーム大佐の返答‘THE COLONEL COMBES … No, Sire, I am dead’より。ウゥルカーヌス(Vulcan)は、ローマ神話の火山の神。また、アイルランド語でsiarは「西方」「後方」。英語でgone westは「死んだ」という意味のフレーズ。 And how olld of him? He was intendant to study puluギニア、シエラレオネ、そしてセネガルで話されている言語「プラー語」(Pular)。アドラム、アジャミ、そしてラテンの3つの文字体系で筆記される。. Which was meant in a shirt of two shifts macoghamade or up Finn, threehatted ladder?ここから、3行下の‘ethnic fort perharps?’まで、ひたすらオアム文字の暗号が仄めかされる。ジョイスが典拠としたのはR・A・ステュアート・マカリスターのThe Secret Languages of Ireland (1937), pp.42–52か。そこではオアム文字の暗号の具体例として‘Mac-ogam’ (Son Ogham), ‘Shirt of two-strokes Ogham’, ‘Finn’s three-shanked Ogham’, そして‘Finn’s ladder’などが 挙げられている。 That a head in thighs under a bush at the sunface14世紀に編纂された選集『バリモートの書』によると、オアム文字は‘Ogma Sun-Face’が4本の柱を立てて文字を刻んだことで発明されたらしい。 would bait a serpent to a millrace through the heather. Arm bird colour defdum ethnic fort perharps? Sure and glomskシェルタ語で「人」「男」。 handy jotalpheson先述のマカリスターの本(p.90)には、‘a Greek, wishing for some reason to refer cryptically to a person called Iasōn, should call him ’Iōt’alphasōn’’とある。ここではIasōnがイエズスとつなげられているか。 as well. Hokey jasons, then, in a pigeegeeses?英語で「釈義」(特に聖書の読解)を意味するexegesisが響く。また、本章の先行部分にも複数回登場した豚(pig)も言及されている。R・A・ステュアート・マカリスターのThe Secret Languages of Ireland (1937) p.42には「豚オガム」(Muc-ogam)についての記述がある。 On a pontiff’s order as ture as there’s an ital on atac.アイルランド語でathachは「農夫」「巨人」。ドイツ語でTürは「扉」。1930年代にジャマイカで勃興した少数派宗教思想「ラスタファリ運動」で食されるItalという食べ物も。これは英語のvitalからvを取り除いた言葉で、Iを際立たせている。ラスタファリにとってIは話者の内なる神性を表す文字・音素であることがその理由(例えば、一人称「私」も内なる神性と自己の共存を強調する意味で‘I and I’と言ったりする)。 As a gololy bit to joss?Jossは、中国の偶像一般に英語圏の人がつけた呼び名。スワヒリ語でgololiは「睾丸」。 Leally and tululy.ジョイスによる中国語ピジンの真似。また、古風な英語ではreallyをleallyと書くこともあった。 But, why this hankowchaff中国の漢口(Hankow)。現在は武漢市(Wuhan)の一部にあたる。chaffはコーヒーなどの殻のこと。日本語の「判子」(ハンコ)も響くか。 and
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whence this second tone, son-yet-sun?20世紀中国の革命家孫文(Sun Yat-sen)が仄めかされる。日本名は中山樵(きこり)で、中国国内では「孫中山」(そんちゅうざん)の方が一般的。日本名の由来は、日本亡命中に日比谷公園付近に住んでいた頃、日本の貴族院議員の中山孝麿(たかまろ)の邸宅を通り、表札の「中山」が気に入ったからだという逸話がある。また、本章p.89の‘see-you-Sunday sort’や、‘bush at the sunface’の註に出てきた「太陽の面のオグマ」(Ogma sun-face)とも関係するか。 He had the cowtaw中国語で「叩頭」(kow-tow)は土下座のこと。英語でもそのままkow-towと動詞で使うことがある。 in his buxer英語の「大道芸人」(busker)や「ボクサー」(boxer)、デンマーク語で「ズボン」を意味するbukserが響く。また、中国で1899年から1901年にかけて起こった「義和団の乱」は、英語では‘Boxer Rebellion’と呼ばれる(義和団は「義和拳」という武術を極めていたため、英語でBoxersと呼ばれた)。s flay of face. So this that Solasistrasラテン語の「太陽」(sol)とアイルランド語の「光」(solas)が響く。「魂の姉妹」(soul sisters)も。英語でsolecistは「文法違反者」。つまり、ウェイクの「罪」のひとつは文法違反ということか。他に、古代エジプトの楽器sistrumに単「独演奏」(solo)がかかるか。, setting odds evens at defiance, took the laud from Labouriter?「労働党員」(Labourite)に、教皇ヘイドリアン4世が1155年に発令した教皇勅書Laudabiliterが混ざる。この勅書は、その後のアイルランドに対するアングロ・ノルマン侵攻を正当化したと、侵攻側が主張した。この主張に関連する抜粋部の英訳はこちらだが、世帯あたり1ペニーの徴税が強調されているのが滑稽とも言える。 What displaced Tob, Dilke and Halleyヘブライ語でtob(טוֹב)は「おめでたい」「良い」という意味の形容詞(幸運を祝うフレーズmazel tov(מזל טוב)「良い星回り」にも使われる)。離婚スキャンダルで失墜させられた19世紀イギリスの政治家チャールズ・ディルク。ハレー彗星の周期性を発見したエドモンド・ハレー。, not been greatly in love with the game. And, changing the venders, from the king’s head to the republican’s armsダブリンのパブの名前に‘King’s Head’ ‘King’s Inn’ ‘City Arms’などがある。フェスティ・キングも仄めかされる。, as to the pugnaxities evinxed英語でpugnaciousは「好戦的な」、evinceは「呈する」。そこへラテン語で「攻撃的な」「好戦的な」を意味する形容詞pugnaxや、「巻きつける」という意味の動詞evincoの不定法能動態完了形evinxisseが重なる。エリマキシギの学名philomachus pugnaxも響く。 from flagfall to antepostflag-to-fallは競馬におけるレース開始の合図で、ante-postはレースの参加者が公表される前に行う賭けのこと。また、ラテン語でanteとpostはそれぞれ「前」「後」の意。 during the effrays round fatherthyme’s becksideフランス語でeffroiは「恐怖」「テロ」、古風な英語でaffrayは「騒動」(‘Rocky Road to Dublin’でも用いられている)。また、beckは「小川」の意で、「お尻」を意味するbacksideとかけられている。 and the regents in the plantsownロンドンにある王立公園リージェンツ・パーク(The Regent’s Park)。オランダ語でplantsoenは「公園」「公共庭園」。 raining, with the skiddystars and the morkenwindup20世紀イギリスのスラングでwind-upは「緊張感」「不安」。そこへドイツ語で「朝」を意味するMorgenがかかる。「朝のねじ巻き」と解釈した場合、目覚まし時計も連想させる。, how they appealed to him then? That it was wildfires night5月1日に大きなたき火で季節の変わり目を祝うBealtaine。なお、ドイツの民話に登場する「ワルプルギスの夜」は4月30日。魔女たちが宴をする夜だと信じられている。ゲーテの『ファウスト』で描かれたワルプルギスの夜は、『ユリシーズ』第15挿話「キルケ」の着想源のひとつ。 on all the bettygallaghersダブリンの南に位置するブレイ近辺の丘の名前Katty Gollagher。20世紀アイルランドの作家ジェイムズ・スティーヴンズが詩の題材にもしている。ルチアがブレイに一時的に滞在していたことを考えると、直前のwildfires nightはルチアが1935年にブレイの家で居間の床に放火した一件が仄めかされているかもしれない。また、アイルランド語でgealachは「月」。. Mickmichael’s soords欧州からエルサレムにかけて、大天使ミカエルに捧げられた聖地を直線でつなぐことが可能だとする「聖ミカエル線」の俗称が‘the Sword of Saint Michael’。夏至の日の日没線がこの直線と一致するという俗説があったが、証拠はない。聖地には、フランスのモン・サン・ミシェルや、アイルランドのスケリグ・マイケルが含まれる。 shrieking shrecks through the wilkinses古風な英語でwelkinは「空」。また、Wilkinson Swordはイギリスの刃物ブランド。 and neckanicholas’ toastingforksミックとニック。ミラの聖ニコラオス。「ニック」(Old Nick)は悪魔の別名。一説には、ニッコロ・マキャヴェッリの名前が「ニック=悪魔」の語源とか。toasting-forkは18世紀後半(あるいはそれ以前)から20世紀初頭にかけて用いられたスラングで剣のこと。また、イギリスではかつて上流・中流階級の人たちは、食べ物をかまどや暖炉で焼くときに長い焼き串に刺して火にかかげたが、この焼き串もtoasting forkと呼ばれる。シェイクスピアの『ジョン王』第4幕第3場に次の台詞がある。‘Put up thy sword betime, / Or I’ll so maul you and your toasting-iron’. ここから、焼き串が剣の俗語になったのかもしれない。 pricking prongs up the tunnybladders. Let there be fight?聖書の「創世記」の冒頭「光あれ」(Let there be light)。 And there was. Foght. On the site of the Angel’sロンドンにあるThe Angel, Islington(現在はエンジェル・ホテルが建っている)。また、19世紀イギリスの小説家・政治家のベンジャミン・ディズレーリは、ダーウィン主義を揶揄して次のように言った。‘Is man an ape or an angel? My lord, I am on the side of the angels. I repudiate with indignation and abhorrence the contrary view, which is, I believe, contrary to the conscience of mankind’. 詳しい記事が1977年12月24日のThe Washington Postに掲載されている。, you said? Guinney’s Gapイギリスの通貨ギニー。ギネスビール。北欧神話で世界創造の前に存在した空虚な裂け目ギンヌンガガプ(ギンヌンガの淵)も。, he said, between what they said and the pussykitties. In the middle of the garth, then? That they mushn’t toucht it.「触れてはいけない」とあることから、エデンの園の禁断の果実が仄めかされる。ちなみに禁断の果実は、現在ではリンゴと解釈されるのが主流だが、聖書に則するとブドウまたはイチヂクが有力で、他に少数派の説で柑橘類やザクロなどもある。リンゴ説は、ラテン語で「悪」(malus)と「リンゴ」(malum)が似ているため、似非文献学によって広まったと言われている。また、北欧神話における人間が住む世界の呼び名は「ミドガルド」(Midgaard)。英語でgarthは「中庭」あるいは「回廊中庭」。‘toucht it’には「乳房」(tit)も含まれている。 The devoted couple was or were only two disappainted solicitresses英語でpaintedは「化粧をした」、solicitressは「娼婦」。以下、娼婦への言及や仄めかしが続く。 on the job of the unfortunate class聖書のヨブが響く(不運だったので)。また、後述のラクダとの関連で言えば、ヨブは6,000頭のラクダを所有していたと言われる。 on Saturn’s mountain fort?パーシー・フレンチの曲‘Slattery’s Mounted Fut’(♬)のもじり。サターン(ローマ神話における農耕の神サトゥルヌス)は、ギリシア神話のクロノスに相当する。 That was about it, jah! And Camellus then said to Gemellusトゥアハ・デ・ダナーンの初代王ヌア(「銀の腕のヌアザ」)の治世のもとでタラを守った護衛ガマルとカメル。オーガスタ・グレゴリー(Lady Gregory)のGods and Fighting Men p.16に記述がある(‘Now as to Nuada of the Silver Hand, he was holding a great feast at Teamhair one time, after he was back in the kingship. And there were two door keepers at Teamhair, Gamal, son of Figal, and Camel, son of Riagall’)。ラクダの英語名はcamel、ヘブライ語ではgamal(גמל)。また、ラテン語でgemellusは「双子」。: I should know you? Parfaitlyフランス語でparfaitは「完璧な」。. And Gemellus then said to Camellus: Yes, your brother? Obsolutely. And if it was all about that, egregious sir? About that and the other. If he was not alluding to the whole in the wall?フェニックス公園付近にあるパブHole in the Wallが仄めかされる。Nancy’s Handとも呼ばれていた。 That he was when he was not eluding from the whole of the woman. Briefly, how such beginall finally struck him now? Like the crack that bruck the bank in Multifarnhamウェストミーズ県の村マルチファーナム(Multyfarnham)および、それと同名の修道院。後者は1268年に建てられた。他に、1891年作曲のミュージック・ホール曲‘The Man that Broke the Bank at Monte Carlo’(♬)のもじり。. Whether he fell in with what they meant? Cursed that he suppoxedsupposedに「痘(とう)」の総称poxがかかっている。 he did. Thos Thoris, Thomar’s Thom?‘Thos Thoris’をラテン語として読むと、Thosが第3変化名詞の主格、Thorisが同じく第3変化名詞の属格で、「トールのトール」の意。古風な英語でThosは「トマス」の略であるため、‘Thos Thoris’と‘Thomar’s Thom’はどちらも「トマスのトマス」と読める。なお、アイルランド語でTomarはトールのこと。 The rudacist rotter in Roebuckdom一部の子音をr音(rhotic consonant)で置き換える音素体系をロータシズム(rhotacism、別名「r音化」)と呼ぶ。英語でrotterは「悪者」「悪党」、ドイツ語ではröterで「より赤い」、デンマーク語でrotterは「ネズミたち」。オランダのロッテルダム市や、ダブリン南部のローバック地区。. Surtopical? And subhuman. If it was, in yappanoise language「日本語」(Japanese language)に「つまらないおしゃべり」「犬の吠え声」を意味するyapと「雑音」を意味するnoiseがかかり、「うるさい(日本語の)おしゃべり」という風にもじられている。ジョイスは喧しい日本語のおしゃべりを耳にしたことがあるのだろうか?, ach bad clap?頭文字を取るとABC。英語でa bad chapと読める。アイルランド英語でbadhachはbodachの変化で、「血気盛んな新米」「体格の良い田舎者」。『ユリシーズ』第12挿話でも用いられている(‘—How did that Canada swindle case go off? says Joe. —Remanded, says J. J. One of the bottlenosed fraternity it was went by the name of James Wought alias Saphiro alias Spark and Spiro, put an ad in the papers saying he’d give a passage to Canada for twenty bob. What? Do you see any green in the white of my eye? Course it was a bloody barney. What? Swindled them all, skivvies and badhachs from the county Meath, ay, and his own kidney too’)。また、clapは16世紀から現代に至るまで用いられてきたスラングで、淋菌感染症のこと。 Oo! Ah! Augs and ohrs with Rhian O’kehleyドイツ語でAugeは「目」、Ohrは「耳」、Kehleは「喉」。古代ギリシア語でῥίςは「鼻」。したがって、触覚以外の五感が並んでいることになる。 to put it tertianly, we wrong? Shocking! Such as turly pearced our really’sパース・オライリー。フランス語でoreillesは「耳」。 that he might, that he might never, that he might never that night. Triely and rurally. Bladyughfoulmoecklenburgwhurawhorascortastrumpapornanennykocksapastippatappatupperstrippuckputtanach「娼婦」を意味する世界各国の言葉が多く盛り込まれている(ロシア語でbljad’、ドイツ語でHure、スウェーデン語でhora、ラテン語でscortum、古代ギリシア語でπόρνη、リトアニア語でkeke、シェルタ語でstripu、アイルランド語でstriopach、イタリア語でputtana、英語スラングでnannyやstripu)。ハンガリー語でmennyköcsapásは「稲妻」「雷」。ダブリンの赤線街「メクレンバーグ通り」。また、アメリカのメクレンバーグ独立宣言。これはイギリス植民地支配下のノースカロライナ州メクレンバーグで、アイルランド人やスコットランド人が1775年に独自に「独立」を宣言した文書。, eh? You have it alright.
Meirdreach an Oincuish!アイルランド語でméirdreachは「娼婦」、フランス語でmerdeは「糞」、ドイツ語でDreckは「泥」「汚物」。アイルランド語でóinseachは「遊女」、oinniúnは「タマネギ」、そして俗ラテン語でOinciuは「アイルランド」。総合すると、ジョイスの父親がよく使っており、『ユリシーズ』第6挿話でサイモン・デダラスも使っている‘shite and onions’という言い回しに、娼婦や赤線街を示す言葉がかかっている。 But a new complexion was put upon the matte中英語においては前置詞atと定冠詞theが縮約されてatteと綴られることがあった。r when to the perplexedly uncondemnatory bench (whereon punic judgeship英語でpunicは「信義のない」。ローマ人がカルタゴ人をそう見ていたことが語源。また、法律用語でpuisne(ピューニー)は「下位の(判事)」。 strove with penal law17世紀から18世紀前半にかけて、イギリスの支配者がアイルランドに対して課した「カトリック刑罰法」のこと。カトリック派は公職に就けなくなり、プロテスタント派との結婚や司法職への就職が禁止されたほか、子孫のうちの1人がプロテスタントに改宗した場合は改宗者へ土地がすべて相続されることなどが定められた。) the senior
Meirdreach an Oincuish!アイルランド語でméirdreachは「娼婦」、フランス語でmerdeは「糞」、ドイツ語でDreckは「泥」「汚物」。アイルランド語でóinseachは「遊女」、oinniúnは「タマネギ」、そして俗ラテン語でOinciuは「アイルランド」。総合すると、ジョイスの父親がよく使っており、『ユリシーズ』第6挿話でサイモン・デダラスも使っている‘shite and onions’という言い回しに、娼婦や赤線街を示す言葉がかかっている。 But a new complexion was put upon the matte中英語においては前置詞atと定冠詞theが縮約されてatteと綴られることがあった。r when to the perplexedly uncondemnatory bench (whereon punic judgeship英語でpunicは「信義のない」。ローマ人がカルタゴ人をそう見ていたことが語源。また、法律用語でpuisne(ピューニー)は「下位の(判事)」。 strove with penal law17世紀から18世紀前半にかけて、イギリスの支配者がアイルランドに対して課した「カトリック刑罰法」のこと。カトリック派は公職に就けなくなり、プロテスタント派との結婚や司法職への就職が禁止されたほか、子孫のうちの1人がプロテスタントに改宗した場合は改宗者へ土地がすべて相続されることなどが定められた。) the senior
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king of all, Pegger Festyフェスティ・キング。19世紀イギリスのスラングでpeggerは酒豪のこと。ヘブライ語でpeger(פֶּגֶר)は「死体」。また、「豚小屋」(piggery、sty)も響く。, as soon as the outer layer of stucckomuckアイルランド語でmucは「豚」。英語やイタリア語でstuccoは「化粧しっくい」(建物の外装に使うしっくいのこと)。 had been removed at the request of a few live jurors, declared in a loudburst of poesy, through his Brythonic interpreterウェールズ語、ブルトン語、コーン語などを含むケルト語群を‘P-Celtic’あるいは‘Brythonic’と呼ぶ(日本語だと「ブリソン諸語」)。 on his oath, mhuith peisth mhuise as fearra bheura muirre hriosmas英語の文‘with best wishes for a very merry Christmas’がアイルランド語表記で書かれている。アイルランド語でpeistは「獣」、mhuiseは「実に」「本当に」、as fearraは「最高の」。, whereas take notice be the relics of the bones of the story bouchal that was ate be Cliopatrick (the sow)『聖パトリックの3部の生』p.199の以下の記述より。‘And Ailill said [to Patrick]: “I will believe if thou bringest my son to life again for me.” Patrick ordered the bone of the son to be gathered together and directed a Culdee of his household, namely, Malach the Briton, to bring him to life’. 他に、古代エジプトのプトレマイオス朝のクレオパトラ7世。また、古代ギリシアの歴史の女神クレイオーも(クレイオーはマケドニアのピエロス王との間にヒュアキントスを生んだ)。他に、『肖像』第5章におけるスティーヴンの‘—Do you know what Ireland is? asked Stephen with cold violence. Ireland is the old sow that eats her farrow’というセリフも。 princess of parked porker食用に飼育された豚のこと。s, afore God and all their honours and king’s commonsフェスティ・キングへの言及。また、ダブリンの最高法廷であるフォーコーツの1つは‘King’s Bench’と呼ばれていた(Chancery, Exchequer, Kings Bench and Common Pleas)。詳しくはこちら。 that, what he would swear to the Tierney of Dundalganアイルランド語でtighearnaは「主」(英語のlordに相当)。ラウス県のダンドークはアイルランド語でDún Dealgan。名前の由来は、ファー・ボルグの族長Delga。1002年にブライアン・ボルーがレンスター王と「ダン・デルガン」で会ったという記録もある。 or any other Tierney, yif live thurkells folloged him about9世紀にアイルランドに侵攻・植民したヴァイキングの長トルゲシウス、またの名をソーケル。また、イングランド王クヌート1世の師匠でもあったスウェーデンの王「長身のソーケル」(古アイルランド語でtorc cailleは「森の豚」という意味で、大きなたき火を指す名称でもあった。ビョルティネやサウィンのたき火の名称という説も)。他に、雷神トール。ルクセンブルク語でfollegenは「追う」。アイルランド語でfaológは「カモメ」。 sure that was no steal and that, nevertheless, what was deposited from that eyebold earbig noseknaving gutthroateye, ear, nose, throatと、触覚以外の各感覚器官が並んでいる。, he did not fire a stone either before or after he was born down and up to that time. And, incidentalising that they might talk about Markarthyロバート・マーティンが19世紀に作曲した軍歌‘Killaloe’(♬)のサビより。‘You may talk of Boneyparty / You may talk about Ecarté / Or any other party and “Commong de portey voo”’. コーンウォールのマーク1世と英国のアーサー王の名前が混ざった「マークアーシー」(Markarthy)。また、マッカーシー族はコークを拠点としており、「ブラーニーの石」はスコットランドのロバート王からコークのコーマック・マッカーシー王への贈り物だった。他に、ロバート・マーティン作の別の曲‘Enniscorthy’(♬)の歌詞に出てくる‘McCarthy’も響く(『ウェイク』p.27にも‘Dimitrius O’Flagonan’として登場した)。 or they might walk to Baalastartey古代メソポタミアの天候の神バアル(Baal)と豊穰多産の女神アスタルト(Astarte)。 or they might join the nabour party and come on to Porterfeud this the sockdologer主にアメリカで用いられたスラングで、「決定的な一撃」「重い一撃」の意。 had the neck to endorse with the head bowed on him over his outturned noreaster防水ジャケットのブランド名。 by protesting to his lipreaders with a justbeencleaned barefacedness, abeam of moonlight’s hope1884年に発売された、世界初の包装済み石鹸Sunlight Soap。包装がそのまま広告になっていて、なかなか面白い。この石鹸の名称に、Brooke’s Soapの広告がかかる。こちらは『ユリシーズ』第15挿話「キルケ」でももじられている。「ブルームとおいらは阿吽の呼吸 / あいつ地上キラキラに、おいら天空ピカピカに」(We’re a capital couple are Bloom and I. / He brightens the earth. I polish the sky.)。, in the same trelawney17世紀〜18世紀ウィンチェスターの司教ジョナサン・トレローニー卿。イギリスで1688年から1689年に起こった「名誉革命」の火付け役としても知られている。名誉革命では、ジェームズ2世が刑罰法の一部撤廃をもくろみ、カトリック教徒たちに礼拝の自由を与えようとしたことに対して、トレローニーを含む7名の司教が抗議をし、反逆罪で投獄されたが、オラニエ候ウィリアムの即位によって後に釈放され、褒美を受けた。 what he would impart, pleas bench, to the Llwyd Josus and the gentlemen in Jury’s 主イエズス(Lord Jesus)。ウェールズ語でllwyddは「首相」「大統領」。陪審員たちに向けて挨拶をするときの慣用句gentlemen of the juryに、1881年にウィリアム・ジューリーが創業したアイルランドのホテルチェーンJury’s Innがかかっている。and the four of Masterers四導師の年代記が仄めかされる。 who had been all those yarns yearning for that good one about why he left Dublin若き日のジョイス自身が仄めかされるか。, that, amreeta beaker coddling doom頭文字を並べるとABCD。サンスクリットでamritaは「不死」。不死のビーカーが終末をかわいがっている、といったところか。, as an Inishmanアラン諸島の3つの島の1つInishmaan(Inis Meáin)。グエルタクト(アイルランド語使用地域)の島で、ジョン・ミリントン・シングが1898年から1902年まで毎年夏に訪れ、The Playboy of the Western WorldやRiders to the Seaのインスピレーションになった。ちなみに、ノラ・バーナクルはRiders to the Seaでキャスリーン役を演じたことがある。なお、The Playboy of the Western Worldは、1907年にアベイ座での初演時に観衆が暴動を起こした(詳しくはこちら)。 was as good as any cantonnatalフランス語でcanton natalは「地元の小郡」。ちなみに南アフリカにはかつてナタールという州(Province of Natal)があった。, if he was to parish by the market steak16世紀イタリアの哲学者ジョルダーノ・ブルーノ(初期ジョイスのエッセイでは‘the Nolan’)は、1600年2月17日に火あぶりにされた。その場所には1889年にブルーノの像が立てられ、現在では市場として栄えている。 before the dorming of the mawnトマス・ムーア‘Thee, Thee, Only Thee’の歌い出し‘the dawning of morn’より(旋律は‘The Market-Stake’)。‘The dawning of morn, the daylight’s sinking, / The night’s long hours still find me thinking / Of thee, thee, only thee’. この歌詞に、スペイン語とフランス語で「眠る」を意味するdormirがかかっている。, he skuld never ask to see sight or light of this worldイエズス・キリストの別称Light of the World(世の光)。例えば、新約聖書「ヨハネによる福音書」8:12には、「わたしは世の光である。わたしに従って来る者は、やみのうちを歩くことがなく、命の光をもつであろう」とある。 or the other world or any either world, of Tyre-nan-Ogアイルランド版の竜宮城Tír na nÓgに、‘the Tierney of Dundal’(本章p.91)のTiernyもかかっている。また、レバノンの都市ティルス(Tyre)も。, as true as he was there in that jackabox英語でjack-in-the-boxは「びっくり箱」。他にjackbootsやjuke-boxとも読めるかもしれない。ちなみに、Oxford English Dictionaryに掲載されているjuke-boxの初出用例は1939年11月27日発行のTime誌。 that minute, or wield or wind (no thanks t’yous!)慣用句で「あなたは助けてくれなかったけれど!」。 the inexousthausthible wassailhorn tot『ウェイク』p.4で言及されるワシリー・ブスラエフを彷彿とさせる。totは、ドイツ語で「死んだ」を意味するほか、英語で「小さな子ども」を意味する。また、月と知恵と筆記の神トート(Thoth)も。 of iskybaushアイルランド語でウイスキーはusquebaughと呼ばれ、「命の水」を意味するが、その由来はラテン語のaqua vita。 the hailth up the wailth of the endknown abgod of the fire of the moving way of the hawksドイツ語でAbgottは「偶像」。19世紀アイルランドのフェニアン団のリーダー、ジェイムズ・スティーヴンズの異名The Wandering Hawk。 with his heroes直前のスティーヴンズへの間接的な言及を踏まえると、ジョイスの『若き芸術家の肖像』の草稿だった小説Stephen Heroも。 in Warhorror北欧神話における戦士の来世ヴァルハラ(Valhalla)。 if ever in all his exchequered careerHCE。フォーコーツの名前の1つExchequerに、「浮き沈みの激しいキャリア」を意味する慣用句chequered careerがかかっている。 he up or lave a chancery handフォーコーツの名前の1つChancery。また、中世イギリスの商業で使われた筆記体Chancery handも。 to take or throw the sign of a mortal stick or stone「(木の)棒と石」で、シェムとショーン。また、童謡‘Sticks and Stones’の‘Sticks and stones may break my bones / But words shall never hurt me’。 at man, yoelamb or salvation army either before or after being puptised down to that most holy and every blessed hour. Here, upon the halfkneed castleknocker’sダブリン西部のCastleknock Hill。 atte中英語においては前置詞atと定冠詞theが縮約されてatteと綴られることがあった。mpting kithoguishlyアイルランド英語でkithogueは「左きき」。他に、サミュエル・ラヴァー『アイルランドの伝説と物語』(Legends and Stories of Ireland, 1834)に収録されている、‘The Curse of Kishogue’という、道中でホットワインを飲まなかったがために殺されてしまうキショーグという男性の話も。 to lilt his holymess the paws and make the sign of the Roman Godhelic faixケルト系言語のGoidelic(ゴイデル語)。ゲール語の別称。Q-Celtsとも。また、‘Godhelic’には「神」(God)と「太陽」(helio)が響くため、太陽の面のオグマも。ドイツ語でheiligは「聖なる」(英語のholyに相当。「きよし、この夜」はドイツ語でHeilige Nacht)。faixは古風なフランス語で「重荷」「積荷」。, (Xaroshie, zdrst!アイルランド語でsaoirseは「自由」。また、ジョイスはバジル・ハーグレイヴのOrigins and Meanings of Popular Phrases and Names戦後改訂版のp.376を参照したと思われる。ロシアの陸軍スラングでxaroshieはフランス語のtrès bien「すばらしい!」に相当、同じくロシアの陸軍スラングでzdrástvityeはzdrástに短縮されることが多く、意味は「お元気で!」に近い。 — in his excitement the laddoアイルランド英語で「血気盛んな若者」。男性に向けて使う。 had
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broken exthro Castilianラテン語でex cathedraは、字義通りには「椅子から」という意味で、教皇が教会を代表する不謬の牧者として発言した内容を指す際に用いられる(ジョイスの短篇「恩寵」に、ex cathedraに関するユーモラスな会話が出てくる)。古代ギリシア語でἐχθρόςは「憎まれている」「敵意を向けられた」。また、中世欧州のイベリア半島にあったカスティーリャ王国も響く(『ユリシーズ』第8挿話では、オペラ『カスティーリャの薔薇』をもじった駄洒落が登場する)。 into which the whole audience perseguired and pursuited英語で「迫害された」を意味するpersecuted。他に、パース・オライリーも。イタリア語でseguireは「後に続く」。古風なスコットランド英語でpursuitedはpersecutedと同義。 him olla podridaスペインのシチュー料理。『ユリシーズ』についてD・H・ロレンスがオルダス・ハクスリー宛てに述べた以下の感想も。‘My God, what a clumsy olla putrida James Joyce is! Nothing but old fags and cabbage-stumps of quotations from the Bible and the rest, stewed in the juice of deliberate, journalistic dirty-mindedness—what old and hard worked staleness, masquerading as the all-new!’ ロレンスの言う‘olla putrida’を日本語に訳すとしたら「闇鍋」くらいか。他にも、ロレンスは『ユリシーズ』読了後に妻に向かって‘the last part of it is the dirtiest, most indecent, obscene thing ever written’と感想を述べた。詳しくはデクラン・カイバード『近代文学における男性たちとフェミニズム』(Men and Feminism in Modern Literature, 1985)第7章を参照。) outbroke much yellachters from owners in the heall (Ha!) in which, under the mollification of methaglin, the testifighter reluctingly, but with ever so ladylike indecorum, joined. ドイツ語でGelächterは「笑い」。アイルランド語でgeallachは「光」「明るさ」「月」。また、Connacht Tribune紙の1924年5月24日付けの記事に見られる‘there was some laughter in which the witness joined’というフレーズ(これは放火事件で証人として呼び出された人が、宣誓(oath)のもとで嘘を言ったことを認めた後の反応)のもじり。ウェールズ語由来の英語でmetheglinは「スパイスが強いミード」。(Ha! Ha!)
The hilariohootジョルダーノ・ブルーノの1582年の演劇『蝋燭の持ち手』(Candelaio)のエピグラフ「悲哀の中に喜びを、喜びの中に悲哀を」(In tristitia hilaris, in hilaritate tristis)。 of Pegger’s Windup本章p.91でフェスティ・キングが‘Pegger Festy’として登場していたことを踏まえると、「フェスティの緊張(windup)」あるいは「緊張しているフェスティ」か。また、ジョン・マクドナルドが用いた「パーネルの証人」(Parnell Witness)の頭字語P.W.も。 cumjustledラテン語でcumは「〜と共に」。 as neatly with the tristitoneジョルダーノ・ブルーノの1582年の演劇『蝋燭の持ち手』(Candelaio)のエピグラフ「悲哀の中に喜びを、喜びの中に悲哀を」(In tristitia hilaris, in hilaritate tristis)。 of the Wet Pinter’s「パーネルの証人」(W.P.)。英語のwet paintやpintが響く。頭文字が大文字なので固有名詞にも見えるが、具体的に何が参照されているのかは不明。 as were they isce et illeラテン語でiste et illeは「あれとこれ」。また、アイルランド語で「水」を意味するuisceも響く。 equals of opposites, evolved by a onesame power of nature or of spiritブルーノは、万物はその反対物へと自然に転じ、再統合されていく傾向があると説いた。その点でブルーノは、ニコラウス・クザーヌスの「対立物の一致」(coincidentia oppositorum)という考え方を受け継いでいた。, iste,ラテン語で「あの」「その」。 as the sole condition and means of its himundher manifestation and polarised for reunion by the symphysis of their antipathies. Distinctly different were their duasdestines.ニコラウス・クザーヌスの「対立物の一致」(coincidentia oppositorum)に代表されるスコラ哲学の風刺であるため、condition、means of、manifestation、renunion、distinctly different等々、哲学者が好んで使う語句が多用されている。あるいは、himundherが「彼と彼女」(him and her)を連想させることから、男女の関係を衒学的に語った文章としても読める。ドイツ語でHin und Herは「あちこちうろうろすること」、古代ギリシア語でσύμφυσιςは「共に成長すること」。また、δυάςは「2」「ペア」。 Whereas the maidies of the bar (a pairless trentene‘a pairless trentene’は、「ペアなき30」とも読める。つまり、まだお相手が決まっていない30人の女性ということか(‘bar’を「バー」と読んだ場合は「女給」になるが、これを「法廷」と読んだ場合(Ireland at the bar)は「未婚の若い女性」という意味も出てくる)。, a lunarised score太陰暦では1ヶ月が29.5日。) when the eranthus myrrmyrred古代ギリシア語でἔαρは「春」、ἄνθοςは「花」。‘eran’にはアイルランドの古名Erinも響く(したがって、‘Erin thus murmured’と読める)。英語でmyrrhは「ミルラ」「樹脂」「没薬(もつやく)」。没薬は、キリスト生誕の日に3賢人の1人が持ってきた贈り物。: Show’m the Posed「郵便(屋)のショーン」(Shaun the Post)。ブーシコーの『キスのアラ』に登場するショーンは、口うつしで手紙を受け取るため、まさに「郵便箱」だった。: fluttered and flatte中英語においては前置詞atと定冠詞theが縮約されてatteと綴られることがあった。red around the willingly pressedW.P.。また、「押し花」(pressed flower)や、「(公職へと)駆り立てられる」(pressed)も。, nominating him for the swiney prize英語でswineは「豚」。本章p.91でフェスティは豚の化粧しっくい(the outer layer of stucckomuck)に隠れていた。スウィーニー賞。T・S・エリオットの1918年の詩‘Sweeney among the Nightingales’も。また、中世アイルランドの民話『スウィーニーの狂気』(Buile Shuibhne)では、ダール・ナラディ(アルスター州の王国)のスウィーニー王が、聖ローナン・フィンの呪いによって狂気に陥れられる(フラン・オブライエンの『スウィム・トゥー・バーズにて』(At Swim-Two-Birds, 1939)では狂王スウィーニーの物語がコミカルに改作されている)。, complimenting him, the captivating youthトマス・ムーアの歌‘Sweet Innisfallen’(旋律は‘The Captivating Youth’)。, on his having all his senses about him, stincking thyacinthsヒュアキントス(Hyacinthus)。 through his curls (O feen! O deur!)アイルランド語でfíonは「ぶどう酒」、deurは「涙」。フィン。 and bringing busses古風な英語でbussは「接吻」、イタリア語でbussaは「殴打」「打撃」。 to his cheeks, their masculine Oirisher Rose「アイルランドの薔薇」(Irish rose)と読める。また、アイルランド語でoirisは「学問」「知識」「科学」。「オシリス」も響く。また、ジョイスが大絶賛していた歌手のジョン・マコーマックの伝記(ピエール・キー著)にある、マコーマックの妻でソプラノ歌手のリリー・フォーリーを描写した以下の一節も。‘It seemed so very easy, as she sang; none of the facial distortion or writhing of body which is too customarily to be seen. She just stood there, like a feminine Irish rose, and brought everyone to her feet’. 19世紀アメリカの作曲家Chauncery Olcottが作曲した‘My Wild Irish Rose’も(♬)。 (his neece cleur!)オランダ語でkleurは「色」。「9色」(nine colour)に、「姪のクレア」(niece Clare)がかかっている。, and legandoイタリア語で「縛る」を意味する動詞legareの動名詞形(正確にはジェルンディオ)がlegando。「滑らかに」を意味する音楽用語の「レガート」も響く。 round his nice new neck for him and pizzicagnolingイタリア語でpizzicheriaは「豚肉屋」「デリカテッセン肉屋」。また、「つま弾き」を意味する音楽用語「ピッツィカート」に加え、英語のTippy Canoeもかすかに響く。 his woolywags, with their dindy dandy sugar de candy童謡‘Handy Spandy Jack-a-Dandy’のもじり。‘Handy spandy Jack-a-dandy / Loves plum cake and sugar candy’. また、本章で複数回参照されてるノーマン・ダグラスの『ロンドンの街頭遊び』p.73に掲載されている‘Charlie likes whisky, / Charlie likes brandy, / Charlie likes kissing girls—O sugar-de-candy’という歌も(このゲームでは、このような歌を歌いながら子どもたちがスキップをし、歌が終わるとCharlieくんが自分の好きな人を言わなければいけない)。他に、日本語でいうパパ活や援助交際の男性側に相当するsuggar daddyも。 mechreeアイルランド英語でmachreeは「愛しの人」(アイルランド語ではmo chroidhe)。また、オルコットが作詞した歌‘Mother Machree’(♬)も。 me postheen flownsアイルランド語でpastheen fionnは「金色の髪の子ども」。また、同名の歌の‘An Páistín Fionn’(♬)。 courier to belive them of all his untiring young damesトマス・ムーアの歌‘Believe Me, If All Those Endearing Young Charms’(♬)(これはジョン・マコーマックが歌ってもいる)。ちなみに、‘untiring’に「脱衣」を意味するunattiringを読み込むことも可能か。 and send treats in their times. Ymen.『聖公会祈祷書』の「晩祷」にある「地のはてまで戦争(たたかい)をやめしめたまえ」(Give peace in our time, O Lord)より。ヘミングウェイの短篇集『われらの時代』(In Our Time, 1925)のタイトルはこの言い回しに基づいている。他に、「処女膜」(hymen)や「イエメン」(Yemen)、‘ye men’も響く。 But it was not unobserved of those presents, their worships, how, of one among all, her deputised to defeme him by the Lunar Sisters’ Celibacy Club太陰暦(lunar calendar)では1ヶ月が約29日からなる。そのためLunar Sistersは29人姉妹、そこからうるう年を象徴するイシーが連想される。celibacyは「性交禁止主義」「独身主義」のこと。, a lovelooking leapgirl「うるう年」(leap year)と踊り手の「跳ねる動作」(leap)の掛け言葉。イシーとルチア・ジョイスが重なる。, all all alonelyダグラス『ロンドンの街頭遊び』p.83に掲載されている歌(p.92 ‘dindy dandy sugar de candy’の註で紹介した遊びで歌われる別の歌)。‘Three little children sitting on the sand, / All, all a-lonely (repeat both lines) / Down in the green wood shady— / There came an old woman, said / Come on with me, / All, all a-lonely (repeat both lines) / Down in the green wood shady— / She stuck her pen-knife through their heart, / All, all a-lonely (repeat both lines) / Down in the green wood shady’., Gentia Gemma of the Makegiddyculling Reeksラテン語でgentiumは「民衆の」(第3変化名詞gensの複数属格形)、gemmaは「宝石」「芽」。ダンテの妻ジェンマ・ドナーティ。ケリー県にある山脈「マクギリーカドリーのわら山」(MacGillycuddy’s Reeks)。なお、英語でgentianはリンドウ属の植物の総称。, he, wan and pale本章で何度か登場している頭字語W.P.。英語でwanもpaleも「蒼白な」。他に、レンスター州の旧イギリス領の名称the Paleや、第1巻第1章の‘Mark the wans’も。 in his unmixed admiration, seemed blindly, mutely, tastelessly, tactlessly嗅覚以外の五感がいずれも機能していない(-less)ようだが、嗅覚だけは(直前の‘Reeks’つまり悪臭に刺激され)機能しているということか。, innamorate with heruponhim in shining aminglement, the shaym of his hisu shifting into the shimmering of her hers, (youthsy, beautsy, hee’s her chapダグラス『ロンドンの街頭遊び』p.5に記載されているCatchまたはTeaserという遊びにおいて、Heeは「鬼」のこと。‘Two boys stand at each side of the road and one in the middle, that’s Hee. One of them tries to get the ball over middle’s head for the other to get it but if middle gets it the throer goes Hee’. and shey’ll tell memmas when she gays whomダグラス『ロンドンの街頭遊び』p.55にある歌。‘I’ll tell Ma when I get home / That the boys won’t leave me alone. / They pull my hair and break my comb, / I’ll tell Ma when I get home’.) till the wild wishwish of her sheesheaアイルランド語でsíは「彼女」、séは「彼」。 melted most musically mid the dark deepdeep of his shayshaun.
And whereas distracted (for was not just this in effect which had just caused that the effect of that which it had caused to occur?) the four justicers四導師、あるいはMamalujoか。 laid their wigs together「相談する」を意味する英語の慣用句‘put their heads together’のもじり。, Untius, Muncius, Punchus and Pylaxラテン語でnuntiusは「使者」(英語でも演劇用語として使われる)。ローマカトリック教会から国の政府へ送られる大使のこともnuntiusと呼ぶ。他に、中国の哲学者・孟子(もうし、Muncius)や、共和政ローマの初期の英雄で「左手のムキウス」の異名を持つガイウス・ムキウス・スカエウォラも。イエズスの処刑に立ち会ったことで有名なポンテオ・ピラト。人形劇パンチ&ジューディー・ショー。古代ギリシア語でφύλαξは「護衛」「歩哨」。 but could do no worse than promulgate
The hilariohootジョルダーノ・ブルーノの1582年の演劇『蝋燭の持ち手』(Candelaio)のエピグラフ「悲哀の中に喜びを、喜びの中に悲哀を」(In tristitia hilaris, in hilaritate tristis)。 of Pegger’s Windup本章p.91でフェスティ・キングが‘Pegger Festy’として登場していたことを踏まえると、「フェスティの緊張(windup)」あるいは「緊張しているフェスティ」か。また、ジョン・マクドナルドが用いた「パーネルの証人」(Parnell Witness)の頭字語P.W.も。 cumjustledラテン語でcumは「〜と共に」。 as neatly with the tristitoneジョルダーノ・ブルーノの1582年の演劇『蝋燭の持ち手』(Candelaio)のエピグラフ「悲哀の中に喜びを、喜びの中に悲哀を」(In tristitia hilaris, in hilaritate tristis)。 of the Wet Pinter’s「パーネルの証人」(W.P.)。英語のwet paintやpintが響く。頭文字が大文字なので固有名詞にも見えるが、具体的に何が参照されているのかは不明。 as were they isce et illeラテン語でiste et illeは「あれとこれ」。また、アイルランド語で「水」を意味するuisceも響く。 equals of opposites, evolved by a onesame power of nature or of spiritブルーノは、万物はその反対物へと自然に転じ、再統合されていく傾向があると説いた。その点でブルーノは、ニコラウス・クザーヌスの「対立物の一致」(coincidentia oppositorum)という考え方を受け継いでいた。, iste,ラテン語で「あの」「その」。 as the sole condition and means of its himundher manifestation and polarised for reunion by the symphysis of their antipathies. Distinctly different were their duasdestines.ニコラウス・クザーヌスの「対立物の一致」(coincidentia oppositorum)に代表されるスコラ哲学の風刺であるため、condition、means of、manifestation、renunion、distinctly different等々、哲学者が好んで使う語句が多用されている。あるいは、himundherが「彼と彼女」(him and her)を連想させることから、男女の関係を衒学的に語った文章としても読める。ドイツ語でHin und Herは「あちこちうろうろすること」、古代ギリシア語でσύμφυσιςは「共に成長すること」。また、δυάςは「2」「ペア」。 Whereas the maidies of the bar (a pairless trentene‘a pairless trentene’は、「ペアなき30」とも読める。つまり、まだお相手が決まっていない30人の女性ということか(‘bar’を「バー」と読んだ場合は「女給」になるが、これを「法廷」と読んだ場合(Ireland at the bar)は「未婚の若い女性」という意味も出てくる)。, a lunarised score太陰暦では1ヶ月が29.5日。) when the eranthus myrrmyrred古代ギリシア語でἔαρは「春」、ἄνθοςは「花」。‘eran’にはアイルランドの古名Erinも響く(したがって、‘Erin thus murmured’と読める)。英語でmyrrhは「ミルラ」「樹脂」「没薬(もつやく)」。没薬は、キリスト生誕の日に3賢人の1人が持ってきた贈り物。: Show’m the Posed「郵便(屋)のショーン」(Shaun the Post)。ブーシコーの『キスのアラ』に登場するショーンは、口うつしで手紙を受け取るため、まさに「郵便箱」だった。: fluttered and flatte中英語においては前置詞atと定冠詞theが縮約されてatteと綴られることがあった。red around the willingly pressedW.P.。また、「押し花」(pressed flower)や、「(公職へと)駆り立てられる」(pressed)も。, nominating him for the swiney prize英語でswineは「豚」。本章p.91でフェスティは豚の化粧しっくい(the outer layer of stucckomuck)に隠れていた。スウィーニー賞。T・S・エリオットの1918年の詩‘Sweeney among the Nightingales’も。また、中世アイルランドの民話『スウィーニーの狂気』(Buile Shuibhne)では、ダール・ナラディ(アルスター州の王国)のスウィーニー王が、聖ローナン・フィンの呪いによって狂気に陥れられる(フラン・オブライエンの『スウィム・トゥー・バーズにて』(At Swim-Two-Birds, 1939)では狂王スウィーニーの物語がコミカルに改作されている)。, complimenting him, the captivating youthトマス・ムーアの歌‘Sweet Innisfallen’(旋律は‘The Captivating Youth’)。, on his having all his senses about him, stincking thyacinthsヒュアキントス(Hyacinthus)。 through his curls (O feen! O deur!)アイルランド語でfíonは「ぶどう酒」、deurは「涙」。フィン。 and bringing busses古風な英語でbussは「接吻」、イタリア語でbussaは「殴打」「打撃」。 to his cheeks, their masculine Oirisher Rose「アイルランドの薔薇」(Irish rose)と読める。また、アイルランド語でoirisは「学問」「知識」「科学」。「オシリス」も響く。また、ジョイスが大絶賛していた歌手のジョン・マコーマックの伝記(ピエール・キー著)にある、マコーマックの妻でソプラノ歌手のリリー・フォーリーを描写した以下の一節も。‘It seemed so very easy, as she sang; none of the facial distortion or writhing of body which is too customarily to be seen. She just stood there, like a feminine Irish rose, and brought everyone to her feet’. 19世紀アメリカの作曲家Chauncery Olcottが作曲した‘My Wild Irish Rose’も(♬)。 (his neece cleur!)オランダ語でkleurは「色」。「9色」(nine colour)に、「姪のクレア」(niece Clare)がかかっている。, and legandoイタリア語で「縛る」を意味する動詞legareの動名詞形(正確にはジェルンディオ)がlegando。「滑らかに」を意味する音楽用語の「レガート」も響く。 round his nice new neck for him and pizzicagnolingイタリア語でpizzicheriaは「豚肉屋」「デリカテッセン肉屋」。また、「つま弾き」を意味する音楽用語「ピッツィカート」に加え、英語のTippy Canoeもかすかに響く。 his woolywags, with their dindy dandy sugar de candy童謡‘Handy Spandy Jack-a-Dandy’のもじり。‘Handy spandy Jack-a-dandy / Loves plum cake and sugar candy’. また、本章で複数回参照されてるノーマン・ダグラスの『ロンドンの街頭遊び』p.73に掲載されている‘Charlie likes whisky, / Charlie likes brandy, / Charlie likes kissing girls—O sugar-de-candy’という歌も(このゲームでは、このような歌を歌いながら子どもたちがスキップをし、歌が終わるとCharlieくんが自分の好きな人を言わなければいけない)。他に、日本語でいうパパ活や援助交際の男性側に相当するsuggar daddyも。 mechreeアイルランド英語でmachreeは「愛しの人」(アイルランド語ではmo chroidhe)。また、オルコットが作詞した歌‘Mother Machree’(♬)も。 me postheen flownsアイルランド語でpastheen fionnは「金色の髪の子ども」。また、同名の歌の‘An Páistín Fionn’(♬)。 courier to belive them of all his untiring young damesトマス・ムーアの歌‘Believe Me, If All Those Endearing Young Charms’(♬)(これはジョン・マコーマックが歌ってもいる)。ちなみに、‘untiring’に「脱衣」を意味するunattiringを読み込むことも可能か。 and send treats in their times. Ymen.『聖公会祈祷書』の「晩祷」にある「地のはてまで戦争(たたかい)をやめしめたまえ」(Give peace in our time, O Lord)より。ヘミングウェイの短篇集『われらの時代』(In Our Time, 1925)のタイトルはこの言い回しに基づいている。他に、「処女膜」(hymen)や「イエメン」(Yemen)、‘ye men’も響く。 But it was not unobserved of those presents, their worships, how, of one among all, her deputised to defeme him by the Lunar Sisters’ Celibacy Club太陰暦(lunar calendar)では1ヶ月が約29日からなる。そのためLunar Sistersは29人姉妹、そこからうるう年を象徴するイシーが連想される。celibacyは「性交禁止主義」「独身主義」のこと。, a lovelooking leapgirl「うるう年」(leap year)と踊り手の「跳ねる動作」(leap)の掛け言葉。イシーとルチア・ジョイスが重なる。, all all alonelyダグラス『ロンドンの街頭遊び』p.83に掲載されている歌(p.92 ‘dindy dandy sugar de candy’の註で紹介した遊びで歌われる別の歌)。‘Three little children sitting on the sand, / All, all a-lonely (repeat both lines) / Down in the green wood shady— / There came an old woman, said / Come on with me, / All, all a-lonely (repeat both lines) / Down in the green wood shady— / She stuck her pen-knife through their heart, / All, all a-lonely (repeat both lines) / Down in the green wood shady’., Gentia Gemma of the Makegiddyculling Reeksラテン語でgentiumは「民衆の」(第3変化名詞gensの複数属格形)、gemmaは「宝石」「芽」。ダンテの妻ジェンマ・ドナーティ。ケリー県にある山脈「マクギリーカドリーのわら山」(MacGillycuddy’s Reeks)。なお、英語でgentianはリンドウ属の植物の総称。, he, wan and pale本章で何度か登場している頭字語W.P.。英語でwanもpaleも「蒼白な」。他に、レンスター州の旧イギリス領の名称the Paleや、第1巻第1章の‘Mark the wans’も。 in his unmixed admiration, seemed blindly, mutely, tastelessly, tactlessly嗅覚以外の五感がいずれも機能していない(-less)ようだが、嗅覚だけは(直前の‘Reeks’つまり悪臭に刺激され)機能しているということか。, innamorate with heruponhim in shining aminglement, the shaym of his hisu shifting into the shimmering of her hers, (youthsy, beautsy, hee’s her chapダグラス『ロンドンの街頭遊び』p.5に記載されているCatchまたはTeaserという遊びにおいて、Heeは「鬼」のこと。‘Two boys stand at each side of the road and one in the middle, that’s Hee. One of them tries to get the ball over middle’s head for the other to get it but if middle gets it the throer goes Hee’. and shey’ll tell memmas when she gays whomダグラス『ロンドンの街頭遊び』p.55にある歌。‘I’ll tell Ma when I get home / That the boys won’t leave me alone. / They pull my hair and break my comb, / I’ll tell Ma when I get home’.) till the wild wishwish of her sheesheaアイルランド語でsíは「彼女」、séは「彼」。 melted most musically mid the dark deepdeep of his shayshaun.
And whereas distracted (for was not just this in effect which had just caused that the effect of that which it had caused to occur?) the four justicers四導師、あるいはMamalujoか。 laid their wigs together「相談する」を意味する英語の慣用句‘put their heads together’のもじり。, Untius, Muncius, Punchus and Pylaxラテン語でnuntiusは「使者」(英語でも演劇用語として使われる)。ローマカトリック教会から国の政府へ送られる大使のこともnuntiusと呼ぶ。他に、中国の哲学者・孟子(もうし、Muncius)や、共和政ローマの初期の英雄で「左手のムキウス」の異名を持つガイウス・ムキウス・スカエウォラも。イエズスの処刑に立ち会ったことで有名なポンテオ・ピラト。人形劇パンチ&ジューディー・ショー。古代ギリシア語でφύλαξは「護衛」「歩哨」。 but could do no worse than promulgate
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their standing verdict of Nolans Brumansジョルダーノ・ブルーノがイタリアのノーラ出身のため、ジョイスはブルーノをNolanと呼んだ。フランス語でbrumeuxは「不明瞭な」「不透明な」。スペイン語でbrumaは「霧」「もや」。 whereoneafter King, having murdered all the English he knewフェスティ・キングは英語を話せないらしく、そのことを指して「英語をめちゃくちゃにして」(having murdered … English)と述べられている。, picked out his pockets and left the tribunal scotfree「ピクト人」(Pict)および「スコットランド人」(Scot)が仄めかされる。, trailing his Tommeylommey’sデンマーク語でtomme lommerは「空のポケット」。 tunic in his hurry, thereinunder proudly showing off the blink patch聖パトリックの愛称‘Patch’に、ジョイスも付けていた「黒い眼帯」(black patch)および「まばたき」(blink)がかかっている。 to his britgits聖ブリギット。「イギリスの阿呆」(Brit gits)とも読める。 to prove himself (an’t plase yous!)ALP。蟻(ant)。‘and please yours’が訛った形か。 a rael genteel. To the Switz bobbyguard’s curialバチカンのスイス人衛兵(Swiss Guard)は16世紀から教皇の護衛を務め続けている。イギリス英語のスラングでbobbyは警察官のこと。‘curial’には、古代ローマ市民の区分単位の1つ「クリア」(curia)や、「ローマ教皇庁」(Curia Romana)が響く。 but courtlike: Commodore valley O hairy, Arthre jennyrosy?ラテン語でQuomodo vales hodie, Arator generose?は「高貴なる黒衣の紳士殿、本日のご機嫌はいかが?」。: the firewaterloover強い酒のことを英語ではfirewaterと呼ぶ。「ワーテルロー(の戦い)」(Waterloo)や、「ルーヴル(美術館)」(Louvre)も。『ユリシーズ』17挿話「イタケ」における、水に関する長大な描写の直前の質問‘What in water did Bloom, waterlover, drawer of water, watercarrier, returning to the range, admire?’も想起させる。 returted with such a vinesmelling fortytudor ages rawdownhams tanyouhideラテン語でFortitudo eius Rhodanum tenuitは「彼の力はローヌを護った」。1890年頃のイタリア王国のヴィットーリオ・アメデーオ2世が採用したモットー‘FERT’の読み方の1つ(ここでもそうだが、『ウェイク』ではしばしば‘FART’に変わっている)。そこへ「チューダー朝時代」(Tudor Ages)がかかる。リトアニア語でraudonasは「赤」、そして英語の慣用句でtan his hideは「彼のことをひどく殴打する」。 as would the latte中英語においては前置詞atと定冠詞theが縮約されてatteと綴られることがあった。n stomach even of a tumass equinousトマス・アクィナス。「お腹」(tum)と「お尻」(ass)。また、英語のequineは「馬のような」、特に「馬のような食欲をもつ」という意味。 (we were prepared for the chap’s clap cap単語内の‘c’と‘ap’の間の文字が、‘h’→‘l’→(何も無し)、と徐々にすり減っていく。英語でclaptrapは、拍手を誘うために意図的に仕組まれた、往々にして不誠実な言明のこと。, the accent, but, took us as, by, surprise and now we’re geshing it like gush gash from a burner!1912年に、ダブリンの印刷屋ジョン・ファルコナーは『ダブリナーズ』1,000部を(法的リスクへの恐怖から)焼いた。ダブリンからの帰路についていたジョイスはこのニュースを聞いて憤慨し、オランダのFlushingにて98行のブロードサイド・バラッドを書いた。それが‘Gas from a Burner’。) so that all the twofromthirty advocatesses「30引く2」(つまり28)人の「女性弁護者」(advocatesses)。advocatessは通例聖母マリアを指す。 within echo,オウィディウス『変身物語』所収の「エコーとナルキュッソス」に登場する、他の人の声を反復することしかできない山のニンフ・エコー。エコーが流麗な弁舌でユピテルを楽しませていることにユノーが嫉妬し、エコーに「他の人の最近の言葉しか話せない」ようにする呪いがかかる。 pulling up their briefs at the krigkryドイツ語で「戦争」を意味するKriegと、英語のcryをつなげた語。すなわち「雄叫び」(war cry)。: Shun the Punman!本章p.92, ‘Show’m the Posed’という箇所ではショーンの名前が叫ばれたが、ここではシェム。「筆男」(Penman)ではなく、「駄洒落男」(Punman)になっている。: safely and soundly soccered that fenemine Parish Poserp.92に出てきた‘masculine Oirisher Rose’と対になる。英語でfenは「沼地」「湿地」のこと。fenianも響く。「パリ」(Paris)や、「地元の教区の神父」(parish priest)も。, (how dare he!) umprumptu rightoway hames,英語でhameは「くびき」。運び馬車につけるが、左右を間違えやすい。転じて、アイルランド英語でmake a hames ofは英語のmake a mess ofの意。他に「ジェイムズ」(James)も響く。 much to his thanks, gratiasagam5世紀アイルランドのアーマー県で、聖パトリックは修道院を建てようとした。しかし、地元のダーレ王はこれを拒否した。王の馬が修道院の敷地で草を食べ、死亡した。王はパトリックの暗殺を企てたが、すると王自身がひどい病にかかってしまった。パトリックはこれを聞くと、馬と王に聖水をかけ、両者とも回復した。褒美に、王は聖パトリックへ大きな鍋を贈った。このとき、パトリックは「感謝いたします」(‘gratias agamus’)と答えたが、王はこれをgratzachamという架空の言葉と聞き間違えた。怒った王は、鍋をパトリックから没収したが、パトリックはやはりgratias agamusと言い、召使いたちはこれをやはりgratzachamと聞き間違えた。王は「良いことをされても、悪いことをされても、この人はgratzachamとだけ言う。筋の通った、大した人だ」と感心し、パトリックに修道院のための敷地と豪勢な鍋を与えたという。詳しくはこちらの論文を参照。, to all the wrong donatricesラテン語で「女性の寄付者たち」。, biss Drinkbattle’s Dingy Dwellingsラテン語でbisは「二度」。英語でも同じ。「小便(をする)」という意味のpiss、そして「インク壺」(inkbottle)も響く。また、‘Dear Dirty Dublin’も。 where (for like your true venuson Esauウェヌスの息子アイネイアースの名や、「ロビンソン・クルーソー」が響く。第1巻第1章p.3の‘venisoon after’も(ヤコブはイサクをだますために、エサウがしたように子鹿(venison)を持ってきた。詳しくは旧約聖書「創世記」27:1–36を参照)。 he was dovetimid as the dears at Bottomeエドワード・クロッドの‘Tom Tit Tot: An Essay on Savage Philosophy in Folk-Tale’(アメリカ先住民にかんするプロパガンダ)において、肉食からその動物の能力を得られるという信仰を説明した以下の箇所のもじり。‘The lion’s flesh gives courage, the deer’s flesh causes timidity; and in more subtle form of the same idea, barbaric hunters will abstain from oil lest the game slip through their fingers’. 民話‘Tom Tit Tot’の全文はこちら。他に、シェイクスピア『夏の夜の夢』第1幕第2場で、織工のボトム(Bottom)が言うセリフ‘I will roar you as gently as any sucking dove’も。‘Bottome’は、ボトムの名に「(大きな)本」を意味するtomeがかかる語か。) he shat‘shat’は英語の動詞shitの過去形。 in (zoo), like the muddy goalbind「牢獄」を意味する英語のgaol(ジェイル)や、「常習犯」を意味するgaolbird。 who he was (dun)アイルランド語でdúnは「閉まった」「閉じた」「要塞」。, the chassetitties belles conclaimingフランス語のスラングでchasserは「口説く」、bellesはフランス語で「美しい」を意味する形容詞beauの女性形、ラテン語でconclamoは「大声をあげる」「号令する」。これらの語に、「貞操帯」(chastity belt)がかかっている(中世欧州の十字軍兵士は妻や恋人の貞操を守るために貞操帯を装着させたと言われているが、事実かどうか怪しい)。: You and your gift of your gaft of your garbage abaht our Farvver!主の祈りの冒頭の句「我らが父よ」(Our Father)に、デンマーク語で「色」を意味するfarve(r)がかかる。 and gaingridandoイタリア語でgridandoは、「叫ぶ」を意味する動詞gridareの動名詞形(正確にはジェルンディオ)。また、スペイン語のagringadoは「グリンゴのようだ」という意味の侮辱語(「グリンゴ」(gringo)はスペイン系・ラテン系以外のアメリカ人に対する侮辱的な呼び方)。: Hon! Verg! Nau! Putor! Skam! Schams! Shames!フランス語のhonte、イタリア語のvergogna、アイルランド語のnaire、ラテン語のpudor、デンマーク語のskam、ドイツ語のScham、そして英語のshameは、すべて「恥(を知れ)!」という意味。また、フランス語vergeやドイツ語Schamは男性器を意味する。シェム。
And so it all ended. Artha kama dharma moksa.ヒンドゥー教における人生の4つの目的。arthaは物質的豊かさ、kamaは快楽と愛と心の豊かさ、dharmaは道徳と正義、そしてmokshaは自由と自己実現。 Ask Kavyaサンスクリット語および俗語で書かれた、美文体の文学作品のこと。美麗でふんだんな修辞が特徴。西暦1世紀頃からインドの宮廷詩人を中心に作られはじめ、8世紀に至って最盛期を迎えた。 for the kay. And so everybody heard their plaint and all listened to their plauseアイルランド英語でplausy(もしくはplausey)は「お世辞を言うこと」「ごますり(する人)」の意。. The letter! The litter!『ユリシーズ』第1挿話でのマリガンの言葉が響く。‘—God! he said quietly. Isn’t the sea what Algy calls it: a great sweet mother? The snotgreen sea. The scrotumtightening sea. Epi oinopa ponton. Ah, Dedalus, the Greeks! I must teach you. You must read them in the original. Thalatta! Thalatta! She is our great sweet mother. Come and look’. また、ウラジーミル・ディクソンの‘A Litter to Mr. James Joyce’も響く。 And the soother the bitther!アイルランドの子どもの手紙によく書かれた文言‘deliver the letter, the sooner the better!’のもじり。 Of eyebrow pencilled, by lipstipple penned. Borrowing a word and begging the question and stealing tinder and slipping like soap. From dark Rasa Lane a sigh and a weepジェイムズ・クラレンス・マンガンの詩‘Dark Rosaleen’の書き出し‘O my dark Rosaleen, / Do not sigh, do not weep!’より。, from Lesbia Looshe the beam in her eyeトマス・ムーアの歌‘Lesbia Hath a Beaming Eye’(♬)より。フランス語でloucheは「怪しげな」「ぼやけた」あるいは(古風な言い方で)「斜視の」、loucherは「斜視である」「〜を横目で見る」などの意。また、新約聖書「マタイによる福音書」7:5の「偽善者よ、まず自分の目から梁を取りのけるがよい。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目からちりを取りのけることができるだろう」も。, from lone Coogan Barry his arrow of songJ.J.カラナンの詩「グーゲンバラ」の書き出し‘There is a green island in lone Gougane Barra, / Where Allua of songs rushes forth as an arrow’より。他に、ヘンリー・ロングフェローの詩‘The Arrow and the Song’。1920年にイギリス政府によって死刑に処された18歳のIRA兵士ケビン・バリーも。, from Sean Kelly’s anagrim a blush at the nameジョン・ケルズ・イングラムの歌‘The Memory of the Dead’の歌い出し‘Who fears to speak of “Ninety-eight”? / Who blushes at the name?’より。これはフェニアン団の思想と共鳴する歌だが、この箇所の前後は20世紀前半におけるアイルランドの独立に関する仄めかしが多い。デヴァレラの右腕でアイルランドの革命家のショーン・オケリーも。, from I am the Sullivan that trumpeting trampティモシー・デイヴィッド・サリバンの歌‘God Save Ireland’の旋律が‘Tramp, Tramp, Tramp’(Wolfe Tonesが歌っている)。弟にアレクサンダー・マーティン(A・M)・サリバンがいる。, from Suffering Dufferin the Sit of her StyleLady Dufferinの詩‘Lament of the Irish Emigrant’の書き出し‘I’m sitting on the stile, Mary, where we once sat side by side / On a bright May morning long ago, when first you were my bride’より。, from Kathleen May Vernonメアリー・クロフォードの歌‘Kathleen Mavourneen’より(ジョン・マコーマックが歌っている)。 her Mebbe fair efforts, from Fillthepot Curran his scotchlove machreetherジョン・フィルポット・カランの詩‘Cushla Machree’より。書き出しは‘Dear Erin, how sweetly thy green bosom rises! / An emerald set in the ring of the sea’で、やはりナショナリスト。また、アイルランド語でmo chréatúirは「かわいそうな人!」(my poor creature)。アイルランド語でcréatúrはウイスキーのことも指す。, from hymn Op. 2 Phil Adolphos the weary O, the leery, O古代エジプト、プトレイマイオス朝のファラオ、プトレマイオス2世ピラデルポス(Philadelphus)。古代ギリシア語でφιλάδελφοςは「兄弟愛」という意味。また、バラッドの‘I’m Off to Philadelphia in the Morning’(♬)の歌い出し‘Oh, me name is Paddy Leary from a spot in Tipperary’も。, from Samyouwill Leaver or Damyouwell Lover thatjolly old molly bit or that bored saunter byアイルランドの作家・作曲家のサミュエル・ラヴァー。‘Molly Bawn’(♬)や‘The Bowld Sojer Boy’(♬)を作った。また、アイルランドの小説家のチャールズ・レヴァーも。他に、ダブリンのオリンピア劇場の前身を創設したダニエル・ラウリー親子も。‘Dan Lowrey the first was born in Roscrea in 1823. His parents then emigrated to England, By the time he was thirty he owned a tavern in Liverpool where he also entertained his patrons with songs and stories in addition to serving food and drink. Some time later Lowrey returned to Ireland and opened the Alhambra in Belfast before coming to Dublin in 1878 to purchase the site of an old military barracks in Crampton Court in Temple Bar. This had also been the site of a tavern, and the so-called Monster Saloon Music Hall’(Findlaters: The Story of a Dublin Merchant Family)。, from Timm Finn again’s weak「ティム・フィネガンの通夜」(Tim Finnegan’s wake)。 tribes, loss of strength to his sowheel英語でsoulと読めるが、「幽霊」を意味するアイルランド語samhailも響く。, from the wedding
And so it all ended. Artha kama dharma moksa.ヒンドゥー教における人生の4つの目的。arthaは物質的豊かさ、kamaは快楽と愛と心の豊かさ、dharmaは道徳と正義、そしてmokshaは自由と自己実現。 Ask Kavyaサンスクリット語および俗語で書かれた、美文体の文学作品のこと。美麗でふんだんな修辞が特徴。西暦1世紀頃からインドの宮廷詩人を中心に作られはじめ、8世紀に至って最盛期を迎えた。 for the kay. And so everybody heard their plaint and all listened to their plauseアイルランド英語でplausy(もしくはplausey)は「お世辞を言うこと」「ごますり(する人)」の意。. The letter! The litter!『ユリシーズ』第1挿話でのマリガンの言葉が響く。‘—God! he said quietly. Isn’t the sea what Algy calls it: a great sweet mother? The snotgreen sea. The scrotumtightening sea. Epi oinopa ponton. Ah, Dedalus, the Greeks! I must teach you. You must read them in the original. Thalatta! Thalatta! She is our great sweet mother. Come and look’. また、ウラジーミル・ディクソンの‘A Litter to Mr. James Joyce’も響く。 And the soother the bitther!アイルランドの子どもの手紙によく書かれた文言‘deliver the letter, the sooner the better!’のもじり。 Of eyebrow pencilled, by lipstipple penned. Borrowing a word and begging the question and stealing tinder and slipping like soap. From dark Rasa Lane a sigh and a weepジェイムズ・クラレンス・マンガンの詩‘Dark Rosaleen’の書き出し‘O my dark Rosaleen, / Do not sigh, do not weep!’より。, from Lesbia Looshe the beam in her eyeトマス・ムーアの歌‘Lesbia Hath a Beaming Eye’(♬)より。フランス語でloucheは「怪しげな」「ぼやけた」あるいは(古風な言い方で)「斜視の」、loucherは「斜視である」「〜を横目で見る」などの意。また、新約聖書「マタイによる福音書」7:5の「偽善者よ、まず自分の目から梁を取りのけるがよい。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目からちりを取りのけることができるだろう」も。, from lone Coogan Barry his arrow of songJ.J.カラナンの詩「グーゲンバラ」の書き出し‘There is a green island in lone Gougane Barra, / Where Allua of songs rushes forth as an arrow’より。他に、ヘンリー・ロングフェローの詩‘The Arrow and the Song’。1920年にイギリス政府によって死刑に処された18歳のIRA兵士ケビン・バリーも。, from Sean Kelly’s anagrim a blush at the nameジョン・ケルズ・イングラムの歌‘The Memory of the Dead’の歌い出し‘Who fears to speak of “Ninety-eight”? / Who blushes at the name?’より。これはフェニアン団の思想と共鳴する歌だが、この箇所の前後は20世紀前半におけるアイルランドの独立に関する仄めかしが多い。デヴァレラの右腕でアイルランドの革命家のショーン・オケリーも。, from I am the Sullivan that trumpeting trampティモシー・デイヴィッド・サリバンの歌‘God Save Ireland’の旋律が‘Tramp, Tramp, Tramp’(Wolfe Tonesが歌っている)。弟にアレクサンダー・マーティン(A・M)・サリバンがいる。, from Suffering Dufferin the Sit of her StyleLady Dufferinの詩‘Lament of the Irish Emigrant’の書き出し‘I’m sitting on the stile, Mary, where we once sat side by side / On a bright May morning long ago, when first you were my bride’より。, from Kathleen May Vernonメアリー・クロフォードの歌‘Kathleen Mavourneen’より(ジョン・マコーマックが歌っている)。 her Mebbe fair efforts, from Fillthepot Curran his scotchlove machreetherジョン・フィルポット・カランの詩‘Cushla Machree’より。書き出しは‘Dear Erin, how sweetly thy green bosom rises! / An emerald set in the ring of the sea’で、やはりナショナリスト。また、アイルランド語でmo chréatúirは「かわいそうな人!」(my poor creature)。アイルランド語でcréatúrはウイスキーのことも指す。, from hymn Op. 2 Phil Adolphos the weary O, the leery, O古代エジプト、プトレイマイオス朝のファラオ、プトレマイオス2世ピラデルポス(Philadelphus)。古代ギリシア語でφιλάδελφοςは「兄弟愛」という意味。また、バラッドの‘I’m Off to Philadelphia in the Morning’(♬)の歌い出し‘Oh, me name is Paddy Leary from a spot in Tipperary’も。, from Samyouwill Leaver or Damyouwell Lover thatjolly old molly bit or that bored saunter byアイルランドの作家・作曲家のサミュエル・ラヴァー。‘Molly Bawn’(♬)や‘The Bowld Sojer Boy’(♬)を作った。また、アイルランドの小説家のチャールズ・レヴァーも。他に、ダブリンのオリンピア劇場の前身を創設したダニエル・ラウリー親子も。‘Dan Lowrey the first was born in Roscrea in 1823. His parents then emigrated to England, By the time he was thirty he owned a tavern in Liverpool where he also entertained his patrons with songs and stories in addition to serving food and drink. Some time later Lowrey returned to Ireland and opened the Alhambra in Belfast before coming to Dublin in 1878 to purchase the site of an old military barracks in Crampton Court in Temple Bar. This had also been the site of a tavern, and the so-called Monster Saloon Music Hall’(Findlaters: The Story of a Dublin Merchant Family)。, from Timm Finn again’s weak「ティム・フィネガンの通夜」(Tim Finnegan’s wake)。 tribes, loss of strength to his sowheel英語でsoulと読めるが、「幽霊」を意味するアイルランド語samhailも響く。, from the wedding
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on the greene, agirlies, the gretnass of joyboys20世紀前半から後半にかけてのアメリカのスラングで「滑稽な変わり者」、あるいは20世紀後半のアメリカのスラングで「男性同性愛者」。, from Pat Mullen, Tom Mallon, Dan Meldon, Don Maldon a slickstick picnic made in Moate by Muldoons. The solid manイギリスの歌‘Widecombe Fair’のサビのもじり。‘Tom Pearce, Tom Pearce, lend me your grey mare / All along, down along, out along lea / For I want to go to Widecombe Fair / With Bill Brewer, Jan Stewer, Peter Gurney / Peter Davy, Dan’l Whiddon, Harry Hawke / Old Uncle Tom Cobley and all / Old Uncle Tom Cobley and all’. 他に、英語の慣用句でlooks like Muldoon’s picnicは「すべてが散らかっていてごちゃごちゃ」。Moateはウェストミーズ県の村の名前。1874年作曲の歌‘Muldoon, the Solid Man’(♬)。奏者のW・J・アッシュクロフトは、ダン・ラウリーからベルファストのアルハンブラ劇場を買収し、ダブリンのラウリー演芸館でも度々演奏をした。『ウェイク』p.3で登場するフィネガンの別名‘erse solid man’も。 saved by his sillied woman. Crackajolking away like a hearse on fire英語でlike a house on fireは「速やかに」「盛んに」という意味の成句。. The elm that whimpers at the topジョナサン・スウィフトは、ある日、友人たちと夕方に散歩していたときに、てっぺんから枯れていた楡の木をみつけて、「私はあの木のようだ。まずはてっぺんから死んでいくだろう」(つまり、まずは頭からおかしくなるだろう)とつぶやいたという。The Works of Rev. Jonathan Swift, vol.1, p.269より。 told the stone that moansタラの丘にあった運命の石(Lia Fáil)は、上王の継承者が触れると呻いたという。 when stricken. Wind broke it. Wave bore it. Reed wrote of it. Syce ran with it. Hand tore it and wild went war. Hen trieved it and plight pledged peace.童謡‘Apple Pie ABC’のもじり。‘A was an apple pie, B bit it, C cut it, D dealt it, E eat it, F fought for it, G got it, H had it’. インド英語でsyceは「馬の世話をする人」。‘wild went war’と‘plight pledged peace’はwとpの頭韻になっており、「パーネル委員会の証人」(W.P.)が響く。‘Hen’は第1巻第5章に出てくるドーラン族のベリンダか。 It was folded with cunning, sealed with crime, uptied by a harlot, undone by a child. It was life but was it fair? It was free but was it art?キプリングの詩‘The Conundrum of the Workshops’のリフレイン‘…, but is it Art?’のもじり。 The old hunks老人に対する侮蔑語。 on the hill read it to perlectionラテン語でperlectioは「通読」(pellectioとも綴る)。. It made ma make merry and sissy so shy and rubbed some shine off英語の慣用句で「〜から魅力を取り除く」。 Shem and put some shame into Shaun. Yet Una and Itaアイルランド語でúnaは「飢饉」、ídeは「(喉の)渇き」。5世紀アイルランド出身の聖イーテ(マンスターのブリジッド)も(リンク先の画像はティペラーリー県バリルービーにある聖キアナン教会のステンドグラス)。 spill famine with drought and Agrippa16世紀ドイツの魔術師ハインリヒ・コルネリウス・アグリッパ。スペインへ傭兵として遠征したのち、1509年に学問に転じた。主著『隠秘哲学に関する三つの書』(De occulta philosophia libri tres)では、日常的な自然魔術の基盤に天上の神聖な悪魔魔術があると説いた。, the propastored, spells tripulations in his threneローマの占術で、聖なる鶏に餌を与えたときの行動で未来を占う儀式をtripudiaryと呼ぶ(用例: ‘Tripudiary divinations; collecting presages from voice or food of Birds, and conjoyning Events unto causes of no connection’)。また、ジョン・ジョンソンの1709年の本『牧師の手引書』(The Clergyman’s Vade-Mecum, 1709)第2巻p.110では、「不謹慎な踊り」という意味でtripuidationが使われている。他に、英語で「苦難」を意味するtribulationsや「支流」を意味するtributaryも響く。threneは「挽歌」「悲歌」。. Ah, furchte fruchteドイツ語でfürchte Früchte!は「果物を恐れよ!」。, timid Danaides!ウェルギリウスの『アエネーイス』第2巻第49行‘Timeo Danaos et dona ferentes’(贈り物を持ってくるが / それでもギリシア人が怖い)のもじり。他にアルゴスの王ダナオスの50人の娘たちDanaidesも(彼女らはダナオスの双子の兄弟でエジプト王のアイギュプトスの50人の息子たちと結婚したが、長女を除く49人が結婚初夜に、結婚に反対するダナオスの指示に従い夫たちを殺めた)。 Ena milo melomon現代ギリシア語でέναは「ひとつの」、μήλοは「リンゴ」、μουは「わたしの」。また、英語で(日本語で抑揚をつけて言う)「どーれーにーしーよーうーかーな」に相当する‘eenie, meenie, miney, moe’も。, frai is frauシェイクスピア『マクベス』第1幕第1場の‘Fair is foul, and foul is fair’ ‘Frailty, thy name is woman!’のもじり。後者は『ユリシーズ』第12挿話で‘Frailty, thy name is Sceptre’という形でパロディの対象にもなっている。また、ドイツ語でFreifrauは男爵夫人に相当する身分。 and swee is too, swee is two when swoo is free18世紀イギリスの行商人が、本来ならば3ペンスの紅茶を2ペンスにまけるときに叫んだ‘Tea for Two!’より。これに基づく童謡(♬)や、アメリカの作曲家ヴィンセント・ユーマンスの歌も。, ana malaアイルランド語でana-は「とても〜」、málaは「袋」。ラテン語でmalumは、「悪い」を意味する形容詞、または「リンゴ」を意味する名詞。この2つの意味が同じ語によって表されることから、禁断の果実はリンゴであるという俗説が12世紀以降ヨーロッパで一気に広まった(詳しくはこちら)。 woe is we! A pair of sycopanties with amygdaleineマグダレン洗濯所(Magdalene laundry)。amygdalaは「扁桃体」(へんとうたい)のこと。古代ギリシア語でἀμύγδαλοσは「アーモンド(の木)」、ドイツ語でMägdeleinは「幼い娘」。また、英語で元娼婦をmagdaleneと呼ぶ。 eyes, one old obster lumpky pumpkinロブスター(lobster)。ドイツ語でObstは「果実」。ハンプティ・ダンプティ。 and three meddlars on their sliesアイルランド語でslíは「道」。. And that was how framm Sin fromm Son, acity aroseデンマーク語でfra sin fromme sønは「彼の敬虔な息子から」。「創世記」第4章で、長男カインの罪から都市が生まれたことが仄めかされる。他に、アイルランドの子どもの遊びFromso Framsoも(詳細は不明)。また、パトリック・ピアスの短篇小説‘The Priest’の以下の一節も仄めかされているかもしれない。‘It’s then began the antics in earnest. Paraig stood out opposite the table, bent his knee, blessed himself, and began praying loudly. It’s not well Nora was able to understand him, but as she thought, he had Latin and Gaelic mixed through other, and an odd word that wasn’t like Latin or Gaelic. Once, it seemed to her, she heard the words “Fromsó Framsó,” but she wasn’t sure. Whatever wonder was on Nora at this, it was seven times greater the wonder was on her when she saw Paraig genuflecting, beating his breast, kissing the table, letting on he was reading Latin prayers out of the “Second Book,” and playing one trick odder than another’., finfin funfun, a sitting arrows. Now tell me, tell me, tell me then!
What was it?
A . . . . . . . . . . !
? . . . . . . . . . O!「ヨハネの黙示録」1:8の「今いまし、昔いまし、やがてきたるべき者、全能者にして主なる神が仰せになる、「わたしはアルパであり、オメガである」」より。
So there you are now there they were, when all was over again, the four with them第1次世界大戦以降に広まった曲‘Glorious’(♬)の歌詞(‘One More Drink for the Four of Us’)が仄めかされている。, setting around upin their judges’ chambers, in the muniment room英語でmunimentは「財産の所有権を証明する文書」「(歴史的な装飾の)家具」。ダブリン市役所にはMuniment Roomがある。, of their marshalseaフォーコーツのマーシャルシー刑務所。1874年に廃止された。, under the suspices of Lally‘suspices’は、英語で「加護」を意味するauspicesと「疑念」を意味するsuspicionの鞄語。‘Lally’には、ゴールウェイのチュームのラリー一族が仄めかされる。1691年から海外へ派兵された‘Wild Geese’の一員で、1689年にはジェームズ王のイギリス議会でチュームの代議員を務めたジェイムズ・ラリーも含まれる(詳しくはこちら)。ロレンスの短縮形Larryも。, around their old traditional tables of the lawモーセの十戒が刻まれた石板のこと。イェイツの短篇小説‘The Tables of the Law’も(詳しくはこちら。ちなみにイェイツの小説の第2部にはフォーコーツが登場する)。他に、古代ローマの法律「十二表法」(Law of the Twelve Tables)も。 like Somany Solans紀元前6世紀アテナイの改革者ソロン。ソロンはギリシア七賢人のひとりでもある。他に、16世紀オスマン帝国のスレイマン1世も(世俗法(カーヌーン)とイスラム聖法(シャリーア)の統合を進めた改革者だった)。また、大型の白いカツオドリをsolanと呼ぶ(直前の‘Lally’が仄めかすWild Geeseともつながりそう)。 to talk it over rallthesameagain. Well and druly dry. Suffering law the dring. Accourting to king’s evelyns『ダブリナーズ』所収の短篇「エヴリン」(‘Eveline’)。また、かつて甲状腺腫瘍はthe king’s evilと呼ばれ、王または女王が触れると治癒すると信じられていた。. So help her goat and kiss the bouc.英語の‘So help me God’のもじり。‘kiss the bouc’は‘kiss the book’と読めるため、聖書への接吻が仄めかされる。また、シェイクスピア『テンペスト』第2幕第2場では、kiss the bookは「酒を飲む」を意味するスラングとして使われる。他に、フランス語でboucは「ヤギ」。なぜかヤギが強調されている。 Festives and highajinks and jintyaunフェスティ・キング、ヒュアキントス、そしてゲンティア・ジェマ(p.92)。 and her beetyrossy最初のアメリカ国旗を作ったと言われる女性ベシー・ロス(Betsy Ross)。1777年の「国旗法」に従ってデザインされた。 bettydoaty and not to forget now a’duna o’darnelアイルランド語で「ドアを閉めて」を意味するdún an doras。英語でdarnelは、穀物の間に生える雑草(「ドクムギ」「ネズミムギ」などと訳される)。AとOの対比。. The four of them and thank court now there were no more of them.数行前でも仄めかされていた、酒と行進の伝統曲‘Glorious’(♬)のもじり。ジョイスのお気に入りで、『ユリシーズ』にもよく登場する。‘Singing Glo-ri-ous! Glo-ri-ous! / One keg of beer for the four of us! / Singing glory be to God that there are no more of us; / For one of us could drink it all alone!’ So pass the push for port sake. Be it soon. Ah ho!AとOの対比。他に、日本語の「あほう」もあるか。 And do you remember, Singabob, the badfather言葉が思い出せないときに言うthingumbobという言葉のもじり。他に、「船乗りシンドバッド」(Sindbad the Sailor)。ドイツ語でBeichtvaterは「聴罪司祭」。, the same, the great HowdoyoucallemHCE。英語では、誰かの名前を思い出せないとき、名前の代わりにhow-do-you-call-’emと言ったりする。, and his old nickname悪魔のあだ名‘Old Nick’より。, Dirty Daddy PantaloonsDear Dirty Dublinのもじり。古風な英語でpantaloonは「老いて弱った奇人」。語源は仮面即興喜劇「コンメディア・デッラルテ」のパンタローン。, in his monopoleums「独占」(monopoly)に加え「ナポレオン」や「博物館」(museum)も響く。, behind the war of the two roses15世紀イギリスでヨーク家とランカスター家が戦った「薔薇戦争」が仄めかされる。, with Michael Victory悪魔に打ち勝った大天使ミカエル。他に、ギリシア神話の勝利の女神ニーケー(Nike、ナイキの語源か。ローマ神話ではウィクトーリアと表記される)。, the sheemen’s preester, before
What was it?
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? . . . . . . . . . O!「ヨハネの黙示録」1:8の「今いまし、昔いまし、やがてきたるべき者、全能者にして主なる神が仰せになる、「わたしはアルパであり、オメガである」」より。
So there you are now there they were, when all was over again, the four with them第1次世界大戦以降に広まった曲‘Glorious’(♬)の歌詞(‘One More Drink for the Four of Us’)が仄めかされている。, setting around upin their judges’ chambers, in the muniment room英語でmunimentは「財産の所有権を証明する文書」「(歴史的な装飾の)家具」。ダブリン市役所にはMuniment Roomがある。, of their marshalseaフォーコーツのマーシャルシー刑務所。1874年に廃止された。, under the suspices of Lally‘suspices’は、英語で「加護」を意味するauspicesと「疑念」を意味するsuspicionの鞄語。‘Lally’には、ゴールウェイのチュームのラリー一族が仄めかされる。1691年から海外へ派兵された‘Wild Geese’の一員で、1689年にはジェームズ王のイギリス議会でチュームの代議員を務めたジェイムズ・ラリーも含まれる(詳しくはこちら)。ロレンスの短縮形Larryも。, around their old traditional tables of the lawモーセの十戒が刻まれた石板のこと。イェイツの短篇小説‘The Tables of the Law’も(詳しくはこちら。ちなみにイェイツの小説の第2部にはフォーコーツが登場する)。他に、古代ローマの法律「十二表法」(Law of the Twelve Tables)も。 like Somany Solans紀元前6世紀アテナイの改革者ソロン。ソロンはギリシア七賢人のひとりでもある。他に、16世紀オスマン帝国のスレイマン1世も(世俗法(カーヌーン)とイスラム聖法(シャリーア)の統合を進めた改革者だった)。また、大型の白いカツオドリをsolanと呼ぶ(直前の‘Lally’が仄めかすWild Geeseともつながりそう)。 to talk it over rallthesameagain. Well and druly dry. Suffering law the dring. Accourting to king’s evelyns『ダブリナーズ』所収の短篇「エヴリン」(‘Eveline’)。また、かつて甲状腺腫瘍はthe king’s evilと呼ばれ、王または女王が触れると治癒すると信じられていた。. So help her goat and kiss the bouc.英語の‘So help me God’のもじり。‘kiss the bouc’は‘kiss the book’と読めるため、聖書への接吻が仄めかされる。また、シェイクスピア『テンペスト』第2幕第2場では、kiss the bookは「酒を飲む」を意味するスラングとして使われる。他に、フランス語でboucは「ヤギ」。なぜかヤギが強調されている。 Festives and highajinks and jintyaunフェスティ・キング、ヒュアキントス、そしてゲンティア・ジェマ(p.92)。 and her beetyrossy最初のアメリカ国旗を作ったと言われる女性ベシー・ロス(Betsy Ross)。1777年の「国旗法」に従ってデザインされた。 bettydoaty and not to forget now a’duna o’darnelアイルランド語で「ドアを閉めて」を意味するdún an doras。英語でdarnelは、穀物の間に生える雑草(「ドクムギ」「ネズミムギ」などと訳される)。AとOの対比。. The four of them and thank court now there were no more of them.数行前でも仄めかされていた、酒と行進の伝統曲‘Glorious’(♬)のもじり。ジョイスのお気に入りで、『ユリシーズ』にもよく登場する。‘Singing Glo-ri-ous! Glo-ri-ous! / One keg of beer for the four of us! / Singing glory be to God that there are no more of us; / For one of us could drink it all alone!’ So pass the push for port sake. Be it soon. Ah ho!AとOの対比。他に、日本語の「あほう」もあるか。 And do you remember, Singabob, the badfather言葉が思い出せないときに言うthingumbobという言葉のもじり。他に、「船乗りシンドバッド」(Sindbad the Sailor)。ドイツ語でBeichtvaterは「聴罪司祭」。, the same, the great HowdoyoucallemHCE。英語では、誰かの名前を思い出せないとき、名前の代わりにhow-do-you-call-’emと言ったりする。, and his old nickname悪魔のあだ名‘Old Nick’より。, Dirty Daddy PantaloonsDear Dirty Dublinのもじり。古風な英語でpantaloonは「老いて弱った奇人」。語源は仮面即興喜劇「コンメディア・デッラルテ」のパンタローン。, in his monopoleums「独占」(monopoly)に加え「ナポレオン」や「博物館」(museum)も響く。, behind the war of the two roses15世紀イギリスでヨーク家とランカスター家が戦った「薔薇戦争」が仄めかされる。, with Michael Victory悪魔に打ち勝った大天使ミカエル。他に、ギリシア神話の勝利の女神ニーケー(Nike、ナイキの語源か。ローマ神話ではウィクトーリアと表記される)。, the sheemen’s preester, before
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he caught his paper dispillsationpapal dispensationとは、教皇が法的義務から免除されること。この句に、「(お酒の)蒸溜」(distillation)をかけたか。 from the poke, old Minace古代ギリシア神話のミノス王。ミノタウロス神話に登場する。 and Minster York?イギリスのヨークにある大聖堂York Minster。薔薇戦争のヨーク家。 Do I mind? I mind the gush off19世紀イギリスのスラングでgushは「匂い」。 the mon like Ballybock manureダブリンのBallybough。かつては‘Mud Island’と呼ばれ、17世紀初頭にアルスター植民地から逃げてきた人びとの避難先だった。また、バリボック橋からアンズリー橋の間の地区にはDublin and Wicklow Manure Companyの工場があったが、そこでは1890年5月3日に火災が発生している。カーラハ・オーモイニは次のように回想している。 ‘From what I recall hearing from my grand-parents, who lived in the Ballybough area, this firm moved from the Royal Canal site when it joined with a similar business, The Wicklow Manure Company, located on the Murrough, Wicklow Town, to a site between Ballybough Bridge and Annesley Bridge sometime in the 1880s. Whilst jobs in the business was welcomed by the local community you can visualise their reaction to the strong smell that arose from the manufacturing end. The business closed in the early 1900s. The site was derelict for years before the Dublin Corporation bought it to build flats’(出典はこちら。ちなみに、リンク先のウェブサイトはアイルランドの水路の歴史を包括的に扱っており、なかなか面白い)。ドイツ語でBockは「雄山羊」(ヤギのモチーフが続く)。 works on a tradewinds day. And the O’Moyly gracies海賊女王グレース・オマリー。また、トマス・ムーアの歌‘The Song of Fionnuala’の歌い出し‘Silent, oh Moyle’(♬)。スコットランドとの間にあるオモイル海が仄めかされる。 and the O’Briny rossiesモード・ヌージェントによる1896年の歌‘Sweet Rosie O’Grady’(♬)の歌い出しより(‘Sweet Rosie O’Grady, / My dear little Rose, / She’s my steady lady, / Most ev’ryone knows’)。 また、rossiesはアイルランド英語で「淫乱な女性」。 chaffing him bluchface英語でchaffは「(言葉による)からかい」あるいは「籾殻」「くず」。blue in the faceは「不満を顔に出す」の意。ワーテルローの戦いでプロイセン軍を率いたブリュッヒャー総司令官(Blücher)。 and playing him pranksプランクイーン(Prankquean)。. How do you do, todo,スペイン語でtodoは「あらゆるもの」あるいは「皆(さん)」。 North Mister?Norsemenをもじったか。また、アルスター(=アイルランド北部)から来た人たちだとしたら、直前で言及されていたバリボックの人たちも。 Get into my way! Ah dearome forsailoshe!デンマーク語でber om forladelse!は「失礼!」(beg your pardon!)。英語ならば、‘Dear Rome, For Sail/Sale O’Shea’と読めるか。「エヴリン」において、もし主人公がフランクと出航していたら……という反実仮想も仄めかされているかもしれない。 Gone over the bays! When ginabawdy meadabawdy!1782年にスコットランドのロバート・バーンズが書いた詩‘Comin thro’ the Rye’(♬)のリフレインより。‘Gin a body meet a body, comin thro’ the rye, / Gin a body kiss a body, need a body cry’(‘Auld Lang Syne’に似た旋律で歌われることが多い)。また、ジン(gin)と蜂蜜酒(mead)はいずれもお酒。なお、スコットランド・ゲール語でginは「もし」という意味(英語のifに相当)。 Yerraアイルランド英語で‘Oh God!’くらいの意味。, why would he heed that old gasometer英語スラングでgasometerは「けたたましくしゃべる人」。ダブリンのSir John Rogerson’s Quayにあったガスタンク(Gasometer。1990年代に取り壊されてしまった。その経緯を扱った記事はこちら)。 with his hooping coppincoopingは「コッピング(ミュールで糸玉を作ること)」の意(ここでは「棺」を意味するcoffinとの駄洒落)。また、直前の‘gasometer’を踏まえhooping (=stopping) coughingと読めば、ガス工場の排気が百日咳を治してくれるという当時のダブリンの迷信も(『ユリシーズ』第6挿話のブルームの心の声‘Gasworks. Whooping cough they say it cures’も想起される)。他に、「コペンハーゲン」も響く。 and his dyinboosycoughディオン・ブーシコーの名前との駄洒落だが、これはなかなか……。 and all the birds of the southside童謡‘Who Killed Cock Robin?’(♬)の結びより。‘All the birds of the air / fell a-sighing and a-sobbing, / when they heard the bell toll / for poor Cock Robin ’. サイモン&ガーファンクルの‘Sparrow’はこれに着想を得ているか。 after her, Minxy Cunninghamラテン語でminxiは「私は放尿した」。アメリカの女性参政権運動の政治家ミニー・フィッシャー・カニンガム(ジョイスと同じ1882年生まれ)。また、20世紀初頭のイギリスの演芸館スター、ミニー・カニンガムも(この人物については、2020年に優れた記事が出ている。ウォルター・シッカートによる肖像もある)。, their dear divorcee darlingDear Dirty Dublinの亜種。ちなみに、アイルランドでは19世紀半ばの飢饉の影響で婚姻率が一気に下がり、欧州で最も婚姻率が低い国だった時期すらあった(詳しくはこちらの論文を参照)。, jimmies and jonniesジェイムズとジョン、シェムとショーン。 to be her jo?ロバート・バーンズの詩‘John Anderson, My Jo’のもじり(‘John Anderson my jo, John, / When we were first acquent, / Your locks were like the raven, / Your bonie brow was brent; / But now your brow is beld, John, / Your locks are like the snaw, / but blessings on your frosty pow, / John Anderson, my jo!’)。今ではすっかりやつれてしまったジョンへの恋歌。 Hold hard. There’s three other corners to our isle’s cork float. Sure, ’tis well I can telesmell him H2CE3HCE。水素2、炭素1。Eで表される元素は存在しないが、Ce(セリウム)はある。だとすると、水素2、セリウム3。 that would take a township’s breath away! Gob and I nose him too well as I do meself, heaving up the Kay Wall by the 32 to 11ラテン文字でKは11番目、Wは23番目。「ウォール街」も響く。‘Kay’を‘Quay’と読み替えればQuay Wallすなわち「波止場の壁」となり、ダブリンのNorth Wall Quayも仄めかされる。 with his limelooking horsebags full of sesameseed「アリババと40人の盗賊」中の有名な言葉「開けゴマ」は、英語では‘Open Sesame!’。, the Whiteside Kaffir再びwとk(23と11)。1843年にダニエル・オコンネルの弁護士を務めたジェームズ・ホワイトサイド。また、19世紀の演芸館役者のジョージ・H・チャーグィン(ブラックフェイス吟遊詩人として人気を博し、目の周りを白い長方形に塗ったことから‘White-Eyed Kaffir’の異名をとった)。南アフリカ英語でkaffirは「黒人」、固有名詞(Kaffir)としては「カーフィル人(コサ人)」あるいは「カーフィル語(コサ語)」。, and his sayman’s effluvium性交の後で窒から精液が漏れ出ること(英語でいうcreampie)をラテン語でeffluvium seminisと呼ぶ。 and his scentpainted voice, puffing out his thundering big brown cabbage!cabbageには19世紀から20世紀にかけて用いられたスラングで「安い葉巻」という意味がある。 Pa! Thawt I’m glad a gull for his pawsdeen fiunn!アイルランド語で「金髪の子ども」を意味するpastheen fionnと、それをベースにした歌‘Pastheen Fionn’(♬)のもじり。 Goborroアイルランド語でgo barradhは「優れて」(excellently)の意。また、アイルランド英語でBegorra!は‘By God!’。, sez he, Lankyshied!イギリスのランカシャー。ドイツ語で「ありがとう」を意味するDanke schön(ショーン!?)。 Gobugga ye, sez I! O breezes!現代ギリシア語でβρισιέςは「あなたは失礼だ!」。 I sniffed that lad long before anyone. It was when I was in my farfather デンマーク語でfarfar(farfader)は「(父方の)祖父」。 out at the westgo westはスラングで「死ぬ」という意味。他に、out westには 「ものごとがうまくいかない」という意味もある。‘west’を‘waste’と読めば、エリオットの『荒地』も響くか。 and she and myself, the redheaded girl, firstnighting down Sycomore Laneダン・ラウリーが経営したStar of Erin Music Hallは、ダブリンのSycamore Streetの1番地にあった。現在ではOlympia Theatreになっている。古代ギリシア語でσῦκονは「イチジク」「女性器の外陰部」。. Fine feelplay we had of it mid the kissabetts frisking英語の俗語でpissabedは「タンポポ」「寝小便をする人」の意(『ユリシーズ』第14挿話「太陽神の牛たち」でリンチは‘Pope Peter’s but a pissabed / A man’s a man for a’ that’という歌を披露している)。スウェーデン語の俗語でkissaは「放尿」。ドイツ語でBettは「ベッド」。『ウェイク』第1巻第2章のFrisky Shorty。 in the kool kurkle dusk of the lushiness. My perfume of the pampas, says she (meaning me) putting out her netherlights, and I’d sooner one precious sipジョイスがトリエステで英語を教えた新聞記者のロベルト・プレチオーソ(Roberto Prezioso)は、ノラ・バーナクルを口説こうとしたとか。イタリア語でpreziosoは「貴重な」(precious)。他に、イギリス英語のスラングでsipは接吻のこと。 at your pure mountain dew19世紀前半から現在に至るまで用いられている英語の俗語でmountain dewは「アイリッシュ・ウイスキー」「スコッチ」「密造ウイスキー」。また、アイルランドの伝統曲‘The Rare Auld Mountain Dew’も(♬)。 than enrich my acquaintance with that big brewer’s belch英語の慣用句でlet a brewer’s fartは「糞をもらしてしまう」こと。.
And so they went on, the fourbottle men1回にぶどう酒を瓶で4本飲めるほどの酒豪のこと。ジョイスのお気に入りの歌‘Glorious’(♬)に出てくる4人の酒飲みも彷彿とさせる。また、エジプトのミイラの周りには、動物や人間の頭部を模したカノプス壺が置かれていたが、それに対する仄めかしもあるかもしれない。, the analistsアイルランドの年代記(Annals)を編集した四導師が仄めかされる。, unguam and nunguam and lunguam again19世紀頃のアイルランドの曲‘Father O’Flynn’(♬)のサビのもじり(‘Here’s a health to you, Father O’Flynn, / Slainte and slainte and slainte agin’)。アイルランド語でungaimは「私はあなたに聖油を注ぐ」(anoint)、longaimは「私はゴクゴク飲む」。ラテン語でumquamは英語のever、nunquamは英語のneverに相当する。, their anschlussドイツ語でAnschlussは「つながり」「結合」「関係」。 about her whosebefore and his whereafters and how she was lost away away in the fernドイツ語でin der Ferneは「遠くに」。 and how he was founded deap on deep in anear, and the rustlings and the twitterings and the raspings and the snappings and the sighings and the paintings and the ukukuings and the (hist!) the springapartings and the (hast!) the bybyscuttlingsダン・クロフォードの1913年刊行の本Thinking Black: 22 Years Without a Break in the Long Grass of Central Africa, p.251からの引用。‘True, we still talk about “cocking our ears,” but in the dark we stupidly scratch a match to find out what made the noise, whereas the negro having no matches must, in the dark, make his ears tell him all. The drum of his ear is both match and candle, and in the broad racial sense the negro verily has his reward. For the hundreds of night sounds — rustlings, twitterings, raspings, tinglings, and roarings — are all known to even Africa’s tot, the ears being called his ” eyes of darkness”’. 今では考えられないような人種差別的な本。 and all the scandalmunkersドイツ語でmunkelnは「うわさ話をする」「陰口を言う」。また、英語でscandal-mongerは「ゴシップ魔」「人の悪口を言って回る人」。 and the pure craigs「純潔で信心深い戦争」を意味するラテン語pura et pia bella(英雄時代の宗教戦争を形容してヴィーコが用いた)に、「戦争」を意味するドイツ語Kriegが混ざっている。アイルランドのフランチェスコ会の修道女会「クララ会」(The Poor Clares)のもじりも。 that used to be (up) that time living and lying and rating and riding round Nunsbelly Square直前の‘pure craigs’の註に登場したクララ会を踏まえると、「修道女」を意味するnunを読みとれる。また、ジョイスがイタロ・スヴェヴォに1921年5月に書いた手紙に出てくるフレーズ‘a rubber band having the colour of a nun’s belly’や、「修道女のお腹」を意味するポルトガルの菓子パン‘Barriga de Freira’も。. And all the buds in the bushアイルランド語でbod(発音は英語のbudと同じ)は「男性器」、英語のスラングでbushは「女性の陰毛」。他に、英語の慣用句one bird in the hand is worth two in the bushも(日本語の「明日の百より今日の五十」とほぼ同じ意味)。『ユリシーズ』第14挿話「太陽神の牛たち」の以下の部分も響く。‘Yes, Pious had told him of that land and Chaste had pointed him to the way but the reason was that in the way he fell in with a certain whore of an eyepleasing exterior whose name, she said, is Bird-in-the-Hand and she beguiled him wrongways from the true path by her flatteries that she said to him as, Ho, you pretty man, turn aside hither and I will show you a brave place, and she lay at him so flatteringly that she had him in her grot which is named Two-in-the-Bush or, by some learned, Carnal Concupiscence’.. And the laughing‘laughing jackass’は、オーストラリアに生息するワライカワセミ(laughing kookaburra)の古い別名。鳴き声が「ウワハハハハハ……」に聞こえることから、この名前がついた。
And so they went on, the fourbottle men1回にぶどう酒を瓶で4本飲めるほどの酒豪のこと。ジョイスのお気に入りの歌‘Glorious’(♬)に出てくる4人の酒飲みも彷彿とさせる。また、エジプトのミイラの周りには、動物や人間の頭部を模したカノプス壺が置かれていたが、それに対する仄めかしもあるかもしれない。, the analistsアイルランドの年代記(Annals)を編集した四導師が仄めかされる。, unguam and nunguam and lunguam again19世紀頃のアイルランドの曲‘Father O’Flynn’(♬)のサビのもじり(‘Here’s a health to you, Father O’Flynn, / Slainte and slainte and slainte agin’)。アイルランド語でungaimは「私はあなたに聖油を注ぐ」(anoint)、longaimは「私はゴクゴク飲む」。ラテン語でumquamは英語のever、nunquamは英語のneverに相当する。, their anschlussドイツ語でAnschlussは「つながり」「結合」「関係」。 about her whosebefore and his whereafters and how she was lost away away in the fernドイツ語でin der Ferneは「遠くに」。 and how he was founded deap on deep in anear, and the rustlings and the twitterings and the raspings and the snappings and the sighings and the paintings and the ukukuings and the (hist!) the springapartings and the (hast!) the bybyscuttlingsダン・クロフォードの1913年刊行の本Thinking Black: 22 Years Without a Break in the Long Grass of Central Africa, p.251からの引用。‘True, we still talk about “cocking our ears,” but in the dark we stupidly scratch a match to find out what made the noise, whereas the negro having no matches must, in the dark, make his ears tell him all. The drum of his ear is both match and candle, and in the broad racial sense the negro verily has his reward. For the hundreds of night sounds — rustlings, twitterings, raspings, tinglings, and roarings — are all known to even Africa’s tot, the ears being called his ” eyes of darkness”’. 今では考えられないような人種差別的な本。 and all the scandalmunkersドイツ語でmunkelnは「うわさ話をする」「陰口を言う」。また、英語でscandal-mongerは「ゴシップ魔」「人の悪口を言って回る人」。 and the pure craigs「純潔で信心深い戦争」を意味するラテン語pura et pia bella(英雄時代の宗教戦争を形容してヴィーコが用いた)に、「戦争」を意味するドイツ語Kriegが混ざっている。アイルランドのフランチェスコ会の修道女会「クララ会」(The Poor Clares)のもじりも。 that used to be (up) that time living and lying and rating and riding round Nunsbelly Square直前の‘pure craigs’の註に登場したクララ会を踏まえると、「修道女」を意味するnunを読みとれる。また、ジョイスがイタロ・スヴェヴォに1921年5月に書いた手紙に出てくるフレーズ‘a rubber band having the colour of a nun’s belly’や、「修道女のお腹」を意味するポルトガルの菓子パン‘Barriga de Freira’も。. And all the buds in the bushアイルランド語でbod(発音は英語のbudと同じ)は「男性器」、英語のスラングでbushは「女性の陰毛」。他に、英語の慣用句one bird in the hand is worth two in the bushも(日本語の「明日の百より今日の五十」とほぼ同じ意味)。『ユリシーズ』第14挿話「太陽神の牛たち」の以下の部分も響く。‘Yes, Pious had told him of that land and Chaste had pointed him to the way but the reason was that in the way he fell in with a certain whore of an eyepleasing exterior whose name, she said, is Bird-in-the-Hand and she beguiled him wrongways from the true path by her flatteries that she said to him as, Ho, you pretty man, turn aside hither and I will show you a brave place, and she lay at him so flatteringly that she had him in her grot which is named Two-in-the-Bush or, by some learned, Carnal Concupiscence’.. And the laughing‘laughing jackass’は、オーストラリアに生息するワライカワセミ(laughing kookaburra)の古い別名。鳴き声が「ウワハハハハハ……」に聞こえることから、この名前がついた。
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jackass‘laughing jackass’は、オーストラリアに生息するワライカワセミ(laughing kookaburra)の古い別名。鳴き声が「ウワハハハハハ……」に聞こえることから、この名前がついた。. Harik! Harik! Harik!ワライカワセミの笑い声か。また、第2巻第4章冒頭(p.383)に出てくる‘three quarks for Muster Mark’も想起させる。9世紀デンマークのホリック王も(カール大帝の息子が統べるカロリング帝国への侵略と略奪を進めたことで有名)。 The rose is white in the darik!薔薇戦争の白薔薇はヨーク家のシンボル。また、J・C・マンガンの詩‘Dark Rosaleen’(♬)。 And Sunfella’s太陽の神オグマはオアム文字を発明したと言われる。また、マン島で一番高い山のSnaefell(古ノルド語で「雪山」の意)。 nose has got rhinoceritis「鼻炎」(rhinitis)と「サイ」(rhinoceros)がかかる。 from haunting the roes in the parik!ジョイスの時代の後だが、ローザ・パークスを読み込みたくなる。フェニックス公園には、たくさんのノロジカ(roe deer)がいる。 So all rogues lean to rhyme英語の慣用句‘All roads lead to Rome’(「すべての道はローマに通ず」、すなわち、同じ結果を達成するにもたくさんの方法がありえる、という意味)のもじり。. And contradrinking themselves about Lillytrilly law pon hillyハンプティ・ダンプティの歌のノルウェー語版、‘Lille Trille satt på hylle’より。 and Mrs Niall of the Nine Corsagesアイルランドの神話的な王、Niall of the Nine Hostagesのもじり。4世紀から5世紀頃に在位した。オニール家の血筋。ジェフリー・キーティングいわく、アイルランドの5つの州からそれぞれ1人ずつ、そしてスコットランドから4人(サクソン人、ブリトン人、フランク人、スコット人)を人質にとったらしい。corsageはコルセットのこと。ちなみに、2022年にはオーストリアのエリザベス女帝を題材にした映画Corsageが公開されている。 and the old markiss their besterfar「侯爵」(marquis)に、スコットランドの「マーク1世」がかかる。デンマーク語でbedstefarは「祖父」。ノルウェー語のbestefarも「祖父」。, and, arrahキスのアラ。また、アイルランド語の感嘆詞。, sure there was never a marcus at all at all among the manlies紀元前4世紀のローマの執政官マルクス・マンリウス・カピトリヌス。また、1世紀ローマの詩人・占星術師のマルクス・マニリウスも(占星術の古典『アストロノミカ』(全5巻)の著者だと言われている)。アイルランド英語で‘at all, at all’は「まったく〜でない」。『ウェイク』p.4の‘a toll, a toll’も響く。 and dear Sir Armoury聖パトリック(Armorica Patrick)や、初代ホウス男爵のアモリー・トリスタラム(後にセント・ローレンスに改名)。, queer sir rumoury, and the old house by the churpelizodチャペリゾッドの他に、レ・ファニュ『墓地に建つ館』が仄めかされる。, and all the goings on so very wrong long before when they were going on retreat, in the old gammeldagsデンマーク語で「古きよき日」すなわち「古風な」という意味。, the four of them, in Milton’s Parkジョン・ミルトン。また、ミルタウン・パークは、ダブリン南部のラネラにあった、イエズス会が運営した高等学院。 under lovely Father Whisperer英語のwhispererには「囁く人」「噂をして回る人」の他に「たかり屋」「競馬の予想屋」「動物をてなずける人」などの意味がある。 and making her love with his stuffstuff in the languish of flowers「しおれる」を意味するlanguishに「花言葉」(language of flowers)がかかっている。『ユリシーズ』第5挿話終盤のブルームの入浴のシーンを想起させる。 and feeling to find was she mushymushyp.3の‘mishemishe’が響く。また、日本語で「もしもし」や「虫虫」も。ドイツ語のスラングでMuschiは「女性器」。, and wasn’t that very both of them, the saucicissters, a drahereen o machree!アイルランド語でa dearbhráthairín óg mo chroidheは「私の愛しい弟」。同名の歌‘Driotháirín-ó Mo Chroí’も(♬)。, and (peep!) meeting watersトマス・ムーアの歌‘The Meeting of the Waters’(♬)。 most improper (peepette!)ジョナサン・スウィフトは、恋人のステラを‘poo poo ppt’と呼んだ。詳しくはこちら。 ballround the garden, trickle trickle trickle triss, please, miman英語のmy manとフランス語のmaman(母親)の両方が響く。, may I go flirting? farmers英語で「農家」、デンマーク語でfarmorは「父方の祖母」。 gone with a groom and how they used her, mused her, licksed her and cuddledアイルランドの4つの州(Ulster, Munster, Leinster, Connacht)。. I differ with ye! Are you sure of yourself now? You’re a liar, excuse me! I will not and you’re another! And Lully holdingラリー・ギネル。 their breach of peace for them. Pool loll Lolly! To give and to take! And to forego the pasht! And all will be forgotten! Ah ho!AとOの対比。他に、日本語の「あほう」もあるか。 It was too too bad to be falling out about her kindness pet and the shape of OOOOOOOO Ourang’s timeスコットランドの民謡‘Auld Lang Syne’のサビより(‘For auld lang syne, my dear, / for auld lang syne, / we’ll take a cup of kindness yet, / for auld lang syne’)。また、マレー語でorangは「人間」。. Well, all right, Lelly. And shakeahand. And schenkusmoreAn Senchas Márは、8世紀に編纂されたアイルランド古代法集で、47以上の異なる文書からなる。そこへドイツ語で「もっとちょうだい」あるいは「もっと注いで」を意味するschenk uns mehrがかかる。. For Craig sake北アイルランドの初代首相ジェイムズ・クレイグ卿。. Be it suck聖パトリックの出生名はMaewyn Succatだった。.
Well?
Well, even should not the framing up of such figments「冤罪」(framing)から、相変わらずマームトラスナ殺人事件が仄めかされる。‘figments’は、エデンの園を連想させる「イチジク」(fig)を含んでいる。 in the evidential order bring the true truth to light as fortuitously as a dim seer’s setting of a starchart「星図」(starchart)は、このページの序盤で仄めかされていたマルクス・マニリウスのAstronomicaとも関係するか。また、1922年12月16日のOverseas Daily Mailの記事に、新星を発見したと思ったら実は星図の描き間違いだったという悲しい記事が載っていた。見出しは「新星ならず」(No New Star)。‘new star … reported to have been discovered by M. Zwierel … “Zwierel must apparently have made his mistake in setting his star-map, and in his confusion re-discovered some well-known star”’. might (heaven helping it!) uncover the nakedness of an unknown body in the fields of blue or as forehearinglyデンマーク語でforhøreは「審問する」「取り調べる」。 as the sibspeeches「巫女」(シビュラ、sibyl)と、「酒のひとすすり」(sip)および「血縁者」(sib)が「話」(speeches)にかかるか。他に、「亜種」を意味するsubspeciesも響く。 of all mankind have foliated (earth seizing them!) from the root of some funner’s stotterイプセンの演劇『社会の柱』(Samfundets Støtter)のもじり。ドイツ語でstotternは「どもる」。 all the soundest sense to be found immense our special mentalists now holds (securus iudicat orbis terrarumラテン語で「全世界の審判は揺るぎない」。アウグスティヌスの言だが、ジョイスの母校ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン(UCD)の創始者であるジョン・ヘンリー・ニューマンに多大な影響を与えた一言。ニューマンの主著Apologia pro sua via, p.121には次の記述がある。‘“Securus judicat orbis terrarium!” By those great words of the ancient Father, interpreting and summing up the long and varied course of ecclesiastical history, the theory of the Via Media was absolutely pulverized’. 詳しくはこちらの論文を参照。) that by such playing possum12世紀フランスの『狐物語』(Roman de Renart、英語だとReynard the Fox)に基づく、1922年の同名の記事に見られる以下の記述より。‘He saves his brush, but it is not likely that … he acts with deliberate intent … the promptings of instinct, of which the most notable example is the trick of ’playing possum’. また、英語のスラングでplaying possumは「死んだふりをする」。 our hagious curious encestorHCE。また、法律用語でhabeas corpusは「身柄提出」という意味で、不当に身柄を拘束されている人を救済するための令状。ペネロペの求婚者ハギウス。古代ギリシア語でἅγιοςは「敬虔な」「聖なる」、κύριοςは「主人」「指導者」。‘encestor’は「祖先」(ancestor)と「近親姦者」(incestor)の鞄語。 bestly saved his brush with his posterity, you, charming coparcenors英語でcoparsenerは「遺産の共同相続人」。, us, heirs of his tailsieスコットランドの法律で、明文化された恣意的な条件に従って不動産を相続させることを「テイリー」(tailzie)と言う。1685年の限嗣封土権法(Entail Act)によって法文化された。. Gundogs「銃犬」(gun dog)とは、狩人のサポート役として獲物をとってくる猟犬のこと。ちなみに、ジョイスは1912年に家宝として父親から鹿と猟犬の模様が刺繍された狩りベストを贈られており、これを誕生日によく着ていた(Peter Chrispのブログに詳細な記述がある)。 of all breeds were beagling with renounced urbiandorbicラテン語でUrbi et Orbiは「都市と世界へ」という意味で、ローマ教皇が最も重要な演説や発表を行う際に口にされる。
Well?
Well, even should not the framing up of such figments「冤罪」(framing)から、相変わらずマームトラスナ殺人事件が仄めかされる。‘figments’は、エデンの園を連想させる「イチジク」(fig)を含んでいる。 in the evidential order bring the true truth to light as fortuitously as a dim seer’s setting of a starchart「星図」(starchart)は、このページの序盤で仄めかされていたマルクス・マニリウスのAstronomicaとも関係するか。また、1922年12月16日のOverseas Daily Mailの記事に、新星を発見したと思ったら実は星図の描き間違いだったという悲しい記事が載っていた。見出しは「新星ならず」(No New Star)。‘new star … reported to have been discovered by M. Zwierel … “Zwierel must apparently have made his mistake in setting his star-map, and in his confusion re-discovered some well-known star”’. might (heaven helping it!) uncover the nakedness of an unknown body in the fields of blue or as forehearinglyデンマーク語でforhøreは「審問する」「取り調べる」。 as the sibspeeches「巫女」(シビュラ、sibyl)と、「酒のひとすすり」(sip)および「血縁者」(sib)が「話」(speeches)にかかるか。他に、「亜種」を意味するsubspeciesも響く。 of all mankind have foliated (earth seizing them!) from the root of some funner’s stotterイプセンの演劇『社会の柱』(Samfundets Støtter)のもじり。ドイツ語でstotternは「どもる」。 all the soundest sense to be found immense our special mentalists now holds (securus iudicat orbis terrarumラテン語で「全世界の審判は揺るぎない」。アウグスティヌスの言だが、ジョイスの母校ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン(UCD)の創始者であるジョン・ヘンリー・ニューマンに多大な影響を与えた一言。ニューマンの主著Apologia pro sua via, p.121には次の記述がある。‘“Securus judicat orbis terrarium!” By those great words of the ancient Father, interpreting and summing up the long and varied course of ecclesiastical history, the theory of the Via Media was absolutely pulverized’. 詳しくはこちらの論文を参照。) that by such playing possum12世紀フランスの『狐物語』(Roman de Renart、英語だとReynard the Fox)に基づく、1922年の同名の記事に見られる以下の記述より。‘He saves his brush, but it is not likely that … he acts with deliberate intent … the promptings of instinct, of which the most notable example is the trick of ’playing possum’. また、英語のスラングでplaying possumは「死んだふりをする」。 our hagious curious encestorHCE。また、法律用語でhabeas corpusは「身柄提出」という意味で、不当に身柄を拘束されている人を救済するための令状。ペネロペの求婚者ハギウス。古代ギリシア語でἅγιοςは「敬虔な」「聖なる」、κύριοςは「主人」「指導者」。‘encestor’は「祖先」(ancestor)と「近親姦者」(incestor)の鞄語。 bestly saved his brush with his posterity, you, charming coparcenors英語でcoparsenerは「遺産の共同相続人」。, us, heirs of his tailsieスコットランドの法律で、明文化された恣意的な条件に従って不動産を相続させることを「テイリー」(tailzie)と言う。1685年の限嗣封土権法(Entail Act)によって法文化された。. Gundogs「銃犬」(gun dog)とは、狩人のサポート役として獲物をとってくる猟犬のこと。ちなみに、ジョイスは1912年に家宝として父親から鹿と猟犬の模様が刺繍された狩りベストを贈られており、これを誕生日によく着ていた(Peter Chrispのブログに詳細な記述がある)。 of all breeds were beagling with renounced urbiandorbicラテン語でUrbi et Orbiは「都市と世界へ」という意味で、ローマ教皇が最も重要な演説や発表を行う際に口にされる。
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bugles, hot to run him, given law狩りの用語で、run himは「彼を追いかける」、given lawは「獲物が先に走り出す」(given a startとも言う)。, on a scent breasthigh狐狩りで、猟犬の鼻の高さまで上がってくる臭いのこと。これがあると、猟犬は獲物に向かって素早く走ることができる。, keen for the worry追跡の様子が描写されているこの文脈では、worryは「獲物(特に狐)にかみついて攻撃すること」を意味すると考えられる。. View!狩りの用語でviewは「鹿の足跡」。 From his holt英語でholtは「雑木林」あるいは「動物の巣穴」。 outrattedドイツ語でausrottenは「根絶する」。また、ミーズ県のラットオースが仄めかされるが、この町は‘hesitency’というミススペルを含む偽のパーネル書簡を捏造したリチャード・ピゴットの出生地。 across the Juletide’s「クリスマス」を意味するYuletideに、「7月」(July)がかかるか。 genial corsslandsパラチン伯(前身はパラディン)の管轄下の領土(palatinate)のうち、アイルランドにあって教会が所有する土地のことをcrosslandと呼んだ。パラチン伯は、神聖ローマ帝国の高位の貴族のこと。 of Humfries Chasechaseは名詞としては「(私有の)狩猟場」を意味するため、「HCEの狩猟場」という意味になる。 from Mullinahobラットオース近辺にある家。これ以降に登場する一連の地名は、アイルランドで唯一の政府公認の鹿猟犬群(staghound pack)を使役したWard Union Huntが狩りをした場所。2010年の野生動物(修正)法によって、鹿の狩猟は違法になった。Ward Union Huntの詳しい歴史はこちらの本やこの博士論文が参考になる。 and Peacockstown, then bearing right upon TankardstownPeacockstownもTankardstownもラットオース近辺の町。Ward Union Huntの狩場。, the outlier, a white noelanフランス語でNoël blancは「ホワイト・クリスマス」。そこへジョルダーノ・ブルーノを意味するNolanがかかる。 which Mr Lœwensteil Fitz Urse’sドイツ語でLöwenanteilは、字義通りには「ライオンの分け前」を、実際には「一番大きな部分」(lion’s share)を意味する。また、いくつか名前が混ざっている。まず、1169年アングロ・ノルマン侵攻を経験したダブリンの大司教ローレンス・オトゥール。次に、ラテン語でursaは「熊」という意味なので、‘Fitz Urse’は「熊の子」という意味にとれる。最後に、1170年にカンタベリー大司教のトマス・ベケットを殺害した4人の騎士の1人であるレジナルド・フィッツアース卿。 basset beatersbasset houndは猟犬の一種。beaterには「(狩の)勢子」(獲物を興奮させたり駆り立てたりする人)という意味がある。 had first misbadgeredbadgerは名詞としては「アナグマ」を意味するが、動詞として用いると「逆上させるほど困らせる」「〜するようせがむ」といった意味がある。 for a bruin『狐物語』で、主人公のルナールにはちみつを奪われてしまう熊のブルーン(『狐物語』についてはこちらの書評も参照のこと)。 of some swart古風な英語で「(皮膚や顔色が)黒ずんだ」「浅黒い」の意。, led bayers the run, then through Raystown and HorlockstownRaystownもHarlockstownもラットオース近辺の町。いずれもWard Union Huntの狩場。 and, louping the loup360度回ることをloop the loopと言う。そこへフランス語で「狼」を意味するloupがかかる。, to Tankardstown again. Ear canny hareHCE。耳が鋭いウサギ。 for doubling through Cheeverstown they raced him, through Loughlinstown and Nutstown to wind him by the Boolies.Cheeverstown、Loughlinstown、Nuttstown、Booliesはいずれもラットオース近辺の町で、Ward Union Huntの狩場。‘Boolies’については、紅茶・コーヒーブランドのBewley’sも響く。 But from the good turn when he last was lost, check, upon Ye Hill of Rut緩やかに隆起した土地であるダブリンのラトランド・スクエア(Rutland Square)のことか。 in full winter coat with ticker pads, pointing for his rooming house his old nordest古ノルド、すなわちヴァイキング。HCEの祖先の1つであるシドルシャムのノースイースト家の墓地。『ウェイク』p.30に、墓地に埋葬されている家族たちのリストがある。 in his rolltoproyal hessians固有名詞のHessianは「ヘッセン人」あるいはアメリカ独立戦争時イギリスが雇ったドイツ人傭兵を指すが、一般名詞のhessiansは19世紀初期にイギリスで流行した「ヘッセン長靴」(膝の部分にふさのついた長靴。元々はヘッセン傭兵が着用した)を意味する。 a deaf fuchser’sドイツ語でFuchsは「狐」。そこへ「裏取引の仲介者」を意味するfixerがかかる。 volponism16世紀〜17世紀イギリスの劇作家ベン・ジョンソンが1606年に発表した喜劇『ヴォルポーネ』が仄めかされる。主人公のヴォルポーネは裕福な悪党ギツネ。『狐物語』とのつながりについては、こちらの論文が参考になる。 hid him close in covert英語でcovertは、獲物が逃げ込む森林や下草のこと。19世紀〜20世紀アイルランドの詩人ブラウナズ・サルケルドは、1935年に『狐の隠れ家』(The Fox’s Covert)という詩集を出版している。, miraculously ravenfed旧約聖書「列王記・上」17:2–4の、エリヤがカラスから食料を得る話が仄めかされる。「主の言葉がエリヤに臨んだ、「ここを去って東におもむき、ヨルダンの東にあるケリテ川のほとりに身を隠しなさい。そしてその川の水を飲みなさい。わたしはからすに命じて、そこであなたを養わせよう」」。 and buoyed up, in rumer, reticule, onasum and abomasum反すう動物の胃の4つの部位‘rumen’ ‘reticulum’ ‘omasum’ ‘abomasum’のもじり。日本語だと「ルーメン」「蜂巣胃」「葉状胃」「しわ胃」となる。, upon (may Allbrewham「アブラハム」と「すべてを醸造するハム」(all brew Ham)の洒落。 have his mead!) the creamclotted sherriness of cinnamon syllabub「シラバブ」とは、ワインやリンゴ酒とクリームに蜜や香辛料を加えた飲み物のこと。, Mikkelraved, Nikkelsavedデンマーク語でMikkel-rævは「狐のルナール」のこと。ミックとニック。大天使ミカエルと悪魔のニック。また、「貯金は追加収入と同じくらい価値がある」という意味の格言A nickel saved is a nickel earnedも。. Hence hounds hied home. Preservative perseverance in the reeducation of his intestines was the rebuttal by whilk he sort of git the big bulge on the whole bunch of spasoakers, dieting against glues and graviesシドルシャムのグルー家とグレイビー家の墓地(『ウェイク』p.30のリストより)。, in that sometime prestreet protown. Vainly violence, virulence and vituperation sought wellnigh utterly to attax and abridge, to derail and depontify, to enrate and inroad, to ongoad and unhume頭文字がAADDEIOUとなっており、『ユリシーズ』第9挿話におけるステーヴンの内的独白に見られる‘A.E.I.O.U.’を想起させる。他に、古代ギリシア神話の大アイアース(Ajax the Great)や、18世紀スコットランドの哲学者デイヴィッド・ヒュームなども響くか。 the great shipping mogul and underlinen overlord.
But the spoil of hesitants, the spell of hesitency無敵革命党によるフェニックス公園殺人事件の濡れ衣をパーネルに着せるために、リチャード・ピゴットが捏造した手紙では、hesitancyが誤ってhesitencyと綴られていたため、捏造が発覚したと言われている。. His atake is it asheパーネルとの情事がスキャンダルになったケイティ・オシェー。, tittery taw tatte中英語においては前置詞atと定冠詞theが縮約されてatteと綴られることがあった。rytail, hasitense humponadimplyハンプティ・ダンプティ。この箇所の前後における言葉遊びでは、何かしらの童謡が仄めかされているようだが、詳細は不明。, heyheyheyhey a winceywencky.
Assembly men murmuredパーネルに対する俗説や嫌疑を晴らそうと、ウィリアム・オブライエンが1926年に刊行した本The Parnell of Real Life, pp.109–110より。‘Upon the mere ornamental architecture of a Constitution he scarcely wasted a thought. What were to be the qualifications of the First and Second Orders, whether the First Order was to be elected or nominated, whether they were to sit together or in separate chambers, whether he was to be Assemblyman Parnell or member of an Irish House of Commons, whether this or that power was expressly to be given or withheld, whether even it was to be done by a list of permitted subjects or by a list of excluded subjects, troubled him not at all. “All that is poetry, but it gives no end of material for concessions, if we are to gain the big things”’. ただ、これが現代の目から見てもパーネル擁護になっているかどうかは、微妙な部分もある。. Reynard is slow!パーネルとルナールが重ねられているか。なお、slowには「思考力が鈍い」という意味もある。
One feared for his days. Did there yawn? ’Twas his stommick. Eruct? The libber. A gush? From his visuals. Pung? Delivver him, orelode!五感とそれに対応する器官が仄めかされる。「あくび」を意味するyawnは口、「におい」を意味する英語のスラングgushは鼻、デンマーク語でøreは「耳」、英語で「視覚」を意味するvisualは目。直後の‘violent hands’には手が含まれる。英語で‘orelode’は「鉱石鉱床」。 He had laid violent hands on himself慣用句で「自殺をした」。, it was brought in Fugger’s Newsletter16世紀の手書きニュースレターのこと。ドイツ語圏ではFuggerzeitungenという一般名詞として使われる。オクタヴィアン・セコンドゥス・フッガーとフィリップ・エドワード・フッガーが16世紀に集めたニュースレターが語源(詳しい解説のあるこちらの記事を一部抜粋する。‘Today the Viennese collection of Fuggerzeitungen includes in twenty-seven manuscript volumes more than 15,000 individual newsletters and 1,000 other documents, covering the period 1568 to 1605. The newsletters contain reports from various European cities, but also from America, North Africa and Asia. Each report normally bears a date and the place from which it was sent, and varies in length from a few lines to six pages (with an average, however, of two pages). A report can address a single or multiple topics, which are normally broken down into separate paragraphs’., lain down, all in fagged out, with equally melancholy death. For the triduum of Saturnalia古代ローマで、農耕の神サートゥルヌスを讃えて祝う農神祭(Saturnalia)。12月15日から17日に開始、終了は19日から23日だった。ここではその直前の3日間(triduum)が言及されている。キリスト教においては、トリディウムとは主にカトリックの祝祭の直前の祈りの3日間のこと。 his goatservant神のしもべ(God’s servant)。 had paraded hiz willingsonsドイツ語でZwillingは「双子」。ウェリントン公爵。 in the Forum while the jenny第1巻第1章pp.8‐10の「博茸館」(museyroom)のセクションに登場する「ジニーズ」(jinnies)を彷彿とさせる。 infanted the lass to be greeted raucously (the Yardstatedロンドンの警視庁本部Scotland Yard(略してThe Yardと呼ばれる)が響く。) with houx and spheus and measured with missiles tooフランス語でhouxは「ヒイラギ」(holly)、ドイツ語でEfeuは「ツタ」。英語でmistletoeは「ヤドリギ」(なお、ラテン語でmissileは「飛び道具」あるいは「(劇場などで観衆に投げられる)贈り物」)。アイルランドでは、キリスト教以前の時代に、この3つの植物は悪霊退散のためのまじないとして使われた(Irish Times紙のこの記事では以下のように述べられている。‘Holly, ivy and other greenery such as mistletoe were originally used in pre-Christian times to ward off evil spirits and celebrate new growth during the winter solstice festivals’)。また、北欧神話では、ヤドリギは友情の象徴だったらしい。 from
But the spoil of hesitants, the spell of hesitency無敵革命党によるフェニックス公園殺人事件の濡れ衣をパーネルに着せるために、リチャード・ピゴットが捏造した手紙では、hesitancyが誤ってhesitencyと綴られていたため、捏造が発覚したと言われている。. His atake is it asheパーネルとの情事がスキャンダルになったケイティ・オシェー。, tittery taw tatte中英語においては前置詞atと定冠詞theが縮約されてatteと綴られることがあった。rytail, hasitense humponadimplyハンプティ・ダンプティ。この箇所の前後における言葉遊びでは、何かしらの童謡が仄めかされているようだが、詳細は不明。, heyheyheyhey a winceywencky.
Assembly men murmuredパーネルに対する俗説や嫌疑を晴らそうと、ウィリアム・オブライエンが1926年に刊行した本The Parnell of Real Life, pp.109–110より。‘Upon the mere ornamental architecture of a Constitution he scarcely wasted a thought. What were to be the qualifications of the First and Second Orders, whether the First Order was to be elected or nominated, whether they were to sit together or in separate chambers, whether he was to be Assemblyman Parnell or member of an Irish House of Commons, whether this or that power was expressly to be given or withheld, whether even it was to be done by a list of permitted subjects or by a list of excluded subjects, troubled him not at all. “All that is poetry, but it gives no end of material for concessions, if we are to gain the big things”’. ただ、これが現代の目から見てもパーネル擁護になっているかどうかは、微妙な部分もある。. Reynard is slow!パーネルとルナールが重ねられているか。なお、slowには「思考力が鈍い」という意味もある。
One feared for his days. Did there yawn? ’Twas his stommick. Eruct? The libber. A gush? From his visuals. Pung? Delivver him, orelode!五感とそれに対応する器官が仄めかされる。「あくび」を意味するyawnは口、「におい」を意味する英語のスラングgushは鼻、デンマーク語でøreは「耳」、英語で「視覚」を意味するvisualは目。直後の‘violent hands’には手が含まれる。英語で‘orelode’は「鉱石鉱床」。 He had laid violent hands on himself慣用句で「自殺をした」。, it was brought in Fugger’s Newsletter16世紀の手書きニュースレターのこと。ドイツ語圏ではFuggerzeitungenという一般名詞として使われる。オクタヴィアン・セコンドゥス・フッガーとフィリップ・エドワード・フッガーが16世紀に集めたニュースレターが語源(詳しい解説のあるこちらの記事を一部抜粋する。‘Today the Viennese collection of Fuggerzeitungen includes in twenty-seven manuscript volumes more than 15,000 individual newsletters and 1,000 other documents, covering the period 1568 to 1605. The newsletters contain reports from various European cities, but also from America, North Africa and Asia. Each report normally bears a date and the place from which it was sent, and varies in length from a few lines to six pages (with an average, however, of two pages). A report can address a single or multiple topics, which are normally broken down into separate paragraphs’., lain down, all in fagged out, with equally melancholy death. For the triduum of Saturnalia古代ローマで、農耕の神サートゥルヌスを讃えて祝う農神祭(Saturnalia)。12月15日から17日に開始、終了は19日から23日だった。ここではその直前の3日間(triduum)が言及されている。キリスト教においては、トリディウムとは主にカトリックの祝祭の直前の祈りの3日間のこと。 his goatservant神のしもべ(God’s servant)。 had paraded hiz willingsonsドイツ語でZwillingは「双子」。ウェリントン公爵。 in the Forum while the jenny第1巻第1章pp.8‐10の「博茸館」(museyroom)のセクションに登場する「ジニーズ」(jinnies)を彷彿とさせる。 infanted the lass to be greeted raucously (the Yardstatedロンドンの警視庁本部Scotland Yard(略してThe Yardと呼ばれる)が響く。) with houx and spheus and measured with missiles tooフランス語でhouxは「ヒイラギ」(holly)、ドイツ語でEfeuは「ツタ」。英語でmistletoeは「ヤドリギ」(なお、ラテン語でmissileは「飛び道具」あるいは「(劇場などで観衆に投げられる)贈り物」)。アイルランドでは、キリスト教以前の時代に、この3つの植物は悪霊退散のためのまじないとして使われた(Irish Times紙のこの記事では以下のように述べられている。‘Holly, ivy and other greenery such as mistletoe were originally used in pre-Christian times to ward off evil spirits and celebrate new growth during the winter solstice festivals’)。また、北欧神話では、ヤドリギは友情の象徴だったらしい。 from
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a hundred of manhoodイギリスに7世紀から存在する地区Hundred of Manhood。シドルシャムを含む。ちなみに、サクソン語でHundredは「100の家族」を表し、Manhoodは「共有の森」「共有の土地」を意味するmaene-wuduに由来するため、この地名は「100の家族の共有の土地」という意味になる。ここまで展開してきた狩りのモチーフから、ドイツ語のHund「犬」と英語のred「赤」で、犬が獲物を捕えるイメージも想起させる。 and a wimmering of weibesドイツ語でwimmernは「しくしく泣く」、Weibは「女性」「妻」。モーツァルトの『魔笛』でパパゲーノとパミーナが歌うリブレット‘Bei Männern welche Liebe fühlen’の結びも彷彿とさせる(‘Ihr hoher Zweck zeigt deutlich an, / Nichts edlers sey, als Weib und Mann. / Mann und Weib, und Weib und Mann, / Reichen an die Götter an’)。. Big went the bang: then wildewideオスカー・ワイルドの名がworldwideとかかっている。 was quiet: a report: silence: last Famaローマ神話における噂と名声の女神ファーマ。ホメロスは『イーリアス』と『オデュッセイア』においてファーマを「神の伝令」と呼び、シェイクスピアの『ヘンリー4世・第2部』ではファーマのごとく人格化された「噂」(Rumour)が導入役を務めている。 put it under ether. The noase or the loal had dreven him blem, blem, stun blem. Sparks flew. He had fled again (open shunshema!) this country of exileHCE。『アリババと40人の盗賊』の「開けごま!」(Open sesame!)に、「シェム」と「ショーン」がかかる。亡命はスティーヴン・デダラスの「武器」の一つ(silence, exile, cunning)。, sloughed off sidleshomedシドルシャム。イアウィッカー家のお墓がある。 via the subterranean shored with bedboards1923年1月13日のDaily Mail紙の記事‘Prison Tunnel’より(ゴールウェイ刑務所からアイルランド共和派の囚人が脱獄を図ったが、そのときに作ったトンネルには、壁として独房のベッドの素材(bedboards)が使われていたという)。, stowed away and ankered in a dutch bottom tunk the Arsa, hod S.S. Finlandiaラテン語でhodieは「今日」。また、棟梁フィネガンはhod-carrierだった。S.S.は英語で「蒸気船」(steam ship)の略。, and was even now occupying, under an islamitic newhameイスラム教。newhameは「新たな国」「新たな祖国」という意味(ドイツ語でHeimは「自宅」「故郷」)。‘an islamic new name’とも読める。 in his seventh generation旧約聖書「創世記」で描かれるカインの罪は7世代に及んだという読解があるらしい。「創世記」4:15の「主はカインに言われた、「いや、そうではない。だれでもカインを殺す者は7倍の復讐を受けるでしょう」。そして主はカインを見付ける者が、だれも彼を打ち殺すことのないように、彼に一つのしるしをつけられた」も。, a physical body Cornelius Magrath’s18世紀アイルランドのティペラーリー出身の若者コーネリウス・マグラー。身長が7フィート(2メートル以上)だった。24歳で亡くなった。トリニティ大学に骨が保管されているが、研究者しか閲覧できないらしい。しかも、トリニティ大学のデズモンド・オニール教授は「この骨を保管しておいても、学術的な価値がそれにあるとは思えない」という、なかなか辛辣なコメントをしている。 (badoldkarakterトルコ語やデンマーク語でkarakterは「人物」。, commonorrong canbungトルコ語でcanは「人間」「魂」。また、オーストラリアの先住民の言葉でorrongは「キャンプ」(コールフィールドの歴史にかんする文献に登場する説なので、同地域の先住民クリン人の言葉か)。) in Asia Majorトルコは通常‘Asia Minor’と呼ばれるが、p.3で‘Europa Minor’が出ていることからもわかるように、『ウェイク』ではMajorとMinorが反転している。, where as Turk of the theaterダブリンのゲイエティ劇場で初めて上演されたパントマイム劇はTurko the Terribleだった。上演年は1873年。これは『ユリシーズ』でも言及されており、第3挿話においてスティーヴンは、当時の舞台役者のロイスが‘I am the boy / That can enjoy / Invisibility’と歌ったことを回想している(この歌についてはこちらの論文を参照。歌詞がなかなか面白い)。 ( first house楽譜のキーのこと(McHughのAnnotations to ‘Finnegans Wake’によると、アメリカの小学校の音楽の授業で使われる言葉らしい)。なお、houseには「劇場」や「興行」、「観客」といった意味もある。 all flatty: the king, eleven sharps) he had bepiastered the buikdanseusesオランダ語でbuikdanseusesは「ベリーダンスをする人たち」のこと。「ピアスタ」(piaster)は、トルコや旧南ベトナムなど様々な地域で用いられていた貨幣単位。トルコ・ポンドの単位にもなったが、後にクルシュという単位に取って代わられた。ベリーダンサーにお金を払ったということか。 from the opulence of his omnibox while as arab at the streetcoor he bepestered the bumbashaws英語で侮蔑的に「執行官」を意味するbumbailiffに、オスマン帝国の高官の肩書き「パシャ」(bashaw)がかかる。日本語だと「芭蕉」もかけたくなる。 for the alms of a para’s penceparaはオスマン・トルコやエジプトなどで用いられた通貨の名称。ローマカトリック教会の聖座(Holy See)への直接の寄付を意味するPeter’s Penceがかかる。. Wires hummed. Peacefully general astonishment assisted by regrettitude had put a term till his existenceデンマーク語の前置詞tilは英語の前置詞toに相当する意味を持つ。: he saw the family saggarth「家族の物語」(family saga)に「司祭」を意味するアイルランド語のsagartがかかる。また、ダブリン郊外の南西部にある小さな町サガートも。, resigned, put off his remainders, was recalled and scrapheaped by the Maker. Chirpings crossedロンドンにあるチャリング・クロス。ロンドンの中心地区とみなされている。ロンドン警視庁の管区でもあった(リンク先の写真はエレノアールの十字架)。. An infamous private ailment (vulgovarioveneralラテン語でvulgoは「一斉に」「公然と」「至る所で」。veneralは英語で「性病の」。) had claimed endrightHCE。, closed his vicious circle, snap. Jams jarredジェイムズ・ジョイス。. He had walked towards the middle of an ornamental lilypondスウィフト『ガリヴァー旅行記』のリリパット王国。リリパットは小人たちが住む島国なので、池(pond)にも自然にかかる(「小人/百合の池」くらいの意味か)。また、1898年生まれのフランスのソプラノ歌手リリー・ポンスも。 when innebriated up to the point where braced shirts meet knickerbockers, as wangfish daring the buoyant waters中国語でwangは「王」。また、トマス・ムーアの歌‘As Vanquish’d Erin’(♬)も(旋律は‘The Boyne Water’)。, when rodmen’s firstaiding hands had rescued un from very possibly several feel of demifrish water‘rodmen’s firstaiding hands had rescued him … from several feet of demi-fresh water’、すなわち「釣り人たちが咄嗟に差し伸べた手が彼を(中略)半ば新鮮な数フィートの池(あるいは湖)から助け出した」のように読めそうだが、‘first aiding hands’を‘birthaiding hands’と読めば、「羊水から救い出した」とも読めるかもしれない(直前の註で示したように、‘birthaiding hands’は『ユリシーズ』第9挿話で用いられている表現)。. Mush spreadmushは19世紀前半から用いられているスラングで「傘」(他に「(電波を受信する際の)障害音」という意味もある)。. On Umbrella Street現代的には、カラフルな傘をたくさん吊るした街路のことを言う。ダブリンでは、St. Anne’s Laneが有名。 where he did drinks from a pumps a kind workman, Mr Whitlockモデルとなった人物の候補は色々とあるが、19世紀アメリカの「黒顔役者」のウィリアム・M・ホイットロックが有力か。あるいは、女性だが、ジョイスと1歳ちがいの音楽家・作曲家エレン・フロレンス・ホイットロックも。, gave him a piece of wood. What words of powerバッジ訳『死者の書』の解説では、蝋人形などの偶像に生命を与える魔法の言葉が‘words of power’と呼ばれている。ジョイスはバッジからかなり大きなインスピレーションを受けたと思われる。 were made fasラテン語でfasは「神の掟」「運命」。 between them, ekenames and auchnomes, acnomina ecnumina?すべて「追加の名前」を意味する言葉。古風な英語でeke-nameは「あだ名」「別名」。ドイツ語でauchは‘also’と同義。ラテン語でagnomiaは「あだ名」「添え名」。人工ラテン語でecumeniaは「神々の力の及ばぬ場所」。 That, O that, did Hansardイギリスやカナダをはじめとするコモンウェルス諸国における国会議事録のこと(アメリカのCongressional Recordに相当)。言葉の由来は、1752年生まれのロンドンの印刷屋さんトマス・カーソン・ハンサード。 tell us, would gar ganzドイツ語でganz und garは「完全に」。アイルランド語でgearrは「切り落とす」。 Dub’s ear wagハサミムシ(earwig)。 in every pub of all the citta!イタリア語でcittàは「都市」。 Batty「ベティー」に、イギリス英語のスラングで「狂気」を意味するbattyがかかる。ちなみに、アメリカのパムンキー族の17〜18世紀の族長にQueen Bettyという人がいた。 believes a baton while Hoganナバホ族の家をhoganと呼ぶ。また、ジョイスより1歳若いイギリスのステンドグラス・デザイナーのジェイムズ・ハンフリーズ・ホーガンも仄めかされているかもしれない(アーマー県の聖パトリック大聖堂のステンドグラスが仕事の一例)。 hears a hod yet heer prefers a punsil「駄洒落」(pun)が飛び出す「鉛筆」(pencil)。 shapner and Cope and Bullいずれもダブリンの通りの名前。「教皇」を意味するPopeと「勅書」を意味するbullも響く。 go cup and ballけん玉のこと。また、a cock and bull storyは「信じ難い話」の意。. And the Cassidy-CraddockCassidyはアイルランド語の苗字で、ゲール語の名前Caiside(「聡明」「巻き毛」の意)を由来とする。16歳で渡米した19世紀アイルランドの革命家・記者・詩人のパトリック・サーズフィールド・キャッシディーもありえるか。1860年生まれのアイルランドの彫刻家ジョン・キャッシディーも。Craddockはウェールズ語の苗字で、これは1世紀にローマ軍の侵略に対抗した族長カラタコスの名前からきている。 rome and remeローマ神話の双子の兄弟、ロムルスとレムス。狼によって育てられ、後にローマ市を建設したと伝えられている。 round e’er a wiege ne’er a waageドイツ語のジョークが元ネタ。元々は「もし秤をもっていたら、何かの重さを計るのだけれど」(‘Wenn ich eine Waage hätte, würde ich etwas wiegen’)という言い回しだが、Waage(秤)をWiege(揺籃)に、wiegen(重さを計る)をwagen(大胆に〜する)に変えたことで、「もし揺籃があったら、大胆なことをするのに」というやや卑猥なジョークになっている。 is still immer and immor awagering over it a cradle with a care in it or a casket with a kick behind. Toties testies quoties questiesラテン語でtoties testes quoties questusは「文句の数だけ証人がいる」、英語でtestisは「精巣」。. The war is in wordsH・G・ウェルズの小説『宇宙戦争』(The War of the Worlds)のもじり。 and the wood is the world. Maply me, willowy we, hickory he and yew yourselves.楓(maple)、柳(willow)、ヒッコリー(hickory)、檪(yew)。オアム文字の名前に柳と檪があるが、楓とヒッコリーはない。ギルバート&サリバンの『近衛騎兵隊』(Yeomen of the Guard)の作中歌‘I have a song to sing, O!’(♬)のサビのもじり。‘As he sighed for the love of a ladye. / Heighdy! heighdy! / Misery me — lack-a-day-dee! / He sipped no sup, and he craved no crumb, / As he sighed for the love of a ladye!’ Howforhim chirrupeth evereachbird!HCE。
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From golddawn glory to glowworm gleam英語のイディオムfrom dawn to duskのもじり。黄金の夜明け団(Hermetic Order of the Golden Dawn)は、19世紀末にイギリスで創設された西洋魔術結社。トマス・ムーア‘The Young May Moon’(♬)の歌い出し‘The young May moon is beaming, love, / The glow-worm’s lamp is gleaming, love’。. We were lowquacks did we not tacit turn.「おしゃべりな」を意味するloquaciousと、「寡黙な」を意味するtaciturnが対比されている。 Elsewere there here no concern of the Guinnessesこのフレーズは第2巻第3章の書き出しにも出てくる。. But only the ruining of the rainラテン語のruinaには「真っ逆さまに落ちること」という意味がある。 has heard. Estout pourporteral!ラテン語でesto perpetuaは「恒久的にあれ!」。1782年4月16日に、アイルランド議会が創設された際の演説で、政治家のヘンリー・グラッタンが使った。‘I found Ireland on her knees, I watched over her with a paternal solicitude; I have traced her progress from injuries to arms, and from arms to liberty. Spirit of Swift! Spirit of Molyneux! Your genius has prevailed. Ireland is now a nation. In that new character I hail her, and bowing to her august presence, I say, Esto Perpetua!’ 演説の全文はこちら。フランス語でest tout pourは「すべて〜のために」。stoutおよびporterは黒ビールのこと。 Cracklings cricked. A human pest cycling (pist!) and recycling (past!) about the sledgy streets, here he was (pust!) again!‘p’と‘st’で挟まれた母音を並べるとEIAUとなる(後続の‘(Oh baby!)’からOを抜き出して加えることも可能か)。フランス語でpiste cyclableは「自転車道」、デンマーク語でpusteは「息を吹く」「一息つく」。 Morse nuisance noised. He was loose at large and (Oh baby!) might be anywhere when a disguised exnun, of huge standbuildドイツ語でStandbildは「像」(英語でstatue)のこと。 and masculine manners in her fairly fat forties大人の女性が魅力的であることを‘fair, fat and forty’と言う。また、演芸館の曲‘Fair, Fat and Forty’(♬)も。, Carpulenta Gygastaラテン語でcorpulentaは「ぼってりした」「豊満な」。古代ギリシア語でγίγαςは「巨大(な)」。そこへ、エディプスの母であり後の妻でもあるイオカステー(英語だとJocasta)がかかる。, hattracted hattention「ハットトリック」も響くが、おそらく単純に駄洒落で「帽子」を響かせている(‘h’を取り除けば‘attracted attention’と読める)。20世紀アメリカの作家・記者のハーバート・アズベリーの短篇小説「帽子かけ」(‘Hatrack’)も。小さな町の娼婦を題材にした小説だったが、編集者のメンケンが逮捕されて裁判にかけられた。メンケンはジョイスの「小さな雲」と「下宿屋」も出版しているが、後に『ユリシーズ』を「偽作」だと呼んだ。‘’Ulysses’ seemed to me to be deliberately mystifying and mainly puerile, and I have never been able to get over a suspicion that Joyce concocted it as a vengeful hoax. Writing excellent stuff in conventional patterns, he had got very little attention and was so hard up that he had to go on teaching languages to keep alive, but from the moment he took to the literary bizarreries of Greenwich Village and began to push them even further than Greenwich Village (or even the Left Bank) had ever dared, he was a made man’. by harbitrary conduct with a homnibusラテン語でcum omnibus hominibusは「すべての人たちと一緒に」という意味で、‘Here Comes Everybody’を想起させる。また、やや古風な言い方で、バスのことを英語でomnibusとも呼んだ。. Aerials buzzed to coastal listenersABC。‘Aerials’はaerial wavesすなわち電波か。 of an oertax bror collector’s budgetデンマーク語でøreは「耳」、brorは「兄弟」。taxはwaxとも響くので、「耳あか兄弟」くらいか。budgetは古風な英語で「財布」「集金袋」のこと。ジョン・ジョイスが税の集金係だったことが仄めかされているかもしれない。, fullybigs, sporran, tie, tuft, tabard and bloody antichill cloak7つの装備品。スコットランド語でfilibegはキルトのこと。sporranはキルトの前につける小さな袋、tuftは帽子につける飾り(よくアカデミック・ガウンの黒い帽子の上から下がっている、馬のしっぽのような飾り)、tabardは中世後期から近世の男性がよく着た、羽織のようなコート。, its tailor’s (Baernfather’s)イギリスの漫画家ブルース・バーンスファーザー。第1次世界大戦中にBystander誌に週刊で『オールド・ビル』(Old Bill)という漫画を連載し、それによってイギリス兵の志気を高めたと言われている(Old BillのみのPDFはこちら)。 tab reading V.P.H.「ヴィクトリア・パレス・ホテル」(Victoria Palace Hotel)の略。ジョイスが1923年から24年にかけて暮らしていた。名前からはイギリスっぽいと思えるかもしれないが、実はフランスのパリにある。ちなみに、1922年にはキャサリン・マンスフィールドがこのホテルで短篇‘The Fly’を書いた。, found nigh Scaldbrothar’s Holeダブリンのオックスマンタウンにある抜け穴の名前。中世の盗賊スカルドブラザーが財宝を隠したと言われていることから命名された。ダブリン市議会がスミスフィールドに設置するための彫刻を委託したときの文書には、次の説明がある。‘One sixteenth century character said to have met his end on the Green was Scaldbrother, a legendary (and potentially mythical) local highwayman of great ingenuity, ruthlessness, agility and speed. He lived in a secret labyrinthine hideaway accessed through an entrance known as Scaldbrother’s Hole that lay near St. Mary’s Abbey. His network of underground tunnels, where he hid his loot, was said to extend past Smithfield and under Arbour Hill, totalling several miles. Some said he was a kind of hybrid creature, between a man and a burrowing animal. He is name-checked very briefly in James Joyce’s Finnegans Wake (“Arrest thee, scaldbrother!”), and eventually he was arrested and executed for his crimes, but the possibility that his hidden treasure still lies somewhere beneath Dublin 7, waiting to be discovered, endures to the present day’., and divers shivered to think what kaind of beast, wolves, croppis’s or fourpenny friarsディーン・キナン(Dean Kinane)の『聖パトリック伝』(St. Patrick, 1920 )pp.184–185の以下の記述より。‘The foe and the stranger visited the peaceful shores of Erin; might did conquer right; and the country was laid waste by fire and sword… Some priests found shelter in the homes of their faithful flock; but the great majority were put to the sword exiled. The same price was laid upon the head of a wolf or friar’., had devoured him. C.W. cast wide. Hvidfinns lykデンマーク語でhvidは「白い」、lykkeは「幸運」。Luck of the Irishのもじりか(元々アメリカへのアイルランド人移民が成功したときに、実力ではなく運にすぎないという風に侮蔑的に使われたフレーズ)。, drohneth svertgleamノルウェー語でsverteは「黒」なので、直前の‘hvid’とペアで白黒。ドイツ語でdrohenは「脅す」、Schwertは「剣」。, Valkir lockt北欧神話のワルキューレ。栄光ある死を遂げた戦士たちを、ヴァルハラまで導く。ちなみに、 『崖の上のポニョ』のポニョのモチーフになったブリュンヒルデはワルキューレ(リンク先の絵の中の女性はルチアにも少し似ている)。ドイツ語でlocktは「(彼(女)が)誘惑する」。. On his pinksir’s postern英語でposternは「裏口」のこと。オランダ語でPinksterは聖霊降臨祭(ペンテコステ)のことで、復活祭(イースター)の49日後に行われる。新約聖書「使徒行伝」2:1では「五旬節」と呼ばれている。, the boys had it, at Whitweekendペンテコステ(Whitsun)で始まる週のことをWhit-weekと呼ぶ。 had been nailed an inkedup name and title, inscribed in the national cursivesおそらく、アイルランド発祥の書体「インシュラー体」の一形態であるインシュラー小文字筆記体(cursive miniscule)が仄めかされていると思われる。(1138年のアーマー県で写された「ヨハネによる福音書」の冒頭部はその一例)。, accelerated, regressive, filiform, turreted and envenomoloped in piggotryリチャード・ピゴット。パーネルを冤罪にするために、証拠の捏造を図った。: Move up. Mumpty! Mike room for Rumpty!マイケル・コリンズが殺害された頃に、アイルランドの街中の壁などによく書かれたフレーズ‘Move up Mick, make room for Dick!’のもじり(これはコリンズを失墜させて1922年1月までIRA参謀長だったリチャード・ムルカヒーをアイルランド軍の新たな司令官にせよという意味で、例えば1922年11月26日発行のIllustrated Sunday Herald紙で引用されている)。他に、ハンプティ・ダンプティ。 By order, Nickekellous Pluggp.12に出てきた、ダブリン港委員会の委員長ニコラス・プラウド。ダブリンの港の歴史についてはこちらのウェブサイトが詳しい(以下はその一部抜粋。‘Events took another turn with the “Harbour Act of 1870”, which ended the reign of the old B.B and left the harbour completely in the hands of the new Dublin Port and Docks Board. For the next fifty years two men B.B. Stoney, and Nicholas Proud would have complete control of the harbour. At the start they would consult with the town clerk when any work needed to done but after a couple of years they would act alone. Gone were the gentry and in their place men like Mr. Murphy of Palgrave Murphy and Co., and Michael Davitt of Land League fame carried on the work of the Dublin Port and Dock’s Board. Everything became more professional’)。もちろん、ミックとニックも。; and this go, no pentecostal jest「ペンテコステ」に「沿岸の」(coastal)がかかる。 about it, how gregarious his race soever or skilful learnedアイルランドの苗字O’Reillyの語源Ragheallachは、アイルランド語で「人種」「民族」を意味するraghと「博識」「練達」を意味するeallachからなると言われている。パース・オライリーを想起させる。ジョイスは1933年1月21日付けの『週刊アイリッシュ・タイムズ』(Weekly Irish Times)の記事で、オライリーという名前についての情報を得たと思われる。 wise cunning knowledgable clear profound his saying fortitudo fraught or prudentiaprovenラテン語でfortitudine et prudentiaは「不屈の精神と思慮深さ」という意味で、オライリー家の家訓でもあった。ちなみに、オライリー家の紋章はけっこう怖い。, were he chief, count, general, fieldmarshal, prince, kingジョイスが参照したと思しき『週刊アイリッシュ・タイムズ』の、オライリーに関する記事中の以下の記述より。‘Count Alexander O’Reilly, who was a Spanish general; Count Andrew O’Reilly who was an Austrian Field-Marshal, who thereby exemplified the name “gregarious” … The family derives its descent from the O’Rourke’s kingly line’. また、オライリー一族はブレイフナ東部の王族(princes and kings)でもあった。 or Myles the Slasherマイルズ・ジョイスの名も響くが、ここでは族長メルモア・オライリーの異名‘Myles the Slasher’の仄めかしか。オライリー家は、昔は「メルモアの一族」(Muintir Maolmordha)とも呼ばれていた。ジョン・オハートの『アイルランドの血族またはアイルランド民族の起源と系譜』(Irish Pedigrees; or the Origin and Stem of the Irish Nation, 5th ed., 1892)に詳しい(ジョイスがこの本を参照したかどうかは不明)。 in his person, with a moliamordhar mansionマイルズ・オライリーのアイルランド語名「メルモア」。アイルランド英語でmeila murder(語源はアイルランドのmíle「千の」)は「大騒ぎ」「ひどい破壊行為」「哀哭」。 in the Breffnian empire先述のブレイフナ王国のこと。東部はオライリー一族が、西部はオルーク一族がそれぞれ統べていた。ティアナン・オルークの妻デルヴォーギラはディアマド・マクモローが愛人として誘拐し、これがアングロ・ノルマン侵攻の引き金のひとつにもなっている。詳しくはこちら。 and a place of inauguration on the hill of Tullymonganオライリー一族の戴冠(たいかん)の場所。, there had been real murder, of the rayheallach royghal raxacraxian「オライリー」のアイルランド語表記(O Ragheallaigh)のもじり。ドイツ語でlachenは「笑う」。16世紀から18世紀にかけてヨーロッパで活動を展開した秘教組織「薔薇十字団」(the Rosicrucian Order)も。本章p.99 ‘golddawn glory’で仄めかされていた「黄金の夜明け団」の前身でもある。 variety, the MacMahon chapsトマス・ベケットを1170年に殺害した「熊の息子」レジナルド・フィッツウルスは、後にアイルランドに渡ってマクマーホン一族を築いたという伝説がある(ウィリアム・ハントの記事より)。また、1922年3月24日にベルファストで起こった「マクマーホン殺人事件」も(6人の民間人が、マクマーホン一家の自宅で射殺された)。, it was, that had done him in. On the fidd of Verdor「勇者の戦場」を意味する英語のフレーズ‘field of valor’のもじり。英語でfidは「支材」「固定材」あるいは「厚いかたまり」。フランスで1916年2月に起こった「ヴェルダンの戦い」(the Battle of Verdun)も。スペイン語でverdorは「深緑」。「フィドル」も響く。 the rampart combatants had left him lion with his dexter handcoup wresterected in a pureede paumee bloody proper.オライリー家の紋章の正式な説明文のもじり。例えば、トマス・カーニーのClans and Families of Ireland and Scotlandp.167には次の説明がある。‘Vert two lions rampant combatant or supporting a dexter hand couped at the wrist erect and apaumee bloody proper’. 紋章学の用語で、rampantは「後ろ足で立つ」、dexterは「右」、apauméeは「開いた手のひら」、properは「自然な色彩」。ブレイフナ王国の王族については、オライリー家以外の情報も含めこちらのページに詳しく載っている。また、フランス語でpurée de pommesは「リンゴのソース」。 Indeed not a few thick and thin wellwishers, mostly of the clontarfmindedオライリー一族の名前の由来となった男、ラハラック(Raghallach)は、ブライアン・ボルーと一緒にクロンターフの戦いで戦死した。 class, (Colonel John Bawle O’Roarke, fervxamplus)ブレイフナ西部の支配者オルークが、オライリー一族と混同されている。19世紀アイルランドのジョン・ボイル・オライリーは、Irish Republican Brotherhoodの一員として活動した詩人・作家・記者で、IRBへの関与がイギリス政府当局にみつかり、オーストラリア西部へ追放された。現地のBunburyでマケイブという名前の神父と友だちになり、後者はアメリカの捕鯨船にオライリーを乗せて脱出を手伝った(オスカー・ワイルドのThe Importance of Being Ernestでアルジャーノンが名乗る別名もBunburyなのは面白い偶然)。ラテン語でferoxは「荒々しい」「勇敢な」、amplusは「広大な」「豊富な」。, even ventured so far as to loan or beg copies of D. Blayncy’s trilingual triweekly「ダブリン」が響く(D. Blayn…)。Delaney or Delaceyのモチーフ。アングロ・ノルマン侵攻の頃にブレイフナ王国を統治していたティアナン・オルーク王を殺害した12世紀ミーズ県のアングロ・ノルマン人地主のヒュー・デレイシー。なお、2世紀にプトレマイオスは、古代アイルランドの民をBlanii、Eblani、Deblaniと呼んだ。, Scatterbrains’ Aftening Poshtアメリカの週刊誌Saturday Evening Post。1930年代には、作家のクラレンス・バディントン・ケランドによる小説‘Scattergood Baines’が連載されていた。まさに「パルプ・フィクション」と呼ぶべき、大衆娯楽の雰囲気が出ている小説。 so as to make certain sure onetime and be satisfied of their quasicontribusodalitarian’sラテン語でquasi cum tribus sodaliciariisは「まるで3人の同志たちとともにいるかのように」。このあたりは「3」がキーナンバーになっている。 having become genuinely quite
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beetly dead『ユリシーズ』第1挿話におけるマリガンの回想中で、彼が自分の母親やゲストたちにスティーヴンを紹介したときに使った‘O, it’s only Dedalus whose mother is beastly dead’のもじり。 whether by land whither by water. Transocean atalaclamoured him『ウェイク』を最初に(‘Work in Progress’として)掲載した文芸誌Transatlantic Reviewへのオマージュ。同じく『ウェイク』の幾つかの部分が掲載されたtransition誌も響く。また、ギリシア神話のアトラスも。; The latter! The latter!『ユリシーズ』第1挿話でマリガンが口にするクセノフォンからの引用‘Thalatta! Thalatta!’が仄めかされる(意味は「海だ! 海だ!」)。 Shall their hope then be silent or Macfarlane lack of lamentation?トマス・ムーアの歌‘Shall the Harp Then Be Silent’(♬)より(旋律は‘Macfarlane’s Lamentation’)。フランス語でlac Lémanは、スイスのジュネーヴ湖のこと。マクファーレンは「バルトロマイの息子」という意味なので、禁欲主義ともつながるか。 He lay under leagues of it in deep Bartholoman’s Deep聖バルトロマイ。チリのアントファガスタ沖80kmほどの場所に位置するBartholomew Deepは、ペルー・チリ海溝の中でも特に深い部分。.
Achdung!ドイツ語で「気をつけ!」や「注意せよ!」を意味するAchtung!に、アイルランド英語で「うわ、糞だ!」を意味する‘Ach, dung!’がかかる。 Pozor!ロシア語で「恥」、チェコ語で「気をつけ!」あるいは「注意!」。 Attenshune! Vikeroy Besights Smucky Yung Pigeschoolies.デンマーク語で‘vicekonge besøger smukke unge skolepiger’は「総督はかわいい女学生たちのもとを訪ねる」(新聞の見出しか)。古フランス語でroyは「王」なので、「ヴァイキングの王」(Vike-roy)も。 Tri Paisdinernesアイルランド語でTrí Páistíní Éireannaighは「3人の小さなアイルランド人の子ども」。 Eventyr Med Lochlanner Fathach I Fiounnisgehavenデンマーク語でeventyr medは「〜と一緒の冒険」、lochlannはアイルランド英語で「ヴァイキング」「北欧人」、アイルランド語でFathachは「巨人」、そしてi finnske havenはデンマーク語で「フェニックス公園で」。. Bannalanna Bangs Ballyhooly Out Of Her Buddaree Of A Bullavogueアイルランド英語でbannalannaは「酒場の女将」、ballyhoolyは「おおごと」「喧嘩」、buddareeは「裕福で卑俗な農民」、bullavogueは「粗暴で力持ちな男」。また、1798年アイルランド反乱において、ウェックスフォード県でイギリス軍に勝利したジョン・マーフィー神父を讃えたバラッド‘Boolavogue’(♬)。他に、コーク県の町Ballyhoolyも。.
But, their bright little contemporaries notwithstanding, on the morrowing morn of the suicidal murder of the unrescued expatriate, aslike as asnake comes sliduant down that oaktreeブレイフナ王国東部のオライリー一族の家紋のデザイン。てっぺんには黄金の宝冠から樫の木が生えており、その樫の木には蛇たちが下向きに絡まりついている。 onto the duke of beavers, (you may have seen some liquidamber exude exotic from a balsam poplar at Parteen-a-lax Limestone. Road and cried Abies Magnifica! not, noble fir?ハリー・M・フィッツパトリックの『アイルランドの木』(The Trees of Ireland: Native and Introduced, 1933)のもじり。また、Parteen-a-laxはクレア県の村で、鮭漁で有名(頭文字を並べ替えるとALPになる)。アイルランド語でfirは「男性」、イギリス英語でlaxは「鮭」。balsam poplarはヒロハハコヤナギ、Abies magnificaはモミのことで、いずれも北米大陸原産の樹木。) a quarter of nine‘quarter to nine’すなわち8時45分と読めるが、字義通りにとれば「9の4分の1」すなわち2.25。, imploring his resipiency「不祥事への償い」(resipiscency)に、「受容性」や「受け取り」(recipiency)がかかる。贖罪と手紙。, saw the infallible spike教皇の不可謬性(Papal infallibility)が仄めかされる。 of smoke’s jutstiff新たな教皇が選出されると、バチカンから狼煙があがる。「ジュート」や「四判事」(four justicers)も響く。 punctual from the seventh gableアメリカのマサチューセッツ州に17世紀に建てられたイギリス出身の植民地支配者の豪邸The House of the Seven Gablesと、同名の1851年のナサニエル・ホーソーンの小説。日本語の読みは「七破風の屋敷」(しちはふのやしき)。登場人物の名前は「ピンチョン一家」で、実在するピンチョン一族(Pyncheon family)はトマス・ピンチョンの祖先でもある。 of our Quintus Centimachus’ porphyroid buttertowerコナート(コナハト)の名前の由来となっている「コナクタ一族」の始祖で、2世紀の伝説のアイルランド上王コン・キェタハック、別名「百戦錬磨のコン」。名前のラテン語版がQuintus Centimachus。古代ギリシア語でπορφύρεοςは「紫色」「海のような(暗い色の)」、英語でporphyroidは「斑岩のような」。Buttertowerはフランスのルーアンにある「ルーアン大聖堂」の別名。15世紀に、当時の教皇が「四旬節中に乳製品を食べる許可」と引き換えに、塔の建造費用を徴収したことから。 and then thirsty p.m.‘thirsty ten thirty p.m.’と読むと、「喉が渇く午後10時半」。 with oaths upon his lastingness (En caecos harauspices!頭文字を並べ替えるとHCE。ラテン語で「見よ、盲目の占い師たちを!」。盲目の預言者としてよく知られているのはテイレシアース。 Annos longos patimur!ALP。ラテン語で「長い年月を我々は耐え忍んでいる!」。) the lamps of maintenance1922年12月15日付けのThe Time紙の以下の記述より。‘of “Toc H”… to celebrate the eighth birthday of this wonderful fellowship … will be the lighting by his Royal Highness of the lamps of maintenance which are to be presented to delegates from fifty branches. The lamp of maintenance is a replica of the old Christian catacomb lamp, except that the handle has been designed in the form of a cross to represent part of the arms of Ypres’. ランプの画像はこちら。, beaconsfarafieldイギリスの小説家で初代ビーコンズフィールド伯爵のベンジャミン・ディズレーリ。 innerhalf the zuggurat古代メソポタミアの巨大なピラミッド型の神殿や塔ジッグラト(アッカド語で「高い所」を意味する)。ドイツ語でinnerhalbは「〜の内(側)で」。, all brevetnamed現代英語でbrevetは「(給料据え置きの)名誉昇進(辞令)」の意だが、古風な英語でbrevetは「公的な文書」「特権を与える文書」。, the wasting wyvernワシの足をもつ飛竜ワイヴァーン。よく家紋に用いられた。, the tawny of his mane, the swinglowswaying黒人霊歌‘Swing Low, Sweet Chariot’(♬)のもじり。 bluepaw, the outstanding man, the lolllike lady, being litten for the long (O land, how long!19世紀イギリスの政治家・詩人・歴史家のトマス・マコーリーが書いた詩「ティルザとアヒラッドの結婚」(‘The Marriage Of Tirzah And Ahirad’, 1827)の一節のもじり。‘Round the dark curtains of the fiery throne / Pauses awhile the voice of sacred song: / From all the angelic ranks goes forth a groan, / ’How long, O Lord, how long?’ / The still small voice makes answer, ’Wait and see, / Oh sons of glory, what the end shall be’’.) lifesnight, with suffusion of fineglass transom‘fine glass’と読めるが、ダブリン郊外のフィングラス(Finglas)も。‘transom’は、楣あるいは無目(いずれも窓や出入り口の上に渡す横木)を意味するが、アメリカ英語では明かり取り窓も意味する(イギリス英語のfanlightに相当する)。 and leadlight panes頭文字を並べるとALP。leadlightとは、複数の小さな窓ガラス(pane)が桟の間に嵌め込まれた装飾窓のこと。ジョン・ヘンリー・ニューマンが書いた詩「雲の柱」と、それに基づく聖歌‘Lead, Kindly Light’(♬)が仄めかされる。.
Wherefore let it hardly by any being thinking be said either or thought that the prisoner of that sacred edifice ‘prisoner of Vatican’は、イタリアがヴァチカンを政治的・軍事的に掌握していた1870年から1929年にかけての時期における教皇のこと(詳細はこちら)。, were he an Ivor the Boneless or an Olaf the Hide9世紀中頃にダブリンを侵略した「骨無しのイーヴァル」と、アイルランド生まれのヴァイキング「白のオラフ」。実際には兄弟ではないが、『ウェイク』ではシェムとショーンに相当する。, was at his best a onestone parableドイツ語でone stoneは‘Ein Stein’なので、アインシュタイン(生まれは、少し後で言及されるドイツ南部のウルム(Ulm))。, a rude breathing on the void of to beフランス語でesprit rudeは、古代ギリシア語などで用いられる気息音を表す記号のこと。なお、『ユリシーズ』第9挿話においてスティーヴンは、カトリック教会が「空虚の上に建てられた」(‘founded … upon the void’)ものであると述べている(この発言の拠り所は「マタイによる福音書」16:18の「わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる」)。, a venter hearing his own bauchspeechドイツ語でAbenteuerは「冒険」、Bauchは「お腹」、Bauchrednerは「腹話術師」。ラテン語でventerは「腹部」。「腹」は内部が空洞の解剖学的構造を指すので、文字のCの形状を想起させうる。 in backwords, or, more strictly, but tristurned initialsトリスタンはイゾルデと初めて対面したときに、偽名としてTantrisを名乗った。, the cluekey to a worldroomドイツ語でWeltraumは「宇宙空間」。「鍵」(key)の先端の形から、文字のEが想起される。 beyond the roomwhorld, for scarce one, or pathetically few of his dode canal sammenliversオランダ語でdodeは「死者」、古代ギリシア語でδώδεκαは「12の」、デンマーク語でsammenは「一緒に」。 cared seriously or for long to doubt with Kurt Iuld van Dijke頭文字をとると「子ども」を意味するkid。オランダ語でdijkは「堤防」。後述のtesseractを踏まえると、1917年オランダ発の芸術運動デ・ステイル(De Stijl)とのつながりもありえる(こちらの論文に詳しい)。 (the gravitational pull perceived by certain fixed residents and the capture of uncertain comets chancedrifting through our system suggesting an authenticitatem of his aliquitudinis)アインシュタインの相対性理論のパロディ。ラテン語の造語でaliquitudinisは「誰か性」。 the canonicity of his existence頭文字を並べ替えるとHCE。 as a tesseract. Be still, O quick! Speak him dumb! Hush ye fronds of Ulma!アインシュタインの出生地ウルム。デカルトが直交座標軸を思いついた場所でもある。ちなみに、アインシュタインは1927年2月2日に『ユリシーズ』のアメリカ海賊版の流通への抗議文にサインしている。日本でも1930年代に『ユリシーズ』の抄訳が複数刊行されたが、その一部は海賊版であり、また当時は欧州作品の著作権が10年で失効する法律が日本にあったため、ジョイスは使用料を得損ねたのではないかと言われている。詳しくはこちら。
Achdung!ドイツ語で「気をつけ!」や「注意せよ!」を意味するAchtung!に、アイルランド英語で「うわ、糞だ!」を意味する‘Ach, dung!’がかかる。 Pozor!ロシア語で「恥」、チェコ語で「気をつけ!」あるいは「注意!」。 Attenshune! Vikeroy Besights Smucky Yung Pigeschoolies.デンマーク語で‘vicekonge besøger smukke unge skolepiger’は「総督はかわいい女学生たちのもとを訪ねる」(新聞の見出しか)。古フランス語でroyは「王」なので、「ヴァイキングの王」(Vike-roy)も。 Tri Paisdinernesアイルランド語でTrí Páistíní Éireannaighは「3人の小さなアイルランド人の子ども」。 Eventyr Med Lochlanner Fathach I Fiounnisgehavenデンマーク語でeventyr medは「〜と一緒の冒険」、lochlannはアイルランド英語で「ヴァイキング」「北欧人」、アイルランド語でFathachは「巨人」、そしてi finnske havenはデンマーク語で「フェニックス公園で」。. Bannalanna Bangs Ballyhooly Out Of Her Buddaree Of A Bullavogueアイルランド英語でbannalannaは「酒場の女将」、ballyhoolyは「おおごと」「喧嘩」、buddareeは「裕福で卑俗な農民」、bullavogueは「粗暴で力持ちな男」。また、1798年アイルランド反乱において、ウェックスフォード県でイギリス軍に勝利したジョン・マーフィー神父を讃えたバラッド‘Boolavogue’(♬)。他に、コーク県の町Ballyhoolyも。.
But, their bright little contemporaries notwithstanding, on the morrowing morn of the suicidal murder of the unrescued expatriate, aslike as asnake comes sliduant down that oaktreeブレイフナ王国東部のオライリー一族の家紋のデザイン。てっぺんには黄金の宝冠から樫の木が生えており、その樫の木には蛇たちが下向きに絡まりついている。 onto the duke of beavers, (you may have seen some liquidamber exude exotic from a balsam poplar at Parteen-a-lax Limestone. Road and cried Abies Magnifica! not, noble fir?ハリー・M・フィッツパトリックの『アイルランドの木』(The Trees of Ireland: Native and Introduced, 1933)のもじり。また、Parteen-a-laxはクレア県の村で、鮭漁で有名(頭文字を並べ替えるとALPになる)。アイルランド語でfirは「男性」、イギリス英語でlaxは「鮭」。balsam poplarはヒロハハコヤナギ、Abies magnificaはモミのことで、いずれも北米大陸原産の樹木。) a quarter of nine‘quarter to nine’すなわち8時45分と読めるが、字義通りにとれば「9の4分の1」すなわち2.25。, imploring his resipiency「不祥事への償い」(resipiscency)に、「受容性」や「受け取り」(recipiency)がかかる。贖罪と手紙。, saw the infallible spike教皇の不可謬性(Papal infallibility)が仄めかされる。 of smoke’s jutstiff新たな教皇が選出されると、バチカンから狼煙があがる。「ジュート」や「四判事」(four justicers)も響く。 punctual from the seventh gableアメリカのマサチューセッツ州に17世紀に建てられたイギリス出身の植民地支配者の豪邸The House of the Seven Gablesと、同名の1851年のナサニエル・ホーソーンの小説。日本語の読みは「七破風の屋敷」(しちはふのやしき)。登場人物の名前は「ピンチョン一家」で、実在するピンチョン一族(Pyncheon family)はトマス・ピンチョンの祖先でもある。 of our Quintus Centimachus’ porphyroid buttertowerコナート(コナハト)の名前の由来となっている「コナクタ一族」の始祖で、2世紀の伝説のアイルランド上王コン・キェタハック、別名「百戦錬磨のコン」。名前のラテン語版がQuintus Centimachus。古代ギリシア語でπορφύρεοςは「紫色」「海のような(暗い色の)」、英語でporphyroidは「斑岩のような」。Buttertowerはフランスのルーアンにある「ルーアン大聖堂」の別名。15世紀に、当時の教皇が「四旬節中に乳製品を食べる許可」と引き換えに、塔の建造費用を徴収したことから。 and then thirsty p.m.‘thirsty ten thirty p.m.’と読むと、「喉が渇く午後10時半」。 with oaths upon his lastingness (En caecos harauspices!頭文字を並べ替えるとHCE。ラテン語で「見よ、盲目の占い師たちを!」。盲目の預言者としてよく知られているのはテイレシアース。 Annos longos patimur!ALP。ラテン語で「長い年月を我々は耐え忍んでいる!」。) the lamps of maintenance1922年12月15日付けのThe Time紙の以下の記述より。‘of “Toc H”… to celebrate the eighth birthday of this wonderful fellowship … will be the lighting by his Royal Highness of the lamps of maintenance which are to be presented to delegates from fifty branches. The lamp of maintenance is a replica of the old Christian catacomb lamp, except that the handle has been designed in the form of a cross to represent part of the arms of Ypres’. ランプの画像はこちら。, beaconsfarafieldイギリスの小説家で初代ビーコンズフィールド伯爵のベンジャミン・ディズレーリ。 innerhalf the zuggurat古代メソポタミアの巨大なピラミッド型の神殿や塔ジッグラト(アッカド語で「高い所」を意味する)。ドイツ語でinnerhalbは「〜の内(側)で」。, all brevetnamed現代英語でbrevetは「(給料据え置きの)名誉昇進(辞令)」の意だが、古風な英語でbrevetは「公的な文書」「特権を与える文書」。, the wasting wyvernワシの足をもつ飛竜ワイヴァーン。よく家紋に用いられた。, the tawny of his mane, the swinglowswaying黒人霊歌‘Swing Low, Sweet Chariot’(♬)のもじり。 bluepaw, the outstanding man, the lolllike lady, being litten for the long (O land, how long!19世紀イギリスの政治家・詩人・歴史家のトマス・マコーリーが書いた詩「ティルザとアヒラッドの結婚」(‘The Marriage Of Tirzah And Ahirad’, 1827)の一節のもじり。‘Round the dark curtains of the fiery throne / Pauses awhile the voice of sacred song: / From all the angelic ranks goes forth a groan, / ’How long, O Lord, how long?’ / The still small voice makes answer, ’Wait and see, / Oh sons of glory, what the end shall be’’.) lifesnight, with suffusion of fineglass transom‘fine glass’と読めるが、ダブリン郊外のフィングラス(Finglas)も。‘transom’は、楣あるいは無目(いずれも窓や出入り口の上に渡す横木)を意味するが、アメリカ英語では明かり取り窓も意味する(イギリス英語のfanlightに相当する)。 and leadlight panes頭文字を並べるとALP。leadlightとは、複数の小さな窓ガラス(pane)が桟の間に嵌め込まれた装飾窓のこと。ジョン・ヘンリー・ニューマンが書いた詩「雲の柱」と、それに基づく聖歌‘Lead, Kindly Light’(♬)が仄めかされる。.
Wherefore let it hardly by any being thinking be said either or thought that the prisoner of that sacred edifice ‘prisoner of Vatican’は、イタリアがヴァチカンを政治的・軍事的に掌握していた1870年から1929年にかけての時期における教皇のこと(詳細はこちら)。, were he an Ivor the Boneless or an Olaf the Hide9世紀中頃にダブリンを侵略した「骨無しのイーヴァル」と、アイルランド生まれのヴァイキング「白のオラフ」。実際には兄弟ではないが、『ウェイク』ではシェムとショーンに相当する。, was at his best a onestone parableドイツ語でone stoneは‘Ein Stein’なので、アインシュタイン(生まれは、少し後で言及されるドイツ南部のウルム(Ulm))。, a rude breathing on the void of to beフランス語でesprit rudeは、古代ギリシア語などで用いられる気息音を表す記号のこと。なお、『ユリシーズ』第9挿話においてスティーヴンは、カトリック教会が「空虚の上に建てられた」(‘founded … upon the void’)ものであると述べている(この発言の拠り所は「マタイによる福音書」16:18の「わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる」)。, a venter hearing his own bauchspeechドイツ語でAbenteuerは「冒険」、Bauchは「お腹」、Bauchrednerは「腹話術師」。ラテン語でventerは「腹部」。「腹」は内部が空洞の解剖学的構造を指すので、文字のCの形状を想起させうる。 in backwords, or, more strictly, but tristurned initialsトリスタンはイゾルデと初めて対面したときに、偽名としてTantrisを名乗った。, the cluekey to a worldroomドイツ語でWeltraumは「宇宙空間」。「鍵」(key)の先端の形から、文字のEが想起される。 beyond the roomwhorld, for scarce one, or pathetically few of his dode canal sammenliversオランダ語でdodeは「死者」、古代ギリシア語でδώδεκαは「12の」、デンマーク語でsammenは「一緒に」。 cared seriously or for long to doubt with Kurt Iuld van Dijke頭文字をとると「子ども」を意味するkid。オランダ語でdijkは「堤防」。後述のtesseractを踏まえると、1917年オランダ発の芸術運動デ・ステイル(De Stijl)とのつながりもありえる(こちらの論文に詳しい)。 (the gravitational pull perceived by certain fixed residents and the capture of uncertain comets chancedrifting through our system suggesting an authenticitatem of his aliquitudinis)アインシュタインの相対性理論のパロディ。ラテン語の造語でaliquitudinisは「誰か性」。 the canonicity of his existence頭文字を並べ替えるとHCE。 as a tesseract. Be still, O quick! Speak him dumb! Hush ye fronds of Ulma!アインシュタインの出生地ウルム。デカルトが直交座標軸を思いついた場所でもある。ちなみに、アインシュタインは1927年2月2日に『ユリシーズ』のアメリカ海賊版の流通への抗議文にサインしている。日本でも1930年代に『ユリシーズ』の抄訳が複数刊行されたが、その一部は海賊版であり、また当時は欧州作品の著作権が10年で失効する法律が日本にあったため、ジョイスは使用料を得損ねたのではないかと言われている。詳しくはこちら。
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Dispersal women1907年発祥の洗剤ブランドPersilが響く。よって、第1巻第8章の洗濯女が仄めかされる。ちなみに、伝統的なジグ「アイルランドの洗濯女」(‘The Irish Washerwoman’ (♬))も響く。また、ケルト神話に登場する「真夜中の洗濯女」も。 wondered. Was she fast?‘she’がALPのことだとしたら、「彼女(=川)の流れは速かった?」。p.3冒頭の‘riverrun’も思い出される。「断食」(fasting)も。
Do tell us all about. As we want to hear allabout. So tellus tellasギリシアは、かつてはHellasと呼ばれた。また、トロイのヘレンが仄めかされる。ヘロドトスの『歴史』に登場するアテナイの政治家で、「最も幸福な人」と言われるテルースも。‘Tellus … had both beautiful and good children, and he saw all his grandchildren from birth and all remaining alive… And the end of his life was most brilliant: for when the Athenians had a war against their neighbours in Eleusis, coming to the rescue and making a rout of the enemy he died most beautifully, and the Athenians had buried him publicly right where he fell, and honoured him greatly’. ヘロドトスのこの言葉も影響して、古代ギリシアでは名誉と幸福の規範としてテルースの一生が参照されることが多かった。他に、古代ローマの大地母神テルース・マーテルも。 allabouter. The why or whether she looked alottylike like ussies第1巻第1章でプランクイーンがマーク1世にする質問‘Mark the Wans, why do I am alook alike a poss of porterpease?’のもじり。 and whether he had his wimdop like themses shut? Notes and queries, tipbids and answers『ユリシーズ』に登場する雑誌Titbits(第4挿話でブルームがお尻をふくときに使う)とAnswers(第11挿話「セイレーン」でブルームがふと思い出す)。また、tipとbidで、「チップをせびるビディ・ドーラン」という響きも。, the laugh and the shout, the ards and downsアイルランド語でardsは「高い」。ダウン県のアーズ半島。. Now listed to one aneither and liss them down『ハムレット』の‘List, O List!’。フランス語でlisseは「滑らかにせよ」あるいは「滑らかな」、古風な英語でlissは「何かが過ぎ去ること」「解決」「消滅」「平穏(が戻ること)」。 and smoothen out your leaves of rose. The war is o’er15世紀イギリスの薔薇戦争(the Wars of the Roses)。. Wimwim wimwim!女性(women)が4人。また、swimも響く。文字の形が、波打つ水面にも見えて面白い。以下はこの4人の名前が列挙される。 Was it Unity Moore1891年生まれの映画俳優ユニティ・ムーア。イギリスのサリーにあるムーア公園は、スウィフトがステラと初対面した場所だった。 or Estella Swifte‘Estella’は、スウィフトの2人の恋人「ステラ」と「ヴァネッサ」の本名(どちらも「エステル」だった)。ステラの方は、スウィフトが1716年に密婚したと言われている。 or Varina Fayスウィフトが結婚したかった相手のジェーン・ワリングに彼がつけたあだ名がVarinaだった。モーガン・ル・フェイも響く。また、ロンドン出身の作家メアリー・ブラッドンが1888年に出した大衆小説『致命的な3人』(The Fatal Three)の主人公フェイも(4人中3人目なので)。 or Quarta Quaedamラテン語で「誰か4人目の女性」。また、イギリス英語の古いスラングでquaedamは「娼婦」。? Toemaas, mark oom for yor ounckel!1876年の大衆音楽の曲‘Tommy, Make Room for Your Uncle’のもじり。19世紀イギリスのテノール歌手ジョー・マース(Joe Maas)もかかる。マーク1世。オランダ語でoom、ドイツ語でOnkelはそれぞれ「おじ」。ドイツ語で「暗い」を意味するdunkelもかかる。 Pigeys, hold op med yer leg!デンマーク語で‘piger, hold op med jeres leg’は「女子諸君、お遊びはその辺にしておきなさい」。 Who, but who (for second time of asking) was then the scourge of the parts about folkrich LucalizodDaily Sketch『デイリー・スケッチ』紙1922年12月7日号の記事「リトルハンプトンの災難の謎」より。これは2023年にWicked Little Lettersとして映画化されてもいる。また、この「災難」を詳細に扱った研究も、オックスフォード大学出版会から2017年に出版されている。この事件はローズ・グディング夫人という女性の冤罪を引き起こしており、マームトラスナ事件をはじめとする冤罪に焦点を当てる本章のテーマに沿っている。ドイツ語でvolkreich、デンマーク語でfolkerigはいずれも「人口の多い」。ジョイスはよくルーカンとチャペリゾッドを混ぜる。 it was wont to be asked, as, in ages behind of the Homo Capite ErectusHCE。ラテン語で「頭まで直立する人」(ホモ・エレクトス)。一例として、ジャワ原人がいる。, what price Peabody’s money19世紀アメリカの慈善家・富豪のジョージ・ピーボディ。現在のJPモルガン・チェースの前身となる会社「ピーボディ・モルガン商会」を1854年に設立した。モルガン・スタンレーも、ピーボディ銀行から派生した。, or, to put it bluntly, whence is the herringtons’ white cravat, as, in epochsHCE。 more cainozoicカイン。また、恐竜絶滅から現代までの地質年代を表す名前「新生代」(Cenozoic、Cainozoicとも)。, who struck Buckley19世紀イギリスでは、アイルランド人に対して侮蔑的に‘Who struck Buckley?’と言う悪習があった。1873年のスラング辞書の説明は次のようになっている。‘The story is that an Englishman having struck an Irishman named Buckley, the latter made a great outcry, and one of his friends rushed forth screaming, “Who struck Buckley?” “I did,” said the Englishman, preparing for an apparently inevitable combat. ‘Then,” said the ferocious Hibernian, after a careful investigation of the other’s thews and sinews, “then, sarve him right’’’. though nowadays as thentimes every schoolfilly of sevenscore moonsp.100でも仄めかされていたトマス・バビントン・マコーリーが1840年に書いたエッセイ「クライヴ卿」の書き出しの、以下の一節のもじり。‘We have always thought it strange that, while the history of the Spanish empire in America is familiarly known to all the nations of Europe, the great actions of our countrymen in the East should, even among ourselves, excite little interest. Every schoolboy knows who imprisoned Montezuma, and who strangled Atahualpa’. 英語でfillyは若い雌馬のことで、若い女性を意味することもある。sevenscoreはscore(=20)が7つということで、140ヶ月、つまり約11年。 or more who know her intimologies and every colleen bawl aroofブーシコーの演劇The Colleen Bawn, or the Brides of Garryowen。アイルランド英語でcolleen bawnは「金髪の若い女性」「愛しい娘」、aroonは「愛しい人へ」。 and every redflammelwavingスラングでredflannelは「でたらめ話」のこと。フランス語でflammeは「炎」「情熱」。 warwife and widowpeaceトルストイ『戦争と平和』(War and Peace)。 upon Dublin Wall for ever knows as yayas is yayasスワヒリ語でyaiは「卵」、ポーランド語でjajaは「卵」「睾丸」。英語の慣用句‘as sure as eggs is eggs’は「卵が卵であるくらい間違いない」。ロシアのヤヤ川も(キリル文字での表記は‘Яя’で、なかなか面白い)。 how it was Buckleyself (we need no blooding paperインクを吸い取るために用いる「吸取り紙」(blotting paper)。 to tell it neither) who struck and the Russian generals, da! da!ダダイズム? daはロシア語で「はい」、ドイツ語で「そこ」を意味する。, instead of Buckley who was caddishlyパイプをくわえた下司男(cad)。また、ユダヤ教での哀悼の祈りはカディッシュ。モーリス・ラヴェルが同名の曲を作曲している(♬)。 struck by him when be herselves. What fullpried paulpoisonジョン・プールが書いた演劇『詮索ポール』(Paul Pry, 1825)のもじり。詮索好きのポールは、わざと傘を屋敷に忘れ、それを取りに行くという体で盗み聞きをする。1825年にヘイマーケット劇場で初演され、以後114回も上演された。ここから、「詮索する人」のことをスラングでPaul Pryと呼ぶ。 in the spy of three castlesダブリンの紋章に描かれた3つの城。アイルランド英語で‘in the pay of the Castle’は「イギリスのスパイ」「裏切り者」。 or which hatefilled smileyseller? And that such a vetriol of venomvitriolは硫酸のやや古い呼び名(もちろん猛毒)。「辛辣な言葉」「ひどい憎悪」といった意味もある。, that queen’s head affranchisantフランス語でaffranchissantは、「手紙に切手を貼る」「〜を解放する」を意味する動詞affranchirの現在分詞形。19世紀後半のイギリスのスラングで、古い切手は「女王の頭」(Queen’s Heads)と呼ばれた。, a quiet stinkingplaster zeal1922年12月6日発行のIrish Times紙には、新しく発行された2ペンス切手のデザインを「控えめな」(quiet)と形容した記事が掲載された。チューリッヒの中央郵便局Sihlpostも響く。 could cover, prepostered or postpaid! The loungelizards of the pumproomスパ(浴場)で、水を飲んで休む部屋のことをpump-roomと言う。ジョイスが当時読んだDaily Mail紙1922年11月17日号の記事に、「隠れるなら、ハイシーズンのスパの水飲み部屋が一番!」という記載があった。英語のスラングでlounge-lizardは、裕福な女性を探して上流階級の社交界をうろつく男のこと。 had their nine days’ jeer英語のスラングで「9日間だけ話題になった後で忘れ去られること」を意味する‘a nine days’ wonder’のもじり。現代ではさらに威力が増したスラングだと言える。, and pratschkatsドイツ語でPratzeは「(猛獣の)前足」、Tratschは「うわさ話」、Katzeは「猫」。ポーランド語でpraczkaは「洗濯女」。 at their platschpailsドイツ語でplatschenは「水がはねる」、plätschernは「水がピシャンと当たる」、Klatschspalteは「ゴシップ記事」。ロシア語でplachは「泣く」。 too and holenpolendomドイツ語でholenは「取ってくる」、Polenは「ポーランド」。ギリシア語由来の英語でhoi polloiは「大衆」「一般人」。 beside, Szpaszpas Szpissmasポーランド語に特徴的なつづりszpのもじり。ドイツ語でSpaßは「冗談」「楽しみ」。ポーランド語でpismaは「書き物」「書物」「新聞」。また、オペラ『ユグノー』の挿入歌‘Piff Paff’も響く。, the zhanyzhoniesポーランド語でżony、ロシア語でжена(zhena)はともに「妻」。, when, still believing in her owenglassアイルランド英語でowenは「川」。アイルランド語でabhainn glasは「緑の川」。1903年にマイケル・ジョーセフ・オウェンズによって創立されたガラス瓶会社‘Owens Bottle Company’。オウェンズはガラス瓶の製造ラインを開発し、自動化した。また、14世紀ドイツの伝説の奇人、ティル・オイレンシュピーゲルの名前の由来は、一説ではふくろうの鏡(owl glass)だと言われている(他に低地ドイツ語で「尻を拭く」を意味するSpegel ulenだとする別説もある)。, when izarresバスク語でizarは「星」、ラテン語でresは「もの」。 were twinklins「輝いていて」(twinkling)と読めるが、「双子」(twin)も響く。, that the upper reaches of her mouthless face and her impermanent waves were the better half of her, one nearer him, dearer than all, first warming creature of his early mornアイルランド英語でcreatureは「ウィスキー」。バラッド‘Finnegan’s Wake’の‘drop of the craythur every morn’のもじり。, bondwoman of the man of the house家父長制における一家の主人のこと。, and murrmurr of all the mackavicksドイツ語でmurrenは「ぶつくさ文句を言う」、デンマーク語でmormorは「(母方の)祖母」。アイルランド語でmaca mhicは「息子の息子たち」。旧約聖書外典「マカバイ記2」の「書簡7」に登場する、7人の息子たちと母親の話も仄めかされる。紀元前2世紀頃、舞台は地中海からインド国境にかけて領土をもっていたセレウコス朝。当時の王、アンティオコス4世エピファネスは、ユダヤ教の人びとによる反乱があったとし、ユダヤ教を禁止した。そして、この王によって息子たちは捕えられ、律法に背いて豚肉を食べるよう命じられ、これを拒否すると拷問にかけられて殺されてしまう。その後、母親も亡くなる。特に第20節「それにしても、称賛されるべきはこの母親であり、記憶されるべき模範であった。わずか1日のうちに7人の息子が惨殺されるのを直視しながら、主に対する希望のゆえに、喜んでこれに耐えたのである」は、『肖像』でのスティーヴンの名言「この糞溜めみたいな世界には不確かなものごとがあふれているけれど、母親の愛だけは違う」(‘Whatever else is unsure in this stinking dunghill of a world a mother’s love is not’)とも深く響きあう。, she who had given his eye for her bed and a tooth for a child旧約聖書「出エジプト記」21:23–25「しかし、ほかの害がある時は、命には命、目には目、歯には歯、手には手、足には足、焼き傷には焼き傷、傷には傷、打ち傷には打ち傷をもって償わなければならない」より。また、昔のアイルランドには、女性は子どもを生むたびに歯を一本失うという迷信があった。カルシウム不足で、実際に歯が抜けた可能性はある。 till one one and one ten and one hundred again111。19世紀の歌「オフリン神父」(♬)のサビ‘Sláinte and sláinte and sláinte agin’のもじり。, O me and O ye!ドイツ語で‘O je!’は‘O dear!’(なんてこった!)。 cadet and primp.14に登場したキャディーとプリマス。, the hungray and anngreen英語の慣用句‘a hungry man is an angry man’より。現代英語では‘hangry’という造語もあるほど。「年配者と若者」を意味する‘gray and green’も。アイルランド語でeanは「水の」という意味なので、「水の緑」も。 (and if she is older now than her teeth she has hair that
Do tell us all about. As we want to hear allabout. So tellus tellasギリシアは、かつてはHellasと呼ばれた。また、トロイのヘレンが仄めかされる。ヘロドトスの『歴史』に登場するアテナイの政治家で、「最も幸福な人」と言われるテルースも。‘Tellus … had both beautiful and good children, and he saw all his grandchildren from birth and all remaining alive… And the end of his life was most brilliant: for when the Athenians had a war against their neighbours in Eleusis, coming to the rescue and making a rout of the enemy he died most beautifully, and the Athenians had buried him publicly right where he fell, and honoured him greatly’. ヘロドトスのこの言葉も影響して、古代ギリシアでは名誉と幸福の規範としてテルースの一生が参照されることが多かった。他に、古代ローマの大地母神テルース・マーテルも。 allabouter. The why or whether she looked alottylike like ussies第1巻第1章でプランクイーンがマーク1世にする質問‘Mark the Wans, why do I am alook alike a poss of porterpease?’のもじり。 and whether he had his wimdop like themses shut? Notes and queries, tipbids and answers『ユリシーズ』に登場する雑誌Titbits(第4挿話でブルームがお尻をふくときに使う)とAnswers(第11挿話「セイレーン」でブルームがふと思い出す)。また、tipとbidで、「チップをせびるビディ・ドーラン」という響きも。, the laugh and the shout, the ards and downsアイルランド語でardsは「高い」。ダウン県のアーズ半島。. Now listed to one aneither and liss them down『ハムレット』の‘List, O List!’。フランス語でlisseは「滑らかにせよ」あるいは「滑らかな」、古風な英語でlissは「何かが過ぎ去ること」「解決」「消滅」「平穏(が戻ること)」。 and smoothen out your leaves of rose. The war is o’er15世紀イギリスの薔薇戦争(the Wars of the Roses)。. Wimwim wimwim!女性(women)が4人。また、swimも響く。文字の形が、波打つ水面にも見えて面白い。以下はこの4人の名前が列挙される。 Was it Unity Moore1891年生まれの映画俳優ユニティ・ムーア。イギリスのサリーにあるムーア公園は、スウィフトがステラと初対面した場所だった。 or Estella Swifte‘Estella’は、スウィフトの2人の恋人「ステラ」と「ヴァネッサ」の本名(どちらも「エステル」だった)。ステラの方は、スウィフトが1716年に密婚したと言われている。 or Varina Fayスウィフトが結婚したかった相手のジェーン・ワリングに彼がつけたあだ名がVarinaだった。モーガン・ル・フェイも響く。また、ロンドン出身の作家メアリー・ブラッドンが1888年に出した大衆小説『致命的な3人』(The Fatal Three)の主人公フェイも(4人中3人目なので)。 or Quarta Quaedamラテン語で「誰か4人目の女性」。また、イギリス英語の古いスラングでquaedamは「娼婦」。? Toemaas, mark oom for yor ounckel!1876年の大衆音楽の曲‘Tommy, Make Room for Your Uncle’のもじり。19世紀イギリスのテノール歌手ジョー・マース(Joe Maas)もかかる。マーク1世。オランダ語でoom、ドイツ語でOnkelはそれぞれ「おじ」。ドイツ語で「暗い」を意味するdunkelもかかる。 Pigeys, hold op med yer leg!デンマーク語で‘piger, hold op med jeres leg’は「女子諸君、お遊びはその辺にしておきなさい」。 Who, but who (for second time of asking) was then the scourge of the parts about folkrich LucalizodDaily Sketch『デイリー・スケッチ』紙1922年12月7日号の記事「リトルハンプトンの災難の謎」より。これは2023年にWicked Little Lettersとして映画化されてもいる。また、この「災難」を詳細に扱った研究も、オックスフォード大学出版会から2017年に出版されている。この事件はローズ・グディング夫人という女性の冤罪を引き起こしており、マームトラスナ事件をはじめとする冤罪に焦点を当てる本章のテーマに沿っている。ドイツ語でvolkreich、デンマーク語でfolkerigはいずれも「人口の多い」。ジョイスはよくルーカンとチャペリゾッドを混ぜる。 it was wont to be asked, as, in ages behind of the Homo Capite ErectusHCE。ラテン語で「頭まで直立する人」(ホモ・エレクトス)。一例として、ジャワ原人がいる。, what price Peabody’s money19世紀アメリカの慈善家・富豪のジョージ・ピーボディ。現在のJPモルガン・チェースの前身となる会社「ピーボディ・モルガン商会」を1854年に設立した。モルガン・スタンレーも、ピーボディ銀行から派生した。, or, to put it bluntly, whence is the herringtons’ white cravat, as, in epochsHCE。 more cainozoicカイン。また、恐竜絶滅から現代までの地質年代を表す名前「新生代」(Cenozoic、Cainozoicとも)。, who struck Buckley19世紀イギリスでは、アイルランド人に対して侮蔑的に‘Who struck Buckley?’と言う悪習があった。1873年のスラング辞書の説明は次のようになっている。‘The story is that an Englishman having struck an Irishman named Buckley, the latter made a great outcry, and one of his friends rushed forth screaming, “Who struck Buckley?” “I did,” said the Englishman, preparing for an apparently inevitable combat. ‘Then,” said the ferocious Hibernian, after a careful investigation of the other’s thews and sinews, “then, sarve him right’’’. though nowadays as thentimes every schoolfilly of sevenscore moonsp.100でも仄めかされていたトマス・バビントン・マコーリーが1840年に書いたエッセイ「クライヴ卿」の書き出しの、以下の一節のもじり。‘We have always thought it strange that, while the history of the Spanish empire in America is familiarly known to all the nations of Europe, the great actions of our countrymen in the East should, even among ourselves, excite little interest. Every schoolboy knows who imprisoned Montezuma, and who strangled Atahualpa’. 英語でfillyは若い雌馬のことで、若い女性を意味することもある。sevenscoreはscore(=20)が7つということで、140ヶ月、つまり約11年。 or more who know her intimologies and every colleen bawl aroofブーシコーの演劇The Colleen Bawn, or the Brides of Garryowen。アイルランド英語でcolleen bawnは「金髪の若い女性」「愛しい娘」、aroonは「愛しい人へ」。 and every redflammelwavingスラングでredflannelは「でたらめ話」のこと。フランス語でflammeは「炎」「情熱」。 warwife and widowpeaceトルストイ『戦争と平和』(War and Peace)。 upon Dublin Wall for ever knows as yayas is yayasスワヒリ語でyaiは「卵」、ポーランド語でjajaは「卵」「睾丸」。英語の慣用句‘as sure as eggs is eggs’は「卵が卵であるくらい間違いない」。ロシアのヤヤ川も(キリル文字での表記は‘Яя’で、なかなか面白い)。 how it was Buckleyself (we need no blooding paperインクを吸い取るために用いる「吸取り紙」(blotting paper)。 to tell it neither) who struck and the Russian generals, da! da!ダダイズム? daはロシア語で「はい」、ドイツ語で「そこ」を意味する。, instead of Buckley who was caddishlyパイプをくわえた下司男(cad)。また、ユダヤ教での哀悼の祈りはカディッシュ。モーリス・ラヴェルが同名の曲を作曲している(♬)。 struck by him when be herselves. What fullpried paulpoisonジョン・プールが書いた演劇『詮索ポール』(Paul Pry, 1825)のもじり。詮索好きのポールは、わざと傘を屋敷に忘れ、それを取りに行くという体で盗み聞きをする。1825年にヘイマーケット劇場で初演され、以後114回も上演された。ここから、「詮索する人」のことをスラングでPaul Pryと呼ぶ。 in the spy of three castlesダブリンの紋章に描かれた3つの城。アイルランド英語で‘in the pay of the Castle’は「イギリスのスパイ」「裏切り者」。 or which hatefilled smileyseller? And that such a vetriol of venomvitriolは硫酸のやや古い呼び名(もちろん猛毒)。「辛辣な言葉」「ひどい憎悪」といった意味もある。, that queen’s head affranchisantフランス語でaffranchissantは、「手紙に切手を貼る」「〜を解放する」を意味する動詞affranchirの現在分詞形。19世紀後半のイギリスのスラングで、古い切手は「女王の頭」(Queen’s Heads)と呼ばれた。, a quiet stinkingplaster zeal1922年12月6日発行のIrish Times紙には、新しく発行された2ペンス切手のデザインを「控えめな」(quiet)と形容した記事が掲載された。チューリッヒの中央郵便局Sihlpostも響く。 could cover, prepostered or postpaid! The loungelizards of the pumproomスパ(浴場)で、水を飲んで休む部屋のことをpump-roomと言う。ジョイスが当時読んだDaily Mail紙1922年11月17日号の記事に、「隠れるなら、ハイシーズンのスパの水飲み部屋が一番!」という記載があった。英語のスラングでlounge-lizardは、裕福な女性を探して上流階級の社交界をうろつく男のこと。 had their nine days’ jeer英語のスラングで「9日間だけ話題になった後で忘れ去られること」を意味する‘a nine days’ wonder’のもじり。現代ではさらに威力が増したスラングだと言える。, and pratschkatsドイツ語でPratzeは「(猛獣の)前足」、Tratschは「うわさ話」、Katzeは「猫」。ポーランド語でpraczkaは「洗濯女」。 at their platschpailsドイツ語でplatschenは「水がはねる」、plätschernは「水がピシャンと当たる」、Klatschspalteは「ゴシップ記事」。ロシア語でplachは「泣く」。 too and holenpolendomドイツ語でholenは「取ってくる」、Polenは「ポーランド」。ギリシア語由来の英語でhoi polloiは「大衆」「一般人」。 beside, Szpaszpas Szpissmasポーランド語に特徴的なつづりszpのもじり。ドイツ語でSpaßは「冗談」「楽しみ」。ポーランド語でpismaは「書き物」「書物」「新聞」。また、オペラ『ユグノー』の挿入歌‘Piff Paff’も響く。, the zhanyzhoniesポーランド語でżony、ロシア語でжена(zhena)はともに「妻」。, when, still believing in her owenglassアイルランド英語でowenは「川」。アイルランド語でabhainn glasは「緑の川」。1903年にマイケル・ジョーセフ・オウェンズによって創立されたガラス瓶会社‘Owens Bottle Company’。オウェンズはガラス瓶の製造ラインを開発し、自動化した。また、14世紀ドイツの伝説の奇人、ティル・オイレンシュピーゲルの名前の由来は、一説ではふくろうの鏡(owl glass)だと言われている(他に低地ドイツ語で「尻を拭く」を意味するSpegel ulenだとする別説もある)。, when izarresバスク語でizarは「星」、ラテン語でresは「もの」。 were twinklins「輝いていて」(twinkling)と読めるが、「双子」(twin)も響く。, that the upper reaches of her mouthless face and her impermanent waves were the better half of her, one nearer him, dearer than all, first warming creature of his early mornアイルランド英語でcreatureは「ウィスキー」。バラッド‘Finnegan’s Wake’の‘drop of the craythur every morn’のもじり。, bondwoman of the man of the house家父長制における一家の主人のこと。, and murrmurr of all the mackavicksドイツ語でmurrenは「ぶつくさ文句を言う」、デンマーク語でmormorは「(母方の)祖母」。アイルランド語でmaca mhicは「息子の息子たち」。旧約聖書外典「マカバイ記2」の「書簡7」に登場する、7人の息子たちと母親の話も仄めかされる。紀元前2世紀頃、舞台は地中海からインド国境にかけて領土をもっていたセレウコス朝。当時の王、アンティオコス4世エピファネスは、ユダヤ教の人びとによる反乱があったとし、ユダヤ教を禁止した。そして、この王によって息子たちは捕えられ、律法に背いて豚肉を食べるよう命じられ、これを拒否すると拷問にかけられて殺されてしまう。その後、母親も亡くなる。特に第20節「それにしても、称賛されるべきはこの母親であり、記憶されるべき模範であった。わずか1日のうちに7人の息子が惨殺されるのを直視しながら、主に対する希望のゆえに、喜んでこれに耐えたのである」は、『肖像』でのスティーヴンの名言「この糞溜めみたいな世界には不確かなものごとがあふれているけれど、母親の愛だけは違う」(‘Whatever else is unsure in this stinking dunghill of a world a mother’s love is not’)とも深く響きあう。, she who had given his eye for her bed and a tooth for a child旧約聖書「出エジプト記」21:23–25「しかし、ほかの害がある時は、命には命、目には目、歯には歯、手には手、足には足、焼き傷には焼き傷、傷には傷、打ち傷には打ち傷をもって償わなければならない」より。また、昔のアイルランドには、女性は子どもを生むたびに歯を一本失うという迷信があった。カルシウム不足で、実際に歯が抜けた可能性はある。 till one one and one ten and one hundred again111。19世紀の歌「オフリン神父」(♬)のサビ‘Sláinte and sláinte and sláinte agin’のもじり。, O me and O ye!ドイツ語で‘O je!’は‘O dear!’(なんてこった!)。 cadet and primp.14に登場したキャディーとプリマス。, the hungray and anngreen英語の慣用句‘a hungry man is an angry man’より。現代英語では‘hangry’という造語もあるほど。「年配者と若者」を意味する‘gray and green’も。アイルランド語でeanは「水の」という意味なので、「水の緑」も。 (and if she is older now than her teeth she has hair that
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is younger than thighne, my dear!) she who shuttered him after his fall and waked him widowtwithoutとwidowの鞄語。 sparing and gave him keen and made him ableカインとアベル。アイルランドの泣歌keenも。 and held adazillahs旧約聖書「創世記」4:19の「レメクはふたりの妻をめとった。ひとりの名はアダといい、ひとりの名はチラといった」より。アダはヤバルとユバルの母でもある。ツツジ(azaleas)。バスク語でzilarは「銀」。また、「ゴジラ」も? to each arche of his noes古代ギリシア語でἀρχήは「始まり」。また、ラテン語でNoeは旧約聖書の「ノア」。したがって、「ノアの始まり」あるいは「鼻(nose)の始まり」。また、「ノエシス」も響く。, she who will not rastドイツ語でRastは「休息」、rastenは「休憩する」。英語のrest「休む」も響く。 her from her running to seek him till, with the help of the okeamic古代ギリシア語で「大洋」を意味するὠκεανόςのもじり。, some such time that she shall have been after hiding the crumbends of his enormousnessHC(H)E。 in the areyou lookingfor Pearlfar seaALP。ナボコフの『青白い炎』(Pale Fire。デンマーク語でperlemorは「真珠母」(しんじゅぼ)で、貝類が殻の外皮にまとう光沢物質のこと。ただ、ここではデンマーク語で「父」を意味するfarを使うことで「真珠父」に変わっている。, (ur, uri, uria!)バスク語でurは「水」、euriは「雨」、urreは「金」のこと。 stood forth, burnzburn the gorggonyバスク語でgorは「耳が聞こえない(人)」、goriは「赤く熱い」「熱烈な」、gogorは「固い」「丈夫な」。他に、英語の方言(主にスコットランド)でburnは「小川」のこと。ラテン語でgorgoniaは「サンゴ」、現代ギリシア語でγοργόναは「人魚」。 old danworld, in gogor’s name, for gagar’s sake, dragging the countryside in her trainジョン・バードン・サンダースン・ホールデンのエッセイ‘Daedalus; or, Science and the Future’の、以下の一節のもじり。‘Personally I do not regret the probable disappearance of the agricultural labourer in favour of the factory worker, who seems to me a higher type of person from most points of view. Human progress in historical time has been the progress of cities dragging a reluctant countryside in their wake. Synthetic food will substitute the flower garden and the factory for the dunghill and the slaughterhouse, and make the city at last self-sufficient’., finickin here and funickin there直前のthe countryside in her trainを踏まえると、「フニクラ鉄道」(funicular railway)を読み込める。ジョイスが1904年の歌唱コンテストに参加したときに歌った曲だが、初見歌唱の部に参加できず、惜しくも3位に終わった。「フィネガン」も響く。, with her louisequean’s broguesフランス語のスラングでLouisは「娼婦」のこと。ルイ15世(Louis Quinze)は、18世紀フランスの王。「ルイ15世様式」は、建築や内装に用いられるロココ様式の一種。古風な英語でqueanは「育ちの悪い女性」「娼婦」、アイルランド英語でbroguesは「大きな靴」あるいは「訛り」。 and her culunder buzzleカレンダー・パズル(色々な記念日の日付をめぐる問題や課題のこと)。また、フランス語でculは「尻」。英語でcolanderあるいはcullenderは「(料理用の)水切りボウル」、bustleは「バッスル」(ヒップラインを美しく見せるための腰当て)のこと。 and her little bolero boa音楽のリリビュレロとボレロ。また、衣服のボレロ。ポルトガル語でboaは女性形で「良い」。そこへ「ボア」(アナコンダなどを含むボア亜科の蛇の総称)もかかる。 and all and two times twenty curlicornies「2かける20個(=40個)の曲がった角」(フランス語でcorneは「角」「突起物」)。curlicueは、渦巻き飾りなど、円を駆使したデザイン様式のこと。 for her headdress, specks on her eyeuxドイツ語でSpeckは「ベーコン」、Eierは「卵」。フランス語でyeuxは「目」(œilの複数形)。, and spudds on horeilles英語でear-studsは「(ピアス式の)イアリング」、spudは「じゃがいも」。フランス語でoriellesは「耳」、morillesは「モレーユ」(菌類のアミガサタケ属)。 and a circusfix riding her Parisienne’s cocknezeパリジェンヌ。フランス語でnezは「鼻」のことで、日本語の「寝ず」も読み取りたくなる。ロンドン人およびロンドン訛りの呼び名cockneyも。, a vaunt her straddle from Equerry Egonバスク語でEguberriは「クリスマス」、egunは「日」。英語でequerryは「(王侯の)御馬番」「(王室の)侍従」。ラテン語でegoは「私」。古代ギリシア語でἀγώνは「競技」。エゴン・シーレ(Egon Schiele)も仄めかされているか。, when Tinktink in the churchclose clinked Steploajazzyma Sundayイースターの9週前の日曜日を‘Septuagesima Sunday’(70日目の日曜日)と呼ぶ(由来はラテン語で、イースターの60日以上70日以下前の日曜日であることから)。チェコ語でteplo a zimaは「暑さと寒さ」。ロシア語でтёплая зима(tyoplay zima)は「暑い冬」。, Sola,日本語の「空」。また、イタリア語でsolaは「独り」の女性形。 with pawns, prelates and pookas pelottingprelateはbishopやarchbishopを含む「高位聖職者」。したがって、チェスの「ポーン、ビショップ、ルーク」が並べられているか。また、アイルランド英語でpookaは妖精プーカのこと。バスクの球技ペロータ。 in her piecebag駒袋。また、古代アイルランドの詩‘The Tryst After Death’の以下の一節のもじり。‘The bag for its pieces,—’tis a marvel of a story—its rim is embroidered with gold; The master-smith has left a lock upon it which no ignorant person can open’(題名には「トリスタン」が響くか)。, for Handiman the Chomp, Esquoro,HCE。バスク語でhandiは「大きな」、euskaraは「バスク語」。 biskbaskフランス語でbisqueは「クリームスープ」あるいは「不機嫌」。また、ビスク・ドール(フランス語ではpoupée en biscuit)という陶磁器の人形も。‘bisque bisque rage!’は子どもが誰かを挑発するときに飛ばす野次。「バスク(語)」(Basque)も響く。他に、直後のヘビの仄めかしを踏まえると、「バジリスク」(basilisk)も響くか。, to crush the slander’s head.デンマーク語でslangeは「蛇」、ドイツ語のSchlangeも「蛇」。旧約聖書「創世記」3:14–15「主なる神はへびに言われた、「おまえは、この事を、したので、すべての家畜、野のすべての獣のうち、最ものろわれる。おまえは腹で、這いあるき、一生、ちりを食べるであろう。わたしは恨みをおく、おまえと女とのあいだに、 おまえのすえと女のすえとの間に。彼はおまえのかしらを砕き、おまえは彼のかかとを砕くであろう」」も。
Wery weeny wight古英語でwerは「男」「人間」。古風な英語でwightは「人間」あるいは「亡霊(のような超自然的存在)」。weenyは「ちっぽけな」。, plead for Morandmor!アイルランド語でmórán móは「さらにたくさん」、デンマーク語でmorは「母」、フランス語でmortは「死」。 Notre Dame de la Villeフランス語で「町の聖母」だが、先行の蛇のモチーフからはde la Villeに‘devil’も響く。また、17世紀のフランス語でvilleは特にパリを指すため、ヴィクトル・ユゴーの『ノートルダム・ド・パリ』(Notre-Dame de Paris, 1831)も響くか。, mercy of thy balmheartzyheat! Ogrowdnyk’sポーランド語でogrodnikは「庭師」のこと。19世紀にゲール文化復興運動を率いたユージーン・オグラウニーの名前がかかる。 beyond herbata tayハーブティー。ポーランド語でherbataは「お茶」、古代ギリシア語でἑρπετόνは「四足歩行の生物」あるいは「(爬虫類など)這うもの」。, wort of the drogist古風な英語でwortは「植物」、ドイツ語でWortは「言葉」。ポーランド語でdrogiは「貴重な」「親愛なる」の男性形。「薬剤師」(druggist)も。. Bulk him no bulkisポーランド語でbułkaは「ロールパン」のこと。他に、シバの女王の詩的別名Balqisも。. And let him rest, thou wayfarre英語の文語でwayfarerは「旅人」「徒歩旅行者」あるいは「短期宿泊客」。, and take no gravespoil「墓の土」(grave soil)に「台無しにする」(spoil)や「油」(oil)がかかっている。 from him! Neither mar his mound! The bane of Tut is on it.ツタンカーメン(Tut-ankh-amen)の呪い。 Ware! But there’s a little lady waiting and her name is A.L.P.ALP。ピエール・キー『ジョン・マコーマック伝——聴き書き』(John McCormack: His Own Life Story, 1918)第2章の書き出し(p.15)より。‘“I suppose Bishop Curley has been telling every secret of my past,” announced McCormack, as he came out of the house and over to where we sat on the veranda. He looked down at us, a twinkle lurking in the corners of his eyes, and put an arm on the shoulder of his old-time comrade. “Run on into the house, now, like the good man you are; there’s a little lady waiting, and her name’s Mrs. McCormack”’. 他に、20世紀初頭のアメリカの曲‘There’s a Mother Always Waiting’も。 And you’ll agree. She must be she. For her holden heirheaps hanging down her backアリス・リャマーが1894年に作曲したミュージック・ホールの歌‘And Her Golden Hair Was Hanging Down Her Back’(♬)のもじり。ドイツ語でholdは「優美な」「かわいい」。. He spenth his strenth amok haremscarems英語のスラングでharum-scarumsは「無謀な輩」。. Poppy Narancy, Giallia, Chlora, Marinka, Anileen, Parme虹の7色。ポピーは赤く、ハンガリー語でnarancsは「オレンジ」、イタリア語でgiallaは「黄色い」の女性形、古代ギリシア語でχλωρόςは「淡い緑色」「若々しい」、チェコ語でMarinkaはメアリーの別称(聖母マリアを象徴するウルトラマリンは「マリアン・ブルー」と呼ばれる)(現代だと2022年から2023年にかけてロシア軍を相手にウクライナ軍が戦った「マリンカの戦い」も)、チェコ語でmaminkaは「お母さん」。藍(あい、インディゴ)から得られた染料aniline(アニリン)、紫色(バイオレット)の花Parma violet(パルマスミレ)。. And ilk a those dames had her rainbow huemoures英語のhumoursに、「色」を意味するhueや、「愛」を意味するフランス語のamourが混じっている。また、古代ギリシア語でεὐήμεροςは「幸運な」「楽しい(日を過ごしている)」。 yet for whilko her whims古い英語(ないし方言)でwhilkはwhich。デンマーク語でhvilkenは「どの」(英語のwhichに相当)。英語のスラングでwhimもwhelkも「女性器」を意味する。 but he coinedフランス語でcoinは「隅」「角」「端」「目立たない場所」。古風な英語でcoinはquean「娼婦」の別綴り。 a cure. Tifftiff today, kissykissy tonay and agelong pineALP。ドイツ語でPeinは「苦痛」「苦悶」。 tomauranna古代ギリシア語でμαυρόωは「暗くする」「見えなくする」。「アンナ」(Anna)が隠れている。. Then who but Crippled-with-Children would speak up for Dropping-with-Sweat?旧約聖書「創世記」3:16–19より。「つぎに女に言われた、 「わたしはあなたの産みの苦しみを大いに増す。あなたは苦しんで子を産む。それでもなお、あなたは夫を慕い、 彼はあなたを治めるであろう」。更に人に言われた、「あなたが妻の言葉を聞いて、食べるなと、わたしが命じた木から取って食べたので、地はあなたのためにのろわれ、あなたは一生、苦しんで地から食物を取る。地はあなたのために、いばらとあざみとを生じ、あなたは野の草を食べるであろう。あなたは顔に汗してパンを食べ、ついに土に帰る、あなたは土から取られたのだから。あなたは、ちりだから、ちりに帰る」。
Sold him her lease of ninenineninetee,以下に続くのは、バビロン川のほとり(babalong = Babylon + along)に流れるALPの歌。第1巻第1章と第1巻第3章にも出てきた‘At Trinity Church I Met My Doom’(♬)のもじりになっている(ピーター・クリスプのブログ記事が詳しい)。
Tresses undresses so dyedyedaintee,イタロ・ズヴェーヴォの妻リヴィアのふさふさの髪(tresses)。ジョイスは「リフィー川は染料工場を通るので赤くなる」という話にも着想を得た(詳しくはリチャード・エルマンのJames Joyce, revised ed., p.561を参照)。
Goo, the groot gudgeonアイルランド英語でgooは「何もできない人」、オランダ語でgrootは「大きな」、英語でgudgeonは「騙されやすい人」。, gulped it all.
Hoo was the C.O.D.?
Bum!デンマーク語でbum!は、日本語の「ドッカーン!」「どたん!」にあたる擬音語。英語でbumは「お尻」。
Wery weeny wight古英語でwerは「男」「人間」。古風な英語でwightは「人間」あるいは「亡霊(のような超自然的存在)」。weenyは「ちっぽけな」。, plead for Morandmor!アイルランド語でmórán móは「さらにたくさん」、デンマーク語でmorは「母」、フランス語でmortは「死」。 Notre Dame de la Villeフランス語で「町の聖母」だが、先行の蛇のモチーフからはde la Villeに‘devil’も響く。また、17世紀のフランス語でvilleは特にパリを指すため、ヴィクトル・ユゴーの『ノートルダム・ド・パリ』(Notre-Dame de Paris, 1831)も響くか。, mercy of thy balmheartzyheat! Ogrowdnyk’sポーランド語でogrodnikは「庭師」のこと。19世紀にゲール文化復興運動を率いたユージーン・オグラウニーの名前がかかる。 beyond herbata tayハーブティー。ポーランド語でherbataは「お茶」、古代ギリシア語でἑρπετόνは「四足歩行の生物」あるいは「(爬虫類など)這うもの」。, wort of the drogist古風な英語でwortは「植物」、ドイツ語でWortは「言葉」。ポーランド語でdrogiは「貴重な」「親愛なる」の男性形。「薬剤師」(druggist)も。. Bulk him no bulkisポーランド語でbułkaは「ロールパン」のこと。他に、シバの女王の詩的別名Balqisも。. And let him rest, thou wayfarre英語の文語でwayfarerは「旅人」「徒歩旅行者」あるいは「短期宿泊客」。, and take no gravespoil「墓の土」(grave soil)に「台無しにする」(spoil)や「油」(oil)がかかっている。 from him! Neither mar his mound! The bane of Tut is on it.ツタンカーメン(Tut-ankh-amen)の呪い。 Ware! But there’s a little lady waiting and her name is A.L.P.ALP。ピエール・キー『ジョン・マコーマック伝——聴き書き』(John McCormack: His Own Life Story, 1918)第2章の書き出し(p.15)より。‘“I suppose Bishop Curley has been telling every secret of my past,” announced McCormack, as he came out of the house and over to where we sat on the veranda. He looked down at us, a twinkle lurking in the corners of his eyes, and put an arm on the shoulder of his old-time comrade. “Run on into the house, now, like the good man you are; there’s a little lady waiting, and her name’s Mrs. McCormack”’. 他に、20世紀初頭のアメリカの曲‘There’s a Mother Always Waiting’も。 And you’ll agree. She must be she. For her holden heirheaps hanging down her backアリス・リャマーが1894年に作曲したミュージック・ホールの歌‘And Her Golden Hair Was Hanging Down Her Back’(♬)のもじり。ドイツ語でholdは「優美な」「かわいい」。. He spenth his strenth amok haremscarems英語のスラングでharum-scarumsは「無謀な輩」。. Poppy Narancy, Giallia, Chlora, Marinka, Anileen, Parme虹の7色。ポピーは赤く、ハンガリー語でnarancsは「オレンジ」、イタリア語でgiallaは「黄色い」の女性形、古代ギリシア語でχλωρόςは「淡い緑色」「若々しい」、チェコ語でMarinkaはメアリーの別称(聖母マリアを象徴するウルトラマリンは「マリアン・ブルー」と呼ばれる)(現代だと2022年から2023年にかけてロシア軍を相手にウクライナ軍が戦った「マリンカの戦い」も)、チェコ語でmaminkaは「お母さん」。藍(あい、インディゴ)から得られた染料aniline(アニリン)、紫色(バイオレット)の花Parma violet(パルマスミレ)。. And ilk a those dames had her rainbow huemoures英語のhumoursに、「色」を意味するhueや、「愛」を意味するフランス語のamourが混じっている。また、古代ギリシア語でεὐήμεροςは「幸運な」「楽しい(日を過ごしている)」。 yet for whilko her whims古い英語(ないし方言)でwhilkはwhich。デンマーク語でhvilkenは「どの」(英語のwhichに相当)。英語のスラングでwhimもwhelkも「女性器」を意味する。 but he coinedフランス語でcoinは「隅」「角」「端」「目立たない場所」。古風な英語でcoinはquean「娼婦」の別綴り。 a cure. Tifftiff today, kissykissy tonay and agelong pineALP。ドイツ語でPeinは「苦痛」「苦悶」。 tomauranna古代ギリシア語でμαυρόωは「暗くする」「見えなくする」。「アンナ」(Anna)が隠れている。. Then who but Crippled-with-Children would speak up for Dropping-with-Sweat?旧約聖書「創世記」3:16–19より。「つぎに女に言われた、 「わたしはあなたの産みの苦しみを大いに増す。あなたは苦しんで子を産む。それでもなお、あなたは夫を慕い、 彼はあなたを治めるであろう」。更に人に言われた、「あなたが妻の言葉を聞いて、食べるなと、わたしが命じた木から取って食べたので、地はあなたのためにのろわれ、あなたは一生、苦しんで地から食物を取る。地はあなたのために、いばらとあざみとを生じ、あなたは野の草を食べるであろう。あなたは顔に汗してパンを食べ、ついに土に帰る、あなたは土から取られたのだから。あなたは、ちりだから、ちりに帰る」。
Sold him her lease of ninenineninetee,以下に続くのは、バビロン川のほとり(babalong = Babylon + along)に流れるALPの歌。第1巻第1章と第1巻第3章にも出てきた‘At Trinity Church I Met My Doom’(♬)のもじりになっている(ピーター・クリスプのブログ記事が詳しい)。
Tresses undresses so dyedyedaintee,イタロ・ズヴェーヴォの妻リヴィアのふさふさの髪(tresses)。ジョイスは「リフィー川は染料工場を通るので赤くなる」という話にも着想を得た(詳しくはリチャード・エルマンのJames Joyce, revised ed., p.561を参照)。
Goo, the groot gudgeonアイルランド英語でgooは「何もできない人」、オランダ語でgrootは「大きな」、英語でgudgeonは「騙されやすい人」。, gulped it all.
Hoo was the C.O.D.?
Bum!デンマーク語でbum!は、日本語の「ドッカーン!」「どたん!」にあたる擬音語。英語でbumは「お尻」。
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At Island Bridgeアイランド橋はリフィー川にかかる橋のひとつ。この橋を北側に渡るとフェニックス公園につきあたる(近くにウェリントン記念碑がある)。 she met her tide.
Attabom, attabom, attabombomboom!『若き芸術家の肖像』を1921年にスウェーデン語訳したエバ・アタボムのもじり。こうも訳者の名前がリズミカルに繰り返されると、「アタボム訳のリズムに合わせて!」というノリが生まれる。
The Fin had a flux19世紀に使われた赤痢の別名flux。主に腐った牛乳を飲むことでかかってしまった。なお、ドイツ語でFlutは「満潮」。 and his Ebba先述の翻訳家の他に、ドイツ語で「干潮」を意味するEbbeも。 a ride.
Attabom, attabom, attabombomboom!『若き芸術家の肖像』を1921年にスウェーデン語訳したエバ・アタボムのもじり。こうも訳者の名前がリズミカルに繰り返されると、「アタボム訳のリズムに合わせて!」というノリが生まれる。
We’re all up to the years in hues and cribies.be up to the ears inは「〜にひたっている」「〜で身動きできない」、hue and cryは「抗議(あるいは非難)の叫び」「公的な憤慨の嵐」という意味の慣用句。
That’s what she’s done for wee!
Woe!
Nomad may roam with Nabuch「夜の本」を意味するドイツ語の造語Nachtbuchの短縮形か。他に、フランス語で古代バビロニアの王ネブカドネザルの名前はNabuchodonosorとつづる。 but let naaman laugh at Jordan!パレスチナを流れる2つの川、ナアマンとヨルダン。また、旧約聖書「列王記・下」5:9–12の以下の箇所より。「ナアマンは馬と車とを従えてきて、エリシャの家の入口に立った。するとエリシャは彼に使者をつかわして言った、「あなたはヨルダンへ行って七たび身を洗いなさい。そうすれば、あなたの肉はもとにかえって清くなるでしょう」。しかしナアマンは怒って去り、そして言った、「わたしは、彼がきっとわたしのもとに出てきて立ち、その神、主の名を呼んで、その箇所の上に手を動かして、らい病をいやすのだろうと思った。ダマスコの川アバナとパルパルはイスラエルのすべての川水にまさるではないか。わたしはこれらの川に身を洗って清まることができないのであろうか」。こうして彼は身をめぐらし、怒って去った」。 For we, we have taken our sheet upon her stones where we have hanged our hearts in her trees;「石」(stones)と「木」(trees)、すなわちシェムとショーン。 and we list, as she bibs us,古風な英語でlistは「聴く」、bibは「(酒を)飲む」。bibには他に「よだけかけ(をつける)」という意味も。そこへ、このあとに続く第5章「ママフェスタ」の冒頭で提示される「リスト」や、古代ギリシア語で「本」を意味するβύβλοςがかかる。 by the waters of babalongバビロニア(Babylon)。英語でbabble alongは「とめどなく喋り続ける」。旧約聖書「詩篇」137:1–2「われらはバビロンの川のほとりにすわり、シオンを思い出して涙を流した。われらはその中のやなぎにわれらの琴をかけた」が仄めかされる。.
Attabom, attabom, attabombomboom!『若き芸術家の肖像』を1921年にスウェーデン語訳したエバ・アタボムのもじり。こうも訳者の名前がリズミカルに繰り返されると、「アタボム訳のリズムに合わせて!」というノリが生まれる。
The Fin had a flux19世紀に使われた赤痢の別名flux。主に腐った牛乳を飲むことでかかってしまった。なお、ドイツ語でFlutは「満潮」。 and his Ebba先述の翻訳家の他に、ドイツ語で「干潮」を意味するEbbeも。 a ride.
Attabom, attabom, attabombomboom!『若き芸術家の肖像』を1921年にスウェーデン語訳したエバ・アタボムのもじり。こうも訳者の名前がリズミカルに繰り返されると、「アタボム訳のリズムに合わせて!」というノリが生まれる。
We’re all up to the years in hues and cribies.be up to the ears inは「〜にひたっている」「〜で身動きできない」、hue and cryは「抗議(あるいは非難)の叫び」「公的な憤慨の嵐」という意味の慣用句。
That’s what she’s done for wee!
Woe!
Nomad may roam with Nabuch「夜の本」を意味するドイツ語の造語Nachtbuchの短縮形か。他に、フランス語で古代バビロニアの王ネブカドネザルの名前はNabuchodonosorとつづる。 but let naaman laugh at Jordan!パレスチナを流れる2つの川、ナアマンとヨルダン。また、旧約聖書「列王記・下」5:9–12の以下の箇所より。「ナアマンは馬と車とを従えてきて、エリシャの家の入口に立った。するとエリシャは彼に使者をつかわして言った、「あなたはヨルダンへ行って七たび身を洗いなさい。そうすれば、あなたの肉はもとにかえって清くなるでしょう」。しかしナアマンは怒って去り、そして言った、「わたしは、彼がきっとわたしのもとに出てきて立ち、その神、主の名を呼んで、その箇所の上に手を動かして、らい病をいやすのだろうと思った。ダマスコの川アバナとパルパルはイスラエルのすべての川水にまさるではないか。わたしはこれらの川に身を洗って清まることができないのであろうか」。こうして彼は身をめぐらし、怒って去った」。 For we, we have taken our sheet upon her stones where we have hanged our hearts in her trees;「石」(stones)と「木」(trees)、すなわちシェムとショーン。 and we list, as she bibs us,古風な英語でlistは「聴く」、bibは「(酒を)飲む」。bibには他に「よだけかけ(をつける)」という意味も。そこへ、このあとに続く第5章「ママフェスタ」の冒頭で提示される「リスト」や、古代ギリシア語で「本」を意味するβύβλοςがかかる。 by the waters of babalongバビロニア(Babylon)。英語でbabble alongは「とめどなく喋り続ける」。旧約聖書「詩篇」137:1–2「われらはバビロンの川のほとりにすわり、シオンを思い出して涙を流した。われらはその中のやなぎにわれらの琴をかけた」が仄めかされる。.
註作成 早川健治
校正 今関裕太